【とある魔術の禁書目録】錆びゆくガンマンの青息吐息 作:白滝
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アメリカ合衆国テキサス州。
南にメキシコ、西にニューメキシコ州、北にオクラホマ州、北東にアーカンソー州、東にルイジアナ州と境を接しているこの州は、過去に様々な植民地化を受けて複雑な文化融合を得てきた。
東部は温暖湿潤気候、西部はステップ気候といった様々な気候区を併せ持っており、南西部にチワワ砂漠の北東部が含まれる。
しかし、この九月。
テキサス州はとにかく暑い。ともかく暑い。とんでもなく暑い。
一面に砂漠が広がり、ただアスファルトの道路のみが伸びるテキサス州のそんな大地を、一人の男と二人の双子の少女が、のそのそと力なく歩いていた。
男の方は髪が段々と薄くなり始めた中年のカナディアン系の白人、小学生くらいの少女達はヒスパニック系の顔つきが伺える。
双子の少女はお揃いの水玉模様をした空色のワンピースを着ているが、男の方は真夏にも拘わらず、まるでカウボーイのように長袖長ズボンに身を包んでいた。ウェスタンハットにウェスタンブーツにウェスタングローブ。おまけに、小洒落たベストまで羽織っている徹底ぶりだ。腰に巻いたウェスタンベルトにかけたホルスターには、映画の中から引っ張り出してきましたと言わんばかりの拳銃が引っ掛けられていた。
コルト・シングル・アクション・アーミー。
西部開拓時代の代名詞とも称される、ガンマン映画ではお馴染みの
もはや西部劇のコスプレと馬鹿にされても差し支えない服装。
正気とは思えない格好だ。
アスファルトの道路が太陽の熱を照り返すこの熱波地獄の中で、そんな服装で歩く行為は熱中症による自殺でも志願しているようにしか見えない。
「熱いよー、ゴンちゃん」
「熱いよー、ゴンちゃん」
後ろを歩く双子の少女、アリスとテレスも音を上げる。
「我慢しなさぁい。おいちゃんだって頑張って歩いてるんだからねぃ。それに、おいちゃんの方が暑っ苦しい格好をしてるだろぅ?」
「ゴンちゃんは大人だからいいの」
「ゴンちゃんは大人だからいいの」
愚痴を言われたって困る。文句を言いたいのはこちらの方だ。
はあ、と溜息が漏れる。顎ヒゲに汗が伝った。あまりの汗で葉巻が湿り、一息つこうと吸ってはみたものの全然美味しくない。
(こういう時、術式が服装に縛られる魔術師ってのは辛いねぇ……あー、早く街に着いてキンキンに冷えたビールを飲みたいなぁ……)
「喉が渇いたよー、ゴンちゃん」
「喉が渇いたよー、ゴンちゃん」
「おいちゃんだって喉が渇いてるよーぅ。我慢しなさぁい。ほら、看板が見えてきたでしょ。次のガソリンスタンドまであと三キロだってよぅ」
「えー!!歩くの疲れたよー!!おんぶしてー」
「えー!!歩くの疲れたよー!!おんぶしてー」
「無茶言わないの。ほら、頑張って歩く!!ワガママ言う子は置いてっちゃうぞぅ」
「ゴンちゃんの馬鹿!!けち!!」
「ゴンちゃんの馬鹿!!けち!!」
「………あのさぁ、おいちゃんだって四〇過ぎたオジサンなんだぜぇ?足腰にガタがきてるし、肥満気味だしよぅ。脳卒中にビクビク怯えてる、そろそろホントに老後が心配な高血圧組なんだって。もうちょい身体を労わってくれてもいいんじゃあないかい?」
「ゴンちゃんは馬鹿だし風邪とかの病気にならないでしょー」
「ゴンちゃんは馬鹿だし風邪とかの病気にならないでしょー」
「そんなジャパニーズのコトワザなんて引用されてもねぇ……」
双子の言葉に耳を貸すだけ無駄である。
反論を諦めたように、その男――――――敢えて名前を呼ぶとするのならば、一応は『
一人の
という訳で、オリキャラ紹介回でした。
彼ら3人以外でオリキャラが登場する予定はございません(今のところはですが)。