ゴリラじゃないからっ!   作:もぐら王国

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RUBGだ! [3]

ワード[スリーサイズを教えてください] [Am i rice cake?][zyよん歳になりました。祝ってください][パンT!][団子のつくり方を教えてほしいにゃん]

 

ちょっとした茶番を終えた2人は、まだ拾える物があるかもしれないと学校の中を探すことにした。そうして2人が廊下を歩いていると、突然背後から銃声が鳴り響き、ついでリオと武士の間を銃弾が通過していった。

 

「「!?」」

 

2人が驚いて振り返るとそこには、こちらにアサルトライフルを構えるアバターがいた。

この狭い廊下で立ち止まり、アサルトライフルに応戦したところでハチの巣にされるのがオチである。

2人は前を向き、飛んでくる銃弾が当たらないことを祈りながら走り続けるしかなかった。

視線を前に向ければ、残念ながらそこにあるのは廊下の突き当りである。しかし丁度良くその左右両側、廊下を挟んだ形でそれぞれに個室があった。

 

向かえ撃つことが出来れば有利なはず!!

 

リオは瞬時にそう思った。

そうして飛び込むようにしてリオは右の個室へ、武士は反対に左の個室へと入った。

リオはそのまま直ぐに、後ろから来るであろう敵に備えて武器選択画面を開いてショットガンを手に持った。

次の瞬間、銃声が鳴った。

背後からでは無く、斜め前方からだった。

リオは驚いて素早く武器選択画面を戻す。すると、今までその画面に隠されていた部屋の隅に、こちらに銃を構えているアバターがいた。

リオはてんぱっていて気付いていなかったのだが、この部屋には既に他のプレイヤーが待ち伏せていたのである。

幸いなことに頭は打ち抜かれなかった。さらにそのアバターが持っていたのはハンドガンで、リオが手にしているショットガンよりは威力が低い。

2人は激しい撃ち合いを始めた。

リオは近距離のために浴びるように銃弾をもらう。それでも何とか命中させたショットガンの一発は、さらにその上をいった。

 

お見事

リオは出来る子

かっこいい

ないすう!

ゴリラの豪運

 

ライフを辛うじて残しながら、リオは何とか勝利を収めた。

その時、今度こそ背後から銃声が聞こえた。武士の入った左の個室からだった。

 

左の個室に飛び込んだ武士は、リオと離れ離れになったことに後悔していた。

なぜなら武士は、、

 

(これどうやって撃つのだ)

 

銃の使い方が分からないからである。

というのも武士は今までRUBGをやる中で、<自称>武士の矜持により銃を一切使わず、グレネードとフライパンを手に戦場を駆け回るバトルコックマンと化していた。(その異様な戦闘スタイルは「侍縛り」と称され、他のVtuberにネタにされていたりする)

リオからもらった銃は、武士にとってはただのかっこいい鉄くずである。

そのため武士が今この状況で出来ることは、小さくうずくまり敵がこの部屋に入ってこないのを祈ることだけ。

武士はフライパンをお守りに、早まる心拍の音を聞いていた。

すると突然、隣の部屋から銃声が聞こえた。リオが入った部屋である。

 

(これは不幸中の幸い! リオが先ほどの敵と交戦しておるな!! どうか頑張ってくれええええ!!!)

 

武士は己の惨めさを噛みしめながら、心の中で応援した。

しばらく激しい銃声が鳴り響き、そのうちに聞こえなくなった。

武士は、リオが勝利の福音を告げる女神となって颯爽とこの部屋に現れることを期待して待っていた。しかし一向に現れる気配がない。

武士は仕方なく、隣の部屋の様子を見に行くことにした。

立ち上がり扉に近づく。次の瞬間、扉が開いた。

アバター。リオではない。

現れたのは先ほどの敵、すなわち絶望を告げる悪魔であった。

 

「ぬう!?」

 

武士を見るや否や、敵はすぐさまアサルトライフルを構える。

武士がフライパンを盾にするのと、敵が銃弾を発射するのはほぼ同時だった。

恐ろしい速度で放たれた銃弾。しかしながらその何発かは、フライパンが甲高い音をたててはじき返した。

バトルコックマンの名は伊達ではない。

しかしながら銃弾は何発かもらっていた。残り一発でお陀仏である。

相手は今リロードを終えた。向けられた銃口にとうとう死を覚悟した。その時、重たい発砲音が響いた。同時に敵がこちらに吹っ飛んできて、壁にびたーんっ!ライフゲージが0になった。

武士の目の前に立っていたのは、ショットガンをぶっ放した時雨リオだった。

彼女は仲間を窮地から救った。まさしくそれは映画の1シーン。とすれば次に待つのはかっこいい決め台詞である。

 

いざ、満を持して!!

 

「Am i rice cake?(キリッ」

 

武士の頭は混乱した。

リオの頭も混乱していた。

コメント欄は爆笑していた。

 

wwww

www

や っ た ぜ

\私はお餅ですか?/

ゴ リ ラ 語

ごめんね

 

(ぐにゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛っ゛!!)

 

リオは心に深刻なダメージを受けた。心が血反吐を吐いていた。

もちろんこれは本心ではない。この場面は、某段ボール大好き蛇マンのようなかっこいい決め台詞を言いたかった。

そうすれば、今頃は素晴らしい快感を味わっているはずだったのだ。だがワードがそれを許さなかった。

リオは未だ状況を掴めていない武士を利用して、せめてもの慰めを行う。

 

「今のはウクライナ語だよ <待たせたなっ!>って意味さ」

「そうなのか! だが少し英語っぽく聞k」

「ウクライナ語の特徴だ!」

「そうか! かっこいいな!リオは物知りなのだな!!」

「・・・だろ」

 

英語です(直球)

リ゛オ゛ち゛ゃ゛ん゛か゛わ゛い゛い゛な゛ぁ゛

かっこいいな!(白目)

よう頑張った

 

リオは悲しそうに笑った。

 

ピンチから生還した二人だったが、すぐ側に次なる試練が近づいていた。

安全地帯の縮小である。

これはプレイヤーが広大なフィールドに散らばったままでいつまでたっても勝負にならないといった事態を失くす為に、フィールド全体を覆っていた円状の安全地帯が、一定時間ごとにマップの一か所を目指して強制的に縮小していくというものである。

そうして”安全地帯”の外側で起こるのは、上空からの無作為なミサイル爆撃である。地面に落下したミサイルはそのまま爆発して、巻き込まれたプレイヤーは一瞬で塵となる。そして二人が今いる学校は、縮小によりもうすぐ安全地帯から外れる。

2人が生き残るには、もはや一刻の猶予もなかった。

2人は急いで学校から出ると、周囲に乗り物がないかを探す。徒歩で走ったとしても、到底縮小速度には追いつけないためである。

しかし、それは他のプレイヤーとて当然同じ。既に周囲には乗り物は全く残されていなかった。

それでも、諦めるわけにはいかないと2人は必死に乗り物を探した。

捜索は難航した。

時間をかけた末にとうとう2人乗りのバイクを見つけが、その頃には2人のいる地点は安全地帯からは完全に外れていて、今にも爆撃が行われようとしていた。

 

「迷惑をかけた故、某に任せていただきたい」

 

との言葉により、運転は武士が受け持つこととなった。武士が運転席へ、リオはその後部座席に腰を降ろした。

 

「ゆくぞ!!」

 

目的地は安全地帯の中にある住宅地。武士がアクセルを踏んで、バイクを走らせた。

そのすぐ後、先ほどまでバイクが止まっていた場所が爆発した。

 

「ぬう!?」

「危なっ!!

 

リオと武士は顔を引きつらせた。

 

セーフ

ピンポイントだなww

逃げろおおお

そういえばリオって悪運やばくなかった

↑メリカの悪夢

 

コメントの通り、リオは悪運が強かった。それはもう尋常ではない程に。今までも初回の配信や、メリカ配信でその実力を遺憾なく発揮してきた。

そしてそれは今回もまた発揮される。

リオはミサイルを引き寄せる女となった。

 

「何でえええええええ」

「やばいのおおおおお!激やばだのおおおお!!」

 

リオは驚愕していた。武士は興奮していた。

ミサイルがまるで狙いすましたかのように、リオ目掛けて投下されるのである。それは嫌に正確で、バイクが通った道はもれなく爆発し更地になる。

今やバイクは、常に爆発を背にして走っていた。少しでもバイクの速度を緩めたら、人型スクラップの完成である。

 

「絶対止めないでええええええええ」

「分かっておるわいいいいいい」

 

地獄で草

ミサイルに好かれるゴリラ

特撮映画で草

綺麗ですね(白目)

 

風を切って二人は走る。武士に出来ることはとにかく全速力で走り続ける事だった。

しかし敵はミサイルだけではなかった。前方に崖が現れた。

 

崖だああああああ

詰んだあああああ

死んだああああああ

 

コメント欄は阿鼻叫喚である。

本来崖は回り込めば、どこかに道が続いていて向こう岸に渡れるのだが、2人にそんな猶予はもちろん存在しない。

絶体絶命であった。

 

「崖じゃあああああ川じゃああああ戦じゃああああああ」

「無理無理無理無理無理!!!」

「しかし飛ばずばなるまいよ」

「嘘でしょ!嘘だよね!?」

「飛べずとも 飛ぶしかないぞ ホトトギスう゛う゛う゛う゛」

「た゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

飛んだあああああ

フェニックス!イッツァフェニックス!

びゃあああああ

やばいやばいやばいやばい

 

岸までの道のりが昇り坂になっていたことを利用して、2人を乗せたフルスロットルバイクは見事に空を飛んだ。

爆発を後方に携えて太陽にかぶさり輝く様は、まさにフェニックスである。

 

「ここからさらに回るのだああああああ」

「なんでだあああああああああああ」

 

ただのかっこつけである。

武士は空中でバイクを一回転させようと試みた。散々な目にあって可哀想なバイクは何とか一回転をした。

しかし着地地点への入射角がほぼ45度であり、前方に倒れるかどうかの瀬戸際であった。

 

「落ちるぞおおおおおおお」

「頑張ればいくうううううう」

 

いけえええええ

ほ〇だのばいくううううう

生きろおおおおお

 

バイクは車体を身長分跳ねさせて、木に激突し、見事小高い茂みの丘に着地した。

 

きたあああああああ

偉い

ないすう!

生きてた嗚呼ああ

 

しかし落ち着いてはいられない。未だ迫りくる安全地帯縮小ラインから早々に逃げなくてはならない。2人はバイクを降りて、ギリギリ安全地帯に収まる場所であるすぐそばの小屋を目指すことにした。

武士とリオが一歩目を踏み出す。

すると銃弾が飛んできた。

 

「なぬう!?」

「次は何だよ!」

 

二人が銃声のした方向を見ればそこには、たくさん生える木々の1つから顔だけ出してこちらを狙う敵の姿が見えた。

 

「ああ、もう うっとうしい!」

 

そう吐き捨てて、リオもその木に向かい合うように生えている木の裏に素早く回り込んだ。

そうしてショットガンを装備した。

武士も近くの木の裏に隠れながら、ひょこひょこと顔だけを出している。

相手を煽るようなその行為に、敵はやたらと武士を狙って銃弾を放っていた。

しかし、武士は銃など撃てない。武士はただの囮である。

リオは焦る気持ちを抑えながら、冷静な目で状況を見ていた。

 

(撃て!撃て!)

 

リオの気持ちに応えるように、敵は銃弾を消費する。そうしてとうとう弾切れの時が来た。

銃声が止む。

リオはすかさず前方に走り込み、木の裏でリロードしていた敵の頭を撃ち抜いた。

 

「仕留めた!」

「ナイスぞ!!」

 

ないすうっ!

囮うめえなwww

ワニワニパニックの中の人

ひょこひょこ侍

 

二人は迫りくる安全地帯縮小ラインを背にして、小屋の中にギリギリで滑り込んだ。

二人はようやく落ち着いた。

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