この世界はあべこべである。   作:黒姫凛

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………取り敢えず後悔はないとだけ。







特別編
千景の愛


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───絶望と言うからには、それ相応の舞台がある。

 

 

ゲームの中のキャラクターがそう言っていた。

悪役としてはストーリー中盤、RPGでよくあるより主人公サイドの仲が深まった辺りに出てくる絆を試すボスキャラ立ち位置。

 

別に好きだとか嫌いだとかどうでもいい。ただ、この手のボスキャラは攻略は簡単だが倒すまでの道中が面倒くさいのでどちらかと言えば嫌いの部類。こう言うのは感情移入してほしいと制作側からの意図があるんだろうけど、基本的なストーリー構造は何処も一緒だからあまり感情移入出来ない。最も、何故他人に自分と照らし合わせ無ければならないのか理解出来ないから、終始この手の作品はついつい途中で辞めてしまう。

 

これも紹介されてやったのだが、成程。前置きで言われた通りあまり私には合わないらしい。

らしいというのは、さっきのように制作側からの意図を無視する私の感情だけじゃなく、友情愛情恋愛様々、愛と正義で戦う正義の味方の立場の主人公が好きじゃないのではと、自分で勝手に結論づけてるから。確信じゃなく多分。だから曖昧な答えでらしいと言い切るしかないの。

 

悪を悪として決めるのは簡単。だけど、何故それが悪なのか想像を膨らませないと分からないような悪が一番執着心が強くて作品的には深堀が出来て面白いと思う。

王道的RPG。主人公に負けて解釈するラスボス。またはそのまま倒されるラスボス。そんなの子供騙しだ。そんな覚悟で世界を、自分の人生を捧げていたなんて思うと反吐が出る。

綺麗事を並べる正義の味方もそうだけど、簡単に更生するラスボスもラスボスだ。誰が更生するのを分かっていて主人公達に挑む部下が居るのか。ラスボスが正しいと信じているから挑むのでしょう?むざむざ殺られた部下の気持ちが浮かばれない。そんな小石のように捨てられるモブなんて居なくてもいい。

 

結果、私は中途半端なモノが嫌いなだけ。やるならとことんやれ。中途半端に止めるな。殺すなら殺して、解釈するなりなんなりすればいい。

好き嫌いどうたらと言ったけど、やっぱり人が付ける優劣は好感度で決まるのね。反吐が出るわ。

 

 

カタンっと一画面の最新ゲーム機を机に置いた。私物では無いので優しく扱うのだが、偶にイラついて机に叩きつけてしまうが壊れてないだろうか。

持ち主に嫌われてしまったら私はきっと生きてられないので、いつも壊れないか終わってから我に返ってヒヤヒヤしている。

 

現在午前2時。丑三つ時とは言ったものね。夏のはずなのに肌寒いわ。

寒さが苦手な私は、そっと椅子に掛かった赤いカーディガンを羽織る。似合うからとプレゼントされたものだ。手編みだとか言ってたけど、私身体のサイズ教えてないのにどうしてこうもピッタリなのかしら。

なんだか不気味と思いながらも、私の事を思ってこれを編んでくれたのだと考えたら、ついつい嬉しくなってしまう。

 

ふと端末画面にSNSの通知が届いた。メッセージ数百件。一度の呟きでなんて数なのと思うかもしれないが、私のアカウントではこれが普通。

連動してパソコンにもインストールしているのでパソコンでSNSを開き、返信を閲覧する。

 

 

 

 

 

───ブスがしゃしゃるな。

 

 

 

 

 

 

───ゴミが死ね。

 

 

 

 

 

 

───殺すぞマジで。

 

 

 

 

 

 

───どうせそいつもクソみてぇな性格なんでしょうね。

 

 

 

 

 

 

───死ねよクソブス。

 

 

 

 

 

 

───誰かコイツの家特定してよ。殺しに行くから。

 

 

 

 

 

───男に媚び売って楽しいですか?

 

 

 

 

 

───死ね。

 

 

 

 

 

───死ね。

 

 

 

 

───社会のゴミが。

 

 

 

 

 

 

───死ねよ。

 

 

 

 

 

───ぜってー殺しに行くわ。

 

 

 

 

 

───死ね。

 

 

 

───死ね。

───死ね。

 

 

 

 

 

 

死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。ゴミムシが。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。カス死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。自慢してんじゃねえよゴミ。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。クソブス。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。殺すぞ。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。社会のゴミが。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。カス死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。殺すぞマジで。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思わず立ち上がってしまう。ゲーム機がガタンと落ちそうになるが寸前のところで机の上に留まった。

込み上げてくる感覚。いつもそうだ。こいつらがこういう返信を送ってくる度にいつも込み上げてくる感覚。

 

私を蔑み、妬み、怒り狂って送られてくる憎悪の言葉。たった数文字。それだけでも相手を殺せる最低な言葉。ダイレクトメールでも来る殺害予告や死んで欲しいと願う訳の分からないメッセージ。

 

そんな事してる暇があるなら男でも見つけろなんて思うが、SNSはこういう暇な人間が集まる溜まり場。こういうところでネタを少しでもチラつかせれば暇人共が食いついて勝手に炎上勝手に叩いてボロ雑巾にする。

芸能人のアカウントでもちょっと男の話題をチラつかせれば面白いぐらいに炎上。最速リツイート最速バッシング誰も競ってる訳でもないのに勝手に叩いて自分の鬱憤ばらし。

 

ほら私のも誰かリツイートして叩いてる。不細工だから調子乗ってるクソ雌ですって?どれだけそのツイートでいいねを貰えるか試してるのかしら。それがお仕事なら何も言わないけど、暇人って本当に愚かね。

 

 

3件ダイレクトメールが届いた。考えること無く開いて閲覧する。

 

 

 

 

 

 

 

───貴女は勘違いしているクソです。早く死ねることを願っています。

 

 

 

 

 

 

 

───死ねよゴミクズ。お前が生きていい世界じゃねぇんだよ。その髪絶対切り刻んで燃やしてやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

───男に媚び売って楽しい?そんな顔で寄り付かれるなんて相当お金で物言わせてるだけ何でしょうね。はっきり言ってウザイです。親の金を使って人生楽しいんでしょうけど、貴女のように努力も何もしていないクソカスがこの世にいるだけで不快です。見たところ学生でしょうけど、学業にも力を入れてない穀潰しのように見えます。貴女がそうやって楽しんでる間、世の中には汗水垂らして生活する為にお金を稼いでいる人がいるんです。そういう人がいるのに何故あなたはそうやって平然と生きてられるんですか?まだ学生だからって、そのままだと社会不適合者になりますよ?まぁ貴女の場合顔面が既に社会不適合者なんですがね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思わず声を出してしまった。もう抑えることは出来ない。

だってこんなにも苦しいんだもの。そうやって書くだけ書いて平然としてられる画面越しの送り主の顔を想像するだけでも身体が震える。

叫びたい。この胸の奥から込み上げてくる絶叫。

 

 

 

 

なんて、なんて───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───なんて気持ちいいのかしら?

 

 

 

 

 

 

 

ふふっ。

 

 

 

 

ふふふっ。

 

 

ふふふっ、ふふふふはははっ。なんで?なんでこんなにも気持ちいいの?

最っ高よっ、涙が出てきちゃうわっ、ふふふふっ。

 

 

だってそうよね。羨ましいものね。男とツーショットでしかもラブラブ。男が少ない世界でそんなこと出来る人間なんて裕福かよっぽどの美人だけ。

なのにツーショットしてる女は世界で類を見ない程のブス。糞だらけのトイレと同じぐらい汚くて嘔吐物みたいに気持ちの悪い世界の汚点。存在価値のないゴミが自分たちには出来ないことをやってるのだからそれはもう嫉妬の嵐よね!!あははっ、最高っ、最高だわ!!

 

 

どれだけ私を楽しませてくれるの?どれだけ私を退屈させないでくれるの?貴方たちが反応してくれればその分私が楽しめるのにそれを知らないで暇人共は罵倒罵詈雑言と私を叩く言葉ばかり並べてきて。私を快楽で殺したいのかしらっ。あ、殺してやりたいって言ってるからそうなのよね。私を殺したくて殺したくて仕方ないのよねっ。あはははははっ。最高よっ。笑い死ぬわっ。良かったわね私を殺せるわよだからもっと私を笑わせてよっ。あはははははっ。

 

 

ねぇ今どんな気持ち?ねぇ今どんな気持ち?負け組のはずのカースト最底辺である私に社会的に負けるってねぇどんな気持ち?頑張って罵倒してるのにそれが効かなくて嗜好品扱いされてるのねぇどんな気持ち?幸せ絶頂期な私の写真見てねぇどんな気持ち?もっと返信してよっ。私を罵倒しなさいよっ。全然私には届かないわよ?面白可笑しく笑わせてもらってるだけだからっ。ふふふふっ。

 

 

───ガタンッ。

 

 

隣の部屋から物音がした。思わず体を硬直させてしまう。起こしてしまったのだろうか。寝起きが悪い訳じゃないが、私のせいで起こしてしまったのならとても申し訳なく思う。

 

いつも優しくしてくれるからこそあまり迷惑をかけたくないと思うのが女としての認識だと思うの。

だっていつもはにかんだ笑顔を向けてくれて頭を撫でてくれるのよ?私が身体を蔑視すれば否定して褒めてくれるし、いつも手を繋いでくれる。こんな醜い手を繋いでくれる男性他に居ないわ。好きな時欲しいと思ったタイミングでして欲しいことしてくれるしいつも抱き締めてくれる。貴方の温もりがあれば私、何でも出来る気がするの。

だからごめんなさい。起こしてしまったのは謝るわ。だから私を嫌いにならないで。貴方に嫌われたら私、もう生きてられなくなる。

 

 

「───千景」

 

 

バッと後ろを振り返った。部屋の扉を開け、隙間から顔を覗かせるあの人。私と同じ黒髪で、私より頭一個身長が高くて男性なのに筋肉のついた身体でガッチリしていて私と同じぐらいの歳なのに他の男よりも凛々しくてカッコよくて素敵な私の大好きな貴方。

貴方に声をかけて貰えるだけで私、嬉しくて泣いてしまうわ。

 

 

「……ごめんなさい。少し、慌ててしまって」

 

「……いや、物音がしたから気になっただけだ」

 

 

そう言いながらも、貴方は私を心配そうな目で見てくる。私を見つめるその深いブラウンの瞳。思わず入り込んでしまいたくなるような心地良い瞳。そして酔いしれてしまう私を余すことなく見つめる優しい視線。思わず気が滅入って身体をふらつかせてしまう。

 

 

「───千景っ」

 

 

分かっていた。貴方は絶対私を抱き締めてくれるって。暖かい温もりを私に感じさせてくれるって。

でも試した訳じゃないの。本当にふらついてしまったのよ。でもいいの。貴方の愛を私は改めて確認出来たから。

 

心配そうに見つめるその瞳が私の顔を覗く。思わずその凛々しい尊顔に手を出してしまう。貴方に触れたい。触れ合いたいと無様な私の我儘から出る汚くて醜い手。でも貴方はそんな私の手も優しく握り返して頬に擦り寄せてくれる。

 

どうして貴方は私のして欲しいことをしてくれるの?

 

私の中にその幸せな疑問が浮かぶ。彼に聞いてもきっと分からないと言うに違いない。

 

 

「もう夜も遅い。体調も悪そうだから、早く布団に入れ」

 

 

私の膝裏に手を回すとゆっくりと持ち上げてくれた貴方。世間で言うお姫様抱っこだ。これを男性からしてもらえるなんて、私はなんて幸せものなんだろう。胸がドキドキする。カッコいい。ヤバい。幸せで胸がはち切れそうだ。

 

ゆっくりとベッドに寝かされた私だが、キュッと彼の寝巻きの袖を弱めに掴む。彼が何時もこうやってベッドに運んでくれるときには何時もする仕草だ。

こうすると、彼は間違いなく。

 

 

「……眠れない?仕方ないな……、寝れるまで一緒に居てやるよ」

 

 

彼はベッドの横で座っているつもりらしいが、私は強引に布団の中に引き込む。そしてギュッと正面から彼に抱き着き、温もりと彼の匂いを堪能する。

 

あぁっ、なんて至高っ。なんて贅沢っ。こんなの味わったらもう二度と戻れない。彼からもう離れられないっ。

 

きっと今の私の瞳にはハートのマークが浮かんでいるに違いない。それぐらい私は、彼に魅了され誘惑され虜になっているのだ。

彼も優しく私を包み込んでくれる。それが堪らなく嬉しくて顔を彼の胸元に擦り付けてしまう。きっと今、私の顔は誰にも見せちゃいけないような顔をしている。雌をさらけだしたこの世の終わりのような表情をしているに違いない。

そこに触れられたくない私は、自分から彼に話しかける。

 

 

「……ねぇ。私、……ずっと好きよ。貴方のこと……」

 

「……どうしたいきなり」

 

「いつも思う。私のような醜い女が、貴方のような素敵な男性に擦り寄るなんて、世間から見たら金で物言わせてる成金って見られてしまう。私や貴方が、どれだけ……、どれだけお互いに好きだって、あ、愛してるって言っても……、周りは誰も信じてくれないのが……堪らなく怖い……」

 

 

怖いのは嘘だが、そう思う時は多々ある。SNSの返信に限った話では無いが、街を歩いていると何時も思ってしまう。彼の隣は私でいいのかと。彼は女なんて選びたい放題な立場にいる。ルックスは文句のつけようがないし、一般的な家事というのも難なく出来る。あまり話すのは得意そうではないが、私としては一緒にいて心地良いし、基本的に女が男を引っ張る構図なので話すのが苦手でも大丈夫だろうし、背も高い。あっち方面の事も得意だし、彼のは大きいと思う。ネットで平均サイズを調べたが、明らかに大きい。これは、完全なる女ウケの雄としての理想。どんな女でも間違いなく彼に群がるのは目に見える。

 

そんな彼だからこそ、私は、私のような人間と一緒に居ていいのか不安になってしまう。怖い訳じゃない。不安なだけ。

でも彼にそんな事馬鹿正直に聞けない。もしそれで距離を置かれるような事があれば、私は間違いなく自殺する。

 

彼は優しく頭を撫でてくる。彼にいつも手入れしてもらっている髪の毛から伝わる心地良さ。冷たくなった心がゆっくりと温まってくる。

 

 

「……大丈夫。俺は千景が思っている以上に千景の事を愛してるし、千景は俺が思ってる以上に愛してるって思ってくれてるだろ?言葉にしなくても、それで十分だ。他人の評価だとか、周りからの声なんて笑い飛ばせばいい。こんな世界だ、自分には来ない春を僻んでそうやって言ってくる人間が大多数だけど、寧ろ注目してくれてるんだって笑い飛ばせばいい。勝手に騒がせとけばいいんだよ。お互いに好きだって、愛してるんだって分かり合えてれば、恐怖なんてすぐ消えるよ」

 

 

……あぁ。しゅきぃ……。もうしゅきっ、堪らなくしゅきっしゅきっしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきしゅきっ。

 

トリップしてしまった。思わず鼻奥から愛が溢れだしそうだった。

彼の足に私の足を絡め、より密着。彼の下半身の熱を感じつつ、彼に興奮して貰えるよう精一杯身体を使う。

 

 

「でもアレだ。あんまりSNSで炎上するのは止めなよ。直接言われないとはいえ、千景に向けられた言葉は千景も見るんだから、一生消えない傷になるよ」

 

「……大丈夫よ。なんだかそれが、嬉しくて楽しくて仕方ないの。……これは、止められないわ」

 

「あんまり刺激しないこったな。千景が悪口言われてるの、すっげー腹立つから」

 

「……心配しないで。何かあったらアカウントごと消すわ。顔バレしてるでしょうけど、今更リアルで馬鹿やってくる人なんて居ないわ」

 

「……まぁ、そうなんだけどさ」

 

 

それよりもと、私は言葉を紡ぐ。

 

 

「……私、本当に貴方に愛されてるのか知りたいの。言葉じゃなくて……身体で、ね?」

 

 

精一杯の誘い文句だ。既に私の股はぬるぬるにぬめっている。彼も十分やる気のようだ。後はグイグイ押すだけ。

少し顔を赤らめてるのが可愛い。私も何回やってもこういうのは恥ずかしい。けど、彼と愛し合えるんだから、恥ずかしがってちゃいけない。

 

 

「……俺も、千景がどれだけ俺の事愛してるか知りたいな」

 

 

ゆっくりと彼の顔が近付いてくる。これから行われる情熱的な交わり。更に股が濡れるのを感じる。

ぶっちゃけこれ目当てでこの時間まで起きていたという理由もある。明日学校はお休み。よって彼に予定は無い。朝まで、いえ、なんなら明日の夜までコースね。

 

重なる唇が熱くて、興奮で体温が上昇していく。体が火照る。でも駄目。まだ足りない。これから来る刺激に比べればまだまだ温い。

 

 

「……もっと、私を……っ、愛して?」

 

 

強引に抱き寄せられ、壁に映ったパソコンの画面に照らされてできた二人の影が激しく動き一つに重なる。

甘い声、激しい息遣い。甘ったるいフェロモン臭、そして交わる男女。

日を跨ぐ夜まで、二人は離れること無く激しく動き続けるのだった。

 

 

 

 

 

「……しゅきっ、だいしゅき……っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後に千景は抱き合う汗だくになった全裸の男女の写真を投稿し、過去に見ない大炎上を起こして愉悦するのだった。

彼は苦笑いしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








千景とデートしてエッチエチして幸せにしてあげてぇ。
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