追記
アンケート始めました。
今後のテンポについての事なので、深く考えずに直感で選んでくれると助かりますm(_ _)m
「――ッ!!ここで大人しくしてろ」
何かを感じたのか弾かれる様に臨戦態勢へと移ったブラッドは自身の腰から愛銃のサムライエッジを携えドアに張り付いた。
レベッカの前に護身用兼お守りの閃光手榴弾を幾つか転がし、『俺になんかあったと感じたら部屋の外にそれ投げ込んですぐにジルさんの方へ行け』と言い。ドアをゆっくりと微かに開けた。
(それっぽいのは見えないけど、たしかに聞こえた…!アレは獲物を仕留めんとして気配を殺した音だ)
近接にも対応出来るようコンバットナイフも構え、一気に外へ飛び出した。
廊下に出た後素早く前後左右の確認。だが、前後はおろか左右にすら足音を発しそうな者はいなかった。気のせいかとも思いそうになるがそれをグッと堪える。そうなれたのはここに来る道中で見てきた数々のゾンビ やクリーチャー。それに元々この洋館で研究していたと思われる集団が記したと研究記録だった。ゾンビの他にも記されていた空恐ろしい程の種類のクリーチャー達への警戒を強めながらも、彼は周囲への警戒を怠らない。
(ハハッ…心情的には“助けに来た”つもりだったが――この状況じゃ逆だったのかもな)
彼の異様な冷静さと極限状態にも関わらず平時と同じような状態で軽口や冗談を言えたのは、ひとえに探索を共にしたジルの存在だった。
タッグで行動していた時は冷静にゾンビ達の足を撃って地面に押し付け、その後は無防備かつ動かない頭部に銃弾をプレンゼントするという動作を、探索から1時間経ったときには半ば“機械的”に熟せるようになっていたが、今の彼は右へ左へ忙しなく、まるで今日が初任務といわんばかりの新兵の如く動き回り、その額にはタラリタラリと疲労の汗とはまた別の汗を流しながら警戒していた。
(あぁクソ喉が渇く。視界が狭い、緊張しているのか?)
頭の片隅でそんな事を考えながら辺りを見渡す。吐く息すら騒音に分類されるのではと言うほどの静寂になった。ところで視界が狭くなったという事はそれ程一つ一つの物事に集中するという事であり、普段ならマイナスなだけだが今だけはプラスに働き、ブラッドはそれに気付いた。
――なんか血の量多くないか?
戦闘行為をしているのなら血が出るのは当たり前だが、それにしては多過ぎる気もした。なんなら壁に至ってはペンキをぶちまけたような――それこそ、
「まさかっ!?」
一介の不安が脳裏をよぎり、すぐ様ブラッドは天井に目を向けた。
シュウウ………
そこに居たのは“赤いナニカ”だった。
血を纏ったような体にまるで標本のような剥き出しの脳味噌。
目の類は見えないが、その耳は発達しているのが一目で分かる程肥大化していた。
四肢の先には長く伸びた爪が見え、その爪はなんでも切り裂きそうな印象を受ける。
口の辺りからチラチラと見える舌がその不吉性を表しているようにも見えた。
「――――ッ!」
先手を打ったのはブラッドだ。長年の職務で培われた彼は軽いパニック状態でありながらも体に染み付いた動作を正確になぞり、手に持っていたサムライエッジを手に取り三点撃ち。
見事謎の赤いナニカ――後に【
「嘘だろ!?」
驚愕の声に反応したのかリッカーがブラッドの方を向き、その肢体をしならせ爪を一閃する。
「シィ!」
軽い
「チッ!…ならこっちだ!!」
銃を構える時間すら致命になりうる距離と判断し、ブラッドは片手に構えていたコンバットナイフで躍り掛かった。
爪の一閃で硬直している隙を見逃さずに、山岳任務の為履いてきた丈夫なブーツの底部で頭部を蹴り飛ばす。
蹴りによって浮かび上がり一瞬己と同じ目線になったので予め構えていたナイフを一閃。
しかし一瞬の内だったのでナイフの一撃は擦るに終わり、リッカーの首に小さな切り傷を付けるだけで終わってしまった。
「ッ………ガアァ!!?」
体制を立て直したリッカーが飛び掛かり、ブラッドを押し倒す。飛び掛かられた際に爪によってサムライエッジが弾かれ、ナイフは使った際に敵の血で滑り床に突き刺さった。リッカーは獲物の前で舌舐めずりするように右手でブラッドの肩をしっかりと押さえ立ち上がれないようにし左手を掲げた。
直ぐに腰をまさぐりなにか使えないかと探すと―――ちょうどハンドガンのような形状の物に手が触れた。
(予備のハンドガンなんて持ってたか…?いや、何れにせよナイス俺!)
その感触を“自分が持ち込んだ予備のハンドガン”と判断し、なんとか動く左手を閃かせリッカーの前へ突き付け――――
「えっ」
しかし手に握られていたのはこの前入手した謎の銃だった。
(………終わったな)
自分が試した限りでは殺傷力皆無の銃。これが一般人相手ならまだ飛び出るイナヅマで驚かすこともできるが、相手は銃弾やナイフに当たりながらも突っ込んできた化け物である。到底怯むとは思えない。
「――もおどぉにでもなれぇぇぇぇぇ!!!」
最早ヤケクソの領域で銃のトリガーを引いた
バシュウ!!
…が、彼が覚悟した結末は良い意味で裏切られた。
なんと、銃から飛び出したイナヅマはリッカーの頭部へ丸で矢印があるかのように集中。リッカーの頭を電子レンジでチンした卵のように吹き飛ばした。
頭部という生物としての最重要器官を失ったリッカーは重力に引かれゆっくりと廊下にバタリと倒れる。
「………へっ?」
それを呆けた様子で見ていたブラッド。彼としては撃っても効果無しでそのまま切り裂かれるとばかり思っていたので、悪く言えば“肩透かし”よく言えば“急死に一生”という感じである
「――大丈夫ですか!?」
そんな中、戦闘音とブラッドの叫び声で閃光手榴弾片手のレベッカぎ仮眠室から出て来た。取り敢えず無事な彼の姿を見て安堵した後、その服が血塗れなのを見て青ざめながらもこちらに駆け寄った。
「そんな…!怪我の場所は!?分かりますかッ!!」
「あぁいや、これは…返り血」
必死に看護兵として責務を全うしようとするレベッカに対し、ようやく困惑状態から立ち直ったブラッドが手で制しながら無事を伝えた。半ば不意を突かれたような形で始まった戦闘だが、終わってみればブラッドの完勝で終わっていた。
その事に深い安堵を感じながらも、撃った後も握り続けていた謎の銃に視線を向けた。
(助かったのはよかったんだが…さっきの異常な威力はなんだ?バリーのマグナムでもあそこまで粉々には出来ないぞ)
突如として出現した新種のクリーチャー。威力皆無と思われていた銃による
(取り敢えず。ありがとな…)
一先ずその銃に命を助けられたのは確かなので、彼は謎の銃を額に着け――そしてふと気付いた。
(いつまでも【謎銃】呼ばわりはいけないな)
仮にも命を救ってくれた銃をいつまでも異物のように謎謎言うのは忍びない。
どう名付けようか考えながら俺はレベッカ、そして未だ眠り続けるリチャードと合流する為腰を上げた。
○月☆日③
真っ赤な四足歩行のクリーチャーに襲われたが、なんとか撃退できた。今は毒の苦しみによって無理やり目が覚めたリチャードの傍らで看病しているレベッカを尻目にコレを書いている。
『そんな事してないで見守れ』だって?リチャードだってハンサムとは言え野郎な俺よりも美人なレベッカに付き添われたほうが嬉しいだろ?
――いや、正直なところ見ていられないというのが本音だ。リチャードと俺は同期で、出世の時期もS.T.A.R.S.への加入時期もおんなじだったのだ。あいつとは新人時代はコンビを組んだこともあり、アイツの撃った弾が偶々建設現場の鉄骨の六角ナットに当たり、それが引き金となって建設途中のビルが丸ごと崩れたのはお笑いだ。さらに愉快だったのはその建物が企業に偽装した反社会的組織の新アジトの予定地で、リチャードがクビを恐れて黙った結果行われた調査でそれが判明し、それがS.T.A.R.S.選出の足掛かりとなった事である。
本人は先週もバーでその事を(やらかした事は省いて)自慢げに語っていたが、その度に俺は崩れ去った建物を見てブルブル青ざめたアイツの顔を思い出し笑いそうになり困ったものだった。―――いや、現実逃避は止めよう。現実問題としてアイツは死にかけている。
しかし現実に今取れる手段はジルさんが持ってくる血清を待つということし
―追記―
間に合った!
…前述通り、血清はなんとか間に合った。今は四人揃ってリチャードの無事を祝っている所だ。あの野郎両手に花でニマニマしてて気持ち悪いことこの上ないが…まぁ、助かってよかったと思う。
それと、謎銃の名前が決まった。
日本で【サンダー】を意味する【稲妻】からとって、この銃の名前は今日から【INA-DUMA】だ。我ながら安直な名前である。この任務から帰ったらケンドに命名してもらうのも一興――いや、渡したら永遠に帰ってこないような気がするから止めよう。
一先ずこれからよろしくな、【INA-DUMA】。
話の流れが遅い気がする……
因みにバイオ1では登場しなかったリッカーですが、あそこまでゾンビ とか実験動物が多いなら生まれてもおかしくないなと思って書きました。最初はハンターにしようと思いましたが、そうなったら黒幕グラサンとの絡みも書かなきゃいけないので断念しました。