-1998年(バイオ3)-001
「ッ!?なんなんだこいつ……」
『スタァァァァァァァァズ!!』
洋館事件から二ヶ月後、我らがブラッド・ヴィッカーズはアンブレラの新たなる証拠集めに尽力していた所、突如アパートの壁を破壊してダイナミック入室をかまして来た全身黒包帯の大男から逃げている所だった。
「なんだあの服防護服かなんかか!?ハンドガンをロクに受け付けやしない!!」
今は偶々手元にあった閃光手榴弾を投げつけての目潰しで時間を稼ぎ。廊下を全力疾走していた所だった。
「だぁくそ、このリュック捨て…いやでもこの中には重要なもんが……クッソもう来るのかよ早いなぁ!?」
『グオオオオオォォ!!』
アパートの扉は通れなかったのか、又もやダイナミックリフォームをかまして廊下に現れブラッドの方を視認するなり突撃してきた大男。
(絶対アンブレラの刺客じゃねえか!)
愛銃の【サムライエッジ】をリロードし背後へ向けて適当に撃つ。相手の図体はでかい為全弾当たるが、相手が頑丈なのか纏っている服が特殊かはたまた両方か。応えているような様子は見受けられない。寧ろ挑発と受け取られたのか更にスピードを上げてくる始末である。
「チッ!」
一先ず撃退は不可能だと判断し、腰のポーチから通常の手榴弾を取り出しピンの紐を口で引っ張り作動、背後へ向かってぶん投げる。
ドゴォン!!
爆発音が背後から聞こえたが、ブラッドは成果を確かめることもなく更に歩みを速める。
(あの【タイラント】はロケットランチャーを喰らってようやく死ぬような奴だった。それと同じサイズのあの大男がこれしきで死ぬわけがないっ!)
ある意味ではB.O.Wへの
やがてアパートの端が見えてきたので扉を蹴飛ばし、そのまま身を投げ出した。
数メートル以上ならただの自殺行為だが、そもそも彼の住んでるアパートは二階建てでありそこまでの高さはないので無事に着地した。
「あーもうホンット勘に頼って装備しといてよかったわ……!」
彼の姿は【洋館事件】の時の身軽な格好からは打って変わりフル装備と言っても差し支えないもので、S.T.A.R.S.にのみ配布されるアミラド繊維で編まれた服上下に自前の防弾チョッキを着込み、肘と膝には彼の趣味であるパルクール用のプロテクターを身につけ、山岳用のブーツを改造し鉄板を仕込んだ改造靴。後ろに背負い込んだ軍用リュックサックには、この日のために溜め込んだ様々な物資が入っていた。
そんなフルアーマーブラッドは辺りを見渡し、顔を顰める。
「起きるとは思っていたが、こうも早いとは…」
火に包まれた建物に逃げ惑う人々。
これだけでも大災害と形容してもいいが、今回はこれにもうひと要素プラスしなければならない。
「キャアアアア!!?」
「くそっ、なんなんだお前ら!」
人々に噛みつく
「バイオハザードか……!」
そう呟くと、彼は重い体を押して走り出す。目的は人命救助。先程目の前で悲鳴を上げた若いカップルの救護に向かった。
「こっちだゾンビ共!」
そう大声で叫ぶと、音に反応したゾンビたちが此方を向く。カップルを襲っていたゾンビも同様だ。
先ずはカップルの直ぐ近くにいたゾンビをショルダータックルで突き飛ばし強制的に距離を取らせ、ヘッドショットで仕留める。
「おいアンタら立てるか!?」
「は…はい!」
「大丈夫です!」
「いい返事だ!ここから歩いて暫くするとラクーン市警がある!そこまでなんとかして行け!」
「で、でも貴方は!」
「これでも特殊部隊員だ!」
啖呵を切りリョックから【AA-12】を取り出し構える。しかもそれは先日購入した専用のドラムマガジンによって弾の容量が32発と化したものとなっていた。
ズガンッ ズガンッ ズガンッ ズガンッ
きっちりゾンビ一人につき弾一発で殲滅したブラッドは、背後を振り向き誇示するように胸に刻まれた【S.T.A.R.S.】の紋章を見せ付けた。
「とまぁこんな感じだ。理解できたらさっさと行け!」
「「ありがとうございます!」」
「…あぁそれと!そこの彼氏!!」
「は、ハイ!!」
そのまま見送ろうとしたが、先程のカップルの――特に彼氏の先程の行動を思い出し、呼び止めた。
「さっき彼女のこと庇ってたろ?ナイスガッツ!」
「へっ…見てたんですか!?」
そう、ブラッドが声を張り上げゾンビの注意を此方に向ける直前。青年はせめて彼女だけでも守ろうと身を投げ出そうとしていたのだ。
そんな勇者に向かってブラッドが差し出したのは…………
「お守り代わりだ!ナイフ一本持ってきな」
「へっ?えっえっ」
己が携帯していた
「――ゾンビたちにあったら、それで喉を切り裂いてやれ。それだけであいつらは死ぬ」
「えっ……」
「本当なら警察署まで護衛してやりたいんだが、それは出来ない。俺にはやるべきことがある」
そう言うと、ブラッドは次の言葉に想いを載せるため一瞬のためを作ってから言い放った。
「だがら、彼女はお前が守るんだぞ?
「――ッ!ハイ!分かりました!!」
「ならば良し!そぅら行ってこい…地獄でタップダンスなんて中々できないぞ!!」
「ハイ!ありがとうございました!!」
そう言うと青年は「行こう!」と彼女の手を取って走っていった。
「……さて、俺はジルさんを迎えに――ッ!」
道案内と勇気付けを行ったブラッドは、携帯を手にジルに連絡を取ろうとしるが、その瞬間。彼のいたアパートから爆発が起こった。
そしてそのアパートの屋上には大きな影が…
『スターズゥゥ……』
「アパートの落盤にも耐えるかよ…!」
呻くように呟くが、油断なく【AA-12】を構えるが――
『…………………』
「…なに?」
大男は此方を少し見やると、興味を失ったように視線を外し、大ジャンプして去っていった。
(なぜ急に見逃した…さっきまで俺の事をストーカーみたいに追いかけ回してたってのに…)
急に追跡をやめたことに疑問を覚えるがそれは一先ずやめにしてジルへ連絡をとろうと携帯を取るが、画面を起動する直前にふと気付く。
(そういやあの方向ってジルさんのアパートが……まさか!?)
脳裏で再生されるのは、あの大男が事あるごとにつぶやかれていた『スターズゥ』という単語。
すたーず………
スターズ………?
S.T.A.R.S.……!?
(…気のせいだと思うが)
プルルルル……
『ブラッド?どうしたの』
「ジルさん。バイオハザードが発生した」
『なんですって!?』
「窓の外を見てください。懐かしい奴らが居るはずです」
『…こんなに嬉しくない再会は初めてだわ』
「同感です。あと真っ黒な大男がそっちに向かいました。さっさとアパートから離れる事をお勧めしときます」
『分かったわ。直ぐ準備する』
「いやー俺の時は大変でしたよ。なんたってアパートの壁ブチ抜いてくるんですもん。度胆を抜かれましたよ」
『嘘でしょ!?本当に?』
「
『…合流した方が良いみたいね』
「っすね。じゃあジルさんのアパートの下で合流しましょう」
『了解。下で合流ね』
ブラッドは通話を終了させ、ショットガンを構え直しながら、小走りにその場を後にした。
【ブラッドのリュックサック】
・調合ハーブ(瓶詰め)×20
・救急スプレー×5
・■■■■■×5
・グレネード各種×10
・弾薬数十ダース
・スタンロッド
・テーザーガン
・大型ナイフ×4
・レーションやお菓子
《修正》
■■■■■の数を3→5に変更しました。
今後の展開
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テラグリジア・パニック事件(リベ0)
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アシュリー・グラハム救出作戦(バイオ4)
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リクエスト(書くかどうかは内容次第)