ヤバい剣しか投影できないオリ士郎君   作:ぬぶぬぶ

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今回の話、急いで書きましたので見づらいかもしれません。
修正していきます。


[ご注意]感想欄で剣を紹介してもらうことが規約違反に引っかかる恐れがあるとのことです。感想は大変ありがたいのですが、剣の紹介は今後ご遠慮してもらうと助かります。勝手ながら誠に申し訳ありません。


士郎と英雄王

士郎と別れたあと、私たちは大聖杯のもとまで歩いていた。

円蔵山の内部にある大空洞、龍洞を目指し洞窟の中を進む。

 

「嫌な予感がするな」

 

前を歩くアーチャーが両手剣を持ち、周囲を注意深く警戒する。

他のサーヴァントたちも私たちを囲みながら、前に進んでいく。

 

そして洞窟の先、大きな空洞があった。

 

盛り上がった台地の奥には、光り輝く光線が洞窟の天井まで届いている。そして空中には既に黒い孔が開いていた。そこから泥が少しずつ流れ始めている。

 

「来たか」

 

神父の服を着た男がいた。その男はこちらへと振り返る。

 

「観念しなさい綺礼!あんたのくだらない野望もここで終わりよ!」

「確かにこちらは私ただ一人、そちらはアサシンを除くすべての英霊。このままでは私に勝ち目はないだろう」

 

綺礼はフッと笑う。そして懐から黄金に輝く杯を取り出す。

 

「バカな...それは聖杯か?」

「ギルガメッシュの財のうちの一つだ。話は変わるが、お前たちは大聖杯のとある機能を知っているか?」

「聖杯の機能だと?」

 

言峰は手にもつ聖杯を掲げながら喋る。

 

「7騎のサーヴァントが一勢力に統一されたとき、それに対抗するために大聖杯には追加で7騎のサーヴァントを召喚するシステムがある。既にアサシンは落ち6騎だが、強引に起動してみるとしよう。」

 

言峰は英雄王の聖杯を眺める。

 

「私の手元に膨大な魔力の貯蔵庫がある。既に孔は開けた。ならばこれに残っている魔力すべてを使ってでも召喚してみるというのはどうかね?」

 

言峰は私たちを歪んだ笑みで見つめる。

 

「その前に止める!」

 

アーチャーは弓を取り出し言峰に攻撃をくりだす。それを察知した言峰はあふれ出た泥の中へと姿を消す。矢は泥に触れると溶けるかのように消えていった。

 

「出てくるがいい、思考無きシャドウサーヴァントたちよ」

 

泥の中から言峰がそう呟くと、孔の大きさが突如大きくなる。そこから先ほどまでとは違い大量の泥があふれだす。

 

「泥には触れるな!汚染されるぞ!」

「足場は私の魔術で作るわ」

 

アーチャーが後ろにいるサーヴァントたちに警告をする。キャスターは空中に魔力でできた足場をかける。

 

「ふむ、あれが」

 

セイバーの視線の先、泥が孔から滝のように流れ落ちた場所を私も注視する。

 

突如泥の中から腕が伸びた。

泥の中から姿を現したのは黒い靄がかかった何か。おそらくあれが言峰が言っていたシャドウサーヴァントなのだろう。

 

だが

 

「おいおい、追加で出てくるのは7騎じゃなかったのか?」

 

 

そう呟くランサーは槍を構える。

泥の中からは次々と影のサーヴァントが出てくる。既にその数は両手では数えられない。

 

「はっ!」

 

前に出たライダーが一番手前にいるシャドウサーヴァントに鎖のついた刃で切りかかる。シャドウサーヴァントは向かってくるライダーに対して自らの手に持つ剣で迎撃するが、ライダーの素早さに追いつけず攻撃が当たらない。

 

「眠りなさい」

 

そしてその敏捷さを活かしてライダーはシャドウサーヴァントの背後をとると、その背中に深々と刃を突き刺す。

シャドウサーヴァントは聞きとれない悲鳴を上げて、黒い粒子となり消えていく。

 

「やはり一体一体は弱いですね、しかしこの数は厄介です」

 

傍に帰ってきたライダーは目の前に着々と増えていくシャドウサーヴァントを見てそう呟く。

 

「あぁ、だが数だけだ」

 

アーチャーは弓を使い迫りくるシャドウサーヴァントの急所を正確に貫いていく。急所を貫かれた影は次々と消えていく。

 

「はっ!おもしれぇ!」

 

槍を構えたランサーはシャドウサーヴァントの群れの中へと突撃する。周りからの攻撃を華麗にかわし、槍で相手を突き刺していく。

 

「アーチャー、キャスター。そこの3人をしっかり守っておけ。私も突撃する」

「言われなくとも」

「えぇ、まかせなさい」

 

セイバーは二人にそう告げると、その場から風のように飛び出す。そして彼女は魔力放出で強めた筋力で複数の影を一度で切り裂く。

 

「まずいぜこれ...個としては勝ってるけどあいつらどんどん増えていきやがる」

「えぇ...少しジリ貧かしら」

 

慎二と凛が泥からどんどん出てくる影に顔を青くする。

二人のその様子を見て私は胸に手を当てる。

 

「私もでるしかないわね。わたしの中の女神たち、力を貸して!」

「なっ!待てイリヤスフィール!」

 

手に氷でできた剣をつくり、前へと飛び出す。後ろからアーチャーの声が聞こえるがそれを無視して影に切りかかる。

 

「えぇーいっ!」

 

大振りした氷の大剣が影の体を上下二つに裂く。周りの影が私に攻撃を繰り出してくるが、空気中に氷を形成させ、その攻撃を止める。

 

「まだまだ!」

 

攻撃が失敗し隙だらけとなった影を切り裂いていく。女神の力を借りた今なら、そう易々とダメージをくらうことは無い。

 

士郎が帰ってくるまでに何とかしてみせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

泥の中から言峰は戦況を眺めている。

あふれ出るシャドウサーヴァントは止まる気配もなく湧き続けているが、その大半が彼らのサーヴァントに打倒されている。

しかし彼らのほうも打つ手はないのか、迫りくる影たちを延々と倒し続けている。

 

「宝具は決定打を見つけるまで温存しておくつもりか。だがその選択はどうかな」

 

自らの手の内にある聖杯の魔力の消費を強める。これで少しはさっきまでの影たちより強いものがでてくるだろう。

 

「しかし、それでもまだ拮抗するだろうな」

 

彼らは真の英霊達。多少影が強くなったところで敵わないだろう。事実彼らはまだ力を温存しているかのように見える。

 

「やはりあの二人の勝負の行方で決まるか」

 

脳裏にはギルガメッシュと士郎のことが思い浮かぶ。

 

その勝者が此度の戦いの決定打となることを言峰は確信した。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじく。はじく。はじく。

魔力で強化された腕を振るい、迫りくる宝具を撃ち落とす。

その量はかつてとは比べものにならないほど。しかし両手の電光丸は金色に光り輝き、その悉くを撃ち落としてくれている。

敵の宝具はひとつでもあたったら致命傷となる。しかし士郎はそんな中でも恐怖すら持たずに両手の剣に身を委ねていた。

 

かつてとは違い余裕のある士郎は隙を見て剣を投影する。

 

「___投影、開始(トレース オン)  月の紋章の剣(バルトアンデルス)

 

士郎のすぐそばの宙で形成されたその剣は迫りくる宝具の間隙を縫って、王へと射出される。

 

「フン」

 

宝具の余波で発生した土煙の中から、剣が自らに向かって飛び出てきているのを確認したギルガメッシュはゲートを自身の前に数十個展開し、中から盾を出す。

 

金属音を上げて盾と剣がぶつかる。しかし盾は剣が触れた場所から崩れていく。そして次々と盾を壊していく。だがその勢いは盾を破るごとに減速していき、最後の一個の盾を打ち破ると勢いを無くしたのか、英雄王に当たることなく地に落ちていく。

 

「ほう、原子単位まで分解するか。盾を崩すにはうってつけと言う訳か」

 

ならば一か所に留まることは得策ではないなと呟いた英雄王はゲートから黄金とエメラルドで形成された空飛ぶ舟、ヴィマーナを出す。

 

「させるか!」

 

士郎のそばに先ほどのバルトアンデルスの剣が大量に投影される。それは士郎に向けて射出された宝具を分解しながらヴィマーナに乗る英雄王に迫る。

 

「遅い」

 

英雄王は急発進したヴィマーナの慣性力をものともせず、追尾してくる剣を宝具で迎い打つ。バルトアンデルスの剣の切っ先に精確にゲートが開かれ、そこから飛び出た剣とぶつかっていく。それを数十回繰り返し、バルトアンデルスの剣は勢いを無くした。

 

「手は休めぬ。油断はせんぞ?」

 

音速で飛行する船に乗る英雄王が手をかざす。すると士郎の上空に大きなゲートが開かれ、そこから大きな剣が二つ落ちてくる。それを見た士郎は腕を空にのばす。

 

投影、開始(トレース オン) 斬艦刀!」

 

落ちてくる剣に対抗するかのように、空中に二つの大きな剣が投影される。名前の通り艦船を両断できそうな大きさのその剣は、落ちてくる剣とぶつかり合う。

 

巨大な鐘を鳴らしたかのような大きな音が響く。ぶつかり合った二つの剣は勢いを大幅に無くし、地面へと砂ぼこりを巻き上げて落ちる。

 

「ふむ...やはりこれでは貴様の剣が投影されるまでに決着はつかぬな」

 

既に戦いが始まってから数分は経っている。

回りに展開されていたゲートが閉じる。士郎は空を見上げると、そこにはヴィマーナの先端に英雄王が立っており士郎を見下している。彼は腕を組み、顔に笑みを浮かべている。

 

 

 

 

 

 

「よって、貴様にはこれをくれてやろう!」

 

英雄王の周りの空に12個の巨大なゲートが開く。それを見た士郎が両手の電光丸を構える。

 

「光栄に思え雑種!これを使うのは後にも先にもこれだけだ!」

 

そして12のゲートから()()が姿を現す。

 

「嘘だろ.....」

 

その言葉が口から漏れ出た士郎の顔がここにきて初めて青ざめる。

 

士郎にはそれらの内のいくつかに見覚えがあった。それは前世、彼がプレイしていたfgoのとある章にて現れた強敵。

 

「はるか遠い未来にて、人類が作り上げし()()()()()!我が財の最奥に眠りし人の技術の到達点!」

 

奇しくもそれらはかつて地球に飛来した1()2()()()()()()()と姿形が似ている。

それだけでなく、この機械を作り出した技術者たちはそれぞれにとある神話の神々の名を与えた。そして彼らはこの12の機械を()()()()()()()()1()2()()()と呼んだ。

 

「ここから先は我の目をもってしても見通せん。さぁ、どう足搔く?雑種」

 

ここからが真の戦いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

衝撃で硬直していた体を奮い立たせる。両手の電光丸を強く握る。

こちらを圧倒的な存在感で見下す12の機体。ギルガメッシュはいつの間にかはるか上空に移動している。

 

士郎は上空に浮かぶ機械を一体ずつしっかりと観察する。その中の5つに士郎は見覚えがあった。

 

ゼウス、デメテル、アフロディーテ、ポセイドン、アルテミス。

 

彼がfgoの二部第5章で遭遇した敵の機械神。それによく似た形の機械が空に浮かんでいる。

 

 

その時、士郎の体が電光丸に引っ張られる。

すると士郎が元いた場所に巨大な電撃が落ちる。電光丸に引っ張られた士郎はその光景を見て冷や汗を流す。

 

電光丸があの攻撃を受け止めなかったということは、あの攻撃は受け流せない。剣で受け止めた時点で士郎は死んでいたということだ。

 

投影、開始(トレース オン)!」

 

すぐさま士郎はバルトアンデルスの剣を投影し、今の雷撃を放ったであろうゼウスの真体(アリスィア)によく似た機械へと放つ。

 

投影されたバルトアンデルスの剣は、勢い良くゼウスに向かっていく。

しかし、バルトアンデルスの剣はゼウスの目の前でバリアのようなものにはじかれた。あのバリアはバルトアンデルスの剣で分解できないようだ。

 

 

突如、地面が影に覆われる。

 

「何ッ!?」

 

いつの間にか、士郎の真上に球体の形をした機体、デメテルが移動していた。それは自らのもつ質量をもって士郎に体当たりを行う。

 

「クッ!」

 

士郎は地面に突き刺すように斬艦刀を複数投影する。地面に突き刺さり、柱のようになった刀は士郎をデメテルの体当たりから防ぐ。しかしその重さに負けたのか、斬艦刀は切っ先から折れていく。

 

電光丸に引っ張られる士郎は、デメテルが斬艦刀に食い止められたそのわずかな時間を利用し、デメテルの真下から抜け出す。それと同時にデメテルは地面に落ちた。

衝撃が地面を揺らすが、士郎はそれを気にせず周りの機体を警戒する。

 

すると視界に映るいくつかの機械がピカッと光った。それぞれから放たれた光線が士郎目掛けて放たれる。士郎は斬艦刀を投影し盾のようにすることで防ごうとするが、斬艦刀は光線に当たると容易く砕ける。

電光丸は士郎の体を引っ張り紙一重で光線をよける。しかし、艦は休むことなく攻撃を繰り返し、士郎は徐々に追い込まれていく。

 

 

 

 

 

「!?...頭が..」

 

降り注ぐ攻撃を避け続けていた士郎は自らの頭を手で押さえる。体の前後感覚がおかしくなり、幻覚や幻聴の症状が出始めていた。

 

「脳に...響くこの音は...そうかアフロディーテのッ!」

 

士郎は歪む視界でこの精神攻撃を繰り出しているであろうアフロディーテの機体を見やる。その視界の先にはアフロディーテが空気中に音の波を展開していた。電光丸で防げないその音波は士郎の頭に深刻なダメージを与えていく。

 

そして精神攻撃にひるむ士郎を超上空から狙いを定めている機体がいた。

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメッシュはヴィマーナに乗り、はるか遠くの地表にいる士郎を眺めている。彼は12の機体を展開することにすべての力を使っているため、ただ眺めることしかしていない。

しかし、ギルガメッシュが何もせずとも眼下の士郎は着々と追い詰められている。

 

英雄王と同じ高さまで昇ってきた機体がある。それは月の女神の名を冠する機体。

そして今、その機体はエネルギーのチャージを終え、その標準を士郎に固定する。

 

「他の剣を出さねば、死ぬぞ雑種」

 

ギルガメッシュは頬杖をつき、その行方を眺めた。

 

 

 

 

 

 

 

ふと空が明るくなる。士郎が上を見上げるとその視界が白一色に染まる。

 

それは月の女神アルテミスの砲撃。かの大神ゼウスに匹敵するその砲撃の威力は島一つ消し飛ばすほどのもの。かのヘラクレスの12の試練を貫通して消滅に追いやる神の一撃。

 

それだけではない。周りの機体からも援護射撃とばかりに光線が向かってくる。まるで流れ星が落ちてくるかのような幻想的な景色であった。

 

 

士郎は腕を空に掲げる。視界は揺れ、前後感覚は乱れ、今にも倒れそうなその体を気力で強引に立たせる。

 

神を見据えるその眼はまだ死んではいない。

 

 

投影、開始(トレース オン)

 

 

そして固有結界を震わす大爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

大爆発が起こり、その衝撃波が上空を漂うギルガメッシュのもとにまで到達する。

その視線は先ほどから変わらずただ一点に集中していた。

 

「フハハハハハハハハ!そうでなくては!」

 

土煙が空を舞う。その中にいる男を見て、英雄王は大きな声で笑う。

 

「ついにお気に入りの剣を出したというところか雑種!さぁ見せてみろ!貴様の『剣』を!」

 

王はその眼を持って、これまで以上に戦いを注視していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

土煙が晴れる。

 

固有結界にはまさに隕石が落ちたかのような規模のクレーターができている。

 

しかしクレーターの中央、そこだけは破壊を免れ、盛り上がった台地のようになっていた。

 

そこに男は立っている。髪は白く染まり、皮膚は黒ずんだその男、士郎は手に持つ剣を構えた。

 

 

「真名解放  四宝剣

 

それは文明を何度も滅ぼし、何度も歴史を繰り返した異星人の剣。それはまさしく士郎が持つ剣の中でも最上位のものだった。

 

 

 

 

士郎がまだ生きていることを確認した機体は攻撃を続行する。

しかし、その攻撃は士郎が剣を振るうと音もなく消えていく。

 

「消えろ」

 

攻撃を消しながら士郎は精神攻撃を続けてくるアフロディーテに向けて剣を振るう。直後、アフロディーテは狂ったかのような機械音を上げて忽然と姿を消した。

 

「カハッ!」

 

アフロディーテが消えた直後、士郎の口から大量の血が流れ出る。それだけでなく、血管が切れたのか体中から血が飛びだし、彼の全身は赤く染まる。

物の存在する確率を変動させるという規格外の力を持つこの四宝剣はとてつもなく強力だ。だがそれゆえにその力を使う士郎には大きな負担がかかり、自らに向かってくる攻撃の存在確率を操作するだけでも彼は金属バットで頭を殴られたかのような痛みを覚える。

そしてアフロディーテほどの存在の確率すらも操り、消滅させた彼の体はもはやいつ気絶してもおかしくないほどの重症を負う。

 

しかし彼は止まらない。

その手にある四宝剣を消し、再び他の剣を投影する。

 

投影、開始(トレース オン)!」

 

歯を食いしばる士郎の目や耳からも血が流れ始める。

 

彼の肩に金色に輝く翼のようなものが2つ、そして彼の周囲に星のようなものが7つ投影された。

 

「今こそ壊劫(えごう)の時。この廻剣(かいけん)は敵を断つ!」

 

士郎は剣の持つ力を借りて、空へと浮かぶ。周りの機体が何かを察したのか攻撃の勢いを増やすも、彼の周りにいる星が守る。

 

宙へ浮かぶと彼の肩にあった二つの翼が合体して一つとなり、剣の形となる。

そして士郎の周りに浮かんでいた7つの星は彼の目の前に集まり、この固有結界の景色をその集まった星の内部に映し出す。

 

「神を撃ち落とす。『虚・帰滅を裁定せし廻剣(マハー・プララヤ)!」

 

あらゆるインドの神性を統合して絶対神となったとある人物の宝具。その贋作が今士郎の手によって展開される。

 

彼の背後に浮かんでいた剣が7つの星を両断する。そして世界全てを消滅させる一撃が固有結界内へと広がっていく。

 

神を撃ち落とすその破壊の嵐は、その場にいるすべての機体のバリアを貫通し、その内部を悉く破壊していく。

 

広がる嵐は遥か上空にいる英雄王にも到達する。

 

「フハハハハハハ!」

 

士郎から投影された二つの剣にたいそう満足している英雄王。

彼の目の前にまで破壊の一撃は迫ってきているのだが、それでも英雄王は笑みを絶やさない。そして王は嵐に飲まれる。

 

 

英雄王のすぐそばにいたアルテミスの機体は迫りくる攻撃になすすべもなく破壊されていく。

 

そして固有結界すべてにその破壊は行き届いた。

 

 

 

 

 

宝具を展開し終わった士郎は上空から落下し、地面へと倒れ伏す。

 

「ハァ...ハァ...」

 

しかし士郎は今までの反動で重い両足と両腕を使い起き上がる。既に片方の目は何も映さず、その耳はほぼ機能していない。

士郎は顔を上げる。

 

士郎の攻撃を受けた機体たちが空から火花を上げて地面へと墜落していく。しかし、その中にある機体がないと士郎は気づいた。

 

「ゼウス...」

 

かの大神、ゼウスの機体が空を見上げた士郎の視界いっぱいに映る。

 

既に外部の装甲は剥がれ落ち、内部の構造があちこちから見えているのに、その機体は感情のない目でこちらをいまだに見降ろしている。

ゼウスは雷を身にまとい、最後の一撃を士郎に下そうとしていた。

 

「____投影、開始(トレース オン)

 

彼の右手が光る。

 

そして出てきたのは手の平ほどの大きさの種。

 

「起きろ魔剣」

 

士郎がそれを力強く握ると、種から根が飛び出す。

そして根は地面へと勢いよく突き刺さる。

 

「結界の力すべてを吸え、お前の一撃を見せてみろ」

 

手にする種がドクンと鼓動する。すると固有結界がまるで鳴いているかのように、不気味な音が結界内に響き渡る。

鳴き声が響き渡るとともに地面はひび割れ、空は崩れていく。今まですべての攻撃に耐えていた固有結界が崩壊していく。

 

崩れ行く大地に何とか立つ士郎。右手に握りしめる種はどんどん成長し、剣の形を造っていく。

 

そして魔剣は完成する。

士郎の腕に剣から出た根が巻き付き、黒い刀身が上下に伸びている。

 

その剣を捕捉したゼウスはその剣が自らを容易く破壊できることに気づき、自らの持つ残りすべての力を使い、特大の雷撃を士郎目掛けて放つ。

 

ゼウス目掛けて飛び出た士郎は剣を構え、それを正面から受けて立つ。

 

 

「真名解放  魔剣・斬撃皇帝

 

星の究極の一(アルテミット・ワン)すらも両断する魔剣がゼウスの雷撃を切り裂き、その先にいるゼウスを半分に両断する。

両断されたゼウスの機体は火花をまき散らし地面へと墜落していく。

 

これにてすべての神は地に堕ちた。

士郎はそれを見届けて、手にある魔剣を消す。

 

 

 

 

 

 

「見事だ雑種」

 

 

ほぼ機能してない耳がその言葉をかすかながら捉える。

士郎は声が聞こえてきた背後を振り向く。

そこには先ほどの攻撃で鎧が砕けたのか、上半身をさらけ出している英雄王が空に浮かびながらこちらを見ていた。

 

「残りは一分ほどか...」

 

英雄王は士郎の中にてもうすぐ出来上がりつつある剣を見抜く。

 

「やはり最後はこれしかあるまい」

 

その言葉を呟いた英雄王の手にはいつの間にか乖離剣が握られている。

 

士郎もまた重い右腕を左手で支えながら贋作の乖離剣を投影する。

それを見て、英雄王はニヤリと笑う。そして乖離剣を空中に突き刺す。

パキンと何かが割れる音がした。

空間だ、乖離剣を突き刺した空間がひび割れている。

 

 

「原子は混ざり、固まり、万象織り成す星を生む」

 

英雄王の言葉とともに乖離剣は回転を始める。

それはかつてとは比べ物にならないほどの出力だった。

 

かつて英雄王が士郎に見せたのは「地の理」。しかし今、英雄王は空中に浮かび完全出力の「天の理」を示そうとしている。

サーヴァントの身である英雄王は本来なら「地の理」だけしか使えない。しかし彼は今、自分の身を滅ぼしてでも「天の理」を強引に引き出そうとしている。

 

「フハハハハハハハ!」

 

そして空飛ぶ英雄王の眼下に出来上がったのは三つの巨大な渦。その一つ一つがとてつもない破壊力を秘めている。

 

ギルガメッシュは高笑いをしながら、乖離剣エアを握る。

 

そしてゆっくりと乖離剣を掴んだ右腕を天へ掲げる。

 

「クッ!」

 

それに危機感を覚えた士郎もまたかつてを上回る出力で贋作の乖離剣を回転させる。

彼らが出す乖離剣の力は、まさにその場を地獄へと変えさせていた。

 

 

「死して(はい)せよ!天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

 

「打ち破れ!王に勝利す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

 

 

二人は互いに乖離剣を突き出した。世界を滅ぼす力が二人の間でぶつかる。

しかし、士郎が放つエアの力はすぐに力負けする。英雄王の放つエアの力は士郎目掛けて勢いを変えず突き進んでくる。

 

「まだだッ!投影、開始(トレース オン)ッッ!」

 

乖離剣を突き出す士郎の両側に、新しく二つの乖離剣が投影される。そして二つの乖離剣もまた回転を始める。

 

「ゴハッ!」

 

士郎はその莫大な負担により盛大に吐血する。体中に激痛が走り、爪は剥がれ、動脈が切れたのか士郎の体から噴水のように血が飛び出る。

 

しかし、それでもまだ足りない。英雄王の放つ乖離剣の力に、士郎の三つの乖離剣を合わせた力は徐々に押されている。

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!!」

 

相手の破壊の渦はすでに士郎の目と鼻の先にまで来ている。

士郎は文字通り最後の力を振り絞り、投影が完了する時間が来るまで持たせようとしている。

 

しかし、

 

「終わりだ」

 

英雄王がそう呟いた。彼の体も強引に「天の理」を引き出した代償なのかところどころが透け始めている。

あの剣が投影される前に終わらせる。ギルガメッシュもまた最後の力を振り絞り、乖離剣に力をこめる。

 

 

 

 

そして大爆発が崩れゆく固有結界を包む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...」

 

上空に浮かんでいた英雄王が地に降りてくる。地に足をつけた彼は、倒れそうな体を必死に抑えている。

しかし、その顔には笑みが浮かんでいた。

 

「ククッ....なるほどな」

 

英雄王は視線の先、大爆発の煙が晴れた場所を見て笑う。

 

()()()()()()()()()()()

 

 

 

その視線の先、そこには視界を覆うほどの大きさの白くて透明な何かがあった。

 

氷だ。視界一杯に氷河のように氷が広がっている。

 

そしてその氷は彼を大事そうに包み込んでいた。

 

厚い氷の中で、その男は血の池に沈んでいる。左腕、右足は消し飛び、腹から内臓が飛び出ているが、それでもその男はまだ生きている。

 

『ふふふ、女神の祝福!』

 

「ありが...とな、お姉...ちゃん」

 

既に何も見えてないその男の脳裏に、大切な姉の、雪の妖精の姿が浮かぶ。

雪の妖精、イリヤが男に与えた加護が乖離剣の直撃から彼を守り通したのだ。

 

 

 

 

時は満ちた。

 

士郎は薄れゆく意識の中、右手にたったひとつだけ残った人差し指をゆっくりと上げる。

 

「_____投影、開始(トレース オン)

 

彼の人差し指に、その剣が投影されていく。

 

それを見た英雄王は彼の四方にゲートを開く。そしてそこから大量の剣が射出される。

 

「____真名、解放」

 

目は見えずとも、士郎は切るべき相手を「捉えて」いた。

 

英雄王の剣が彼を包む氷を突き破っていく、そしてそれが士郎に当たる寸前。

彼は最後の剣の名を呼んだ。

 

 

 

 

「すべてを切れ、二次元の刃(イビルメタル)

 

 

そして世界は二つに切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




武器紹介


<新・オリュンポス12機神>
過去を見通す力を持った遥か未来の技術者が、過去の地球に降り立った存在を参考にして作り上げた機械。それぞれに飛来した存在を参考にしてオリュンポスの神々の名がつけられている。
本来なら一つ一つの機体が独立したAIをもち、その神の名に相応しい特有の能力を持っているが、英雄王の持つ莫大な魔力をもってしても十分に発揮できない。それゆえ思考回路を持たず単一的な行動しかせず、それに加えて防御力も大幅に低下している。
それでもただの英霊では太刀打ちできない強さをもつ。
ギルガメッシュは士郎が隠しもつ剣を見るために此度限りの使用に踏み切った。


<月の紋章の剣>(魔術士オーフェンより)
刃に触れた物体を原子単位まで分解し、使用者のイメージ通りに再構成する強力な剣。
しかし分解した物質の再構成には極度の集中力が必要なため、士郎は分解の能力しか使わない


<斬艦刀>(スーパーロボット大戦より)
文字通り戦艦さえ真っ二つに斬れそうなほど巨大な刀。
100mを超す長さをほこる。


<帰滅を裁定せし廻剣(マハー・プララヤ)>
fgoの二部第4章でのラスボス、アルジュナオルタの宝具。
世界を終わらせるこの剣を、士郎は固有結界の中でしか使うことができない。
この剣が繰り出す破壊は一流の英霊でさえ何もできずに消し飛ばすほどの威力がある。


<魔剣・斬撃皇帝>(奈須きのこ作品の鋼の大地より)
対象の大きさに合わせて刀身を増大させるだけの単純な魔剣。
しかし、この剣は死の概念を持たない存在を切断できる。実際にこの剣の所有者のアド・エデムはタイプ・ジュピターを一撃で両断し倒した。
また魔剣の成長の変換源として大地のエネルギーを使い、それは人間を守るために世界を滅ぼすという人間の在り方の具現と言える。


<四宝剣>(封神演義より)
物の存在する確率を変動させる能力を持つ。士郎の持っている特にヤバい三つの剣のうちのひとつ。何度も世界を破壊、創生を繰り返したこの剣は封神演義の作者ですらよくわかってないほどヤバい。
確率を操るだけあって、この力を振るうたびに士郎は大きな負担を被る。


<二次元の刃(イビルメタル)>(魔人探偵脳嚙ネウロより)
ネウロが持つ兵器や道具の中でも最強の兵器。
剣自体は指先に乗るサイズであり、炎のような見た目をしている。
その能力は斬るという過程が無く、ただ斬ったという結果のみを造り出すという強力なもの。士郎の持っている特にヤバい三つの剣のうちのひとつ。
おそらく投影できた時点で、もはや誰にも止められない。



聖杯戦争編が終わったら書こうと思ってる話の中で見たいのをお選びくださいお願いします。

  • 聖杯戦争編その後(ほのぼの)
  • もしも原作士郎がオリ士郎を召喚したら
  • もしオリ士郎君が汚染れたら(ドシリアス)
  • fgo編
  • 他のfate作品にオリ士郎君突入
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