「―――見ツケタゾ! 新シイ獲物! 聖杯ヲ我ガ手ニ!」
周囲の探索を行っているところに現れた影が言い放つ
これは、呪腕のハサンか……?
今は単独行動ってのが辛うじての救いだが―――
「――所長、隠れてサーヴァントとか連れてないですよね?」
「そ、そんなわけないでしょ!」
「たぶんこの地で起きた聖杯戦争がおかしくなった結果でサーヴァントも狂ったんだわ!」
「とにかく逃げないと――――」
有無を言わさず襲い掛かってくるアサシン
「ま、マスターがいないんだからある程度は弱体化してるはずよ! 逃げるわよ!」
「――これは、無理だろ」
姿が見えないこちらのサーヴァントを警戒しているのか周囲を一定の距離で動き回ってる
――それが、目で追えない
確か呪腕のハサンはFGOだと敏捷Aクラスだったよな
シャドウとなっている影響で能力が落ちてるとしても、こんなのと追いかけっこなんて成立しねえよ
「サーヴァントヲ出セ!」
――俺だけを狙ってる?いや、違う正確には俺のサーヴァントだ
マスター適正があるからいるはずだと決めつけてんのか?
クソが!サーヴァントなんていねえよどっかいけや!令呪なんてねえけど右腕でも切り落とせば証明になんのか!?
待て落ち着け、適正がなければ襲われない可能性が高いってことは所長はフリー、だよな?
確か所長は魔術でエミヤに対してダメージを与えてたみたいな作品あったよな
キャスターの気配も周囲にねえしそれにかけるしかねえか
所長は……クソ、いつも通りパニクってやがる!
とりあえず念話で伝えるだけ伝えとかねえと――
「――所長、あんたは狙われてない だから落ち着いて聞いてくれ」
「頼みの綱は所長の魔術だけだ 時間を稼いで隙を作る、頼んだぞ」
一方的に捲し立てて念話を切る、所長がこれでもパニックのままだったら終わりだ終わり
切り替えて時間稼ぎだ、目の前の敵に集中しろ
サーヴァントって言ってもただの影だ、勝ち目はある そう信じろ
「
複数固めて威力を上げた使い魔の特攻爆弾で牽制してるが
そもそも届く前に破壊されているのが大半だ
まあ俺が使う
「準備出来たわ!」
頭の中に所長の声が響く
おいおいまだ数秒しかたってねえぞ、はえぇよ 流石はロードってことか?
よし、じゃあ後は隙を作るだけだな
アサシンの背後にある大気中のマナを一瞬人型の形で固定する
「キャスター!」
その言葉に反応したアサシンは後ろの何もない空間を切り裂く
「?」
手ごたえの無さに戸惑うアサシンが一瞬動きを止める
一瞬の硬直だったが、所長が照準を合わせるには十分だ
「やれ!」
「――ぶっ飛びなさい!」
魔力を高密度に凝集させた魔弾がアサシンに直撃する
言葉通りアサシンが吹っ飛び、動きが止まった隙に更に一発、もう一発と魔弾が突きささる
「まじかよ、ってそんなの言ってる場合じゃねえな」
このまま押せれば倒せる、後は逃がさねえようにするだけだ
逃げられたら次は暗殺を警戒しないといけねえ―― 死ぬ未来しか見えねえな
「あいつの足にまとわりついて地面と同化しろ」
命令を下すとまだ残っていた使い魔たちがアサシンの足元に集結して固まる
よし、これで後は終わるまで強化したりで補強するだけだ
――――――――――――――――――――
「ハァ――ハァ―― 終わった? 終わったの?」
時間としては数分
休みなく魔弾を打ち込み続けた結果、アサシンが消滅していく
「や、やった! やったのよね! 私があのサーヴァントを倒したのよね!」
「……お、おめでとう……ございます」
ハイテンションな所長には悪いが、無理だ体がついていけねえ
あんだけ魔力使ったのにまだこんな余裕あんのかよ……
「ま、まあ貴方も多少は役に立ったわ 褒めてあげる」
「というか、さっきの念話の話し方が素なの?」
うるせえ、休ませろ
これだから体を動かすのは嫌なんだ
「ねえちょっと聞いてるの?」
――い、息を整えろ
くそ、デブを気遣ってくれ
「は、はい ふぅ―― 先ほどは、所長相手に申し訳ありませんでした」
「あちらが素ですよ 緊急事態だったので焦ってしまいまして――」
「別に、いいわよ?」
「――はい?」
「だから別にいつも通りの口調でいいって私は言ってるの」
「は、はぁ」
何言ってんだこいつは
――ああ、危機的な状況でのつり橋効果ってやつか? しょうもねえ
「そ、それでは まあその内、ということで」
「――ええ、分かったわ その内、ね 別に今そんなに拘ることでもないし」
この状況の何が楽しいのか所長は微笑んでる
どうせこの特異点が終わればお別れだ 気にするだけ無駄か
『■け■■■た』
――うるせえ、クソが
所長かわいい すこすこのすこ
チョロ化してるのは作者の趣味です、すいません
主人公と所長が共依存してるような作品が見てえなあ
依存しあって堕ちていき、どちらも相手がいないと生きていけないような関係性、最高
更新ペースですが、特異点Fの解決までは大まかな流れはできているのでこのまま毎日投稿していきます