修正:薬の名前をオリジナルのものから原作通りのものはと変えました
○月☆日⑧
あの後特に問題なく武器庫にたどり着いた俺たちは、武器の補充や装備の点検を済ませた後。除草剤を探し、見つけ出した。
除草剤は弾の中に注射の機構が埋め込まれた―資料には【アンプル弾】と書かれている―銃弾として、信号銃のようなデカい単発銃に装填されていた。
予備も合わせて合計五発。資料には威力検証済みとの事なので銃の操作を一通り確認。後方支援として射撃術がアルファチームの中では二、三番目には高い俺が持つ事になった。
(因みに一位はバリー。二位は同率でウェスカー隊長とクリス(ハンドガン限定)と俺)
帰り道に犬っころに襲われたりもしたが、ブラボーチームのリチャードが隊全滅の要因を見てただで済ませるわけもなく。ラン◯ーばりに怒りの連射で仕留めていた。
ジルさん達と合流した後お化け植物の親玉。資料によると通称【プラント42】が根付く踊り場へと向かった。あとこの単発銃――これじゃ分かりにくいな、『駆除銃』とかでいいか――散布タイプではないのが少し気になるんだが…スプレーガンみたいなやつじゃダメだったのか?除草剤って――普通撒くだろ――
『ここからは銃に対する愚痴が綴られておる』
…っと。日記のページ量にも限りがあるし、これ以上は辞めとくか。
そんなこんなで俺たちはエントランスへと到着。大量の蔦の洗礼を乗り越えながらもあの植物達が集う場所へと辿り着いた。
そんなこんなでここからはクソデカ植物駆除だ…日曜にアパートの大家さんに頼まれた時みたいにチャチャっと済ませてしまおう。このぐらい気楽な風が丁度いいかもしれないな、うん
【巨大植物駆除作戦】
記入者:ブラッド・ヴィッカーズ
作戦日:☆日○月1998年
責任者:アルバート・ウェスカー(無許可)
参加者:ジル・バレンタイン
:ブラッド・ヴィッカーズ
:リチャード・エイケン
:レベッカ・チェンバース
注意!:本作戦は正式な順序を経てする類のものではなく、危機に陥った隊員達が独自に組んで行使する作戦です。何か人的被害があった場合は責任者のアルファチーム隊長。ポジションLDRのアルバート・ウェスカー様へお問い合わせください。
【作戦内容について】
本作戦の目的はラクーン市警特殊部隊【S.T.A.R.S.】アルファチームとブラボーチームが派遣され、その地で発見された洋館の敷地内に存在する寄宿舎に巣食う巨大植物型B.O.W(生物兵器)通称【プラント42】を倒す事である。未だ謎に包まれ調査の済んでいない洋館の探索にこの化け物の存在は不要であり、早急に駆除しなければならない。
【作戦概要】
先ず今作戦は二手に分かれ、それぞれ役割分担する事で任務を遂行する形をとる。
片方はプラント42の陽動。奴に有効な火炎放射や硫酸弾を用いて気を引いてもらう。
もう片方はプラント42への有効打となり得る除草剤【V-JOLT】を利用してプラント42を枯らされる事、此方が本作戦のメインとなる。
なお組分けは以下の通りとする
【陽動班】
ジル・バレンタイン
リチャーズ・エイケン
【駆除班】
ブラッド・ヴィッカーズ
レベッカ・チェンバース
【最後に】
この作戦はたった四人で神話上の生物のような化け物と戦うという一見オカルトのような話だ。だがこれを書いてる俺は、作戦が完了することを確信している。何故ならここにいるのは無力な一般人ではなくそれぞれが狭き門をブチ抜いて来た精鋭揃いの特殊部隊員なのだから。
我々には鍛え上げた強靭な肉体と、現場で作り上げた折れない心と、やり遂げるという勇気がある。それを忘れずに、本作戦を完遂せよ
【補遺】
作戦文書を見た者は作戦完了後即座にこの作戦文書を廃棄、そして脳内から抹消するように。くれぐれも『またブラッドがはっちゃけてイタイ文章書いた』なんて酒場のネタにしないように!
「…なんて書いてたら、絶対二人とも大切に保管するに決まってるじゃないですか」
「それを言わないでくれ、任務放棄したくなる」
悪戯めいた表情でそう言うレベッカと、どこか虚無めいた顔で駆除銃を構え続けるブラッド達。彼らは二階の手摺り付近でひたすら機会を窺っていた
かというのも、プラント42と接敵し戦闘を始めた直後すぐ様ブラッドは除草弾を打ち込んだのだが何故か効果は薄く、精精プラント42本体の触手を数本機能停止させるに留まってしまったのだ。
その後の観察でプラント42は一定量のダメージを与えた後本体上部にある“花”のようなものが開き、そこが急所だということが発見されたため下のジル達が一定ダメージを与え再びプラント42が花開く機会を待ち構えているのだ
彼らに出来る事は効果の薄い通常弾での微力な援護のみであり、それで敵の狙いが此方に向くよりはと物陰に潜んでいた。
「という訳で頑張ってくれ」
『ふっざけんなよお前!?あんなこと書いといて他力本願はカッコ悪いぞ!!』
『あら、いいじゃない。後で揶揄う話が増えたわね』
「あ、一応救急キット渡しときますね」
『ナイスだレベッカ!』
重要な戦いだというのに気の抜けた会話を続けるが、戦闘のプロたるリチャードら二人は迫る触手を火炎放射でなぎ払い、本体へ向かって焼夷弾や硫酸弾といった有効な攻撃を的確に続けていった。
『――――――――ッ!!!!』
声にならない絶叫をあげるプラント42を尻目に、彼等は一気に畳み掛ける為ジルが腰のポーチから取り出した大容量のメスフラスコをそのしなやかな腕を鞭のようにしならせ投擲した。
見事なコントロールで命中し、割れたフラスコから流れ出たのは――引火性の薬品である。
「リチャード!あとはお願い!」
「ナイスコントロールだ!任せろ!!」
そう力強く言ったリチャードの手には、ブラッドが作成した蛇腹状に纏められた複数の焼夷手榴弾の塊だった。
「いい加減に駆除され……ろッ!」
ハンター投げの要領でぶん投げられた手榴弾達は円を描きながら向かっていき、プラント42にぶつかった衝撃で雷管が作動。そのまま薬品に引火し――――
ボワッ!
派手な爆発を引き起こした。赤を通り越して青のブルーファイヤな綺麗な色が弾けた
「オイ!これでどうだ!」
『十分だ!こちらも開花を確認した!』
プラント42が熱を逃すかのように、その醜悪な見た目からは裏腹に綺麗な赤い…血のような紅い花を咲かせた。
「ハッ!まるでこれまで
「さ、さすがにそんな事はないと思いますっ!」
チャンスを逃さず物陰から一気に飛び出し走り出す二人。戦闘の余波やプラント42の本体を支える太い幹のような蔓をパルクールの要領で飛び越えながら近付いて行く。
「その銃をあの花内部にある蕾みたいな所に撃てば大丈夫なはずです。頑張って!」
「了解ッ!外したらレベッカの
少ない言葉を交わし、レベッカはその場で頷きながらも立ち止まり腰の手榴弾に手をかけ、ブラッドはゴトリと重めの銃器を床に置きながら前傾姿勢をとり一気に加速した。
利き手の右手には切り札の駆除銃。左手にはお守り代わりの次弾を握り占め、ぐんぐんスピードを上げて行く
『――ッ―――ッッ!』
植物には無いはずの、本能的な物で迫るナニカを感知したのか未だ無事な触手を三本ブラッドは向け伸ばした。
「ここまで来て止まるかよ!」
1本目。一直線に伸ばされた触手を横手へ飛ぶように回避。
2本目。薙ぐ様に横へ広い範囲のなぎ払いを、スライディングで床の材木を散らしながら躱す。
3本目。上から振り下ろされた最後の触手を1本目と同じ様に回避し、最大限にスピードの乗った瞬間を“今だと”判断し右足で
『失敗するなよ。ブラッド!』
「当然だ!こーゆう時は決める人間だぜオレは!」
空中というある意味安定する場所に数瞬だけ居座る事に成功したブラッド。後方支援のスナイパーとしてのプライドを見事に発揮し、花の蕾へ狙いをつけ、迷う事なく切り札を発射した。
ほのかに緑色の弾丸は、真っ直ぐに目標へ向かって飛んで行きパスンと突き刺さった。
『――…――!……―!?』
効果は研究員の言い分通り即座に現れたらしく。プラント42の瑞々しく太い蔓達が、蕾を中心として水分がなくなった様に干からび、乾き、細くなっていった。因みに発生した毒ガスは小型のガスマスクで回避した。
「はー…よし。これで任務完了だな」
飛び上がった勢いで反対側の手摺りへ手が届き、なんとかよじ登ったブラッドは枯れてゆくプラント42を見つつ息を吐いた。
尚ブラッド君の作戦書は後世に渡って受け継げられて行く模様。
あとネプチューンくんはスルーです。どうせ倒しても倒さなくても洋館大爆発で死にます。