ヤバい剣しか投影できないオリ士郎君 作:ぬぶぬぶ
苦手な方はお気をつけください。
今回急いで書いたので文法的におかしな点があると思います。見つけ次第修正します。
さんさんと照りつく熱い日差し。
目の前には白く輝く砂浜に押し寄せる青い波。
これが屋内にあるとは普通思うだろうか?俺は思わない。
遠くにはウォータースライダーを、誰かが面白そうに叫んで滑っている。
しかし俺は不動。
熱い日差しをパラセルで遮り、ビーチチェアに深くもたれかかる。
さきほど売店で買ったサングラスを付け、そばの机から長いストローを伸ばし動かずジュースを飲めるようにする。
「これぞ至福」
「楽しんでますねお兄さん」
ちらりと声がした隣のチェアを見る。
そこにはあの傍若無人がすっかりなりを潜めたギルガメッシュの子供時代。通称子ギルがニコニコと笑いながらアイスを食べている。
「俺の予想より早くできたんすねわくわくざぶーん。あと5年はかかると思ってたのに」
「大人の僕が急ピッチで開発を進めたんですよね」
だけど俺にとっては子ギルも結構苦手な部類なのだ。大人ギルガメッシュは論外として、こっちはこっちで怖さがある。
「そういえば話は変わるんですけど、この間お兄さんのお友達が使っていた剣について_______」
「あっ!イリヤが呼んでるわ!!それじゃあ俺は行きますので!」
「あっ!待ってくださいよ~」
ジュースを一気飲みした俺は、すぐさまこの場から離脱する。大人時代と子供時代とでコレクター癖が変わらねえぞオイ!
「ハァハァ...」
さすがに建物の端から端まで全力疾走はきつい。
「士郎、どこ行ってたんだよ」
そう俺に聞いてきた慎二は浮き輪の上に座ってプールを漂っている。
「いや、恐ろしい最古のジャイアンに追われていたんだ」
「?何言ってんのお前。てかお前の妹かまってやれよ。さっきからお前を探しててうるさいんだよ」
「まじか、イリヤはどこにいんの」
「あっちだよ。ついでに桜もかまってやってくれ。僕はここでゆっくりするから」
こいつ面倒ごと押し付けやがったな。
「そんなことを言っちゃう慎二君にはおしおきだ」
「ん?なにすんだってうおおおっ!?」
思いっきり浮き輪の端を持ち上げて、浮き輪に座っていた慎二をプールの中へと落とす。
「何すんだ士郎!」
「ははははは!めんどくさがりは泳いで肺活量でも鍛えてるがいいさ!」
その場からさっそうと立ち去る俺の背中に慎二の怒鳴り声が聞こえるが、俺はそれを無視してイリヤと桜のいる場所へ向かう。
「お待たせイリヤ」
「あっ、士郎!どこ行ってたの?」
「ちょいとビーチチェアで一息ついてたのさ。桜も楽しんでるか?」
「はい。先輩」
イリヤと桜は椅子に座って、昼飯のお握りを食べていた。
「あれ?おっさんはどこ行ったんだ?」
周りを見るも、イリヤと桜の見守りを頼んでいた切嗣のおっさんがいない。
「切嗣ならトイレに行ったわよ。それよりも士郎!お昼ご飯を食べたら一緒に泳ごうよ!サクラも一緒に!」
「おっ、いいぜ。その前に俺も腹が減ったからお握りを一つまみっと」
置いてあったお握りのうち、あまり形の整っていないお握りを食べる。
「あっ、先輩...そのお握りは..」
「おっ!桜が作ってくれたのかこのお握り?うん、美味しいぞ!何個でも食える」
と手に取ったお握り二個を一口で食べる。昆布と鮭の王道コンボだなこれは。
「!...フフ、のどに詰まってしまいますよ先輩」
桜はそれを見てほほ笑む。
慎二とともに地獄から救い出してからはや数か月。桜のメンタルカウンセリングとして衛宮邸でイリヤやふじ姉達と接させているが、結構良い効果があるようだ。
前まではめったに笑うことはなかったのに、ここ最近は少しずつ顔に表情が出てきている。
あと数か月くらいで、原作の明るさまでには戻るだろう。
「そういえば体の調子はどうだ桜?痛いとことかないか?」
「大丈夫ですよ先輩。先輩の治療のおかげか、前よりすごく元気なんです」
そう呟く桜の髪は、本来の髪の色にだんだんと戻ってきている。
「そうか!それならよかった」
桜には、俺の投影で出すとある剣で治療している。ほんとなら一度で一気に治したいのだが、なぜかあの剣は俺の出す剣の中でトップの反動があり、一度に数回しか使えない。治療しかできないのにどうして....
「シロウ!はやく泳ごうよ!」
「わかったわかった。ほら桜も行こうぜ」
「ありがとうございます、先輩」
イリヤに腕をつかまれて催促された俺は、手を桜に差し出し起き上がらせる。
流れるプールにほらいくどー
「お待たせイリヤ、桜ちゃん。トイレが混んでてってあれ?二人ともどこ行ったんだ?」
その場にはトイレから帰ってきたおっさんがポツンと取り残された。
そのあとは流れるプールでゆっくりと時間を過ごし、50mプールで慎二と泳ぎを競い合ったり、ビーチバレーで間桐チームと衛宮チームとで別れ戦ったりなどした。
それにしても慎二がチートすぎる。あいつ魔術関係なかったら何でもできるな。ほぼあいつのワンマンプレーだったぞ。
そしてプールで数時間遊び尽くした俺たちはようやく家へと帰ることにした。日が傾き、きれいな夕焼けになっている。
俺は銭湯からの帰りのような、清々しい気分で家までの道なりを歩く。
するとイリヤが俺の後ろに気づかれないようにこっそりとやってきた。
「シロウ。すごい焼けてるよ。つんっと」
「あひゃあああ!?」
「アハハハハハ何その声!」
イリヤが俺の日焼けした背中をつんっとつまむ。それと同時に俺の背中に耐えがたい痛みが走り、気持ち悪い声を出してしまった。
「な、何すんだイリヤ!」
「ふふふ、今夜のお風呂が楽しみねシロウ」
「あーあだから日焼け止め塗っとけって言ったのに」
そう呟く慎二の体はあまり焼けていなかった。イリヤと桜も同様だ。
「男なら!日焼け止めなぞ使わずに焼くものだぞ慎二!てことで明日は俺の家の庭で焼けるまで帰さんからな貴様」
「理不尽すぎない!?」
「士郎、あまりお友達をいじめちゃだめだぞ...」
そう切嗣のおっさんは呆れる。
今日はそのまま衛宮邸でお泊り会なので、衛宮邸へと直行する。
「ただいま~セラ、リズ!」
「慎二、桜。入ってどうぞ」
「あっお邪魔します」
「†悔い改めて†」
「ん?なんて言った今」
俺は桜と慎二を家の中へと上げる。
「おかえりなさいませお嬢様。そしていらっしゃいませお友達の方々。夕食の準備は既にできております。お手洗いをしてお召し上がりください」
「イリヤ士郎おかえり~」
居間を開けると、セラとリズが待っていた。けれど夕食の準備をしたのはセラだけのようだ。リズはテレビを見ながら寝転んでいる。
「おっ!うまそうなハンバーグだなってイテテテ」
「手洗いをしてからと言ったはずですよ士郎」
ただ旨そうなごはんにウキウキしていただけなのに、セラに耳を引っ張られた。
「わかったってセラ!」
なんか俺にだけあたり強くないこの人?俺はプリズマ時空の士郎じゃないんだぞ!
洗面台に行き、手を洗う。
居間に行くと俺以外は既に座って待っていた。
「シロウ!遅いよ」
「ごめんって」
俺も急いで席に座る。
「それじゃあいただきます」
「「「いただきます!」」」
切嗣の掛け声とともにみんなで食前の挨拶をする。
まずは野菜から食べる。ごまドレッシングをかけ、一口食べる。
冷蔵庫からとってきておいた納豆を箸でかきまぜ、ごはんに乗せる。ついでに生卵を入れることも忘れない。
納豆ごはんを食べながら俺は少し考え事をする。第五次聖杯戦争のことだ。
臓硯を倒した今、あとの不安要因は言峰ギルガメッシュのペアとキャスターについてだ。
遠坂はうっかりでエミヤを召喚することが確定してるだろうし、あの人甘いから戦闘せずになんとかなるやろ。まあ遠坂のサーヴァントは俺に対して殺意高そうだけどね.....
てか聖杯の汚染について後回しにしてたけど、どうするよ。
キャスターに頼みこんで、汚染を浄化してもらうか?そんなことできるか知らないけど。
それか俺のヤバい剣シリーズで汚染をどうにかできるか試してみるか?汚染の概念ごと切ればなんとかなりそうな気がするけど。となるとやっぱり臓硯倒した時のあの剣か。
「ん?なんだ士郎ハンバーグ食わないのか?僕がもらってやるよ」
「は?」
隣から慎二がそう言って俺のハンバーグを半分とっていった。そしてそれを一口で食べる慎二。
俺はダンと机をたたく。
「久しぶりにキレちまったよ...表出ろコラァ!」
「冗談だって!僕の半分あげるからさ!」
「それなら良いんだ」
俺は一気に落ち着き席に座る。危うくドンパッチソードが煌めくところだったぜ。
だけどこの恨みは忘れん。あとで格ゲーでボッコボコにしてやるから楽しみにしておけ。
食事の後は居間に横たわる。
行儀が悪いけど、プールで疲れてるから今日くらいいいだろう。
ふと横を見ると切嗣は眼鏡をかけて本を読んでいる。セラと桜は食器を洗っており、リズと慎二はお笑いの番組を見ていた。
「シローウ!」
元気な声が俺を呼ぶ。それと同時に腹に起こる衝撃。
....一瞬胃の中の物がのど元まで逆流してきた。
「今日はお風呂一緒に入ろうよ~私が背中を洗ってあげるよ!」
「え?」
こんな歳にもなって一緒にお風呂はまずいですよ!
「さすがにダメじゃないか?小学生のときならまだしも、俺たちもう中学生だし...」
「えーなんでだめなのよー」
「駄々こねても無理です」
それにそんなことしたらセラにお説教される。
だが俺の腹の上に乗るイリヤは邪悪な笑みを浮かべた。
「そういえば前にお泊り会一緒に行かせてくれない代わりになんでもするって言ったよね?」
「えっ、それは・・・」
数か月前なのになんで覚えてるんだこのロリっ子。
「ほらシロウはやく!」
「ちょっと待ってせめてタオルは巻かせて」
結局なんでもすると言った手前、断ることができず了承してしまった。一緒に入ると聞いたセラのあの恐ろしい表情が脳裏によみがえる。
水を浴び、風呂につかる。焼けた皮膚にお湯の熱さが鋭い痛みを与える。
「イテテテテテ」
風呂の中で体を動かすたびに痛みが走る。これは一週間ほど痛みが続くな。
痛みがやわらいでくると、俺は今日の疲れをとるようにゆったりと湯舟につかる。
すると髪をシャワーで洗っていたイリヤが俺に声をかけた。
「シロウ髪洗ってくれる?」
「ん、わかったよ」
できるだけ痛みがこないようにゆっくりと風呂から上がる。
そして椅子に座るイリヤの背中側に膝をつく。シャンプーを手につけ、イリヤの髪を洗う。
そのまま無言でイリヤの髪を洗う。イリヤの髪はさらさらで手で梳いても髪同士が絡まることがない。
ふんふーんと歌うイリヤの声を聴きながらゆっくりと洗う。
「そういえばシロウに聞きたいことがあるんだった」
「ん?なんだ?」
イリヤは鼻歌をやめると俺に顔だけを向け呟いた。
「
「!」
髪を洗う手が止まる。
「いつもいつも。ふざけているときも楽しんでいるときも眠っているときも。いっつも何かを怖がってるじゃない」
「....」
士郎は拳を握る。それは何かを我慢しているかのようだった。
「な、なにを言ってるんだイリヤ。俺は別に..」
「嘘。私はシロウのお姉ちゃんなんだもん。わかるよ」
士郎は「はぁ」と諦めたかのようにため息をこぼした。そして髪を洗うのを再開する。
「怖いんだ」
「何が?」
洗いながらポツリと呟いた士郎の言葉にイリヤが詳細を尋ねる。しかし士郎から返事が返ってこない。
「それって次の聖杯戦争のこと?」
髪を洗う手が少し固まる。図星のようだ。
「大丈夫よ」
イリヤがそう呟く。
「お姉ちゃんの私が士郎を守るよ。絶対に」
「....ははは、頼りにしてるよお姉ちゃん」
「むぅ信じてないでしょ!シロウ!」
イリヤの髪についたシャンプーをシャワーで洗い流す。
その手の震えはなくなっていた。
「ギルガメッシュ」
どこかの教会の敷地内で、男は目の前で光の門を開いている王に話しかける。
「こんな時間に何をしているのだ」
「見てわからぬか綺礼。我が財宝の整理をしておるのだ」
そう呟く英雄王は王の財宝の最奥にてとあるものを発見する。
「これを探しておったのだ」
そしてギルガメッシュは空を見上げる。空には大きなゲートがギルガメッシュと綺礼を囲むかのように12個出現した。
「これは...」
それぞれのゲートから少しだけ姿を現したものに綺礼は久方ぶりの恐怖を覚えた。心臓はとっくの昔に止まっているというのに、緊張で鼓動が止まらない感触に襲われる。
「これを使うのは業腹だが、あの雑種との闘いならこれもまた一興か」
英雄王はとてつもない存在感を放つ12の物体にニヤリと笑った。
風呂を上がったあと、俺と慎二は格闘ゲームをしていた。
宣言通りボッコボコにしてやると慎二は助けを呼ぶかのように後ろで見ていたリズと交代した。
そして俺は速攻でつぶされる。この人なんでこんな格闘ゲーム強いんだ。
そのまま数時間ほどしていると、セラに怒られたので寝る準備をする。
歯磨きをすまして、布団を慎二の分もあわせて敷く。桜はイリヤと一緒に寝るそうだ。
「よし寝るか」
俺は疲れ切った体を布団に沈める。今夜は数秒で眠りにつけそうだ。
「ちょ待てよ」
すると隣の慎二が俺の体を揺さぶって寝ないようにする。
「なんだ慎二」
「せっかく二人きりなんだ。恋バナでもしようぜ」
「それならまず慎二から話してくれ。慎二は気になってるやつとかいるのか?」
「僕はお前と違ってモテるからね。気になると思った時は既に行動は終わっているのさ。だから気になってるやつなんていないよ」
は?なんだこいつ自慢か?
「それよりも士郎お前はどうなんだよ。イリヤスフィールか?桜か?それとも大穴を狙って藤村か?」
「やっぱり僕は王道を征く青セイバーですかね」
「誰だよ」
うるさいうるさい。俺はもう寝るんだ。
隣からのうるさい声をBGMにして、俺は眠りにつく。
ふと目が覚める。
襖の先から虫の奇麗な鳴き声が聞こえてくる。隣を見ると慎二が静かに眠っている。
妙に目が覚めたのでトイレに行くことにした。
慎二を起こさないように静かに襖を開ける。月明りが通路を照らしてくれているお陰で電気をつけずにすむ。
すると通路の途中で誰かが縁側で座っている。
「おっさん。寝るならちゃんと布団に行けよ?」
「ん?あぁ士郎か。大丈夫だよ」
切嗣のおっさんが穏やかな顔で座っていたので俺も隣に座る。大きな月が夜空に浮かんでいる。
そのまま数分、無言で一緒に月を眺めていると切嗣はぽつぽつとしゃべり始めた。
「士郎、僕はね。子供のころ正義の味方に憧れてたんだ」
「なんだよそれ。憧れてたって、諦めたのかよ」
「うん。残念ながらね」
切嗣は苦笑する。
「
「そっか。それじゃあしょうがないな」
「そうだね、ほんとうにしょうがない」
「けど」
「ん?」
切嗣のおっさんがこっちに向く。俺も切嗣のほうへと顔をむける。
「あのとき。あの地獄から俺を救い出してくれたおっさんは、イリヤをあの城から連れもどしたおっさんは、俺たちにとって
「______あぁ、そうか」
切嗣のおっさんの目から涙が流れる。
「僕は二人にとって、正義の味方になれたんだね。あぁ....安心した」
おっさんは目を閉じる。その瞳からの涙が頬を下る。
そのまま数分ほど無言となる。俺はただ月を眺める。
「それじゃあ夜も遅いし寝よう____」
「ズゴーーーーー!」
「___かって、えっ!どうしたんだい士郎!いきなり庭にヘッドスライディングして!」
どうやら俺の思い違いだったようだ。あぁ安心した。
「で」
次の日の昼頃。今日もまた昨日と同じように灼熱の日光が庭に降り注ぐ。
「なんで僕は庭で寝転んでいるわけ?」
「焼くためでしょ」
そう悪態つく慎二君は昨日まったく焼けていなかったので、今日は全身焼かせます。
日光が目に入ると危険なので二人ともサングラスを着用し、庭の真ん中でシーツをひき、寝転がる。
「僕は別に焼きたくないんですけど」
「嫌だと言ってもするんだよ!」
暑い。昨日のわくわくざぶーんはガラスで一枚隔てていたからか昨日よりも直射日光がすさまじく暑い。
「喉かわいた...喉乾かない?」
「もうどうにでもしてくれ...」
「オイルヌロッカー」
結局お互い、風呂に入れないほどまで焼けた。
別に英雄王をよりチートにしてもかまわんのだろう?
やっとこれで第五次聖杯戦争にいけるわ
次の話は少し遅くなります。第五次の時系列を確認しますので
てか誤字報告適当に流したら恥ずかしいことになってしまった。気づかなくてすみません。