ゴリラじゃないからっ!   作:もぐら王国

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RUBGだ! [4]

ワード[スリーサイズを教えてください] [Am i rice cake?][zyよん歳になりました。祝ってください][パンT!][団子のつくり方を教えてほしいにゃん]

 

二人が侵入したのは3階建ての小屋であった。現在いる一階には人の気配はない。ただ先ほどの学校の個室の時のように部屋に潜んでいる可能性もある。

2人は小屋の中に落ちてる物資は無いか、用心しながら手分けして探し始めた。最初に物資を見つけたのはリオであった。それは木箱である。

近づけば、中にはいくつかの物資が入っていた。しかしどれもあまり役に立つものではなかった。

これを見てリオはある予感を浮かべた。それは、敵がこの家に潜んでいる可能性である。この木箱は、敵がライフをゼロにしたときに現れる物資である。

つまりここで戦闘があったことは確実であり、そして有用な物資が無いということは誰かに漁られた後であることを意味する。

 

「某、木箱を見つけた也」

 

先に2階を捜索していた武士が武士語でつぶやいた。そちらへ向かえば、武士が物資を見つめていた。BUSHIがBUSSHIを(ry

中を覗くも、やはり有用な物資は無かった。そのとき近くで足音がしたのをリオは聞き逃さなかった。外ではなく、確実に家の中である。もっと言えば天井である。

リオはいよいよ予感を確信に変えた。

リオは武士に注意を促す。

 

「武士、三階ちょっと怪しいと思う」

「某も同感だ」

 

3階は屋根裏部屋である。そこには窓があり、スナイパーなどがよくそこに立てこもって目についたプレイヤーを仕留める。

しかし屋根裏へ続く階段は一つだけのため、無闇に突っ込むのは賢くない。リオがどうしようかと頭を悩ませていると、武士がある提案をした。

 

「某の投擲技術見たかろう?」

「え?」

 

武士の声は弾んでいた。

つまり武士はグレネードを投げたがっていた。グレネードを外から屋根裏の窓へ放り込んで、敵が驚いて降りてきたところをリオが待ち伏せるという作戦である。

おもしろそうだったので、リオはその案に乗ることにした。

 

「準備完了じゃ」

「よろしく!」

 

武士がグレネードを放り投げた。それは綺麗な軌跡を描いて見事に屋根裏へと吸い込まれた。

後に続く起爆音。するとネズミのように慌てて敵が飛び出してきた。

リオは難なくそれをショットガンで仕留めた。

 

「武士い、終わったよ~」

 

これはボンバーマン

楽勝!

まだいるかも

油断すんなよ

 

リオは間延びした声でそう言いながら階段を上り、屋根裏部屋に上がる。

完全に油断していた。

そのためもう一人潜んでることに気が付かなかった。

 

\パンッ パンッ/

 

「!?」

 

唐突に放たれた発砲音に、リオは驚いた。敵はすぐさま階段の前に陣取りながら、リオに激しく発砲した。リオも必死に応戦するが先に銃弾をもらっていたため、体力の減りが激しい。

 

このままでは押し負ける

 

咄嗟に判断した。

 

「武士、もう一発ちょうだい!」

「某の腕前をもう一度見たいと?惚れ込んだと?」

「早く!」

 

いつも通り武士が武士するのを無視して急かす。その間にも銃撃戦は続いており、リオは3分の1ほど体力を削られていた。

そこへ2人の間を割るようにして飛んできたのが、武士の投げたグレネード。

敵は驚いた様子で階段へと向かうが、もう遅い。

その爆発は二人を巻きこんで、屋根裏部屋を静かにした。

 

「上がってきていいよ」

「うむ!」

 

リオはちょっとしたいたずら心が沸いて、何事もないような口調で武士を呼んだ。そのため武士は屋根裏部屋の様子を見た時に驚いた。

 

「何ゆえ敵とリオが一緒にくたばっておるのだ!? それにグレネードを欲しがった・・・まさかどMだったのか!?」

「助けて」

「それなら相性がいい!某、名前を駿河武士!駿河のSはドSの「S」よおお!!!」

「助けて」

「ほら見よ!瀕死の敵をフライパンで殴っておるぞ!顔がパンパンフライパンぞ!!」

 

草

フライパンに謝れ

これがSMプレイか(白目)

アダルトコンテンツ

NowTubeにケンカ売るスタイル

 

リオの求めも空しく、武士はフライパンで敵を殴ることに夢中になっていた。

 

「パンッ!!」

「!?」

 

リオは話を聞かない武士を見かねて、発砲音を一つお見舞いした。

といっても実際に撃ったわけではない。モノは試しと口で真似てみただけである。

それでも武士には効果があった。

 

「今のは!敵襲かっ!?」

「パンッ パンッ(違うよ)」

「何だリオか」

「パンッ パンッパンッ(助けて)」

「すまぬ 今助けよう」

「パンッ(ありがとう!)」

 

リオは新言語を習得した。

 

2人はしばらくはこの場所に篭り、周りが倒し合うのを待つことにした。

リオはスナイパーライフルを屋根裏部屋の窓から覗かせて獲物を待ち構えながら、考え事をしていた。

ワードである。ワードが頭を悩ませる。残りは3つ。

今までは自尊心を犠牲にすることで乗り切ってきたが、いよいよそれも辛いものがある。

かと言って普段の会話で混ぜられるのかと言えば、そんなことはありえない。

リオはだんだんと「こんなどうでもいいことに頭を悩ませている自分」に腹が立ってきた。

 

「んだあっ!」

 

\パン/

 

リオの咆哮とともにもやもやとした感情を乗せた銃弾が発射されて、たまたま通りかかった敵プレイヤーの頭を正確に撃ち抜いた。

 

!?

ええ・・・(困惑

何で当たるんだよwww

弾が当たりにいった(?)

鹿を轢くのと一緒一緒

 

リオはもう考えるをやめた。

 

「なあ武士い」

「なんぞ」

「今から大切な話をするよ」

「我々のコンビ名か?」

「それの1000倍大切な事」

 

それを聞いた武士は目を見開いて、リオの次の言葉を固唾を呑んで待った。コンビ名より1000倍大切と言えば、それはもう地球の命運を握るような大ごとに間違いないのである。

 

間違いである。武士はしっかりとした馬鹿である。

 

地球をどうにかしたりはしない。どうにかなるのはリオの方だ。

リオは今から狂言を言うのだ。しかし狂言が狂言であると見破られ、笑われた瞬間にリオの精神もいよいよ崩壊する。故にリオは神妙な空気を作り出す。

「コーヒーの味の違いとか分からないけど、高いやつだよって言われたらそうかもしれない」作戦である。

リオの言葉が大まじめであると、要はそれを雰囲気で信じ込ませるのだ。

リオは静かに息を飲み込む。これはプライドをかけた勝負である。

 

「武士さん」

「なんぞ?」

「私、zy4歳になりました。祝ってください」

「・・・zy4歳とはなんぞ」

「私、zy4歳になりました。祝ってください」

 

ご り 押 し て い く こ と に し た。

 

草

草

wwww

正 面 突 破

止まるんじゃねえぞ

 

そしてこの時、武士は直感した。光の速さで思考がよぎる。

 

この”zy”は地球の命運を握ってはいない しかしリオと某の命運が握られている!試されている!Vtuberに年齢はタブー しかしそれを冒してまでリオは踏み込んできた つまり初回放送見てた?私のことどのくらい興味あるの?アピール!!!

”zy”には10、20、30、候補がある そして某は知っている 初回放送で酒をしっかり飲んでいたことを!さて20か30か20か30か!

くそお分からないぞりおおおおおおおお

初回放送見てたぞりおおおおおおおおおおお

これからもコラボ頼むぞりおおおおおおおおおお

 

武士の脳内が荒ぶっていた。

そして武士が出した結論は・・・

 

「・・・24歳、おめでとう」

「ふぁ!?」

 

奇しくもリオのリアル年齢であった。

 

なんでしってんだこの人!?

 

リオは驚愕した。

いや落ち着けたまたまだ!”zy”に適当な数字入れただけか!!そういうことか!!! 

 

でも・・・一応確認しとこ

 

リオは自問自答で平静を何とか保ちながら、恐る恐る武士に尋ねる。

 

「ちなみにどうして?」

「初回放送見ていたぞおおお!!」

「あ、、そっすか ・・・って、いたのかよおおお」

 

別の意味で驚かされた。

 

草

あの時いたのかwww

ゴリラがけん玉する配信

効果はバツグンだ!

 

リオは少々取り乱したが、すぐに本来の目的を取り戻す。ふざけているとは思われていない、第一段階クリアである。

 

次だあ・・・

 

「誕生日プレゼントが欲しいな~なんて」

「よいだろう 何でも申してみよ」

「スリーサイズを教えてください」

 

畳みかけるなwww

どういうことなのwwww

ぐちゃぐちゃで草

もうやめて!とっくにリオのライフは0よ!

 

「88 75 90 だな」

「・・・そっか」

 

武士は淀みなく答えた。

 

何で知ってんだよwww

平然と答えるなww

デジャブ

も う 見 た

リオと同族で草

 

答えが返って来るのは想定外であったが、見事に第二段階までクリアすることが出来た。これでワードは1つを残すのみとなりこの先、非常に気持ちが楽になる。

リオは安寧の吐息を漏らした。

 

「しかしせっかくの誕生日だ!どうせなら美味しいものが食べたくはないかああ?」

 

まだチャンスは終わらなかった。

 

あああああCR武士の確変モードきちゃったあああ 行くか? 行くのか? 行っちゃうか? 行くよおお行くしかないじゃんかよおお

 

リオは重荷をすべて降ろせる誘惑に負けた。

 

「それなら・・・団子のつくり方を教えてほしいにゃん」

「承知したにゃん 後で教えるにゃん」

 

連続技決まったあああ

草

すげええええ

草

完 全 勝 利

リオ姉貴すごすぎるww

 

髭の汚い猫語を聞きながら、リオは天にも昇る気分を味わった。

ワードの鎖から解放された瞬間であった。

 

リオが屋根裏部屋の窓からスナパーライフルで引き続き外の監視をしていると、遠くの空から何かが地面に落ちて来ているのを発見した。

それは大きくて真っ赤な箱。

支給物資であった。物資はコンクリート道路の上へと落ちた。その道の両側は茂みが生い茂っていた。

 

「武士、支給物資が落ちてきたよ」

「なにい!本当か!とりにいくぞおおお」

「え?ほんとに?」

「ほんとだ!」

 

リオはただの報告のつもりであったため、まさか武士が取りに行くと言い出すとは思っていなかった。意気揚々と小屋から出る武士を、リオは後から追いかけた。

 

支給物資とはその名の通り、支給される物資である。それは一定時間が経過するとマップ上にランダムで落とされる仕様で、中身は非常に高性能な物資が入っている。

そのため多くのプレイヤーがそれを見つけると集まってくる。

物資を回収しに行くもの、ソレを狩るもの。

支給物資が落とされた戦場は一気に危険地帯となる。そのためリオは、支給物資を取りに行くことにあまり気乗りがしなかった。

しかし2人は茂みを通って身を隠しながら、しっかり物資を目指していた。当の物資は、茂みを抜けたコンクリート道路の上である。

 

「リスクを冒してわざわざ行く必要ある?」

「リスクがあるから行くのだ! わくわくするだろ激戦区!!」

 

武士は声を弾ませてそう答えた。リオは武士の背中を呆れた目で見る。

武士は先ほどリオをドMだと言っていたが、リオから言わせればこの髭の方が間違いなくドMである。

そうこうしているうちに物資との距離がだいぶ近くなった。

 

「とりあえず木の裏に隠れながら行こうよ ほら、あそことかいいんじゃない?」

 

リオは物資の少し遠いところに生えている木を指し示した。

 

「うむ、そうだな だが敵がいるな」

「じゃあ、私が仕留めるよ」

「いや、その必要はない」

 

武士はそう言い残すと、フライパンを片手に颯爽と歩き始めた。

木の裏にいる敵は、どうやらスナイパーライフルで物資付近に既に照準を合わせて物資を取りに来るプレイヤーを地べたに伏せた状態で待ち伏せているようで、後ろから忍び寄る武士には全く気が付いていない。

しかし本来ならばありえないことだ。

いくら集中していても足音の一つぐらいは聞こえていいものである。だがそれさえも気づかせないのは、もはや武士の妖怪じみた才能の為せる業である。

武士はとうとう伏せている敵を殴れる距離まで接近することに成功した。そのままフライパンを振り下ろせば、子気味良い音を立てて敵はあっという間に気絶した。

 

「やったぞおお」

「すげえ」

 

すっご

なんで気が付かないんだwww

これが侍か・・・

侍は刀以外は言語道断!

↑言ってたよなあww

 

リオが呆気に取られていると、武士はそのまますぐに物資との距離を詰めていく。木の裏から木の裏へと素早く進み、物資からの距離が一番近い木の裏にまで到着した。

しかしそれでも物資までは距離がある。茂みを抜けてコンクリートの上に出る必要があるが、そこには当然プレイヤーを隠すものなど一切存在しない。

極論、飛び出したら最後、四方八方から狙撃され放題である。

リオがどうするつもりなのかと安全なところから遠目で見守っていると、武士はいきなり飛び出した。

背中にフライパンを背負い、片手にもフライパンを持ったフライパンの変態であった。

 

うっそだろお前

あれは死んだな

武士、良いやつだったよ

フライパンの墓も作ろう

 

武士はそのまま物資の位置まで駆け抜けていく。当然、武士を待ち構えていたのは熱烈な銃弾の歓迎だった。

しかし、武士は足を止めない。

全く信じられないが武士は銃弾をフライパンで弾きながら、もしくは華麗に避けながらほとんど銃弾に当たることなく物資地点まで到着してみせた。

さらに武士は止まらない。物資を回収しながらも、足を忙しなく動かし続けることで武士の立ち位置が小刻みにぶれて、飛んでくる銃弾を上手く逸らしていた。

 

「あれどう思う?」

 

すごすぎてきもい

何を見せられているんだ

意味わからんwww

人の動きじゃねえよwww

ヤムチャ視点

 

この場にいる誰一人として、武士を理解することは出来なかった。

リオは武士が狙われているのを利用して、敵のいる位置をあぶり出していく。そうして敵が武士と遊んでいる間に、その頭を一つずつ確実にスナイパーライフルで飛ばしていった。

そのうちに武士は、見事にリオの前に生還して戻ってきた。身体には戦利品であろう、草と同じ色をしていて同化することのできるギリースーツを装備していた。

 

「お土産だ!」

 

武士はそう言って銃を一つ、リオの前に放り捨てた。

それはこのゲームにおいては、最強と謳われる銃の1つである。英語の名前がやたらかっこいいアサルトライフルであった。

 

「そういえば武士のことみんなきもいってさ」

「斬新な誉め言葉だな!!ありがとう!!!」

 

武士はやはり最強である。

 

 

 

 

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