この世界はあべこべである。   作:黒姫凛

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お腹がすいたので初投稿です。


胡蝶蘭は突然に

 

 

讃州中学勇者部。それは校内に知らない者は居ない部活動一の有名部活動である。

部員数は5人と少なく、3年生が2人、2年生が2人、残り1年と聞いた感じ廃部してしまいそうな状況だが、他の部活と大差無い活動を行なっている。

 

有名な理由はいくつかあるのだが、一番を挙げるとするのならそれは部活の方針だろう。

勇者部は『皆のために成ることを勇んで実行する』を旨に、困っている事があれば助けてくれる活動をしている。地域のボランティア活動に積極的に参加し、日々校内の清掃を行い、迷子の猫を探す。

これだけやっていると手伝いのようなものだが、彼女達は見返りを求めない。

自分の行動で誰かが喜んでくれるならと、眩い善意の心で活動している。

 

それが良くも悪くも世間からの興味を引かれ、勇者部に様々な依頼を申し出る人達が増えていた。下手に手伝ってもらうよりも、注目を浴びている勇者部に話を持ち込んだ方が何かと都合がいい場合が多く、それでいて解決するとなれば、引く手数多になるのは当然の事だろう。

本人達自身、いつも笑顔で接してくれているところが良くも悪くも注目される点であり、地域の御老人会や保育園などではそういったところを踏まえてお呼ばれする事が多い。

 

 

そんな勇者部達は、今日も誰かの為に活動するのだった。

 

負けるな勇者部。頑張れ勇者部。

 

君達の助けを求める人がまた何処かに現れたぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平日ほど嫌だと思う時は無い。しかも平日は5日間も存在しているのが更に拍車をかける。

かと言ってずっと家に引きこもっていると言うのも出来ない。私は学生で、妹の為に朝ごはんを作らなければならない。学校に通うのもタダではない。たとえ義務教育だとしてもお金を何かしらに払った以上、休む事は無駄になってしまう。

 

憂鬱になりながらも、私はまだ眠たさがある中身体を寝床から起こして顔を洗いに洗面台に向かう。

春先だがまだ冷える朝の空気。冷える床を踏みしめ、洗面台に辿り着くと蛇口を捻って水を流す。手で2、3度水をすくって顔を洗うと、正面にある鏡が目に入った。

 

「……ほんと、汚ったない顔だこと……」

 

写る顔面。大きな瞳にシミ一つない健康的な肌。小さな鼻と生え揃ったクリンと丸々まつ毛。透き通るライトグリーンの瞳ときめ細やかな金色の長い髪。見れば見る程、憎たらしくなる程恨むべき顔立ち。

何故私の顔はここまで整っているのだろうと疑問視する。世の中的に、こんなに整った顔立ちの女は需要がない様なもの。その癖胸もこの歳なのに馬鹿にでかい事も本当に憎い。女の胸が大きい事など、誰が喜ぶのだろうか。

ルックスでは完全に終わっているようなものである私は、男にモテないのに女子力女子力と家事が出来る女にシフトチェンジして日々努力している。両親が居ないため、私が妹の為にご飯を作らなければならない事もあってか、家事においては急成長して誰にでも自慢出来るぐらいの実力は持っている気がする。

だが世間は甘くない。私のような見た目と体つきの女が私のように考えない訳がなく、私よりももっと先で家事をこなしものにしている人達がいる。そう思うと、私の努力はまだまだなんだと痛感してしまう。

 

しかし実際はそんな事をしたところで男からはモテない。元々少ない男との出逢いに何か好感を持てる部分があって、尚且つルックスが好み、金持ちじゃ無ければ女が男と結婚出来るはずもなく。

皆、無駄な努力をして人生を棒に振る。私もその1人だが、私は家族の為と言うこともあってタメになってるからいい。残された道と言えば、子供が欲しければ人工授精して子供を授かるか、子供を産むことなく余生を過ごすかの二択。多くは1人寂しさを紛らわす為に子供を作る人も多いが、将来私も子供を人工授精して作るつもりだ。

私みたいな女では、それが当たり前なんだ。

 

顔を拭き、朝ごはんの支度をするためにキッチンに向かう。

今日も平穏に過ごせますように。

 

私は今日珍しく、そんな願いを祈るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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どうやら、今日は転校生が来るらしい。なんでも入学式までに引越しが間に合わず、1週間遅れて入学する事になったとか。

そりゃ、こんな4月上旬で転校してくるなんてそう言った理由が多いと思うのだが。クラスメイト達は色々と話を膨れ上がらせて話している。

入学そうそう可哀想だなと思い、私は机に突っ伏した。五十音順で私は窓際列の前から2番目。つまり出席番号は2番となる。目立つようで目立ちにくいなんとも言えない場所な為、私は気配を消す為に静かに昼休みを過ごすのだ。誰かに絡まれるのが1番嫌で──。

 

「───ちょっと犬吠埼。今からジュース買ってきて」

 

……来てしまった。静かに過ごしたかったがそれは無理のようだった。

私の元に来たのは3人の女子生徒。顔が浮腫みシミが多く、胸が小さくてお腹の肉付きがいい3人の姿はまさに私が憧れる姿。クラス上位を占める美女と持て囃されている女子生徒達だ。

取り敢えず断ろう。偶には罵倒を吐いて遠ざかってくれるはずと淡い気持ちを抱いて口を開いた。

 

「……あ、あはは。ごめん、今手持ちがそんなに無くて……」

 

「は?何言ってるの?私達にそんな見え透いた嘘通じるとでも?」

 

地雷を踏んだ。これは不味い。

私は直ぐに立ち上がって鞄から財布を取り出す。

 

「ご、ごめんっ。すぐ買ってくるからっ」

 

殴られる事だけは避けたい。例えブスだろうと顔に傷が付くのは嫌だ。

急いでジュースを買いに行く私の姿を見てか、クスクスと笑い出す3人。それに釣られて周りの生徒達も嘲笑うように私を笑いものにする。

 

嫌だ嫌だ。なんで私がこんな事をしなくてはならないのか。

ブスだからって、何時返されるかも分からないのに何故私が奢らなければならないのか。生活費を削ってお金をやり繰りしているのに……。あっちも私の事情ぐらい知っている筈なのに。

しかし、文句など言えない。私は早足で自販機に向かう。まだホームルームまで15分余裕がある。だが、あの場に居るだけで惨めな想いをするのに耐えきれない為、長く外に居ようと少しでも早く離れるのだ。

 

……ほんと、死にたくて仕方ない。

 

どうしようもない思いが、私の頭を駆け巡るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

財布を握りしめ、自販機の前に立つ。学校中の人達が利用する自販機は、校内に2、3個程設置されているが、彼女達の好みのジュースがここにしかないため私はここにいる。しかも、この自販機は教室から1番遠い事もあり、そこまで行くのが面倒だと私に買ってこいと頼むのは至極当然。私は所詮パシリなのだ。

 

財布を開け、中身を確認する。使えるお金は小銭のみ。お札は1日の使い所が決まっているため私が使う分には小銭のみ。見ると、今週使える分がいつもより少ない事に気が付く。

最悪だと内心舌打ちをし、小銭を入れてまず1本何処にでもありそうなメーカーの炭酸飲料のボタンを押す。がちゃんっと飲料水の入ったボトルが取り出し口に落ちてくる音がして、続いて2本目のボタンを押す。

 

……ほんと、なんだかなぁ。

 

自分の今の姿が情けない。

私は自分で言うのもなんだが、ここまで内気なような性格では無い。この髪色の如く元気いっぱいに遊ぶ女の子だった筈なのだ。

私が変わったのは、女で1つで私達を養っていたお母さんが他界してから。妹が寂しがらないようになんでもやってあの子の不安を取り除こうとした。結果、いつの間にか私の元気は上辺だけのものになっていた。

後悔はしていない。妹が悲しがる事も寂しがる事も無いので私としては結果はどうであれ、やってよかったと思えるのでいい。

 

しかしこれもあってか、私の周りから人が居なくなった。親戚の人もそうだが、友達も居なくなった。学校の先生からは腫れ物を見るような冷たい目で見られ、誰も私に関わらなくなった。

私に話しかけてくるのは私をパシリに使う女子生徒達だけ。そこに友情など無く、あるのは一方的な利益のみ。だが反論はしない。もし反論して、もう二度と誰にも話しかけてくれなくなった時、私は絶対に耐えられない。

 

……1人は、嫌だ…。

 

少し気持ちが揺さぶられた。と同時に、3本目を買おうとして取り出した小銭が自販機の下転がり落ちてしまった。

不味いと思い急いで下を覗く。既にその小銭の姿は無く、諦める選択肢しか無かった。

 

百円玉は最悪に不味い………。

 

落としたのは大きな小銭だ。金額的にも大きさ的にも。自販機で買い物をする時には百円玉を入れればほぼ解決したようなものであるが故に、その紛失は大きい。

仕方なく私は他の小銭を探す。百円玉があればそれを入れればいいし、五十円玉しかなければ2枚取り出すか十円玉5枚と一緒に出せばいい。

しかし五十円玉は2枚なく、あろう事か十円玉も数枚しか入っていなかった。

何度探しても、あるのは少ない小銭、一円玉が小銭の大半を占めている。

自販機は一円玉が使えないのは当たり前だが、両替ですらこの一円玉は出来ない。今日ほど、この一円玉を恨んだことは無いだろう。

 

仕方ない。これは、1000円札を出すしかない。

そう思い、お札が入ったポケットを開けてみる。覗くお札は数枚。今月やりくりするための全額だ。これを使うというのは、即ち今月は少しずつ厳しくなる証明。

 

もしジュースを買っていかなければ殴られる。女子生徒達のサンドバッグにだけはなりたくない。だがこのお金は生活費の他に、妹が欲しいと言っていたCDを買う為のお金を含んでいる。もしここで使ったとして、もしCDが買えなくなってしまったとなると、妹に合わす顔がない。元々醜い顔なのでさらに見せたくなくなってしまう。

 

……なんで、朝からこんなにも悩まなきゃいけないのよ……っ。

 

毒ついても仕方ない。誰にも私の気持ちなど理解されないのだから。

だから決断しなくてはならない。使うか、使わないか。殴られるか、回避するか。後悔するか、苦しむのか。

 

………樹、ほんと………ごめんね……っ。

 

使おう。私が今月分を削れば妹は苦しまないからいいのだ。ここで使って後で私の分ここに当てればいい。

何度も妹に謝り、私はゆっくりとお札に手をかける。手が震える。罪悪感が心の底から混み上がってくる。頭が真っ白になりそうだ。思考が止まりそうだ。嫌な汗が吹き出してくる。ガチガチと歯が震える。

家族よりも、自分の事を優先してしまった私の罪悪感が私の身体を支配して───。

 

 

 

「───はい、これ。落としましたよ?」

 

 

ピタッと震えが止まり、何故か聞こえた声が鮮明に聞こえた。

誰かに話しかけられた事なんて久しぶりだ。しかし、私に話しかけてくる生徒なんていたのかと不思議に思う。

しかし何故だろうか。あの女子生徒達の声よりも色々と違う。声の質もそうだし、声に篭った何かが違う。なんて言うかそう、優しい声なのだ。

 

「?これ、さっき落としてたでしょ?さっき見てました」

 

また聞こえる優しい声。勘違いとかでは無かった。

私はゆっくりと声のする方に顔を向ける。

 

「……んー。ぼーっとしてるけど大丈夫か?まさか体調が悪いとか……っ」

 

短い黒髪と吸い込まれるようなブラウンの瞳が私を見ていた。若干つり目で生え揃ったまつ毛と眉毛。凛々しい顔立ちに私よりも広い肩幅と逞しい腕。制服姿である事からこの学校の生徒だと理解する。差し出されるゴツゴツとした手のひらに乗っかっている百円玉が目に入った時、私はハッと自分の意識を取り戻した。

 

「……お、おと、こ……っ」

 

「?はい。俺は男ですけど?」

 

生モンの男であった。この学校に男は在籍しているが登校はしていない男子生徒が殆どであり、私が入学して来て1年経つが男子生徒とは巡り会ったことなど1度も無かった。最も、私はブスなので男は私を見ると直ぐに離れていくので私は更にお目にかかる事など少なくなるが。

 

しかし、何故この男性は私にこの百円玉を差し出しているのだろうか。私は自販機の下に落としたのでこの男性が拾う事はまず出来ない。

となると、考えつくとするなら私に何か見返りを求めているのだろうか。取り敢えず、断るだけ断っておくとしようと口を開いた。

 

「……あ、あのっ。そ、それは……私の、じゃない……です」

 

「……やっぱ、素直に受け取ってはくれないか」

 

どうやら本当に見返りを求めて私に近付いたらしい。私のような女に話しかければなんでも思い通りになるとでも思ったのか。とても腹立たしい。

 

「……いやね、君がさっき自販機の下に百円玉を落としたのを見てて、しゃがんで探そうとしてたから俺も手伝おうと思ってさ。声かける前に、財布の中覗いてブルブル震えてるから買いたいのにお金足りないんじゃないかって思ったから、俺の百円玉あげようかと思って」

 

「……そ、そうなん……ですか」

 

明らかに何か狙っている。あげようかと思ってとはまさに私から何かお礼をしますと言う言葉を引き出す為の誘導だろうし、男が私にそんな善意を向けるなんて有り得ない。

私は何かあると思って眉にシワを寄せる。

 

「いやちょっと待って。その顔俺に何かあるって睨んでるだろ。そんな度胸俺には無いし、君にそんなこと絶対思わないから」

 

あくまでしらを切るこの男。手と首を振って誤解を解こうと否定している。

しかし、男がそう言って女を騙すのはよくある手口だ。難癖付けられる前に男が目の前に現れた時点で即落ちする女も悪いのだが、こう言う手口は昔からあるやり取りだ。私も昔、お母さんに気をつけろと言われたのを思い出す。

 

「でもほら、困ってると思ってやった俺も俺だけどさ、あんな辛そうな表情するもんだから心配になるだろ?取り敢えず何とかしようと思って百円玉をあげようと思ってやった事だから。ほら、なんかあるなら話してみてよ。こういうのって、誰かに聞いてもらったほうが気が楽になる事もあるよ」

 

ニッコリと私に笑顔を向ける男。男がそう簡単に笑顔を女に向けるわけない。ましてや私のような女に向ける事など有り得ない。

なんだか私は、無性に腹立たしく感じてきた。まるで馬鹿にしているかのように。いつも見慣れているけれど、その見た目だと辛い人生を歩んでいる人間の気持ちなんて分からないのだろう。

男と言うだけでチヤホヤされて甘い汁を啜る。そんな腐った人間になんで私が馬鹿にされなきゃならないんだ。

 

「……別に、私は何も困ってません。用が済んだならとっとと教室に戻ってください。そうやって私を馬鹿にしてる態度がムカつきますから」

 

「馬鹿に?そんな訳ないじゃん。ただ俺は、君が困ってるから何か力になろうと───」

 

 

 

「───だからっ、それがムカつくって言ってるでしょ!!」

 

 

「っ」

 

思わず叫んだ。だが、踏ん張りはもう聞かない。

口数が少なくなってしまった私の口から、爆発したように言葉が飛び交う。

 

「なんなのよっ、なんなのよなんなのよっ!!力になろうと?馬鹿も休み休み言いなさいっ!!男のあんたがっ、そんな事言うわけないでしょっ!!どうせ見返り目的で私に近付いたんでしょ!?そんな事私にだって分かるのよっ!!」

 

「だいたいなんなのよあんたはっ。私がこんな見た目の女だから嵌められると思ったわけ?巫山戯んなっ!!私は男が嫌いだっ!!そうやって誰かを騙してヘラヘラと楽しく生きてるお前達男が大っ嫌いだっ!!」

 

「男なんて死んじゃえっ!!そうやって私達みたいな女の気持ちを踏みにじって面白がる屑な男なんて死んじゃえば───っ」

 

 

「───ごめんっ。そんな事を思ってたなんて、知らなかった」

 

 

暖かい、熱を感じる。気付いた時には、目の前にいた男が私を抱き締めていた。

こんな事初めてだ。だが嬉しさはない。それどころか恐怖が込み上げてくる。思えば、あれだけ言ってしまったのだ。殴り蹴られる事ぐらいされてもおかしくは無い。

ギュッと目を瞑り、男の動きに耐えられるように身体に力を入れる。

 

「……そう言えば、こっちではそんな考えを持ってる人もいるって言ってたっけ。すっかり忘れてた。名も知らない君、心から謝罪する。本当にごめんなさい」

 

「……えっ?」

 

まさかの言葉に一瞬気が緩んだ。そして気付くこれの熱を。とても暖かくて優しい感じ。安らぐような心地良さがある。

 

「君のさっきの言葉。あれは心の叫び。そうだよな、いきなり男がそんな事するってのは下心丸出しで近付いてると言ってもいいもんな」

 

「……あの、何を」

 

「確かに俺は下心丸出して近づいた。これは認める。でも俺はそんじょそこらの男のような下心は持ってない。それだけは信じてくれないか?」

 

「……でも、下心っていうのは……」

 

「……あー、それはあれだ。君とお近付きになりたいって事さ。俺ってば今日ここに転校することになってさ。友達がいないスタートでは流石に嫌だからさ」

 

「………そんな理由が?転校生………?」

 

「取り敢えずお近付きの印に、この百円玉、使ってくれませんか?その代わりと言ってはなんですが、俺と、お友達になりましょう」

 

「……とも、だち……」

 

友達。友達と言う言葉。その言葉を口にする度、胸の奥がギュッと締め付けられる。それと同時に目尻が熱くなるのを感じる。

無意識に頬を何かが垂れ落ちる。それが涙だと気付くのは数秒後だった。拭いても拭いても止まることがない涙。顔を見られたくないと、思わずしゃがんでしまう。

 

「……な、なんでかな……っ。涙がっ、涙が止まんなくて……っ」

 

彼は何も言わない。でも、しゃがんだ私の肩に手を置いてあやしてくれている。ポンポンと落ち着けるように背中を撫で叩いてくれている。それがどうしても嬉しくて、だけど初めてだからどうしていいのか分からない。

 

「……っ、ごめん……っなさい……っ。疑って……っ、貴方のことっ、疑ってしまって………っ」

 

「……大丈夫。取り敢えず、落ち着くまでこうしておくから」

 

優しさが心に染み込んでくる。初めての体験。初めての気持ち。

今までに体験した事が無かった感情が込み上げて苦しい。でも嫌な気分ではない。嬉しさが昂って涙が流れている。

だが止められない。今まで私が築いていた壁が崩壊して、一気に感情が溢れ出た気持ちだ。

 

素直に言おう。私は彼の友達になれて嬉しい。それ以上の高望みはしないし、今言える事だが、私はきっと彼の為になんでも出来そうな気がする。

依存するとはまさにこの事だったようだ。だが今の私にそんな自覚などありはしない。

 

 

今はただ、友達だと言ってくれた事に私は嬉しくて涙するだけだった。

 

 

 

 

 

 

 




控えめ風ちゃんも可愛いと思わんですか?
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