社会人になるとヤバいですね。
何がやばいって毎日が戦場な事がです。
少しでも早く色々と出来るよう先輩の仕事を覗き込んでみたり話聞いたり実践してみたりと、休む暇がねぇ!
次回も不定期ですので、長い間お待ちしてくださってる方々、誠に申し訳ございません。それでもいいよと申される器の広い方々、これからも何卒宜しくお願い致します。
重い一撃が空気を揺らす。
風圧に似た圧迫感がギュッと濃縮され、一気に周囲に拡散。膨大で有り余ったパワーはコンクリートに叩き付けられ、
双斧を振り下ろしたのは小柄な少女だ。
激音の最中、捉えた獲物は逃がさない。躱される事は予測済み。初撃で倒せるなんて考えてもない。常に多を、全を、予を張り巡らす。
突き刺さった双斧を軸にして回し蹴り。後方に飛んだ標的の溝であろう場所に、まるで吸い込まれていくかのように命中。壁に叩き付け、反動ではね返った身体を地面に叩きつける。左手で引っこ抜いた双斧を振りかぶって胸辺りを足で押え付ける。
「───去ね」
狙いは喉元。振り下ろされた双斧が、頭と胴体を二つに切断。繋がりを無くした頭はあさっての方向に飛んでいき、遺された身体の切断面からはどくどくと液体が止めどなく流れ出す。転がった頭をサッカーボールを足で止めるように押え付ける。
ピクリとも動かなくなった身体を見つめ、ジッと足元に転がる頭を見る。
思わず思いっきり踏み抜いた。
「……きっしょい顔向けやがって」
グリグリと足の裏に残った肉片を地面に擦り付ける。生々しい肉の感触が今はせいせいするほど気分がいい。
「……容赦ないわね先輩。
べチャリと飛び散ったコンクリート。ふと我に返って足にまで飛んだ液体を見てやってしまったと少し後悔した最中、やれやれと言った感じでもう一人、
「それ
何言ってんだこいつと意を唱える。足についた汚れを払うように足を交互に震わせ、双斧を肩に担いだ少女───三ノ輪銀はポキポキと首を交互に動かして関節を鳴らした。
「私はほら、自重出来る系女子だから。コレは偶然とか必然レベルの結果なのよ。意図的にとか故意的にとか、そういった私情は挟んでないわ」
「初めて聞いたぞ自重出来る系女子。お前もあたしと同じで自重なんて言葉知らんだろ?」
「先輩と一緒にしないで。私は心の制御が出来るの。護衛として当然のスキルよね」
「るっさい煮干し。お前がこの前あの人の匂い嗅いで興奮してたの見てたからな」
言わせんなボケと、ジト目で睨みつける銀。護衛と称して隣を歩き、あまつさえ鼻をピクピク動かしながら匂いを嗅いでいたのを見ていたんだぞ。
ビクッと明らかな動揺を見せる夏凜だが、こほんと咳払いを1つ。
「……力哉さんの体調不良疑惑を晴らす為のやむを得ない行為よ。そういったことは体臭から感じられると本に書いてあった」
「それお前が臭いだけで判断出来るっていう性癖を態々あたしに見せてくる狂気の沙汰だぞ。興味ねぇよお前のフェチなんて」
「頭撫でられて嬉しがるだけのお子ちゃまじゃ理解出来ないでしょうね。力哉さんに包まれていると思うだけで煮干し十袋は食べられるわ」
「お子ちゃまじゃねぇし、煮干し煮干し煩いぞ煮干し厨」
「煮干しの偉大さを解らないなんて、もう一度布教した方がいいかしら?」
ガチんと双方握る武器をぶつけ合う。銀の双斧に対して夏凜は二刀の刀。細身ながらも、斬れ味は一級品の品。勇者服に変身すると同時に扱えるそれは、普段握る木刀の比ではない。
ギリギリといがみ合っていたが、何かを直感的に感じふぅっと少し脱力。だらりと下げた腕をプラプラ武器を持ちながら揺らす銀は、ぐさりとコンクリートに双斧を突き立てる。
「………はぁ〜、まぁ。とりあえずお疲れ様って感じで?突然の危機を乗り越えた勇者様方は休養に入りますよっと」
「まず出られたらの話でしょ。というか、これ、ちょっとまずくない?」
「これとははてさて」
「これよ」
ピシッと地面に転がる身体を指さした。首の切断面から流れていた液体は止まっているものの、何も知らない第三者から見れば殺人現場である。ふつうならどうにか隠すなり捨てるなりするのが犯罪者の行動なのだが。
「明らかにこれ人肉よ?体格からして30代女性。顔は見れないけど体からしてちょー美人。そんな人間が、どういう経緯でこうなるのか教えて欲しいわ」
「それあたしに聞く?発見事例は今日が初だぞ。にぼっしーの観察眼にはたいそう驚かれるけど、存在自体認識されてない奴だからわからんもんはわからん」
「顔面に張り付いているのかしら?ほらここ、髪の毛の境目から縫ったような跡がある」
「……まさか、剥がすとか言い出さないだろうな?」
銀の頭の中に、無理やり引きちぎろうと鬼の形相で力む夏凜の姿が浮かび上がった。おぉ恐ろしい。
「まさか。
「……ひぇ〜、おっそろしいな」
「顔確認出来ないと、行方不明者の照合出来ないでしょ?でも私達の仕事はここまでだから、後は全部やってもらうの」
「最近増えたんだって?行方不明者。人口少ないのに更に減るとか……少子化不可避だなこりゃ」
「そうなったら、私が力哉さんの子供を孕むわ。野球、いえサッカー。或いはラグビー。更には対戦出来るぐらいの子供を育めばいいのよ!!」
「人工授精でもやってろ頭煮干し畑」
「煮干しは畑じゃなくて海でしょ!?」
行方不明者は一概に、何日も家に帰ってない隣人が心配だからとか、いつまで経っても帰ってこない自分の子供、将また親を思い捜索依頼を出しているだけではない。
例えばありもしない戸籍の人間の捜索だったり、死んでいるはずの人間の捜索だったりと多岐に渡る。前者はその内、件数割合的には物凄く多い。美醜差別が激しいこの世界で、醜いもの達には戸籍が存在しない者もいる。そういう事案がある訳で、戸籍上存在しない人間の捜索はとてつもなく難しく、根気が必要となる案件なのだ。
この誰かも分からない操られていた人間と呼称してもいい存在は、行方不明者なのか、はたまた存在しない人間なのか。この場ですぐに答えを出すことは不可能。持ち帰って検査が必要となる。
「けどさ、持って帰るにしても行けるのか?だってここ
樹海。主に樹海化と呼ばれる現象は、勇者である彼女達が神樹様によって作られた世界で戦う際の世界の事を指す。
本来ならば、樹海と言うのは大きな根っこが一面中に広がる世界なのだが。今彼女達がいるのは、現実世界と一致する世界にいる。なんなら、いつ世界が樹海に移り変わったすら分からないため、現実世界で戦っていたと考えるのが妥当。それですら考えつくだろうが、周りは住宅街。樹海と呼べる前提条件を考えると、樹海ではないと考えついてしまう。
「
「前例ないけど行けるのか?」
「分かんない」
緊急領域いうものがある。現実世界と樹海化の中間。樹海化は世界を塗りつぶすことで現実世界からの干渉を傍受するのだが、緊急領域は現実世界に樹海化の特性である干渉出来ない事情があわさった状態である。
詰まりは現実世界にいるのだが、樹海化のような選ばれたものしか入れない空間である。
何かしらの事態が起きた場合、樹海化が起こるのはほぼ確実。しかし、今上げたように緊急領域が発動したという事は、樹海化出来ない状態。端的に言えば緊急事態とも取れる事態である事が理解出来る。
「解除される気配も無いんだけど、私達このままなのかしら?」
「解除されないって事はまだなんかあるってこったな。……全く、時間外労働だっつーの」
「悪態つかないで。こっちだって今日は力哉さんとお食事だったのに。……邪魔しやがって糞が」
「だから
毒吐く夏凜はブスッと頬を膨らませて明らかに不満顔。確かに、楽しみにしていたであろう行事を邪魔されるのは誰しも怒るのが妥当。血の気が多い夏凜は我慢ならないだろう。
最も、空間が解除されていないとなると帰るのも帰れない。夏凜のイライラ度は止まらない状態だ。
「頭使うとかあたし達の領分じゃないんだけどなぁ……」
「先輩使ってないでしょ。勉強でも使ってないし」
「……いいんだよあたしは。就職先はもう決まってるから」
「力哉さんを出しにするなんてさいてー。護衛の任外れてくんない?」
「誰も言ってねぇだろうがそんな事。うちが何やってるか分かってるだろうが」
銀の実家は代々大赦系列の家系だが、その実農家が本業である為長女である銀は家を継ぐ事になっている。片腕がこんな状態でどうかと思うだろうが、本人も大して気にしていない様なので誰も指摘する者はいない。
「分かってるっての。いつもお世話になってます」
一人暮らしの夏凜は、一人暮らし必須スキルである料理が出来ない。だいたいサプリメントか煮干しを齧っている猛者なので、野菜肉何それ美味しいの?状態である。それを当時聞いた銀が実家で栽培した野菜を保存が効く様調理して夏凜家の冷蔵庫にぶちこみ始めてから夏凜は銀に頭が上がらなくなってしまった。
ま、それはそれこれはこれよねと、発言や態度に対してはそこまで畏まっていない夏凜は、あっけらかんに手をフリフリ振って冗談であると流す。
「……全く、そんなんだから力哉さん………っ」
瞬間、空間がブレた。何処からか干渉を受けているようにも見える。
波打つ空間から、ぬるりぬるりと暗闇に浮かぶ能面の無数の顔がゆっくりと現れる。
新たな敵の襲来である。
うじゃうじゃと現れる顔面蒼白のナニカ。例に漏れず全てが今までの同一個体と姿が一致している。違いがあるとするのなら、服装が違うくらいか。まるで意志を持って服を着こなしているような姿が見られる。いや差別化か。どちらにしろ、それぞれに個体というものが存在しているという仮説付けが出来る。
「新手、か。全く、労働時間はとっくにすぎてるんですけどぉ?」
「先輩見て。アレも多分操られてるわ。助けるのは無理そうだけど」
夏凜の指す先。確かに、能面が張り付いてるような見た目。
境目を見るに、明らかに現実世界とは異なる気配がある。次元が違うというか、見えているはずなのに見えているものはそこに存在していないようなそんな感じ。
「……大体なんなんだよコイツら。
「……顔面にへばりつくとか悪趣味ね。
「馬鹿言え。増援呼ばなくてもそろそろ
「神託の通りって訳?
「例え神託でそう言われたって、あたしは力哉さんを護るだけだからな。お前は違うのか?」
「冗談でしょ。会えない神より会える男子。神樹様がなんか言ってこようとも、私は力哉さんを御守りするだけよ」
ギュッと柄を握り締め、意識を切り替える。
只今をもって修羅と化す。自身の糧を外し、敵を殲滅するまで殺し続ける殺戮マシーン。銀と夏凜は訓練され呼び起こすことができるようになった
敵は多。こちらは微。戦力差なんてたかが知れている。この戦力を合わせたところで、多の方が勝るのは揺るがない事実。その事実がネジ曲がるのは、強いものが強かった時だけとも言うべきだろう。
強い奴は強い。弱い奴は弱い。何かしらそこには明確な差がある訳で、それを一概にアレコレ有り無しと決め付けることは難しい。
しかし、多と少。今回で言うなら微少。決めつけるのは難しくても、やる前からだいたい見てる奴は分かる。圧倒的だと、絶対に前者だろうと。
それが果たして決めつけたようになるのか否かは、神様の気まぐれで決まるのかもしれないし、笑った奴が1番強いというように、そういうスピリチュアルなジンクスもあるのだろう。
「あたしら赤鬼コンビを前にするんだ。簡単に死ねると思うなよ」
「私鬼じゃなくて猫がいい」
「………どっちゃでもいいだろそんなのっ!!」
この2人が、どれだけこの多を速く片付けられるのかも、神様の気まぐれでスピリチュアルなジンクスが起きるかもしれない。
2人は勢い良く飛び出した。
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季節は梅雨差し掛かり。気温は今年最高気温。水無月では珍しくここ一週間雨が降っていない。
炎天下最中の草むしり程、悪態をつきたくなるような作業は無いと今断言出来る。数日もすればまた別の事で同じような事を言うのだろうが、今はそんな気分。
そんな気分と言われても、テンションが上がっている訳ではなく、寧ろ時間が経つにつれ急降下の一方。依頼じゃなければこんな事したくもないと思うのは、至極真っ当な感情ではないだろうか。
現在勇者部は讃州中学の校庭の草むしりを行っている。校長先生から直々の依頼であり、部長である犬吠埼風は迷わず二つ返事で了承。何やってんのと言いたいところだが、数少ない依頼の1つ。風が引き受けない訳はなく、さぁやるわよ!!と1人テンション爆アゲで草むしりを始めていた。
1人だけやる気があるのは分かる。他はどうなのかと言われると、風程ではないがやる気は充分ある。友奈、美森、夏凜はやってやるかと意気込み、銀はえ〜やるの〜と鍬を持ち出して雑草ごと地面を耕している。後で雑草に効く薬をまくそうだ。他の植物にも影響は及ばないのだろうか心配ではあるが、生え続けるよりかはマシと正論づけている。
そして華である力哉はと言うと───。
「……いや〜、力哉君と話せるなんてこんな機会だけだからね。手伝いたい気持ちは分かるけど、少し私の話でも聞いてくれないだろうか」
たははと、扇子をパタパタ仰ぎながら高級な黒ソファーに腰かける女性。顔が浮腫み、目や鼻が少し真ん中によった黄金比。なだらかな胸から広がる三角形の体型。その風貌から裕福な生活を送っているのは明白な身体をピチッとしたスーツに身を包んだ校長先生は、ちらりちらりと大根のような太い脚を膝上10センチしかないであろうミニスカから覗かせ、見定めるかのように舌なめずりをする。完全に獲物を狙う肉食動物だ。
男である力哉は貴重な存在。しかし、露骨に手を出してしまえば間違いなく負けるのは校長先生だ。法においては、例え未遂だろうと擦り付けだろうと、男が訴えれば一発アウトで無期懲役。香川県の最北端に位置する人工島に強制送還となる。
今この場で力哉の口を塞ぐような事実があったとしても、罪はより重くなるだけで、完全にリスクが自身にしか無いこの状況。校長先生は一先ず力哉との会話に勤しむ選択をしたのだ。
「……こんな事言うのは失礼ですが、なるべく手短にお願いします。僕も早く参加したいので」
前世の記憶があろうと現在は中学生。まだ躾がなっていない少し生意気な男子生徒を装うため、わざとらしくそう言葉にする。
分かっているわと、校長先生はニッコリと。その笑みを見れば世の中の男性は間違いなくクラっとくるような笑みを力哉に向けた。力哉は顔を合わせていない。
「……初めはね、私不安だったのよ?大赦から男性生徒を転校させるなんて言われたらびっくりしちゃった。事情は詳しく聞いてないけど、通いたいって力哉君から願い出たんでしょ?その事について詳しく聞きたいのよ」
他の男子生徒達も学校に来れるようにする為にね、と後付け。確かに、中学校からすれば、力哉程参考になる存在はいないだろう。
男子生徒と言えば学校の華。讃州中学以外にも男子生徒の受け入れをしている学校は幾つもあるが、総じて基本的家に引きこもっている生徒が大半である。通っている生徒もいるが、基本別室で授業を受ける為滅多な事では接触は無い。
そんな中での力哉という存在。力哉の意見を取り入れれば、ほかの男子生徒にも快適な生活を送らせられる様になるし、何よりそれが売りになる。男性不足の現代で、少子高齢化と言うのは馬鹿にできない話である為、少しでも男性との出会いのきっかけを作るためにもこれは必要であると、独身娘2人を持つシングルマザーである校長先生はそう考えたのだ。
しかし、下心が大半である。娘2人のどちらかと上手く行けば、お情けで男の体を貪ることが出来る。学校はより入学者が増え、自身の性欲を満たせる。こんな美味しい話、校長先生に逃がさないなんて有り得ない。
「……んー、深くは言えないですけど、讃州中学郊内に住みたかったからですかね。静かでのどかですし、絶景スポットも結構あるんですよ。大赦預りの僕はあまりフラフラと行けなかったので衝動できちゃったって感じです」
我ながらつまんない回答だなと胸を張る。そうそうに話を切って作業を再開したいのだ。
「え?そうなんだ。やっぱり男の子は美しいものに引かれるのね」
目を輝かせ、しっとりと熱の篭った瞳を力哉に向ける。校長先生の頭の中には、様々な会話シュミレーションが繰り広げられており、実際計算、1年分ぐらいの会話がまるで枝分かれで次々と浮かび上がっている。力哉の返答に答える回答を増え続ける会話の枝を探し出す。
台本のような受け答え、そして分かりやすいお世辞に内心ため息を吐くと、少し馬鹿みたいに騒いでみる。
「ありがとうございます。僕も綺麗なものは大好きです」
我が妹然り、部長然り、後輩然り、母親然り。
感性が違うので、校長先生の想像する美しいとは真逆の意味があるのだが、校長先生は嬉しそうにはしゃぎ始めた。
「そうよね、そうよねっ。力哉君は
「そうですね。
噛み合っているようで噛み合っていない。当の本人はそんな事も露知らず、高ぶる興奮を推し留めようと何度も深呼吸しながら距離を詰めてくる。
手が太ももに置かれた。これは犯罪ではないだろうか。というか、一瞬でマウント取れそうなぐらい近付いてきてるんですが。
「先生としてはね?これからの学校生活をもっと豊かに出来るように、協力したいんだけど。中々難しいじゃない?皆同じ気持ちじゃなかったら、絶対やろうと思っていたことが出来なくなっちゃう」
何が言いたいのだろうと首を傾げる。段々と近付くその顔が、じわりじわりと破錠した笑みに変わっていく。興奮状態である体が示す頬の紅さ、息遣い、汗の量からして理性を外して、いや理性なんてそもそもないようなものか。教師としての禁忌を犯そうとしているのだから。
来た、近い。顔が近い。息が、息が掛かる。止めてくれ、いやホントやめて。怖い怖い怖い怖い。近い近い近い近い。
目と鼻の先に顔がある。少し動けば口がくっつきそうだ。
「だからね。もっと仲良くなる為に、
ふうっと耳元に生暖かい息が流れる。ぞぞぞっと背筋を凍らせるその行為に、流石に我慢の限界を向かえる。
しかし鳴らすのは抵抗がある。鳴らしたとして、やってくるのはあの赤鬼2人。間違いなく校長先生は半殺しにされる。いやまぁそれは自業自得なのだから腹くくれるのだが。
「………そぉれよりもっ、僕みたいな男子生徒を増やすためにも、もう少し安全性を確立された方がいいかと」
無理やり距離を置くためにソファーの端まで移動した。そして誤魔化すように提案をしてみる。
「そうよね。やっぱりそれが一番なのよね。最近
「……?不審者、ですか?」
そんな話あっただろうかと首を傾げる。母親からもそんなような話は聞いていない。銀達からも
肌寒さが全身を覆い始めた。
「そうなのよ。どうやら、
なんだそれはとさらに首を傾げる。
確かに想像しにくいが、それはまごうことなき不審者である。何か実害などあった場合等完全に不審者改め犯罪者だ。
俯いて考えてみるが、どんな顔なのかイメージが湧かない。その顔の情報があるということは、目撃情報があるからだろうと推察する。
初見でそんな顔見たら訳分からんくなるんじゃないかと少し笑いが込み上げてくる。
「あまり想像出来ないので
校長先生の方に改めて顔を向け、少し微笑しながらそう言った。
「───アラ、じゃあミテミル?」
力哉が顔を上げた時、目の前にはまさに話にあったその顔が居た。
「───へ……?」
呆気に取られ、次いで驚愕。さらに次いで恐怖が一気に間を開けず押し寄せてきた。
力哉はこの時、初めて防犯ブザーを鳴らさなかったことを後悔する事になる。
「───ミツけた、アノお、トコ」
「───コ、コココココ、ロス」
二チャリと口元が澱めいた。
ゆっくりと開かれる大きな口。
普通なら開けられないような、力哉の頭を覆うぐらいの大きさ。
唾液が糸を張り、口の奥、生々しく艶だった喉奥までしっかりと直視できた。
体が動かない。全身からどっと冷や汗が滝のように流れ出す。
ゆっくりと、確実に。
走馬灯を2周出来るのではないかと思えるようなゆっくりの時間が、力哉の瞳に映り込んでいる。
そしてゆっくりと、
感想に送られてきたので追記しておくと、この世界はあべこべと言うのか前提なので、原作ファンの皆様には多少なりともうん?と首を傾げるようなことが多々あります。
例えばキャラの性格。作者が思うに、原作とは違う世界観だった場合絶対にそれ通りにならないと断言して言えます。ですので、この子はこんな子じゃないとか、この子のこういう性格もいいとか、幅広く善し悪しを感じられるもの人それぞれです。
それを理解した上で、私のこの愚作を読んで頂けると幸いかと存じます。
まぁ簡単に言うなら、二次創作なんだから作者によってキャラ設定及び作品の流れとか変わるのは当たり前だよねぇ〜って話です。
不快に思われるなら見なくてもいいですし、感想にそんな事書かなくてもいいです。ぶっちゃけ作者のメンタルが死にます。