この世界はあべこべである。   作:黒姫凛

2 / 29
アニメ特別編。

やりたいからやった悔いはないちーちゃんなんで死んじまったんだよ涙だよマジで画面がぼやけて何も見えなかったよごめんよちーちゃん俺はちーちゃんの為に何にもできない一般市民なんだちーちゃんを悪く言う奴はぶち殺ろやって地獄に突き落として置いたから安らかに眠ってくれちーちゃんあいしてるよどうか安らかにーーー。




あんちゃんとタマも忘れないぞ。



郡千景、伊予島杏、土居球子のご冥福をお祈り申し上げます。どうか来世では幸せを謳歌してください。












※注意!!このシリーズに限った話ではありませんが、捏造及び原作改変がとてつもないです。不快、不愉快、嫌悪感を抱かれた方はブラウザバックを即御検討下さい。

あくまでこれは作者の妄想の結果であります。そういうのもいいよなとか、あぁだったらさぞ良かったなと言う妄想が詰まっておりますので、ご了承ください。

設定は本編と変わんないぞ。あべこべだぁよぉ。


後それと、少し練習を兼ねております。



これからもこの作品をよろしくお願いします。










その一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───初めて赤ちゃんの手を握った時、最初に可愛らしい手だなと思った。

 

 

私の掌よりも二回り小さい手が私に向けられた時、私は自然と合わせる形で手を重ねた。丸っこくて、ぷにぷにした可愛らしい手。そしてはにかむ笑顔。目尻が熱くなり、涙を流した。

私はなんで泣いてしまったのか、よく覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───初めてあの子が歩いた時、私は無意識に涙を流していた。

 

 

ほんの数ヶ月前まではハイハイしかできなかったあの子が、いつの間にか支え無しで歩けるようになった。言葉よりも感情が溢れ出した。こんなにも嬉しいものなのかと、こんなにも感謝するのかと。私はひたすら涙を流した。

あの子は嬉しそうにこちらに歩いて来たのを覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───あの子が小学校に入学した時、私は言葉が出なかった。

 

 

いい思い出のなかった小学校時代。私のようにあの子も不登校になってしまうのではないかと、怖くて怖くて仕方が無かった。

それでも、成長していくあの子の姿に思わず涙が溢れ出した。

貴方に支えられているから今の私がある。だから私も、精一杯あの子をより支えてあげたいと思った。

笑顔で駆け寄るあの子の嬉しそうな表情が、今でも忘れられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───あの子が学校で虐められてるのを知った。

 

 

 

やっぱりあそこに行かせるべきじゃなかった。心を閉ざしたあの子を見る度、私に罪悪感がのしかかる。

ごめんなさい。でも謝るだけじゃあの子の心の傷は消えない。貴方が必死に慰めてくれているけど、ごめんなさい。どうしても立ち直れる気がしないわ。

涙が止まらない。ごめんなさい、ごめんなさい。何度も謝った。

 

あの子の辛そうな表情が、私の頭の中から離れられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───あの子が私の知人から護身術を習い始めた。

 

 

弱い自分は嫌なんだと。あの子は前に自ら進んでいる。

とても強い子。何度も何度もあの子に謝った。ごめんなさい、ごめんなさいと。それでもあの子ははにかんでくれた。本当にあの子は、私の子供とは思えない程、強く生きている。

目尻が熱くなった。そんな姿がどうしようもなく輝いていて、成長していくあの子がとても嬉しかったからなのかもしれない。

 

あの子の涙を流しながら頑張る姿が、私の心に染み付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───あの子が公立高校を卒業した。

 

 

情勢に逆らい、見事首席で卒業したあの子。親としてとても誇り高い。私の子供なのに、凄い立派に育った。

涙が止まらない。貴方に涙を拭いてもらっても止まらない。感動しているのか。喜んでいるのか。ぐちゃぐちゃになった感情が爆発して涙が止まらない。

 

あの子が近付いてきて私を抱き締めてきた。

 

 

───何時もお母さんは泣いてるね。

 

 

あの子も泣いている。お互い様だ。

当たり前だと抱き締め返した。産まれた時も、歩いた時も、小学校に入学した時も。今も昔も、私はあなたの成長していく姿を見られてとても嬉しいのよ。

 

こんな頼りない母親でごめんなさい。貴方みたいに満足させてあげられる事、一つもしてあげられなかった。

 

 

 

───だけど言わせて欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───私達の子供に産まれてきてくれて、本当に………ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者となった今でも、私は変わらない生活を送る。

 

 

 

 

世界全土が地獄となり、四国だけが生き残ったこの世界。日本全土、ひいては世界中から避難してきた人達が四国に押し寄せ、大混乱の真っ只中。

昨日まで生きていた日常が一瞬で崩れ去った。誰もがそう思っただろう。

 

しかし現実は残酷だ。まるでSF作品に登場する世界観、物語ではなく現在進行形で起こる絶望の波。浮き足立った感覚が、まるで現実じゃないみたいに押し寄せてくる。

 

弱い人間は結果、弱い者同士で固まり順応していく。人間の順応能力はとても凄まじく、それを利用して人の上に立とうとする人間が後を絶たない。

残酷だとか、不条理だとか声を上げる人間がいるのだけど、それは貴方達の意見であってみんながみんな賛同しているわけじゃない。確かに世界が崩壊して、行き場の無い人達が多く生まれた。田舎である私の生まれ故郷にもその驚異は押し寄せてきたので相当だ。

 

 

特に、勇者として選ばれた私達を祭り上げるようにメディア露出させる大社の考えは分からないわ。

私達の人相からして、世間からどんな反応を受けるかなんて明白なのに、大社は何を考えているのかしらね。

因みに私は自分の置かれた状況を残酷だとも地獄だとも思わないわ。

私の生活は変わっていないもの。

 

 

職を失い、家族を失い、住む場所を失い、生きる未来を失い。混沌となった世界がより、先の見えない真っ黒な世界になった。誰も彼もが浮き足立った生活。社会情勢の崩壊。荒れる治安。何処を見たって非日常の真っ只中。

まずはこういった世界を整えていくのが初めだと考えないのかしら?

笑いが込み上げてくるわ。無能の集まりがいい気になって。誰かに媚び売って、嘘みたいなまやかしを口にして。貴方に一体何が出来るのと問いただしてやりたい。

 

でも駄目ね。こういう時、心が弱ってる人って絶対心の拠り所を欲する。足りない部分を何かで埋めるのなんて、結果的には簡単なんだもの。そうやって信者を増やして、自分の世界を増やしていく。周りには言うことの聞く駒ばかり集まってくる。無能の人達が集まってなんやかんややるなんて別に大した興味も湧かないわ。

 

肝心なのはそう、私のようなこういう役回りって特に、元々蔑視されてた人間がよく狙いの的にされるのが目に見えてる。

 

 

「……痛いっ、やめて……ください……っ。誰か……っ、助けて……」

 

 

ほら、商店街でも起こってるわ。弱者故の絶望が。強者故に出来る弱者への暴力が。あんなにも小さな子供に大学生ぐらいに見える大人が寄って集って、恥ずかしくないのかしら。人数は5、6人。一人鋭利な刃物を持ってる。

 

見た感じあの小さな子供の近くに親らしい感じの人は居ない。私は咄嗟に孤児だと理解する。

混乱する世の中で親とはぐれてしまったり、親が怪物に殺されてしまった子供達が多く居る。大社はそれを見越してか、私達勇者にそういった子供達を保護するよう命じてきた。流石に、こんな世の中に独りぼっちで居るなんて辛いものね。私だって独りぼっちだったから、その時の気持ちはよく分かる。私も助けて貰ったからこそ、そういった子供達を助けてあげたいと思うのは普通よね。

 

そして私達勇者には、特例で武器の所持が許されている。警察が機能してない為、争い事に武力介入で両者落ち着かせろというご命令。その間起きた法的措置は全て適応外とすると言われたので、やむを得ない時は殺してでも落ち着かせろという事らしい。

 

 

そんなの起こるわけないじゃないと思っていたのだけれど。どうやら、すぐにその効力を使う場面が出来てしまったみたいね。

刃物を振り回して危ないわ。許可されている私達ならいざ知らず、完全に銃刀法違反で罰則なのよ。それを人に向けているとなれば、殺人未遂は免れないわね。仕方ないわね、私が捌いてあげる。

 

 

手の中でくるくると袋の中に折り畳まれて入った武器を回す。私の武器は大葉刈、黒い刀身と波打つ赤い波紋。眩く光る銀色の刃をつけたいかにもって感じの武器。十拳剣のひとつなのだが、私のは大鎌になっている。

……ゲーマーとしては、こういう武器を一度くらい振り回して見たいと思うのが人間の性よね。

袋を遠心力で外し、大葉刈を元の形に戻す。勇者服を着ても着なくても、この大鎌の重さは何とかして欲しい。非力な私には重過ぎる。

が、そこは勇者である私。何度も練習して得た身体を中心に何処でもくるくると回せるようになった。伊達にゲームで動きのシミュレーションしてるだけあってすぐに上達したわ。

 

 

「っ、ゆ、勇者っ」

 

 

怯えた表情で私を見てくる。さっきまで女の子にさせてニタニタ笑ってたあなた達が、立場逆転するってどういう心境なのかしら。

 

 

「……あら、私が怖いの?」

 

 

後退りする女達。成程どうして。そこまで怯える事ないじゃないと思ったが、窓に反射した私の顔を見て納得した。この上なく、私は笑っているようだ。刃物振り回して歩く笑った人なんて、狂人しかいないものね。

でも分かって。私は別に笑いたくて笑っているわけじゃないのよ。何故か笑ってしまっているの。不可抗力よ。

 

 

「………まぁ、怖いならいいわ。そのままビクついて倒れてなさい。……自分達が虐められるなんて、考えなかったでしょう?今までは貴方達のような人間が頂点に立っていたかもしれないけど……」

 

 

大葉刈を一振り。女の握っていた包丁を刀身だけ切り落とした。

 

なんだか、何故自分が笑っているのか理解出来た気がする。

私は嬉しいんだ。力を持って、今まで見下してきた相手に対抗、それどころかねじ伏せる事ができる事に。

 

だから私は。

 

 

 

 

───今は、私の方が上なのよ。

 

 

 

 

きっと満面の笑みを浮かべていただろう。

この上なく、嘲笑うかのように、相手を見下しながら。

 

私は女の髪を掴んで耳元でそう呟いてやった。

 

 

 

 

生活は変わらないと言ったけど、勇者として特別になった今、私はすごく変わったのかもしれない。

 

 

 

 

幸せなのは、変わらないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者となった私達は、一般人とは隔離された生活を送るのが基本だ。

 

前提として、私達勇者は俗に言う不細工な集まり。どうしてそうなったのかと言われると、私達には分からないとしか言えない。大社側は何か知っているようだけど、それを私達に話す気は無いらしい。

 

この世界では私達のような不細工は虐げられるのが運命。

よって、私達の精神的ストレス等を考えて丸亀城周辺に生活スペースが作られた。基本丸亀城の敷地内で生活している。用事以外では外出する事なんてなく、だいたいみんな敷地内に籠っている。

 

勇者は普通の学校に通えないので、大社が用意した勇者専用の学校に通っている。全校生徒1()0()人。うち勇者8人巫女2人。全員不細工な女子生徒である。

私もそのうちの1人なのだけれど、別に誰にも気を使うわけでもなく平和に過ごしているわ。

 

地元から逃げ延びた友達とも滅多に会えなくなるので、心苦しい人も居るかもしれないけど、勇者となった以上そういう生活にも慣れろと大社が口を酸っぱくして言ってくる。

私には関係無い話だが、友達が多そうな人は居る。笑顔が素敵な人だ。そういう人には辛いかもしれない。

 

けれど、みんな生活に関しては文句を言ってないみたいだし、あまり他人である私がとやかく言ってもどうしようもないわね。個室があるのだから、プライベートも守られている。一応は私達も女。そういう所はしっかりしてもらわないと困る。出来るものも出来ないし。

 

 

───まぁ私はそこに住んでいないのだけれど。

 

 

例外は何処にでもあるというのが常識である。

 

 

 

学校が終わり、鞄に教科書等を急いで仕舞った私は、そそくさと教室を後にしようとする。私は大体早く帰りたいと思っている人間なので、さっさと帰路に着く。

 

が、今日は出入口を塞がれ、回り込まれるようにして立ち塞がる壁があった。

 

 

「 ───ふふふっ、待ちたまえ千景。どうしてそんなに急ぐ?」

 

 

腕を組み、その低い身長を見るのに顔を下げなければならない労力を必要とさせる少女。活発な印象があるが、取り敢えず不細工な集まりである私達の中では男子ウケしないであろう土居球子さんがそこにいた。

何やら感慨深く頷く姿に、一抹の不安とため息が出る。

 

 

「……なに、土居さん。私は急いでいるのだけれど……」

 

 

土居さんが発言することは大体私にとって不幸の始まりでもある。アウトドア系で運動大好きで、そのせいか当たって砕けろ精神で突拍子の無いこともいきなり言うこの人に、私は少し苦手意識がある。

 

 

「千景の気持ちも分かるが、ちょちょちょっと待ってくれタマえ」

 

 

偉そうな表情と態度になんだか苛立ってくる。やっぱり、私と土居さんは相反する存在だったようね。これだからアウトドア派は。 

 

 

「……分かってるなら、どいて貰えないかしら」

 

「 ───まぁまぁ、そう仰らずに。もう少しお話して下さっても宜しいのに」

 

 

柔らかそうな音色に反して、冷たさがある透き通る美声。思わず体を硬直させた。取っ付き難いというかなんというか、後ろには巫女である上里ひなたさんが立っていた。勿論、彼女がいるということは当然隣には勇者のリーダーを務める乃木若葉さんが居るわけで。神妙な顔だが、なんだか心ここに在らずと言った感じの表情の乃木さん。それを微笑ましそうに見つめる保護者的立ち位置に立っているひなたさん。私は首を傾げるしかない。

 

 

「……あー、その。た、単刀直入に言うが、……きょっ、今日、お邪魔してもいいだろうか……?」

 

「……お邪魔?……あぁ、()()って事、ね」

 

 

成程察したわ。私達の()()用があるって事は一つしかないわね。ひなたさんがそんな表情を浮かべているのも分かる気がするわ。

 

 

「………私は、まぁ構わないのだけれど。私じゃなくて、もっと一番話を付けておくべき人が居るんじゃないのかしら?」

 

 

私は居候の身。今は住んでいないとはいえ、()()に大勢呼ぶのだから、当然()()の方の許可が必要よね。

 

 

「ええ。それはもう解決済みですよ。ねぇ、()()さん?」

 

 

教室の真ん中、白い中に混ざったブロンド色がきめ細かく煌めく長い髪を垂らした大人しい少女、伊予島杏さんと話していた背が低い首あたりで切られたショートボブの黒焦げ茶色のした少女。()()()()さんがこちらに振り向いた。

 

 

「家の件?私からすれば実家ですけど、あまり通ってないので千景さんにお任せします」

 

 

と、言ってくるので私も嫌だとは言い難い。まぁそこまで見せたくないものだとか、入らせたくない理由等無いし、構わないのだけれど。

私は二つ返事で了承した。

 

 

「っ、あ、ありがとう千景。恩に着る」

 

「良かったですね、若葉ちゃん。………頑張ってくださいね」

 

「……あ、あぁ。善処する」

 

 

何が、とは野暮なことは聞かないでおく。乃木さんがこうやってしどろもどろになるなんて、彼女の性格からしたら考えられないだろうけど、仕方がないと言えば仕方が無い。相手が相手なのだから、こうなってしまうのも無理はないと思う。

 

しかし、乃木さんが家に来ると言うことは当然他の皆も来るのだろう。乃木さんとひなたさんはセット。土居さんも来そうにしているし、伊予島さんも来るだろう。水都さんは今日は家に帰るのかしら。他の4人も気になるし。

 

 

私の考えも露に、ぞろぞろと私の周りに集まりだした。話に入っていた乃木さん達の輪に入るように、()()()から集められた()()()()さん。()()()出身の()()()()さん。そして()()()出身の()()()()さんがやって来た。

もう一人、勇者には欠かせない高嶋友奈さんが居るのだが、只今先生に怒られている最中。元気があるのはとても喜ばしいし、何より私も元気を貰えるから嬉しいのだけれど。……ちょっと場所を選んで欲しかったなと思うこの頃。

 

 

「へいへーい、何の話?」

 

「みーちゃんの家に行くのかしら?」

 

「……遊びか?」

 

「今日、皆さんと水都さんの自宅にお邪魔しようとお話していた所なんです。皆さんもどうですか?」

 

 

ひなたさんがそう3人に提案した。基本標準語で話すひなたさん。関東地方で多い丁寧語なのだが、ひなたさんが話すとなんだか凄い威圧感を感じるのは気のせいかしら。

提案された3人は、少し表情を曇らせる。

 

 

「……あー、行きたいのは山々なんだけどね。今日お母さんから家に帰ってこいって言われちゃったんだにゃ〜。だから私はパスで」

 

「私は畑仕事があるし、終わったら合流するわ」

 

「……ん。私は大丈夫だ」

 

 

雪花さんが両手を合わせてすりすり上下させながら謝ってくる。いえいいのよ。家族の用事は大切。このご時世だもの、家族との関わりは何よりも優先するべきだわ。

白鳥さんと棗さんが合流する事になって、少し大所帯になってしまった。高嶋さんはどうするのかしら。彼女の事だからきっと来てくれると思うのだけれど。

 

 

「私も一応日用品の確認を兼ねて帰ろうかな。()()()()()よく買い忘れるから」

 

 

ピクッと、乃木さんの肩が動いた気がする。彼女の表情が少し緊張しているのか、恥ずかしそうにしているのか、色々と混じったような表情になっている。

乃木さんだけじゃなく、周りに集まっている皆の表情も何処かさっきよりも乃木さんの表情に近いものになっている。水都さんは普通だけれど。

 

 

「………あー、今日は何してるんだろうな?」

 

「今日は学校だよ。そろそろ試験があるから勉強漬けだって言ってた」

 

 

話題を逸らすように土居さんがそう呟いた。誰が、とは言わない。水都もそれを分かってか、主語を抜いてそう返した。

 

土居さんは少し緊張気味に納得した声を出すと、伊予島さんに一目散に飛びついて行った。これにはオロオロと対応に困る伊予島さん。どうどうと動物を落ち着かせるように宥めている。

皆の動きもなんだかぎこちなくなっている。多分、今更ながら思い出して緊張しているのだろう。

 

これでは埒が明かない。私はそう思って教室を出る。

 

 

「……来るなら来るで構わないのだけれど。私は早く帰りたいから、勝手にいらっしゃい」

 

 

時間の遅れを取り戻すかのように、私は早足で家に歩いて行った。









若葉ちゃんが自分を責めるけど、中学生と言う立場の彼女らに一体どれ程の大人としての考えを持てていただろうか。
それを考えると夜も眠れず朝も起きれない。

中学生時代って基本何かとやれる範囲が広がって、より出来てる自分がかっこいいとか考える人が多いと思う。
注目されたいとかモテたいとか。厨二病患者がいい例だと思う。

他者から見た自分をカッコよくしたいがために色々とやっていたあの頃。懐かしくもあるし恥ずかしくて穴に入りたい気分でもある。

だからちーちゃんの考えは分かる。特に、虐められていた子がそうやって何かから逃げて何かを疎むのは理解出来る。作者も何度も経験していた。

だけど今作者がこうして生きてられるのも、誰かが今も支えてくれているから。アニメ中でひなた様が仰られていたように支え合う。人間1人では生きていけないのだと若葉ちゃん達は理解していく。
そういう成長して自我を強くしていくあの子達の戦いは、きっとその年頃の子供達が理解すべきことなんじゃないのかな。


……と、中学生妹達に話した所、頭をわしゃわしゃされました。


話聞いてた?








  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。