俺は背中にX字状に展開されたガラスの様に透明な4枚の金の羽によって謎施設から文字通り飛び出すと、空を流星の如く飛行し、紅魔の里の燃え盛っている区画まで瞬時にたどり着く。そこではドーム型の結界が展開されていた。
そして、結界の中では今まさに、愛する人を鋼の異形から伸びたピンバイスのような溝のある8本の触手が貫かんとしていた。俺は迷わず右手に握った神殺しの剣から呪いの圧縮された、白い電撃を纏いし極黒のビームを発射する。
その瞬間。ドームの頂点を巨大な円柱を連想させる太さのビームがぶち破り、愛する人に迫っていた8本の触手をまとめて消滅させた。
結界が早速修復されていく中で、俺は一気に地面めがけてまっすぐ加速して結界内に侵入し、ビームによって形成されたクレーターの中心に着地。その衝撃で周囲に漂っていた、呪いのビームの残滓である黒い粒子と土煙が巻き上がる。それらを羽を一度大きく動作させることで吹き飛ばす。
俺はゆっくり首だけ動かし後ろを見る。愛しい人の方を。……ゆんゆんの方を。
彼女はボロボロになって膝から崩れ落ちていた。
ああ、こんなになってしまって。本当に頑張ったんだなゆんゆん。
「リョウタさん? その紅い目。まさか……記憶を……」
俺を見ながら、涙があふれそうになっているゆんゆん。
ああ、この目を見たらそう勘違いするよな、でも。
「大丈夫だよゆんゆん」
俺は笑いかける、それだけですべてを察したゆんゆんは涙を流しながら微笑んだ。
それを見届け、俺は正面を見据えると、そこには異形がいる。巨大な鋼の胴体に四本の腕を備え、1対の大きな翼を備えたラミア型のロボットのような姿。本来、頭部が備わっていそうな部分には女の上半身が備わっていた。
それは魔王軍幹部シルビアだ。
魔術師殺しだけでなく多くの地下格納庫に残されていた兵器を取り込み進化した結果の姿なのだろう。
「どういうこと!? なぜお前は魔術師殺しの結界を打ち破れたの!? 意味がわからないわ……。お前はいったい何なのよ、そもそも紅魔族だったというの!? 」
シルビアは驚愕の表情を浮かべていた。
俺の中に、ゆんゆんを傷つけてくれたことへの怒り憎しみ、そして本能ともいえる感覚が湧き上がってくるのを感じる。
俺はそれらすべてを込めて、シルビアの疑問に答えた!!
「我が名は、涼太!! 加賀美涼太!!!! 新たなる紅魔族にして、神を断つ剣なり!!!!!!!! 」
俺は右手の神殺しの剣と左手のソードメイスを強く握り締め、羽を強くはためかせ、シルビアへ突撃した。
すべては愛するゆんゆんを護るために。
プロローグのシーンまで本編はすでに書き終えています。大量にストックがあるので、安心してお読みください。
追記……挿絵はseato様が作ってくださりました。ありがとうございます!!