ヤバい剣しか投影できないオリ士郎君 作:ぬぶぬぶ
急いで書いたからキャラの口調がおかしいかもです。あと文法もおかしいです。おかしければ報告していただければ大変ありがたいです。修正していきます。
今回は一応シリアス(?)です。お気をつけください。
「坊主、あの子供はサーヴァントなのか?」
突如現れた少年とアーチャーの相対を見ているウェイバーに、傍に立つライダーはそう尋ねた。
「たぶんそうなんだろうけど、こんなサーヴァントがありえるのか!?」
聖杯戦争に参加するマスターは、サーヴァントのおおよそのステータスをある程度把握できる。
例えばさっきまで戦っていたセイバーのステータスは、ほとんどが『A』以上である。
しかし、ウェイバーが見るかの少年のステータスは
「ほとんどが『
能力値の最低値を示す『E』のさらに下。
少年は見た目通りの、脆弱な子供であることに違いない。
隣に立つライダーはそれを聞くと、「ふむ」と顎に手を当てる。
「なるほどのぉ...。余の見立て通りの強さというわけか」
しかし、ライダーはアーチャーの言った言葉を見逃さなかった。
(あのアーチャー、あの子供を見て『
突如として現れたアーチャーだが、ライダーはすでにその性格を大方把握していた。
傲岸不遜、唯我独尊、傍若無人。
逆らえば殺し、価値のないものには見向きもしない。
まさに暴君の王そのもの。
しかし、そんな者があの少年を見て「面白い」と言った。
ライダーは少年をじっくりと観察する。
これといって変わりのない顔立ち。筋肉量は一般的な少年と変わらず、かといって王が放つようなカリスマ性も感じられない。
そして、その視線は少年が両手に持つ剣へと注がれる。
刀身が黄金色で、おもちゃのような刀。
傍から見れば、子供が遊びに使うような物である。
「どうするんだよライダー」
ウェイバーが不安そうに聞いてくる。
「まぁ待て」
今彼らの邪魔はできない。少年とアーチャーは今、果し合いの真っただ中だ。
ウェイバーは、今から起きるであろうアーチャーによる一方的な蹂躙に戦々恐々としているのだろう。
しかし、ライダーにはわかる。
あの少年の目は死んでいない。
アーチャーの視線を堂々と受け止め、その上アーチャーの目をまっすぐに見つめ返している。
とてもただの少年とは思えない。
ライダーは笑みを浮かべて、状況の行く末を見守る。
少し離れた場所で、アイリスフィールのそばを守り立つセイバーもまた、シロウと名乗った件の少年のことについて考える。
(聖杯から受け取った知識によれば...天草四郎と呼ばれる存在がいるが)
天草四郎。江戸時代初期、島原の乱における一揆軍の最高指導者である。
しかし、セイバーの直観はかの少年がその英霊であることを否定する。
(あれはただの子供だ。先頭に立ち、民を率いるような存在ではない)
それではあの少年は一体..?とセイバーは思考を続ける。
特に疑問に思うことは、その幼さ。
英霊は全盛期の姿で召喚されるというが、あの少年はあの姿が全盛期というのか。
(もしくは、私のように成長が途中で止まったのか)
セイバー、アルトリアはエクスカリバーを手にしたときに不老不死となった。
だがセイバーと同じく不老不死となった存在で、かの少年のような特徴をもつ英霊は思いつかない。
(それに加えて、彼のクラスは何だ?)
あと判別していないクラスは、バーサーカーとキャスターの二つ。
しかし、少年は狂気に身を堕としている様子はない。それならばキャスターなのかと思うが、自分の工房に籠らずここまで出てきていることから考えにくい。
(もしやエクストラクラスか?)
通常の7つのクラスのどれにも該当しないクラス。
詳しいことはセイバーにもわからないが、そういうクラスが存在することは聖杯の知識から知っている。
セイバーはさらに思考を深めながらも、アーチャーと少年を注意深く観察する。
二人は無言のまま睨み合っている。
「なッ!?」
すると突如、アーチャーの背後から2本の宝具が高速で射出される。
少年はその場を動かない。
すさまじい音とともに、爆発が起きる。
士郎がいた場所は爆発で発生した煙に包まれる。
「死んだのか...?」
ウェイバーの目には突如、少年がいた場所に爆発が発生したことしか見えなかった。
「なるほど。これは確かに
「え?」
「なんだ、わからんかったのか?」
土煙が晴れる。
そこには無傷で立っている士郎がいた。そばにはアーチャーが射出した2つの宝具が地面に刺さっている。
「あの小僧は迫りくる2つの宝具を両手に持った剣でいなしたのだ。その場から動かずな」
「な!?」
ウェイバーが慌てて確認すると、確かに少年は先ほどの場所から足を一歩も動かしていなかった。
「あの攻撃を腕だけでいなしたのか!?このステータスの低さでか!?」
「あぁ、普通なら不可能であろうよ。どうやら、あの坊主が持っている剣に秘密がありそうだな」
士郎が無傷であることに、さらに笑みを浮かべる英雄王。
ギルガメッシュは続けるように、3本の宝具を射出する。
今度はその場から動いた士郎は、まるで剣の達人かのような美しき剣筋で迫る宝具をはじく。
止まらず4本、5本と射出する数を増やしていくも、士郎はそのすべてを綺麗にはじき返す。
「ならばこれはどうだ!」
英雄王の背後のゲートの数が一気に増える。
その数はおよそ30以上。
それを見た士郎は、魔力を電光丸に流す。剣の刀身が勢いよく光りだす。
「真名開放_____」
黄金色に光輝く剣を、前に構える。
今にも射出されそうな多くの宝具を前に、士郎が剣の真名を開放しようとしたその時。
「!」
笑みを浮かべていた表情を一瞬に不機嫌なそれへと変え、英雄王は虚空へと呟く。
「貴様ごときの諫言で王たる我に退けと?大きくでたな時臣」
すると背後で開いてたゲートはすべて閉じ、士郎がはじいた剣は粒子となって消えていった。
英雄王はライダー、ランサー、セイバーへと顔を向けた。
「雑種ども!次までに有象無象を間引いておけ!我と見えるのは真の英雄のみでよい!」
そして士郎をチラリと見た後、彼は霊体化して消えていった。
あとに残ったものたちは、彼の去ったあとを無言で見ていた。
「ふむ、どうやらあれのマスターはアーチャー自身ほど豪気なたちではなかったようだな」
ライダーは冷静にアーチャーのマスターを分析する。
「ん?」
ライダーがふと気になったのか、先ほどまでアーチャーと戦っていた少年を見やる。
それに続いてセイバーとランサー、そのマスターたちが視線を向ける。
そこには少年が足音をたてずにこっそりと逃げようとしている姿が目に入る。
まるでバラエティ番組でお笑い芸人がやるようなおかしな歩き方で、ライダーたちから離れようとしている。
「待て、そこな坊主」
すかさず止めに入るライダー。
肩を思いっきりビクッと動かし、冷や汗を浮かべた士郎は恐る恐る振り返る。
「なんでしょうか...」
「なに、別に取って食おうとは思っておらんわい。うぬにも問うておくことがある」
そしてライダーは口を大きく開き、今宵最大の声量で告げた。
「うぬは我が軍門に下り、聖杯を余に譲る気はないか!」
またか...とセイバーとランサーは眉をひそめる。
「ライダー!お前って馬鹿はまたッて痛あッッ!?」
ウェイバーは顔を真っ赤に染めて、ライダーに詰め寄る。
しかしライダーのデコピンを食らい、でこをおさえてうずくまる。
征服王の問に、士郎はすぐさま返答した。
「軍門に下るのは嫌だけど、同盟組んでくれたら聖杯は譲るよ」
「「なッ!??」」
「ほぉ、同盟か」
ライダー以外が驚く中、セイバーは士郎に詰め寄る。
「馬鹿な!あなたも聖杯に呼ばれた英霊の身であるならば、聖杯にかける願望があるのではないのですか!?」
「俺とマスターの願いはすでに叶ったよ」
「なに?」
士郎はその場にいる全員に聞こえるように言葉をつづけた。
「俺とマスターは聖杯にかける望みはない。俺の目的はマスターがこの聖杯戦争を生き残ることだから」
「生き残る...」
それは聖杯を得るために、自分たちの意思で参加したマスターたちにとって不思議なことだろう。
生き残りたいならそもそも参加しなければいいだけなのだから、それに加えて戦いを放棄すれば教会の保護も受けられる。
「脱落すればいいと思ってるかもしれないけど、今回に限ってそれはできない。特にセイバーのマスターを警戒しなければならないから」
「ッ!?」
アイリスフィールは士郎の言葉を聞き、動揺する。
セイバーのマスターはアイリスフィールではなく、隠れている衛宮切嗣であることに気づいている様子だからである。
「で、ライダー。返答は?」
「よかろう!うぬとの同盟を結ぼうじゃないか!」
「ありがとう」
同盟を結んでくれた征服王に感謝を告げる士郎。
「後日話し合おう。使い魔を間桐邸に送ってくれ」
「わ、わかった!」
ウェイバーの返事に満足したのか、士郎は霊体化する。
彼の体が足元から粒子になっていく。
「そういえばセイバーのマスターに言っておくことがあった」
士郎はセイバーとアイリスフィールではなく、衛宮切嗣がいるであろう方向へと振り向く。
「今の聖杯はあなたの願いを最悪な方法で叶える」
「ッ!?それはいったい!?」
アイリスフィールが慌てて尋ねるも、士郎は霊体となり消える。
「アイリスフィール!大丈夫ですか!?」
「え、えぇ...大丈夫よセイバー」
動揺したアイリスフィールはその場で崩れ落ちそうになるも、傍にいたセイバーが支える。
「彼はいったい...」
アイリスフィールを支えながら、セイバーもまた去っていった英霊について考える。
セイバーはアーチャーが彼に攻撃したとき、なすすべもなく敗北すると思っていた。
だが実際はどうだ。迫る宝具を華麗に撃ち落とし、達人のような技量を見せつけた。
おそらくあれは、かのサーヴァントのほんの一部の実力だとセイバーは直観で感じた。
より謎が深まる少年に対して、セイバーは警戒度を大きく上げた。
そうして、英雄たちが集った最初の一戦は終わりを迎えた。
「ライダー、あれでよかったのか?」
夜空を駆ける戦車の上で、ウェイバーは己のサーヴァントにそう言う。
「ぬ?何がだ?」
「同盟のことだよ。お前のことなら軍門に入れなきゃ認めないと思ってたよ」
「あぁ...そうさなぁ」
ライダーは顎髭を撫でる。
「あれは軍門に下るような奴じゃありゃせん。あれにはすでに『
「王だって?」
「そうだ」
「よくわかんないな...仕えていた王が生前にいたってことなのか?」
「必ずしもそうではない。王とは
なるほどと、ウェイバーは理解した。
あのサーヴァントは自分だけの『王』を既に見定めているのだ。だからライダーの軍門には...ライダーを『王』として扱うことを避けたのだ。
自分にもそんな『王』ができるのだろうか?
そう考えるウェイバーは隣にいるライダーの横顔を眺める。
月明りを背に、彼らは住処へと向かった。
「うん?」
雁夜はふと気づくと、真っ白な空間の中に倒れていた。
起き上がって周りを観察するも、周囲には何もない。
「どこだここ?俺は確か...士郎君と一緒に帰って」
だんだんと記憶がよみがえってくる。
そうだ。倉庫街での戦いを終えて、間桐邸に帰ったのだ。
そして士郎に夜の警護を任せ、疲れた体を引きずって布団に入ったのだった。
「すると...ここは夢の中か」
ずいぶんと殺風景な夢である。
どうせならもっと楽しい夢でもみたいものだ。
「あれ?いきなり道が...」
ため息をついていた雁夜の目の前にいきなり道が現れた。
「行けってことなのか?」
再び周囲を確認するも何も起きない。どうやら行くしかないようである。
恐る恐る雁夜は歩き出す。夢の中特有の上手く歩けないなんてことはなく、雁夜はしっかりとした足取りで進み続ける。
「!何かある」
道を歩いていくと、道の先の両側に何かがあった。
雁夜はそれに近づく。
「これは...士郎君がくれた剣だ」
透明なショーケース内に士郎が投影してくれた剣が飾られている。
そのショーケースの上には額縁があり、写真が貼られている。
「...青い狸?」
写真には4人の少年少女と一匹の大きな青狸が笑顔を浮かべて手を取り合っている様子が映っている。
雁夜には、その少年たちが誰なのかわからない。
疑問に思いつつも、今度は道の反対側を振り向く。
そこにもまたショーケースがあり、中には士郎が投影してくれたもう一本の剣が飾られている。
「これはエジプト神話の...」
雁夜は上に飾られた写真を見る。そこには雁夜も知っているエジプト神話の神の写真があった。
「ここはもしかして士郎君の夢の中の世界なのか?」
二つの剣を尻目に、雁夜は進み続ける。
歩く最中、雁夜はいろいろな剣を見た。
あまり詳しくない雁夜でも、飾られていた剣の凄まじさを理解できた。
とても小さな剣、視界一杯を覆うほどの大きさの剣。剣とは思えない形をした何か。
歩く雁夜は大小さまざまな剣を見て歩いた。
歩き続けてどれくらい経ったのだろうか。
歩き出してから数十分ほどかもしれないし、数日かもしれない。
この空間において、雁夜の時間感覚はとても曖昧なものだった。
そして雁夜は今も歩き続ける。
すると道に変化がおきた。
「...階段か」
道は途中で階段へと変化していた。階段のそばまで来た雁夜は階段を見上げる。先は見えない。
「行くしかないか」
雁夜は階段に足をかけ、上り始める。
階段を上っている途中試しに後ろを振り向くと、今までのぼってきた階段が昇ると同時に消えていく。
夢の中だからだろうか、疲労は感じない。
雁夜は軽やかな足取りで階段をのぼり続ける。
しばらくのぼったあと、雁夜は踊り場にたどり着いた。
無限に白い空間が広がる中、目の前には一つだけショーケースがある。
雁夜は近づいて観察する。
赤い模様が入った円筒が三つあり、その持ち手は黄金の輝きをはなっている。
「これは、あのアーチャーか」
雁夜は写真を眺める。そこには眩しい太陽を背にし、黄金の鎧を纏ったかの英雄王が映っている。
しかし雁夜が気になったのはそこではない。
「なぜ
ショーケースを囲むように大きな錠前がかかっている。今までのショーケースには無かったものだ。
まるで使用することを禁じているような....
「まだ階段が...」
気になってもどうしようもないと思った雁夜は、さらに奥へと視線を向ける。
まだ階段が続いている。
錠前が気になるものの、雁夜は再びのぼりはじめる。
頂上らしき場所には案外すぐ到着した。
同じようにショーケースと写真が並んでいる。
その数は3つ。
雁夜はすぐに、これが士郎の言っていた
今まで見てきた剣もすごかったが、この3つは桁違いである。
じっくりと観察する。
指に乗る程度の大きさの鋼。何かを切るために作られたものではないと断言できるほど形が奇妙な杖。そして.....
「ん?」
3つ目を眺めていた雁夜の視界の隅に何かが映る。
「なッ!?」
上へと続く階段がある
「まだ
雁夜は士郎から、彼が投影できる剣について大方聞いている。しかし彼は目の前に並ぶ3つの剣が最上であると言っていた。
もしかすると、士郎ですら知らない『ナニカ』がこの先にあるのかもしれない。
誘われるかのように、その階段へと歩き出す。
まるでアリジゴクに落ちる蟻のように、雁夜は危険な誘惑に逆らえず歩みを進める。
そして階段に脚をかけたその時、
「ウワッ!?」
「うわあああああああッ!?」
雁夜は重力に逆らえず、真っ逆さまに落ちる。
先ほどまで眺めていた3つの剣がどんどん遠くへ行く。
「ど、どこまで落ちるんだ!?」
落ちている方向へ顔を向ける。やはりどこを見ても真っ白で、自分が本当に落ちているのかさえ錯覚しそうになる。
しかし、しばらく落ち続けていると、落ちる方向に一点の黒点が見えた。
その黒点はどんどん大きくなり、ついには視界半分が真っ黒に染まる。
そして視界を埋め尽くすほどに真っ暗になると、雁夜は盛大に黒い水しぶきをあげて着水する。痛みはない。
「今度はどこだここは...」
顔にかかった黒い液体をぬぐい、周囲を見渡す。
真っ白の次は真っ黒か...と雁夜はため息をはく。
やはり周囲には何も見えない。
しかし、雁夜はあることに気づいた。
「この黒い液体...流れがある」
雁夜の腰の高さまで溜まっている液体には、かなり緩やかだが流れがあった。
流れてきている方向へ、雁夜は液体が体を押す力に逆らって歩く。
今まで疲労を感じなかったのに、この場所では前に進むだけで疲れてくる。
時々休憩しながら、進み続けた。
「何だあれ」
黒い液体を辿るとそこには人がいた。
一言で表すと真っ白な人だ。
髪や皮膚が真っ白で、白以外の色が見受けられない。
その目から流れ落ちる
彼は黒い涙を流しながら、膝を抱えている。
「士郎君...なのか?」
雁夜はその人物が誰なのかすぐにわかった。自分が呼んだサーヴァントと同じ面影があるからだ。
呼びかけると、それは膝に埋めていた顔をゆっくりとあげた。
「あ」
雁夜の口から声が漏れ出る。
その顔を見たその瞬間
赤色に染まったその瞳を見た瞬間。
雁夜は一瞬のうちに切り刻まれた
「よーし桜ちゃん。いっせーのーで行くぞ」
「...」コクリ
「よし!いっせーのーーでッ!!ジャンプ!!」
「グハッ!?...な、なんだ!?」
いきなり腹に加わった力で、雁夜の肺の中の空気が一瞬にして吐き出される。
その衝撃で飛び起きた雁夜は、自分の布団の上で寝転がる二人に目を向ける。
「おっやっと起きた。もうお昼ですよ雁夜のおっさん!桜ちゃんも何か言っておやり!」
「....お寝坊さん」
どうやら昼まで起きなかった自分を強引に叩き起こしたみたいだ。
「それにしてもおっさんひどい汗だゾ。悪い夢でも見た?」
「あれ?」
確かにひどく気持ち悪いと思ったら、身に着けていたパジャマと布団が汗でビショ濡れになっている。
「うーん夢で何か見たような、見てないような」
「スタンド攻撃でも受けたんすか?」
士郎がよくわからないことを言っている。
夢で何かを見ていたような気がするのだが、何を見たのかは思い出せない。ひょっとしたら何も見ていなかったのかもしれない。
「そんなことより、もうご飯の時間だぞ。先に食べてるからおっさんも早く着替えて食べなよ」
士郎はそう告げると、桜と共に部屋から出ていった。
雁夜は汗まみれの服を脱ぎ、普段着へと着替える。
「イタっ」
服を脱ぐ瞬間、首元に痛みが走った。
部屋にある鏡を見てみると、首に細く小さい切り傷があった。すでに血は固まっている。
「ん?昨日どこかで切ったかな?」
まぁ小さい切り傷だし、大丈夫だろうと雁夜は着替え、桜と士郎がいるであろう食卓へと向かった。
実はライダーに話しかけられるまで、自分が霊体化できることを忘れていました士郎君。
ウマ娘で忙しいわよ!