Bチームの生き残り   作:いさな

1 / 25
特異点F 炎上汚染都市冬木
第1節 Bチームの生き残り


カルデア管制室

現在オルガマリー所長がファーストオーダー前の説明の最中だ

 

俺の名前はジュリオ・ピオッジャ、カルデアのマスター候補としてBチームに所属している

生まれは普通の魔術師の家系でレイシフト適正があったためこんなところに連れてこられているわけだ

一応前世の記憶を持っていてこれから起こることも知っている

 

ファーストオーダーの前に何でこんなことを考えてるかって?

 

――来ねえんだよ、藤丸立香が

 

確か遅刻してくるはずだったよな?

もうこの会議も終わっちまうんだが、大丈夫かこれ

 

まあいいかどうせ主人公様がどうにかしてくれる

俺はこの後の爆発で凍結保存だ あとは頑張ってくれよ

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

目を覚ますと当たり一面火と瓦礫の海

ただそこはカルデアではなく、街だ

 

「嘘だろ――」

 

傷は痛いがそんなの気にしている場合じゃない

貧血でふらつく体を起こしながら考える

 

「冬木、だよな」

「――まさか俺もレイシフトしちまったのか?」

 

なんで俺が生き残ってんだよ まずは何だ、何をすればいい

そうだ主人公との合流…… どこにいる?

いやそもそも本当に存在しているのか? あの説明の場には最後まで藤丸立香がいなかった

まさかここは藤丸立香がカルデアに来なかった世界線……?

選択肢を間違えた場合のゲームオーバー、その先がここってことか?

 

「クソ、落ち着け まだそうと決まったわけじゃない」

 

戦闘が起これば痕跡が残る、音や魔力などの反応も出てくるはずだ

よし探すぞ

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

おかしい、あれから結構時間が立つのに戦闘が起こらねえ……

いくら周囲の魔力濃度が濃いからって戦闘が起これば流石に気付く、デミとはいえサーヴァントが戦うんだ

こっちに来るタイミングは多分同じくらいの時間になるはず

たしか戦闘はスケルトン相手だがレイシフトしてすぐだったよな

そうなると―― おい、まさかマシュまでいないなんてことはねえよな?

 

待て待て待て待て!マシュがいないってことはあの盾がない!

つまり少なくともこの場では召喚ができねえ!

どうすんだよこれ 詰んでるぞ

 

「通信? ドクターか!」

 

そういえばカルデアとの通信は復活していたな

これで他の生き残りがいるか確認できる

 

「やっと通信がつながった!もしもし、こちらカルデア管制室だ、聞こえるかい?」

 

安心したようなDr.ロマニの声が聞こえる

 

「Bチーム適応番号13、ジュリオ・ピオッジャ 特異点Fにシフト完了しました」

「ドクター他のマスターの状況は?」

 

「無事なのは君だけだよ」

「幸運なことに他のマスターたちは生き残ってはいる、だがそれもギリギリだ 君以外の全員が危篤状態となっている」

 

――ふざけんな、そんなわけないだろ

世界を救う救世主である藤丸立香がいるはずなんだよ

 

「お、同じようにここに飛ばされたマスターは?」

 

「え?いないよ」

 

……ははっ、じゃあどうすんだよ

七騎までの制限付きだったせいでサーヴァント召喚できているのはAチームだけ

そしてそのAチームは爆発に巻き込まれて凍結される

さらには藤丸立香がいないことでマシュがデミサーヴァント化出来てねえのか?

全てが終わってる、これがゲームオーバールートかよ

 

「すまない、通信が安定していないな…… 霊脈の強いポイントまで移動できるかい?」

「一旦カルデアに帰るにしてもベースとなる場所が必要になるし、なによりこのままだとサポートが不十分にしか出来ない」

「サーヴァントもいない状況で無理を言ってるのは承知の上だけど何とかたどり着いてくれ」

「こちらもできる限りの――――」

 

通信が切れた――

待てよ、俺一人でこの状況をどうにかしろって言ってんのか?

 

「本気かよ――」

 

敵はスケルトンがほとんどだったよな、それと後半には竜牙兵

あとはサーヴァントがメドゥーサと呪腕のハサンと武蔵坊弁慶、そしてエミヤとアルトリアオルタ

この五体が倒さなければいけない敵として出てくるやつら

多分アルトリア以外はシャドウだしマスターもいないから弱体してるんだよな……?

ヘラクレスはスルーで問題ないとして、味方になってくれそうなのはキャスニキのみか

 

というか何でエミヤがそっち側にいるんだよ!

クソ、特異点Fは分からないことが多すぎる

 

「移動、しねえとな」

 

そこらへんに落ちてる瓦礫を材料に使い魔を作る

空気中の魔力濃度がやべえからある程度の無理はできるが

全力で作ってもスケルトン相手に無双するようなもの作れないからこれは偵察用だ

 

「頼むぞ」

 

瓦礫の集合で作られた高さ10cmほどの不格好な人型が十体ほど

歩く度にポロポロと体から欠片が崩れている様を見ると不安になるが、これが俺の生命線だ

 

ピオッジャ家に伝わる魔術特性は『転換』

無機物に魔力を移し意志を与え『根源』を目指す家系となっている

といってもまだ意志というものを与える段階ではなく、あらかじめ設定してある動きや感情などを写し込んでるだけだ

 

「!! ………」

 

あ、転んで一体崩れた

今回設定したのは偵察に適したものだったはずなのだが、随分とはしゃいでるな

……好奇心を強めに設定しすぎたか? いや、周囲の神秘が濃いことによる影響か?

こんな状況じゃなければ色々やりたいことはあるが、とりあえず――

 

「そ、それ以上暴れるな! 体崩れるだろうが!」

 

「!」

 

…何だこれは? 敬礼、のつもりだろうか?

腕を振り上げようとして崩れてくっつけてを繰り返している

いつもみたいに人形であればここまでひどくはならないんだが、瓦礫で無理矢理作ったことの弊害だな

 

「命令、ここにたどり着くまでのルートの確保 …敬礼はもういいから、頼むぞ」

 

霊脈の強いポイントを指定して命令を下すと動き出す使い魔たち

そこらに包まればただの瓦礫にしか見えないから隠密性は問題ないし

核となる瓦礫が破壊されない限り素材はそこらにあるから耐久性も問題なし

 

視覚と聴覚を感覚共有さえしておけば安全なルートがあればこれでいけるはず

 

「問題はその安全なルートというものが存在してるかどうかだ」

「スケルトンでも複数に囲まれたらどうしようもねえんだ、とにかく戦闘を避け続けるしかねえ」

 

倒さなければいけない五体のサーヴァントのことは一旦放置だ

せめてキャスニキと契約できなければ話にならん

逆に言えばキャスニキさえ仲間にできれば『原初のルーン』とかいうチートを持ってるんだ

どうにかなる、はずだ

 

ランサーの時でさえ上級宝具の一撃をも凌ぐ結界を貼れたんだぞ

キャスターになればそれよりも上回ることができるだろ

 

「――そう信じるしかねえ」

 

とりあえずは拠点確保してカルデアから魔力供給できるようにしねえとな

これがなければ契約の交渉材料なんて何もない

 

クソ、どうしてこうなった

俺はただ引きこもって魔術の研究をしていたかっただけなのに!




◆プロフィール
歳は20代で見た目は目つきが悪めのデブ
自分で作り出した人形と会話するようなぼっちでコミュ力は低い
型月世界の住民とか何考えてるかわからないから他人は怖いっていう考えで常に怯えている
魔術回路の総数は40程度

◆ピオッジャ家
300年ほど続く家系で自分より優秀な人形を作りだす人形を作ることで根源を目指す
例を出すと『1』が『1+0.1』を作る→『1.1』が『1.1+0.1』を作る無限ループ
AIで言うところのシンギュラリティ的なやつ

◆好きな物
知識の収集、魔術研究

◆苦手なもの
運動、人付き合い

◆魔術属性
水、地

◆魔術特性
転換

◆起源
恐怖
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。