ヤバい剣しか投影できないオリ士郎君   作:ぬぶぬぶ

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感想でぜひとも使ってみたい剣があったので勢いで書きました。

今回はちょいシリアス、慎二君のキャラ崩壊を添えてです。

一応ギャグ時空だから...(滅茶苦茶)


慎二の思い

第四次聖杯戦争、切嗣のおっさんに拾われてから5年の月日が流れた。

 

小学校の卒業を終えた俺とイリヤは中学校に入るまでの春休みを満喫していた。

 

 

 

 

 

 

今日はイリヤは学校の女友達と女子会をするらしいので、俺は一人公園のベンチで寝転がりぼーっと空を眺めている。

 

早いものでもう5年か....第五次聖杯戦争まで半分を切ったか、嫌だな戦うの死にたくないし。

 

 

てか今思ったけど何も聖杯戦争馬鹿正直に待つより、今の内に不安要素叩けばよくね?

 

イリヤはもう完全に味方だと思うし殺される心配はないから、あとは間桐と言峰のやろうだな。

 

たぶん言峰のほうはギルガメッシュがそばにいるし、倒せないと思うけど。間桐のほうは行けるんじゃね?

 

まだ真アサシンがいないから、虫だけだし名刀電光丸だけでどうにかなりそうな感じだけど。

 

あっ、でも桜をどうにかしないといかんのか。この時期ってもう桜の心臓の中に臓硯の本体っていたんだっけ?これもうわかんねぇなぁ。

 

「おい衛宮」

 

「ん?」

 

脚のほうから俺を呼ぶ声が聞こえたので、顔を上げると。

 

「なんだ慎二お前か」

 

「なんだとは失礼なやつだね。ほらっこの足どけろよ僕が座るんだからな」

 

「しょうがねぇなあ(悟空)」

 

仕方なくベンチに乗せていた足を下ろし、慎二が座るスペースを作る。

 

よっこらせと慎二がどさっとベンチに座る。そしてポケットからお菓子を取り出して食べ始める。

 

「こんなところで何をしてたんだよ。考え事か?」

 

「あぁ。お前の爺さんを消す方法を考えていたんだ」

 

「ちょっと通報してくるわ」

 

「おっ、待てぃ(江戸っ子)」

 

お菓子を放りなげて近くの公衆電話のもとへ走ろうとする慎二を何とか止める。

 

「で、何でいきなりそんなこと言いだしたんだよ。ついに頭でも狂ったんですかね?」

 

「う~んどうすっかなあ~」

 

臓硯の悪行を教えても信じてもらえるかわからないしなぁ。てか慎二がどっちサイドの人なのかいまいちわかってないんだよね。もっと原作しっかり見とけばよかったな。

 

「...それは桜に関係あることか?」

 

「そうだよ」

 

ここは正直に言っておく。すると慎二は腕を組み、鼻で笑う。

 

「それならなおさら教えろよ。愚鈍で何もできない哀れな妹を守ってやるのも兄の役目だろ」

 

「でもたぶん教えたらお前の自尊心をぶち壊すことになると思うぞ」

 

「何だって?」

 

慎二は機嫌を悪くし、俺を睨む。

 

「いいのか?」

 

「...言ってみろよ」

 

そして、俺は桜と臓硯について話し出す。

 

桜が臓硯の手によって間桐の魔術に無理矢理馴染ませるべく、蟲による人体改造されているということ。

また桜の体内には聖杯のカケラが仕込まれており、このまま聖杯戦争が起きると桜はもうどうしようもないほど詰んでいる状況になってしまうということ。

 

その事実を知らないはずの慎二はつまり、自分だと思っていた間桐の真の後継者が桜であり、邪魔者として隔離されていたのは桜ではなく自分で、自分の方が要らない子であると気づくこととなる。

 

その他にもさまざまなことを話した。聖杯の汚染。五年前の第四次聖杯戦争の真実。迫る世界の危機。

 

 

 

淡々と事情を隣に座る慎二へ向かずに告げていく。慎二が今どのような顔をしているのかはわからない。彼は無言で士郎の話を聞いている。

 

嘘だと思われないように証拠も一緒に話す。すると隣からはっと息をのむ音が聞こえた。俺が言ってる証拠に心当たりがあったのだろう。

 

 

 

 

 

 

俺が知る情報をすべて慎二に話した。

 

人気の少ない公園にて、二人の間を風が通りぬける。眼前の桜の木はその枝を華やかにしならせ、花びらを降らす。

 

士郎は隣の人物に顔を向けることはなく、じっと彼の反応を待つ。

 

すると隣の少年は勢いよく立ち上がり、眼前の桜の木の根元のもとへと歩く。

 

彼はその幹に静かに触れた。

 

「はっ!僕を甘く見るなよ()()

 

彼は少し震えた声でそう呟いた。

 

「桜が間桐の真の後継者だって?それがどうした!僕が間桐で要らない子だって?それがどうした!」

 

彼はこちらに振り返り、力強く士郎を見た。

 

「他人の評価なんてどうでもいい!僕は僕だ!その程度でへこたれるもんか!」

 

だからと彼は言った。

 

「その力を貸せ士郎!さっさとダメダメな妹を!ついでに世界も救いに行くぞ!」

 

「よう言うた!それでこそ俺の()()や!」

 

 

 

その日の夜。

 

目の前を歩く男の背中を見る。その手には寒気がするほど存在感あふれる剣が握られている。

 

ずるいやつだよお前は。

 

その能力に少しだけ嫉妬する。けれどかつてほどではない。

 

昔、こいつに投影を見せてもらったあの時。

 

魔術を全く使えない僕はそのときどうしようもないほど嫉妬で狂った。周りの人、物に八つ当たりを繰り返し、されどどうにもならないことに吐き気が止まらなかった。

 

けれど、あの日。僕がどこぞの港で魔術が使えないことに一人悔し泣きをしているときに、お前は現れた。

 

お前は僕が泣いてることに心から心配をしてくれていた。その時はついイラついて

 

お前に何がわかる!魔術師の家系のくせに魔術も使えない僕のことを!と殴り掛かった。

 

人生で初めての本気の喧嘩だった。お互いに全力を出し切って殴り合った。

 

痛いことは苦手な僕だけど、その時は激情に身を任せ、痛みを無視して殴り続けた。

 

 

 

どれほど長い時間殴り合っていたのだろうか。疲労困憊の僕たちは最後の力を振り絞って、相手に殴り掛かる。

 

お互いの拳が相手の顔を貫き、僕たちは同時に倒れる。

 

息切れで胸が苦しく、体中が痛みまくるのになぜかすがすがしい気分だった。今まで心の中にためた鬱憤を吹き散らすことができたからであろうか。なんとも開放的な心地だった。

 

そのまま数分ほど、僕たちは無言で空に輝く星空を眺めた。

 

「満足したか?慎二」

 

「...あぁ」

 

「よし!それなら仲直りだな!」

 

ガバッと士郎は起き上がると、僕を強引に立たせる。

 

「なあ衛宮」

 

「ん?なんだ」

 

イテテと肩を回しながら士郎はこちらへと振り返った。

 

「もう一度お前の投影を見せてもらえないか?できればとびきりきれいなやつを」

 

「おっ、しょうがねえなあ」

 

からかうような口調で了承した士郎はトレースオンと呟く。

 

彼の右手が光輝く。この夜の闇にも負けない光が港を包み込む。

 

投影されたのはこの星空をも照らす神秘的な剣。まるで僕の心の醜い闇をも消し去るような神聖な光が僕らを照らす。

 

 

あぁ、きれいだな。

 

 

その光に包まれた僕は不思議と胸のわだかまりは消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

かつての出来事を思い出しながら、もう一度目の前の男を見やる。

 

士郎、お前には僕がいまだに魔術に固執しているように見えているのだろう。

 

確かに少しは未練が残っている。だけどそれは自分は他の人間とは違う選ばれた一族の嫡子だからという理由ではない。そんな自尊心を守るためにくる感情ではない。

 

ただ

 

 

 

お前の隣に立ちたいだけなんだ。

 

 

 

 

_______________________________________________________

 

 

 

 

「つくぅ~」

 

間桐邸襲撃決行時間は深夜。あらかじめ切嗣のおっさんには友達の家でお泊り会をすると言いくるめてある。イリヤは最後まで一緒に行くと譲らなかったので、なんでも言うことを聞くと約束して引き下がらせた。

 

目の前には嫌な雰囲気あふれる間桐邸。

 

「それで本当にいいのか慎二?」

 

「何が?」

 

「いや、お前の爺さんを倒すことになるんだけど」

 

「ふん、いまさら?あの人のことなんて今更何とも思っていないよ」

 

「そうか」

 

どうやらあまり気にしてないようだ。

あっ、そうだ。

 

持っていた剣を慎二に差し出す。慎二は顔に疑問を浮かばせながら受け取る。

 

「...なにこれ?」

 

「渡しとくぞ。ここからは別行動で行くから。万が一逃げられたら困るからな。俺は裏口に回る慎二は正面から頼むぞ」

 

「何言ってるんですかね!?こんな重い剣振り回せないぞ!」

 

「大丈夫だって安心しろよ。それは俺の投影できるやばい剣の内の一つだから。振らなくても持ってるだけでいいぞ。よしじゃあ戦場で会おう(決め台詞)」

 

「ちょ、本気で言ってるのか?!」

 

俺はさっそうと裏口へ回る。まあ本来の10分の1の力も出せないけど、あの剣渡しときゃいけるだろ。相手は虫だし。

 

 

 

 

 

 

 

「あいつバカかよ...普通戦闘経験のないやつを一人にするかね?」

 

悪態をつきながら、家の中を歩く。生まれ育った家の中、その足の向かう場所は地下。

 

衛宮の話の通りなら、この間桐邸のどこかに虫蔵があるはず。今の時間帯なら、そこに桜と臓硯がいるはず。

 

そして、とある扉の前に立つ。

 

そこは昔から嫌な雰囲気が出ていたので、恐れて入ろうとしなかった扉。この館で先を知らない扉はもうここしかない。

 

扉を開ける。開きゆく扉の先から何かが虫が這いずるかのような気色の悪い音が聞こえた。

 

衛宮からもらった剣を無意識に強くにぎりしめ、ゆっくりと階段を降り始める。

 

階段を降りるにつれ、虫の音が大きくなる。

 

 

「ここが...」

 

階段の果てには部屋があった。その部屋をのぞいてみると、大きな部屋の中に数えきれないほどの蟲が轟いていた。

 

そしてその中央に桜が生気のない目で蟲にされるがまま漂っていた。

 

僕は一歩づつ階段を降りる。刀を握りしめる力が強まる。

 

「ここで何をやっておる。慎二」

 

ゾクっと背後から感じた悪寒に震える。

 

慌てて振り返ると、虫蔵の入り口に臓硯がこちらを見ていた。

 

「敵意を持った侵入者が二人入ってきたと思いきや。その一人がお前だとはな慎二」

 

背後で蟲を轟かせている臓硯は顔をゆがめ、笑う。

 

「愚かな雁夜の真似事か?お前はそのような性格でないと可愛がっておったのにな」

 

気づけば虫蔵の蟲もこちらに少しずつ近づいてくる。

 

「ふん、あんたの妄執もここで終わりだよ爺さん」

 

「ナヌ?」

 

体の震えが止まらない。今にも目の前の恐怖にくじけそうだ。

 

だが決めたのだ。かつての港で、いつかあの気に食わない男に並ぶほど強くなりたいと。

 

「ここでアンタの悪行は終わりだと言ったんだ。無能な妹のために、アンタを倒させてもらわないとね」

 

「はははは、その震えた体でどうするというのだ。妙な刀を持っているが、それを振るう技術など今のお主にあるまい」

 

そして蟲の大軍が臓硯から僕めがけて押し寄せる。

 

「クッ!」

 

僕は刀を強く握り、体ごと回転することで剣をふるう。すると

 

ゴゥっと炎が刀身から発生し、目の前の大軍を燃やし尽くす。

 

「....なるほどな。その威勢だけは良い態度はその剣があったからか。だが四方から同時に攻められたらどうする?」

 

虫蔵にいた蟲が僕の四方から襲い掛かる。

 

士郎!お前が言っていたことを信じるぞ!

 

僕は振りかぶった剣を地面に突き刺す。体を熱が包み込む。熱い。とても熱いが、耐えられないほどではない。

 

剣を突き刺した僕に蟲が襲い掛かるが、僕に触れる寸前のところで蟲が炎に包まれる。蟲は本能的に僕に近づくのはまずいと察したのか、気色の悪い鳴き声を上げるが、とっさに止まることができずに僕に近づき炎に包まれる。

 

「自動防御する剣だと...バカな」

 

「喰らえ!」

 

もう一度、剣をふるう。飛ぶ炎は臓硯を両断し、燃やす。

 

「おどろいた。今のわしにはどうやらお前を倒す手段がないようだ」

 

燃える臓硯から飛び出した蟲は桜のそばにもう一度その体を蟲で再生する。そして桜をつかみ持ち上げる。

 

「これ以上この工房を荒らされてはたまらんのでな。この小娘を人質とするとしよう」

 

「ッ!お前!」

 

「ほれ、どうする慎二。今ここでこれを殺してもいいのか?」

 

臓硯は桜の首元に蟲の刃をそえる。

 

「ッわかった!この剣を置く!だから止めろ!」

 

僕は悔しさに拳を握りしめながら剣を地面に放りだす。放り出した剣は蟲の渦へと飲み込まれていく。

 

臓硯は桜の首から蟲を離し、笑う。

 

「はははっ!馬鹿な男よの」

 

ズドンと僕の体を何かが貫通した。蟲だ。いつの間にか僕の背後から猛スピードで貫いたのだ。

 

「ガハッ!」

 

「刀を失えば、魔術も使えないただの無能。仕留めるのに二匹もいらぬわ」

 

僕は口から血を吐き、蟲の群れに倒れる。蟲はごちそうが来たかのように生き生きときしむ音をだし、僕に食らいつく。

 

「お前の最期は、お前の母と同じように蟲の餌でよかろう。さて、もう一匹も桜を人質にして仕留めるかな」

 

臓硯は桜をつかみながら、虫蔵を出る階段を上る。

 

横目で慎二の最後を確認しながら、薄ら笑う。

 

「お前の人生は、魔術すら何もできず、無駄な生だったな慎二」

 

 

「いいや、無駄ではないさ」

 

 

「ナヌ?」

 

臓硯は声がした虫蔵の入り口を見やる。

 

コツンコツンと階段を降りる音が聞こえる。

 

(おせえよ。バカ)

 

慎二は薄れ行く意識の中ほくそ笑む。

 

入り口から現れたのは衛宮士郎。だがその様子はいつもと違う、髪は白く染まり、肌は黒ずんでいる。

 

「俺の友に、ずいぶんとやってくれたじゃないか」

 

しかし、もっとも普段とは異なるのは。

 

いつもの優し気な面影がさっぱりない、怒りに包まれたその顔であった。

 

「蟲よ!」

 

臓硯は何かを感じ取ったのであろう。虫蔵にいたすべての蟲を衛宮士郎に殺到させる。

 

士郎は迫りくる蟲に対して右手の人差し指を上に上げた。

 

「限定解放」

 

臓硯が感じ取ったそれとは

 

 

「すべてを切れ、鋼よ」

 

 

数十年忘れていた、死への恐怖であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗闇に沈んでいた意識が覚醒する。

 

「目が覚めたか慎二」

 

目を開けるとまず地面が瞳にうつった。

 

顔を声のしたほうにむけると士郎がこちらを心配そうに見つめていた。その髪は半分が白く染まっている。

 

「どれだけ気絶してた?」

 

「いやたったの数分だよ」

 

士郎の手を借りて起き上がる。

 

「爺さんは?」

 

「あそこ」

 

士郎が指さす場所には、頭だけとなった臓硯が瀕死になりながらも生きていた。

 

ふと横を見ると、桜が士郎の上着をかけられて寝ている。

 

「ほかの蟲は?」

 

()()()()()()。残った臓硯の蟲はあそこのやつらだけだ。まったく屋敷中にいるから手間がかかったぞ」

 

士郎は落ちていた剣を拾うと僕に差し出す。僕はそれをなけなしの力で握る。

 

「慎二。彼の500年の終わりはお前に任せる。俺は疲れたからここで見学するさ」

 

と言うと士郎はその場に座りこむ。

 

僕は脚を引きずって臓硯のもとまで歩く。

 

「嫌だいやだイヤダ死にたくないシニタクナい」

 

「おしまいだよ。爺さん」

 

刀を構える。

 

「じゃあね。500年おつかれさま」

 

そして振りかぶる。死の炎は瞬く間に臓硯を包み込む。

 

 

『....あぁ...ユスティーツァ』

 

炎に包まれた臓硯は老人のそれではなく、青年の澄んだ声でつぶやく。

 

『終わるのだな。我が宿願も、我が苦痛も、マキリの使命もすべて残さず...思えば...あっという間の500年だった....』

 

最後にそう呟き、臓硯は灰となって消えていく。

 

 

すべてを見届けた僕は、膝から倒れこみ、もう一度気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝の日のまぶしさで目を覚ます。

 

寝坊している桜を起こし、僕は机の上にあったパンを食べ、学校へ桜より先にいく。

 

 

まだ朝早い時間に学校へとつくと、僕は校門を潜り抜け、校庭の一角へと行く。

 

そこではすでに馬鹿が高跳びの練習をしていた。

 

「おっ、慎二。おっすおっす」

 

その馬鹿は僕に気づくとふざけた挨拶をする。

 

「まだそんくらい飛べないの?魔術使えるのにだらしないね」

 

「出そうと思えば(世界記録)」

 

「いいからさっさと飛んでくれよ?お前のせいでクラス対抗の高跳び部門に負けるのは嫌だからね。まったく。まず僕が手本を見せてやるさ」

 

 

今日もこいつとの一日は楽しくなりそうだ。

 

 

 

 




原作の設定が難しすぎてまずいですよ!

今回、臓硯の本体が5年前の時点で桜の中にあるかどうかお粗末な私の調査力ではわからなかったので、まだ本体が桜の中にないことにしました。

許してください何でもしますから!


あと今回士郎君が使った剣をどうしても先に知りたいというお方は感想をご覧ください。
一応ネタバレ注意です。
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