ワード[スリーサイズを教えてください] [Am i rice cake?][zyよん歳になりました。祝ってください][パンT!][団子のつくり方を教えてほしいにゃん]
リオは自分と武士の操作するアバターが溺れ死んだのを見て我に返った。
「ぬおおおおおお 死んだのかあ 死んでしまったのかああああ嗚呼!」
何か聞こえるがそれよりも、さっきまで自分はとんでもない事を言っていたかもしれないという気がした。
しかし思い起こそうとすると、全身から冷たい汗が出てきて身体が考える事を全力で拒絶するので、リオは気にするのをやめた。
2人とも死んでしまったので、画面は一旦タイトル画面に戻った。
「悔しいのお・・・悔しいのお・・・」
「気を取り直してもう一回行こう」
「うむっ!」
あれは悪い夢だったんだ
何もなかったよ
おかえり
武士の威勢の良い返事を合図に、リオは再びゲームを開始した。コメントは本能で見るのを避けた。
画面には再び大きなマップが表示され、二人はスタート地点を決める。
「あっちの小屋とかどうかな」
「学校があるではないかああ」
「向こうの小屋もよさそうだな」
「学校があるではないかあああああ」」
「ほらk「学校があるではないかああああああ」」
「ハイ、ガッコウデスネー^^」
リオが・・・負けた!?
言葉は曲げねえ!
これが武士道だ
いいえ、わがままです
リオは苦笑いを浮かべながら、武士に押し切られる形でスタート地点を学校に定めた。
しかし学校は序盤の激戦区の一つである。学校にはたくさんのアイテムが落ちているのだが、それを狙ってたくさんの人がスタート地点に選ぶ。そして狭くて入り組んだ校舎の中で、血みどろのアイテム争奪戦が行われるのである。
リオもそれは知っていたので、できれば学校には行きたくなかった。
そのうちに2人のアバターが学校の校庭に現れた。
早速周囲に警戒をしながら、リオは武士に言った。
「ここから一旦別行動して、アイテムが集まったらここに合流でどう?」
リオはマップに目印を示した。
「異議なしっ!」
「じゃあまた」
会話の後に2人は駆け出して、別々の入り口から校舎へと侵入する。
周囲からたくさんの足音と銃声が聞こえることから、既にここが戦場と化していることが伺える。
「ぎゃああああ」と時折、野太い悲鳴も響いている気がするが、リオはとりあえず聞こえないことにする。
ただの鳥だろ
なんでアバター男なんだ?
そういえばそうだわww
違和感がなかった
視聴者の誰かが口にしたことにより疑問の輪が広がり、次々とコメントが流れた。
このゲームでは確かに「女」を操作することも可能である。しかしリオは確固たる意志で「男」を操作していた。
「だって男の方がムキムキじゃん!」
だと思ったww
ゴリラの本能ですね分かります
性別<筋肉
リオは筋肉に釣られた。このゲームでは女は細マッチョ、対して男はゴリマッチョなのである!
そうこうしているうちに、リオは着々とアイテムを集めていた。
ショットガンやスナイパーライフル、グレネード等・・・。
リオはある程度アイテムが集まったので、合流地点に向かうことにする。
「武士、生きてる?」
「昇天間近」
武士の悲痛な叫びだった。
「どこにいんの?」
「・・・後ろだああああああああああ」
「ひいいっ!?」
!?
ホラー映画かな?
びびった声すこ
可愛い
ゾンビ武士の急な大声に驚いたリオは、悲鳴を上げながら後ろを振り向く。
そこには、匍匐前進でリオに近寄る瀕死の武士がいた。
「・・・」
リオは死んだ目で見下ろすと、持っていたハンドガンを無言で構える。
\バンッ バンッ バンッ/
「ああ、やめろ! やめて! 死ぬう! 死んじゃう! ごめんなさい! 助けてください!」
武士は普段の口調も忘れ、必死に懇願した。リオがようやく射撃を止めたころには、武士のライフはほぼゼロとなっていた。
リオは瀕死の武士に近づくと、応急手当を施す。武士は息を吹き返した。
「いや~ありがたき」
「次やったら、頭だから」
「・・・肝に銘じよう」
声ひっく
ビビり武士草
かっけえ
処せ
リオの冷たい声に、武士は顔を引きつらせていた。
「それでアイテム集まった?」
「うむ! フライパンに鎌にグレネード!」
「銃は?」
「うむ 途中で見つけたぞ しかし拾わなかった!」
「なんで」
「某が武士だからだ!!武士たるもの、刀以外を使うなど言語道断!」
武士は堂々と言い放った。武士のあまりの頓珍漢な主張に数秒間フリーズし、リオは理解するのを放棄した。
「・・・ちなみに訊くけどグレネードは?」
リオは呆れながらに尋ねた。
「爆発はかっこいいからいいのだ!!」
また意味のわかないことを言う。しかしこの瞬間、リオはある考えを思いついた。
この状況を楽しむことができる名案である。是非ともやりたい!
その考えを実行に移すために、リオは再び質問を重ねる。
「どんなところが?」
「あの音がまたいいな!!」
\パンッ/
リオが足元の地面を撃った。
「破裂音もカッコイイヨネ」
リオは先ほどまでの呆れた口調とは違い、感情のこもらない声で呟いた。
まずい
これはしょうがない
こいつほんまに、、
ざわつくコメント欄をよそに、リオは余分に持っていた銃を武士の足元に放り投げた。
「あげる」
リオが囁く。視聴者は息をのんだ。空気が変わった。2人が戦場に立っているのは事実だが、それとは別の緊張感が2人を包み込んでいるのを感じたのだ。
武士もその空気を感じ取り、次にリオが静かにキレていることを悟った。
しかし武士を語った手前、拾うわけにはいかなかった。
「ア・・・アンナ トコロ ニ フライパン ガ・・・」
武士が隣の教室へ避難しようとした。
\パンッ パンッ/
リオは無言で地面を2発撃った。
武士はその音を聞くと、急いでリオの前に戻り銃を拾った。
「いいこだ」
「すみませんでした」
怖ッ
ガチギレじゃん
惚れた
録音した
↑天才
リオが静かに囁いた。武士は背中に冷たい風のようなものが走るのを感じ、全身に鳥肌を立てた。
「・・・ふふっww ふふふふwww ふははははwwwww」
!?
なんだ?
リオが壊れた
凍り付いていた空気にリオの笑い声が響いた。リオはPCの前で、身体をくの字に折り曲げて笑っていた。
「んんっ?」
「ごめんwww 怒ってない、全然怒ってないよ こんなことで怒らないよww」
「なっ・・・!」
「映画の1シーンみたいでかっこよかったでしょ?ちょっとやってみたくなっちゃったんだ」
リオは途中から、思いついた一連の流れを実行するために役になりきってるに過ぎなかった。しかし思いの外、ガチな空気となってしまった。
リオは思い描いたシーンが実現できたことと、うろたえる武士の様子が見れたことで思わず笑ってしまったのだった。
「あ、でも驚かすのは禁止ね ホラーマジ無理だから」
「(怖かった・・・)」
怖かった
演技力高杉
リオは底が知れない
武士はこっそり安堵した。
リオは映画が結構好きだ。