ゴリラじゃないからっ!   作:もぐら王国

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恋愛ゲーだ![終]

一緒に文化祭の材料の買い出しに行く日、二人は最寄りの駅前にある犬の銅像の前を集合地点にしていた。

当日、主人公は上は白いシャツと青のデニムジャケット、下はベージュのスカートで身を包み、緊張気味に集合地点に向かっていた。

 

リオ▽褒めてもらえるかな・・・

 

表情は硬い。新しい服がリーゼント君の眼にどう映るか不安だった。

しかし全てはリーゼント君を惚れさせるためである。会わないで逃げるなどという選択肢は無い。

頑張らなくてはいけない。

少し歩けば、やがて犬の銅像が視界に現れてその前に立つ黄色いリーゼントが特徴の少年が見えてきた。

チェックのシャツを着てるリーゼント君。

リーゼント君は今日もリーゼントが長い。テトリスの棒くらい長い。身長と共に日に日に成長していると本人は言う。現在リーゼントの先っぽで二匹のスズメが仲良く休憩している姿を見れば、リーゼントも伸びた甲斐があったというものだろう。

リーゼントしか勝たん。

 

「スズメ頭に乗せんのうらやまなんだけど」

 

俺もチュンチュンしてえええぇ~~~~

すずめ可愛い

フランスパン頭に生やせば解決するってマ?

鳩くるで

 

リオ▽おーい、リーゼントく~ん

リーゼント▽あ、リオちゃ・・・

 

リーゼント君は目を見開いた。手を振る主人公の姿は、リーゼント君の心中に衝撃を与えた。

 

リーゼント▽(ん゛き゛ゃ゛ぁ゛ き゛ゃ゛わ゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ お゛っ)

 

つい地元の言葉が出てしまった。主人公の姿はそれほどまでに可愛く映った。

普段は物静かで落ち着いた雰囲気の主人公が、垢抜けた可愛らしい服を着ることによって生まれる素晴らしきギャップを感じ取ったのだ。

 

リオ▽どうしたの・・・?

 

口を開けたまま固まるリーゼント君に、主人公が問いかけた。

不思議そうに首を傾ける主人公にリーゼント君は胸をときめかせざるを得ない。

感情の高ぶりが起こり、リーゼント君の頭の中で俳句が読まれる。

 

リーゼント

逆から読んでも

リーゼント

 

はーっいとおかし!!いとおかし!!

 

リオ▽リーゼント君?

リーゼント▽いや、なんでもない

リオ▽そう?

リーゼント▽それにしても可愛い服だね とてもよく似合ってるよ

リオ▽そうかな!?

リーゼント▽ああ、きみのセンスは素晴らしい

リオ▽そっかぁ、不安だったから良かったぁ

リーゼント▽自信をもっていいさ 例えばゴリラの服なんて着てこられてたらドン引きだったけどね 甲冑なんて来てたら俺はリーゼントを切り落とすよ

リオ▽ふふ、なにそれ そんな服着ないよ

 

リオ▽あ り え な い よ

 

「んなっ!このアマ!!! くそおぉっ!!!!」

 

煽られてんの草

口わっるwwww

ありえないってよwwww

 

「なんだよ、、ゴリラの筋肉はあんなにムキムキでかっこいいのに、、何が足りないって言うんだ、、」

 

品性じゃない?

常識じゃない?

センスじゃない?

知性じゃない?

 

「へ? 品性も常識もセンスも知性も筋肉の前では無意味だよ??」

 

圧 倒 的 脳 筋

これは頭が筋肉ですわ・・・

香しいポンの気配を感じる

\筋肉しか勝たん/

 

画面上では二人が並んで100円ショップへと歩いていく姿が映し出されていた。

 

残すは告白イベ。

 

 

 

後日、文化祭は無事に成功した。主人公のクラスが催したお化け屋敷もたくさん人が入って繁盛した。

主人公もリーゼント君もクラスの輪の中に入って、一緒に笑い合う。

そんな中、ふとリーゼント君が主人公に耳打ちした。

 

リーゼント▽あとで校舎裏に来て

リオ▽・・・え?

 

「果たし状じゃん」

 

告白だろ

告白すんだろ

告白させろよ

リオネキ好き

 

 

夜になると後夜祭が開かれた。

校庭に生徒たちが集まって、火を囲んで、みんなでフォークダンスを踊っている。楽しそうなはしゃぎ声が校庭に響いている。

しかしそこに主人公の姿は無い。

主人公は校舎裏にいた。

校舎裏は建物の影になっていて薄暗い。遠くから聞こえてくる陽気な声が、広がる静けさを際立たせている。

主人公は緊張した面持ちを浮かべていた。

向かいには、同じように顔を強張らせるリーゼント君がいた。

 

「くるぞくるぞっ~ 待ち望んだ瞬間が来るぞ~」

 

ざわ・・・ざわ・・・

こいっ

山場が来る・・・

いけ

 

リーゼント君が口を開いた。

 

リーゼント▽あの、

リオ▽う、うん

リーゼント▽俺、気付いたらリオのことが好きになってて・・・

リオ▽ふぇ

リーゼント▽良かったらその、、

リオ▽・・・その?

 

 

リーゼント▽俺と付き合ってください!!

 

 

リオ▽はい、こちらこそ!

 

 

「えんだあああああああああああ」

 

いやあああああああ

きたああああ

やたあああああああああ

勝ったああああああああああ

 

こうして二人は結ばれた。

恥ずかしそうに俯く二人を、後夜祭の空に打ちあがった花火が明るく照らしていた。

 

 

 

 

「いや~ わりとどうにかなったね~」

 

しっかりとしたクソゲーだった

メルカリでも売れなさそう

他ルートもやれ

懲役2時間

 

「まあまあ楽しかったね 二度とやらんけど」

 

 

 

画面上には二人のその後が描かれていく。

 

「お、エピローグもあるんだね」

 

主人公とリーゼント君はいろいろな場所へデートに行った。

 

水族館に行ったり、動物園に行ったり、植物園に行ったり・・・

 

「生き物好きすぎだろ」

 

wwwww

生 き 物 の 鑑

 

勿論学校でも仲がいい。

休み時間などは一緒に廊下を歩いて、次の授業の教室まで移動する。

 

目の前から恰幅のいい50代後半の男性が歩いてきた。校長先生である。校長先生は主人公の隣を歩くリーゼント君を見付けると、立ち止まってうっとりした顔で眺めた。

 

リーゼント▽なんだ

リオ▽早くいこ

 

二人が校長先生の様子を訝しんでコソコソ話していると、校長先生がリーゼント君に向かってタックルを放ってきた。

中腰で迫る初老の校長。固まるリーゼント。ぶつかる体。

リーゼント君はあっという間に身体に両手を回され、捕まった。そのまま体を浮かせられた状態で校長が駆け抜ければ、後には主人公一人がぽつんと残った。

 

リーゼント君が攫われた。

校長に!

攫われた!

 

「皆、残念お知らせがあります」

 

はい

なんでしょう

どうされましたか

聞きたくないです

 

「第 二 章 開 幕 で す」

 

勘 弁 し て く だ さ い

懲役伸びて草も生えない

早く解放してくれ

俺たちは善良な人間だぞ!

デモっちゃうぞ☆

 

 

主人公はすぐさま連れ去られたリーゼント君の後を追った。

事情など何も分かっていない。ただ愛する人が連れ去られたとあれば追うのは当然のことである。配管工のおっさんもしょっちゅう連れ去られる姫を追っている。待っててねリーゼント姫えええ。

校長室の前までやって来た。遠目では校長とリーゼント君が校長室に入っていくのが見えていた。

早速扉に手を伸ばす。

しかし、その手は途中で止まった。

中からなにやら音が聞こえてきたのである。物音ではない、確実に人の声である。

しかもそれは実に艶めかしい。

 

???▽んあああっ んあああああっ

 

扉の先から喘ぎ声が聞こえてくる!

 

・開ける

・開けない

 

「やめてくれ! BANさせないでくれ! これ以上私を苦しめないでくれぇ!!」

 

まさかエロいシーンが来るのか!?

クソゲーが神ゲーになる瞬間見れる!?

R指定は言ってないから大丈夫でしょ(全裸待機)

お^^クソゲーやってんねえ^^

 

「もうやめよう 今ならやり直せる 何もなかった世界に戻ろう」

 

止まらねえからよ

ここで終わったら低評価爆発花火上げるわ

止まっちゃダメ♡

大丈夫!ちょっとだけ!ちょっとだけだから!

お前で隠せ

 

「分かった様子見しよ だめならすぐ配信停止してPCを神社でお焚き上げしてもらって私も滝に打たれてくる」

 

それでいい

最高じゃないか

よいですね

英 断

 

 

”開ける”が選択された。

 

主人公は意を決して扉に手をかけた。

重い校長室の扉が音を立てて開く。

 

きいいいいいいい

 

開いた扉の先に待っていたのは・・・

 

四つん這いのリーゼント君のリーゼントを撫でる校長と、その皺だらけの手に興奮して顔を赤くしてるリーゼント君だった。

 

リーゼント▽はぁ はぁ もっと、もっとしてワン!

校長▽おーーーよしよしよし よしよしよし

リーゼント▽ワンワン!

校長▽リ゛ー゛ゼ゛ン゛ト゛は゛可゛愛゛い゛な゛ぁ゛

 

「う゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」

 

良かったな!BANじゃないぞ!

これは濃密なリーゼントプレイ

えっちだねえ^^

リーゼント最高!

これはKENZEN!!

 

「健全なわけあるか!この世の灰汁の塊みたいな現場じゃないか!」

 

きいいいいいいい

 

主人公は後ろ手に扉を閉めた。

その顔は主人公の人生史上最も強く引きつっている。ゴキブリの交尾を見た時よりも皺を寄せてゴミを見る視線を送った。

 

リーゼント▽はっ!? リオちゃん!? 違うんだ! 俺はただ性感帯のリーゼントを撫でられたからこうなってしまっただけで!!

リオ▽(じーーーーー)

リーゼント▽不可抗力なんだ!!!!信じてくれええええ んああああっ

 

校長▽ぐははははは どうだ、リーゼントは我が手中に収めてやったわ!

 

校長は大きな口を開けて高らかに笑った。

主人公には校長の意図がまるで分からない。

なぜ、リーゼント君のリーゼント君がリーゼント君されているのか。

なぜ、リーゼント君はおとなしくリーゼント君されているのか。

なぜ、リーゼントはここまでリーゼントリーゼントしてしるのか。宇宙か。神秘か。アーメン。

souディスティニィィィィィ!!!!

 

校長▽わしはリーゼントがたまらなくリーゼントが大好きなのだ!恋してると言っても良い!

リオ▽は?私の恋人ですけどそのリーゼント!

校長▽いいやこのリーゼントは私のものだ!恋人だ!愛してる!なでなで!!!!

リーゼント▽ワンワン!!!!

 

校長には校則に縛られて自由を謳歌できなかった悲しい過去があった。

本当は校長も学生時代にリーゼントにしたかったのだ。しかし校長が通っていた学校は私立の良いとこの学校であり、したがって校則は法律並みの鉄壁を誇り、崩すのは不可能だった。

ゆえに、リーゼントへの、あこがれが強し!

その憧れが一周回ってねじ曲がって愛しているに変換されれしまったのだ。

可哀想な校長先生である。

 

リオ▽とにかくそのリーゼント返してください

 

しかし校長先生はとにかくリーゼントを手元に置きたがった。

 

校長▽駄目に決まっている

リオ▽返してください!使い道ないじゃないですか!

校長▽わしがこの学校にリーゼント一生を閉じ込めて、わしがずーーっと愛でるのだ!!!

リオ▽はあ?

校長▽つまりわしがいる限り、リーゼントはこの学校から卒業できない!!

リオ▽なっ!?

 

主人公は驚いた。

リーゼント君と一緒に卒業しようと、観覧車に乗って夕日を見つめながらともに約束したのである。それがふざけたおやじの我儘により妨げられようとしている。

そのような暴挙、許すわけにはいかない。

 

リオ▽校長の好きにはさせません

校長▽がはははh わしはこの学校で一番偉いのだ わしの自由に決まっているだろう

リオ▽待ってろよ・・・

 

主人公はリーゼントを何としてでも取り返すと誓った。

体の横に降ろされている拳が強く握られていた。

 

 

 

 

「これってもしかして噂の胸熱展開??」

 

どちらかというと胸やけ

校長特殊過ぎて草

持てるリーゼントは大変だなー(白目)

校長ぶっ飛ばせばENDだね

 

「まじか」

 

 

 

その日の放課後から、主人公は早速情報収集に奔走した。

校長の権力が強いのは確かだ。今のままではどうにもできない。ならば権力を失わせればいい。

ゆえに失脚を狙う。

校長を貶めるための情報を求めて、主人公はあちこち調査する。

しかし、それは思ったよりも困窮した。

リーゼント所属の水泳部の筋肉馬鹿に校長の良くない話を聞けば、”大胸筋の鍛えが甘い”という記憶メモリーを圧迫するだけのごみ情報が提供され、担任の先生に尋ねれば、”最近はNowTuberへの転職を目指している”というナウでヤングでやはり役に立たない情報しか手に入らなかった。

しかしそんな中でも、主人公の友達のユウコだけは、有力な情報を主人公にもたらしてくれた。

それは一見校長と関係ないようだったが・・・

 

優子▽最近パンツが盗まれる事件が増えてるんだって・・・

リオ▽あれ?前はリコーダーだったよね?

優子▽うん、次はパンツみたい

リオ▽気持ち悪いね

優子▽ね しかも犯人を校舎裏の茂みで見たって人が言うには、50代後半の太ったおっさんで小さく”リーゼント is ゴッド! リーゼント is ゴッド!”って言ってるんだって

リオ▽ほんとに!?

優子▽きもいよね

リオ▽うん!きもい!

 

点と点が繋がった。

 

主人公はすぐさま校舎裏の茂みにカメラを設置して、自身も建物の影から顔だけ出して、隠れて様子をうかがっていた。

優子の話が正しければ、やがてここに校長が現れる。

主人公はじーっと視線を送り続ける。いつ現れるとも分からない。見過ごすわけにはいかなかった。

しかし、校長はなかなか現れなかった。

時だけが過ぎる。

陽は随分と傾き、やがて夕方ごろ。

件の校長先生がついにその姿を現した。

主人公は目を見開いた。

 

校長は頭にパンツを被り、リコーダーを吹いていた!

 

校長▽ミケちゃん~ おいで~~~

 

ぴろろろろ~~~♪

 

猫を呼んでいた!

 

リオ▽!?

 

「おいおいおいおい」

 

とんだ変態じゃねえかwwww

レベルが段チ

こいつはただもんじゃねえや^^

さあ絞め殺せ!パンチパンチ!

 

校長が頭にパンツを被る理由。それは猫をおびき寄せるためであった。

校長は初老により既に頭皮から隠しようもない華麗なる臭いを、加齢臭を漂わせてしまっている。これがミケちゃんには気にくわないらしい。校長の姿を見つけても逃げて行ってしまうのだ。

そこで校長が考えたのは臭いをカモフラージュすること。

パンツを頭にかぶることで、加齢臭を全く別のモノへと昇華するのだ。

さらにリコーダー。ミケちゃんはリコーダーの音が好き。ぴゃー♪と出せば猫の鳴き声と勘違いして寄ってくるのだ。

 

ぴゃああああ~~♪

 

校長がたくみにリコーダーを吹いた。

 

するとミケちゃんが茂みから現れ校長に近寄って来た。

 

校長▽ミケちゅわあああああああんんn

 

校長がミケちゃんに飛びつき、ミケちゃんはその腕をするりととびぬけ、またどこかへ行ってしまった。

またその一連の奇行は、主人公の仕掛けた隠しカメラに収められていた。

 

リオ▽これで勝てる

 

 

後日、全校集会が体育館で開かれた。

目的は、学校で頻繁に発生しているリコーダーとパンツの盗難についてである。

全校生徒は体育館にいくつもの列を作ってズラリと座っている。

その前に立った学級主任の先生が、マイク越しに皆に問いかけた。

 

主任▽リコーダー及びパンツを盗んだ生徒!正直に名乗り出なさい!今なら怒らないから!

 

しかし誰も名乗り出なかった。

当然である。

犯人は生徒では無く、校長なのだから。

 

主人公は突然立ち上がった。一斉に集まる生徒たちの視線を無視して、声高らかに言った。

 

リオ▽私は犯人を知っています!

主任▽なに!?

 

学級主任だけではない。生徒たちも驚いて一斉に騒ぎだす。体育館の横で他の先生と共に立つ校長も、別の意味で冷や汗をかいていた。

 

主任▽それで、犯人は誰なんだ!

リオ▽それはこの人です!

 

主人公がそう言うと、体育館のステージ上に普段は天井に固定されている大きなスクリーンが下りてきて、次いでプロジェクターによってある映像が表示された。

ミケちゃんをおびき寄せる校長の姿である。

主任が口を開けて驚く。

全校生徒が騒ぎ出す。

校長ががたがた震える。

 

主人公がきっぱりと言った。

 

リオ▽犯人は校長先生だったのです!!!

校長▽き゛に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

 

 

 

後日、校長先生は学校から追放され、リーゼント君は主人公の恋人へ戻った。

 

リーゼント▽ありがとう 君のおかげで俺は正気に戻れた

リオ▽別に何もしてないよ

リーゼント▽いや、何か恩返しがしたい そうだリーゼントをあげよう 俺のリーゼントは着脱可能なんだ!!!

 

今 日 か ら 君 も リ ー ゼ ン ト ! 

 

 

「やったな」

 

や っ た ね

良かったなー(棒読み)

良い話だった

うーん、この

 

 

 

 




ウェ
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