ノーブル・ブラッド   作:korotuki

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えぇー…大変遅れたことをここにお詫び申し上げます。ウェルカムトゥラクーンシティ楽しみですね。123の内容総まとめって感じですけど尺とかそこんとこどうするんでしょうか?
あっ今回はシリアス多めです(当社比)

遅れたので前回のまとめ
レ「はよアシュリーたん迎えに行くぞ!」
ブ「そんなことより情報収集だ!」
レ・ブ「けっ!勝手にしとけ!」

レ「捕まったンゴ(捕虜爆誕)」
ブ「さては新種のB.O.W.だな!……ヒュ」


-2004年(バイオ4)-004

「………む」

 

 レオンはふと目に差し込んだ明かりによって目を覚ました。

 

 両腕を動かそうとするが、自身が麻縄で雑に拘束されていることに気付き。その後周囲の観察へと移る。

 

 場所は村の建物よりも一層ボロくさく感じる納屋のようであり、周囲の物はクローゼットや机のみとかなり簡素なものだった。

 

(俺は…そうだ確か謎の男を助けたら村のボスというやつに会って……)

 

 記憶を遡るうちに、タイラントを思わせるほどの長身の村のボスだという男に渾身の後ろ回し蹴りが易々と受け止められぶっ飛ばされた光景を思い出す。

 

(まさかあんかヤツがいたとはな…ブラッドは大丈夫だろうか)

 

 自分から見てもかなりの戦闘能力をもつブラッドといえどもあの大男に抵抗する術は少ないだろうと、レオンは彼が大男に遭遇していないことを願った。

 

「ウゥム……」

 

 そこまで考えた時に、ふと自分の後方から苦しげな呻き声が聞こえてくるのは。

 

「…目が覚めたか?」

「――あークソ、俺を助ける筈じゃなかったのかよ」

 

 呆れたような声音で言いながら男は天を仰ぐ。この男は村の中でも正気を保っているらしくレオンを見ても敵意を見せることはなかった。

 

「この村はどうなってるんだ?」

「あんた…アメリカ人だろ?何しに来た?」

「…………」

「オワ――ってーな、誰だよオマエ」

 

 縄を解こうともがくついでに無言のノーを突きつけ、レオンは自分の要件を伝える為何とかポケットからアシュリーの写真を取り出し見せた。

 

「俺はレオンだ。この子を探しに来た、知らないか?」

「……。アンタ何者だ?警察にしちゃ泥臭くないし」

 

 男は写真を一瞥し考えること素振りを見せるが、再びレオンに質問を飛ばした。

 

「ちょっとな…」

「ハァ。オッケーあててやろうか?大統領の娘だろ」

 

 平行線な会話に嫌気が差したのか、男は一つ間を空けてからレオンにとって重要な情報を開示した。思わず目を見開いたレオンは男を鋭く睨みつける

 

「なぜ知っている?教えてもらおうか」

超能力(サイキックパゥワ)……冗談だよ。そう睨むなって」

 

 戯けたように答えた男を思わず睨むレオンだが、視線に臆したのか思った反応を得られず白けたのか即座に取り消し話を続けた。

 

「本当は奴らが大統領の娘を教会でどうこうって言ってたのさ」

「教会か…地図にもあったな」

「行くのかは止めないが、直近でボスが来るらしいからやめといた方がいいじゃないか?」

「ボス?あの大男のこと――ッ」

「あーあ、お迎えが来やがった…!」

 

 探り合う二人の耳に、ふと足音と何かを引きずる様な異音が聞こえた。

 男からすればマトモな人間は己を除けば隣にいるレオンだけ、またレオンからしてみても協力者のブラッドがわざわざ自分の位置を知らせる様な音を出すような人物とは考え辛く。二人は揃って「敵が来た」のだと結論を出し、なんとかしようと身じろぎする。

 

 だが彼らを縛っているのは残念かな。多少の錆びはあるものの立派な鉄鎖であり、猛獣の抵抗にも耐え得るそれを成人男性二人で解くというのは中々に酷であった。

 

「なんか持ってないのか?」

「だったらタンスから出る前に脱出してるぜ!」

「そうか…チッ役に立たない

「聞こえたぞ!名誉毀損の現行犯でパクってやろうか?」

「警察官だったのか?」

「マドリッドのな、“元”が付くけどよ!」

「なら、同じだなっ!」

 

 軽口を交えながらも互いに身を反対側に捻らせ鎖を破損させようとするも、甲高い不快な擦れ音が響くだけで特に成果はない。

 

「そうかい!あぁそうださっき自己紹介してなかったなオレはルイス!!因みに退職理由は憎まれ役に飽きた事だ、正義の味方は割に合わなくてよッ」

「俺の場合は出勤初日にデカい()()が起きてな。職場どころか、街一帯でホームパーティをしてほっぽり出された」

 

 体より口が回る“サガ”なのか焦燥感に振り回され混乱しているのか、先ほどよりも更に早回しで喋りまくるルイスを他所に、外からの足音は徐々に二人に近付いて来ていた。

 

「アアァァア……」

「来やがった…!」

 

 遂に二人の小屋に、外からの足音の主が現れる。予想した通り小屋に入って来たのは村の狂った村人だった。両手で握る斧は錆びてはいるが鎖で固定された身動きの取れない男二人をぶった斬るには十分な切れ味があるだろう。

 引き摺っていた斧を持ち上げ二人の前に翳し始める村人。彼らが持つt-ウィルスの感染者を想起させる膂力はレオンも体感した直後であり思わず背中に冷たいものが這う感覚を覚え――

 

 

 

「レオンッッッ!!」

 

 直後今にも斧を振り下ろさんとする村人の背後から雷鳴の様な声が響く。

 

「ガアア!?」

「邪魔だァ!!!」

 

 レオン達と一拍遅れて振り返った村人の顔面に顔面蹴りが炸裂、道中急いだこともあって勢いもついたソレを喰らった村人は地べたに座り込んでいた状態のレオンとルイスの頭上を通り過ぎ、反対側の壁に勢いよく激突した。

 コンバットブーツ特有の幾何学的な模様がクッキリと顔に付き、心なしが陥没したように見える村人は体をガクガクと痙攣させ力無く崩れ落ちる。

 

 先程とは別の冷や汗を掻くレオンに酷く慌てた様子のブラッドが駆け寄り、その肩を勢いよく揺さぶり出した。

 

「無事が!?アイツらになにか…注射で打たれたりとかは!!」

「お、落ち着けブラッド。気絶していたから分からないが……」

「………!」

 

 肩をガクガクと揺らし普段の冷静な態度がなりを顰めたブラッドに目を白黒させるレオンと頻りにレオンの首筋や腕を見遣るブラッド。

 そんな二人のすぐ横でルイスはブラッドの発言に目を見開いていたが、互いの安全確認と精神分析に必死だった二人はついぞ気付かなかった。

 

 

 

 

「――だから、俺の体には今のところ不調はない。一先ずコレを解いてくれないか?」

「…そう、だな。分かった」

 

 数分間の問答の末いくらか険がとれた顔となったブラッドは、そこで漸くレオンを拘束する鎖と…その隣で繋がれたルイスに向き合った。

 

「一応聞くけど、解いた瞬間襲い掛かったりしないよな?」

「外の奴らと一緒にしないでくれよ。この端正な顔と理知的な眼を見てくれ」

「あーハイハイ今ので理解した」

「ところで、どうやってコレを解くんだ?工具はないぞ…金属腐食液も持ち合わせがないんだが」

「いやこんな近くに人がいるのにエッチング液使う程バカじゃないが?」

 

 そう言うとブラッドはふと自分の近くにあった斧を拾い上げ、更に自身の腰にマウントされたネイルバトンを持った。

 

「レオンの言う通り。近くにチェーンカッターでもあればよかったんだがなぁ…動くなよ」

 

 ブラッドはそう二人に声をかけ慎重な手つきで斧の刃を二人を拘束する鉄鎖の中心点に配置する。その時点でイヤな予感を感じたルイスが身を捩ろうとするが「動くなって言ったよな?」と有無を言わせないブラッドの底冷えした声に硬直した。

 

「おーのは切れるが手元がブレるー、バトンは馴染むが切れはしなーい」

 

 気の抜けたアカペラを口ずさみながらネイルバトンの先端を斧と鎖の直線状に配置する。

 

図にすると

バトン

斧の刃部分

鉄鎖

となる。

 

「んじゃあどうするこうしよー…う!」ドンッ!!

 

 一呼吸置いてからネイルバトンのスイッチを押し込み打突の勢いで鎖を断ち切った。

 

「………ッ」

「あ、オイ――」

「待てレオン。一旦ハニガンに連絡しよう」

 

 鎖が解けた瞬間にルイスは立ち上がり小屋を後にする。当然止めようとしたレオンだが、それを遮りブラッドはレオンの腰の通信機を指差した。

 

「それはそうだが…珍しいな」

「何が?」

「アンタは不確定要素はなるべく潰しておくタイプだろ、話が通じるとは言え抜け抜けと逃がすなんてのはらしくない」

「…まぁ、な。心変わりってヤツさ」

「…………」

『こちらハニガン。聞こえてる?レオン』

「…通信、繋がってるぞ」

「あぁ。こちらレオン、少し手が離せない状況だった」

『大丈夫なの?』

「多分な」

 

 澄ました顔でそう言うレオンとそんなキザな態度に呆れたハニガン。そんな二人の会話に耳を傾けながらブラッドはふとルイスが走り去った扉を見遣る。

 

「連中に捕まっていた男からの情報だが、アシュリーは教会に捕らわれているらしい」

『その男は?』

「ここから逃げた」

『教会への道はわかるの?』

「詳しくは、だが村に隠し通路があるらしい。一度村に戻ることにする」

『分かったわ。ブラッドからは何かある?』

 

 話を振られ我に帰ったブラッドは少し考え込んでから口を開いた。

 

「…これからは別行動ではなく協働して進んでいくつもりだ。レオンによると手に負えない奴もいるらしいし、奪還に来た俺たちが倒れる訳にはいかないからな」

『成る程ね。了解したわ…他に何か?』

「いや、特には」

 

 通信終了のボタンを押したレオンにブラッドの二人は、引き続きアシュリー救出のため動き出した。

 

 …ブラッドだけは、胸に一介の不安を抱いたままだったが。

 

「さて、行くか」

「村の状況顧みてもゆっくりは出来ないしなぁ」

 

 二人並んで小屋から出ようとした瞬間――

 

「こっちに来な、余所者さん方」

「「!?」」

 

 廊下の小窓から見えた黒ローブのくぐもった声の男がそう二人に声をかけ、家の裏手へと歩いていった。

 

「…どうする?」

「敵意はなかったが…いや、話が通じるなら一旦話すべきだ」

 

 互いに顔を見合わせそう結論付けたレオンとブラッドは銃だけは構えつつもドアを開け家の外に出て、男が向かった裏手へと足を踏み入れた。

 

「へへっ、よく来たな」

「…アンタは、他の奴らとは随分と違うな」

「あんなのと一緒にしないでくれ、それよりもいい武器があるんだ」

 

 スペイン訛りの英語を話す男の目は濁ってはいるが理知的であり、徐にローブを開いた彼の内側にはその言葉通り大量の武器や弾丸があった。

 

「つまり…アンタは武器商人?」

「その通りさ。さぁどうする余所者供(ストレンジャーズ)

「俺は武器は一通り持ってるからな…まぁレオンはいるんじゃないか?拳銃とシャッガンしか持ってないし」

「そうだな、店主。品揃えを見せてもらっていいか?」

「ヘッヘッヘ…幾らでも見てってくれ」

 

 その後所持金(巻き上げた金)と売却した宝石類(村人の遺品)と相談してハーブや弾薬を始めとした消耗品にライフルを購入した。あとで武器商人が真に信頼できるのか後でブラッドが解体(バラ)したところ品質は非常に良かったという。

 


 

AG作戦(正式名称:アシュリー・グラハム救出作戦)

第四通信記録

通信者:ブラッド・ヴィッカーズ

   :イングリッド・ハニガン

再生開始

 

『わざわざ自前の通信機で連絡してきてどうしたのかしら?』

『レオンにはちょっとな。写真を送るから見てくれ』

『……これは?』

『村の一軒家で見つけたスケッチ。村で起きたことの顛末だと思われる』

『私、新人なんだけど…』

『諦めてくれ。任務に就いた以上は責任を果たそう』

『分かってるわ…私はどうすればいいのかしら?』

『資料としてはそれしかない。BSAA(ウチ)のデータベースに、オブライエン頼ってもいいからコレがどうゆう型のやつなのか調べてほしい』

『出来るだけやってみるわ。レオンには言わない方がいいのかしら?』

『そうさせてもらえると助かる。いずれ伝えるが今じゃない』

『了解よ。まぁ期待しないで待ってくれると助かるわ』

『頼んだ…通信終了する』

 

再生終了




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ぶっちゃけ日記部分いります?(七月末まで)

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