Bチームの生き残り   作:いさな

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幕間 聖杯の使い道

聖杯の使い道について今回の特異点で決意は固まった

俺は、『所長を生き返らせる』

 

人理修復を考えればAチームの治療など他に優先するべきことは色々ある

それに所長を生き返らせるべきだと思えるような理由はない、でもそんなのは関係ない

ただ俺がどうしようもなく救いたいと思った、それだけだ

 

「そうだ、救いたいならしょうがねえよな」

 

自然と顔に笑みが浮かぶ

もちろん残ったマスターとしては最低の選択だ、でも後悔は絶対にしないと今なら確信できる

必要な聖杯は三つ、今手持ちには合計二つあるので残りは一つ

聖杯の使い道についてダヴィンチとドクターには相談をしておくべきだろう

 

そんな決意を決めて二人を呼び出した

 

「さて、帰ってきてそうそう話したいことがあるということだけど?」

 

ダヴィンチがそう尋ねてくる

 

「聖杯の使い道について」

 

「何か考えていたのは分かっていたけども」

「……迷いはなくなったんだね」

 

あんだけ気負ってたらそれはバレるか

よく見られていたんだなと周りを見る余裕が出てきて改めて実感する

 

「……はい」

「所長を生き返らすために使いたいです」

 

今から聖杯を自分ために使う、俺は今そう宣言をした

どんな反応が返ってくるかが怖い

 

「おぉ……」

 

ダヴィンチは少し驚いたような顔

 

「そっか」

 

ドクターは嬉しそうに微笑んでいる

 

「いや、でも完全な死者の蘇生は流石の聖杯でも厳しいんじゃないかな」

 

「それは私も同意見だ」

「でもそんなことは分かっているはず、だろ?ジュリオくん」

 

完全な死者の蘇生は不可能、それは覆しようのない事実

『魔法』ですら実現できない奇蹟だ

でも所長には可能性がある

 

「はい、所長は正確にはまだ死んでいないはずなんです」

「精神体の状態でカルデアスに飲み込まれただけ、まだ精神体はカルデアスの中に存在している可能性がある」

 

「ふむ、可能性としてはありえるね」

「レフが言っていた『生きたまま無限の死を――』ってやつか……」

 

そう、俺は直接聞いてはいないが原作では『生きたまま』と言っていた

ならこれは完全な死者の蘇生とは違い、聖杯を使えば叶えられる願いかもしれない

 

「……なるほど、君の予想が正しいと仮定するのであれば試してみる価値はある」

「ただ、分かってるとは思うけど……」

「それを使えばAチームの誰かに任せることは出来るんだよ?」

 

もう君が苦しむことはない、言外にそう伝えられている

ダヴィンチからの気遣いはとてもありがたい、だが――

 

「分かってます、そうすればもう俺はもう休んでいい」

「でも、救いたいのであれば迷わず救えと教えられたので」

 

「うん、いい笑顔だ ……レオナルド」

 

「分かってるよ、私も無理して止めたいわけじゃない」

「死者に囚われて破滅願望っていうわけでもなさそうだしね」

 

破滅願望、か

自暴自棄になるにはまだ早い

 

「よろしい、では必要なのはあと一つかな?」

 

「はい」

 

残る聖杯は後一つ

次の特異点を解決するだけだ

 

「じゃあ、次の特異点も頑張っていこう!」

「今日のところはキミも疲れてるだろうしこの辺でお開きだ」

「詳しい話とかはまた後日にね」

 

「ありがとうございます」

 

結果的には説得するまでもなく承諾された

……一人じゃない、そんな当たり前のことを忘れていたのかもしれない

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

「うんうん、いい経験をしてきたようだね」

「……さてと」

 

『彼は』何も問題ない

むしろメンタルは爆破発生前より安定している

 

「あー、ロマン 彼女はやっぱり?」

 

「詳しくは分からない」

「だけどあそこまでの変化がこの短期間で変わるのは、やっぱりおかしい」

「ジュリオ君に対して好意的になっていたのは認めるけど……」

「その中身がどうなってるかは分からない」

 

そう、問題があるのはサーヴァント側

ワルキューレ、か

気は重いけど確認してみないとなあ……

 

「じゃあロマン、次の特異点のブリーフィングの準備については任せたよ」

「私はちょっとやることがあるからね」

 

「大丈夫?」

 

「確認はしとかないとね」

 

流石にロマンには任せられないよねえ

まともだったら私としては大歓迎なんだけど、果たしてどうなるか

 

「では手始めになにから始めようかな~」

 

「……もしかして、実は楽しんでる?」

 

「まさか! そんなことを思われるとは心外だね!」

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