▲月○日③
俺とレオンは武器の手入れと入念なストレッチを終わらせてから村へと戻るルートである峡谷へと向かった……正直な話レオンを今すぐふんじばって精密検査に連れて行きたいが状況がそれを許さない。しょうがないので逐一レオンを観察しながら行動するしかないようだ。
まぁ手負いのヤツを庇いながらの行動は慣れているしな。
因みに購入品はライフルに武器収納が可能なケース(拡張可能らしい)ぐらいだな。
場所は変わって峡谷、ここは一種の砦のようになっていて。スコープ越しでもエラい数の村人がいた。その手には斧だかピッチフォークやら、中にはダイナマイトを持っている奴もいて明らかに警戒態勢である。
さらに峡谷の出口らしき門には何かが嵌まり込みそうな六角形の窪みがあり、数年前の洋館を思わせる香りがプンプンした。たぶん紋章的な何かを嵌め込むんだろうなアレは。
何処にあるかは定かではないそれを、敵と戦いながらというのはゴメン被りたいが……
「そっちはどうだブラッド?」
『視界良好極めて微風、絶好の狙撃日和だな』
レオンはインカムから聞こえてきた返事に小さく頷きながらも壁際に身を潜める。
『作戦を再確認する。俺はレオンの進路上の敵を狙撃により排除、レオンは俺が処理しきれなかった村人からの自衛とあの門を開けるためのキーアイテムを探し出す。何か問題は?』
「問題ない」
『OK、そっちのタイミングで初めてくれ』
一度息を吐き、再び吸ったレオンはその手に握る拳銃の存在を強く意識した。
「――行くぞ!」
『了、行動開始』パァン!
その言葉共に峡谷の砦入り口近くを巡回していた村人の頭が吹き飛び、それを合図としてレオンは砦内へと突入する。
「「オォォオ!?」」
『手前2、下1、奥5。下のは俺がやる』
「あぁ!!」
階下の村人が握っていた手斧が持ち主ごと砕け散る様を視界の端を納めながら手前の村人の足に銃弾を撃ち込み、動きを封じすかさず蹴り上げる。
次いで蹴り上げた村人にぶつかりよろけた二人目の村人の頭部に肘打ちを叩き込み、痛みに耐えかね顔を下げた瞬間膝蹴りで迎え入れ打ち砕く。
飛び散った血肉に多少の嫌悪感を抱きながらも奥にいる五体の村人達に目を向ける。
「せめて半分ぐらいは減らせないか?」
『無理だ――いや、
パッァン!!
「「「「「―――ッア!?!?」」」」」
そう言うなり一発の弾丸が一人の村人が持っていた細長い円形の筒に導線がついた投擲物――ノーベル賞の語源であるアルフレッド・ノーベルが開発した爆薬――ダイナマイトに直撃し、大爆発を引き起こした。
「…倒す手間が省けた」
『応、それと増援6。右手の梯子を登って高所からの攻撃を推奨する』
溌剌とした声とは裏腹にブラッドの無線機の先からは常にライフルの発射音と排莢音が交互に鳴り響いており、そのサイクルが一つ終わるたびに村人達の頭が一つずつ吹き飛んでいく。
レオンがそれなりに長い梯子を登る間何も障害がなかったのが彼の高いエイミング能力を表すいい証拠である。
『今みたいに全員が爆発物でも持ってればいいんだがな』
「それは物騒だな…丁度ハマりそうな物体を手に入れた。形的にもう一つあるようだ」
『…あとはまだらなもんだな、ゆっくり探索するといい。俺も合流する。オーバー』
その言葉と共に通信が途切れる。ふとレオンが彼が狙撃場所に選んだ崖上を見ると、立ち上がったブラッドがライフルを担ぎラペリングで崖から降りている様子が見えた。
「いっそ恐ろしい先輩だな」
そう溢したレオンは
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「意外と広い地下道だったな…」
「構造的には谷の下から上がる形だからな。排水溝もあるから元は下水処理場とかだったんじゃないのか?」
レオンとブラッドは砦の先にあった地下道を進み続け、現在は出口付近の階段のそばで火を付け休憩を取っていた。
「成る程…にしては臭くないな」
「水が流れてないからな…村の井戸も腐ってたし、機能が死んで久しいみたいだ――にしてもデカいなこの
ブラッドは自身の身長の半分近くある巨大な“ランカーバス”*1を焼いており、皮の表面がパチパチと焼き焦げ出していた。
「おっ出来た…うん美味い、やっぱバスは焼きに限るわ」
「もっといただろう?なんで一匹なんだ」
「腹一杯になったら眠いし動きにくいだろ。アチチッ」
「それと…なんで調味料一式なんて入ってたんだ?」
「サバイバルには必須だからな、塩は勿論塩分の確保だが。香辛料は食い難いヤツだってかっこめる」
その言葉と共に押しつけられたカレー粉の瓶を振りかけ、レオンも腹が空いていたこと自体は事実なので大きく齧った。素材がいいのか料理人の腕がいいのか、複数の香辛料が絶妙に配合されたカレー粉の匂いとふっくらと焼き上がったバスの味は満足が食事が取れていなかったことを除いても十分美味だった。
「……美味いな」
「だろー?
「俺のところは基本的に護衛任務だったからな…テーブルマナーは仕込まれたが」
「部隊運用の用途が違うから、当たり前だろ?んじゃそろそろ行くか」
腹拵えが済んだブラッドは立ち上がり、火が消えかけた焚き火をブーツで踏み潰し念入りに消火をした。小気味のいい音を立てながら地面を黒く染める木炭を眺めつつ、同じく腹の膨れたレオンはアシュリー救出への心持を新たにした。
ぶっちゃけ日記部分いります?(七月末まで)
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