【完結】この素晴らしいゆんゆんと祝福を!! 作:翳り裂く閃光
サキュバスたちの脱出時間を稼いでボコボコにされた翌日。俺はゆんゆんと椅子に掛けボードゲームを楽しんでいた。
「本当に昨日のリョウタさんは様子がおかしかったんですよ? 覚えてませんか? 」
「……全く。何を言ったかも覚えてない」
俺とカズマはサキュバスに操られていた際の記憶を一切覚えていない。ということになっている。
「そうですか。昨日のリョウタさんはその、なんだか冷たくって少し悲しかったです。本当に元に戻ってくれてよかった……」
俺は何とも言えない気分になるが、それが表面に出ないように心がける。せっかく都合のいい解釈をしてくれて話がまとまっているのだから。
「その、なんだかごめんね」
だが、謝ってはおきたいのでしっかりと頭を下げて謝罪する。卑怯だな俺。
「いえ、そんな気にしないでください。サキュバスに操られてたんですからリョウタさんのせいじゃないです!! 」
「ありがとう」
とにかくぼろが出ないようにしないと。昨日の記憶も封殺だ。
俺が新たに作った黒歴史を封印することを心に誓っていると。
『デストロイヤー警報!!!! デストロイヤー警報発令!!!! 現在起動要塞デストロイヤーがアクセルの街に接近中!!!! 市民の皆様は直ちに避難を、冒険者各位はギルドに完全武装の状態で集まってください!!!! 』
突如、警報が街中に鳴り響いた。
「何事だ!? 」
「今デストロイヤーって!? 」
俺とゆんゆんが立ち上がると、顔を見合わせる。すると近くで暖炉の前でくつろいでいたアクアが奇声を上げながら突然荷物をまとめ始めた。
「いったいなんだアクア、そんなに慌てて……」
「決まってるでしょ!! 遠くへ逃げる準備よ!! 」
「逃げる? そんなにまずいのかいデストロイヤーって」
「リョウタさん何言ってるんですか!? デストロイヤーですよ。あの起動要塞デストロイヤー!! ああ、でも冒険者だし逃げるわけには……」
「何を言うのですかゆんゆん。デストロイヤーが来た以上、何もかもが灰燼に帰しますよ。戦ったところで無駄です。アクアがやっているように荷物をまとめて逃げたほうが賢明だと思います」
めぐみんがゆんゆんに諦めた表情で語り掛ける。
一方で、庭から帰ってきたダクネスがリビングを通り過ぎて自分の部屋のある2階につながる階段へと走っていくのが見えた。
「ダクネスも逃げる準備!? 急ぎましょう!! 」
「バカを言うなアクア!! 私は逃げる気などない。むしろその逆。戦う準備をしているのだ!! 」
ダクネスがアクアにそう返答すると部屋から鎧を装着していく音が鳴り響いた。
「ダクネスさんもああいってるし、戦うべきだと思います……!! 」
「ええっ!? 私は反対なんですけどー!! 」
「そうですよ、あれと戦うとか無茶もいいところです!! 奴が通り過ぎた場所はアクシズ教徒以外草も残らないと言い伝えられているのですよ!! 」
「ちょっ、めぐみん!! うちの信者を人外か何かみたいに言わないで頂戴!! 」
「いいや、戦うぞ!! 」
カズマがリビングに入ってきて開口一番にそう述べた。
「せっかく手に入れた生活基盤、せっかく手に入れた屋敷なんだ!! 手放してたまるかぁぁぁぁ!!!! 」
カズマもまたゆんゆんやダクネスと同じように気合十分だった。
「ゆんゆんがやるっていうなら俺もやるよ!! デストロイヤーがなんなのかはクモみたいなビーム撃つでかいマシンってしかいまいちわからないけどさ!! 」
こうして多数決で俺たちのパーティーはデストロイヤー討伐のために動くことになった。
ギルドには、人がごった返していた。誰もが完全武装の状態でいる。俺たちのパーティーも同じでかつてベルディアと戦った時のように準備万端だ。
ギルド内を見渡してみると見知った顔の冒険者が大勢いた。心なしか男性冒険者の比率が高い気がする。あとミツルギもいた。魔剣を無事買い戻せた様子でちゃんと装備している。
ある程度の人数。それこそ300人以上が集まってきたところで。
「皆さん、良く集まってくださいました!! 皆さんがこの街最後の砦です!! 街を護るためにどうかよろしくお願いします!!!! 」
ルナさんが魔導メガホンで冒険者たちに語り掛ける。
「それでは緊急の作戦会議を始めます!! なおこの作戦会議で無理だと判断した場合は街を捨てて逃げることになります!! では、冒険者の皆さんは席についてください!! 」
俺たちはギルドの席に着く。普段は依頼書を張るためのボードとして使われているそれにはデストロイヤーと思われる8本足のマシンの図があった。
「現在デストロイヤーは街の北西方面からまっすぐこちらに進行中です。到着まで残り約1時間です。さて、まずは起動要塞デストロイヤーがどのようなものか正確に把握していない方はいますか? 」
俺とカズマ。その他数名の冒険者が手を挙げた。
ルナさんがボードの各所にある説明文を指さしながら説明を始めた。
ルナさん曰く。起動要塞デストロイヤーは魔導技術大国ノイズが作り上げたクモのようなシルエットを備えた対魔王軍用の巨大要塞型ゴーレム。
小さな城ほどのサイズをしていて魔法金属がふんだんに使用されており、見かけよりも重量が軽く、その8本足で馬を超える速度を出すことができる。街や村を通過する際には魔法光線を発射して焼き払う要塞だ。防御面では、常時強力な魔力結解が張られているため一切の魔法攻撃が通じない上、魔法金属で構成されているため通常の弓矢では傷一つ付けられない。攻城用の投石機やバリスタもその歩行速度から運用が難しく、さらに起動要塞の胴体部には空からのモンスターの攻撃に備えるためアーバレストを装備した中型のゴーレムや戦闘用のゴーレムが複数体配備されている。
はっきり言おう。どうしろと。
俺以外の冒険者の表情も俺の内心の如き表情をしていた。
「そしてなぜこの要塞が暴れているかというとですね。開発責任者が制御権を乗っ取ったかららしいんです。真相はわかりませんが。……とにかく現状まともな対抗策は無く、魔王軍ですらまともに戦おうとしない天災扱いの無敵の要塞なん……で、す」
言っていて絶望感をわきたてられたのであろう。ルナさんの言葉がしりすぼみになった。
「あの、弱点やカウンターになるものは作られていないんですか? これだけの危険な要塞なら何かそう言うものがありそうな気がしますが……」
ある女性冒険者が聞いてみるが。
「ノイズ王国は真っ先にデストロイヤーに滅ぼされましたのでわかりません」
無慈悲な返答が返ってきた。
「落とし穴を作って埋めるとかは……? 」
今度は別の冒険者が意見を出す。
「以前試した人々がいるそうですが落とし穴に落ちた途端にジャンプして脱出したとのことです」
しかしまたもや無慈悲な回答。
それからは冒険者たちが議論を始めた。主に倒し方についてだがまるでいい案が出てこない。デストロイヤーのスペックが高すぎるのだ。
「もうみんなで早く逃げたほうがいいよー!! 」
クリスがそう言ってみんなに避難を促したが。
「ダメだ。それでは皆が帰る場所を失ってしまう」
ダクネスがそれを却下した。
「おう、さすがに逃げるってのはな……」
「そうだぜ、この街には世話になってんだ、逃げるわけにはいかない」
「俺はレベル30を過ぎてもいまだにこの街にいるのには訳がある。それはこの街を愛しているからだ!! 」
男性冒険者の多くがダクネスの意見に同調した。おそらく街が好きだからというのには嘘が無いがその真実としては。
「サキュバスの店の存在だな。目元を見ればわかる」
「ああ、欲望にまみれてるな。羨ましいぜ。俺とリョウタはまだ味わってないってのに」
小声で俺とカズマはやり取りし、男性冒険者たちのやる気の原因をそう結論付けた。
「しっかたないなーみんな。ねぇカズマなんかいい意見無い? 魔王軍幹部のデュラハンを倒した作戦を編み出した功績のある君なら何かあるでしょう」
クリスがカズマに話しかける。そう。あの時の作戦やその他代案のほとんどはアクアを除くメンバーで考えたと言ってもカズマが中心となっている。カズマならあるいは。
「うーん。……なぁアクア、お前結解破ったりとかできないか? そう言うの得意だろ? 」
「そうね。確かに得意ではあるけれどやってみないとわからないわよ? 」
「や、破れるんですか、あのデストロイヤーの結解を!? 」
ルナさんが興奮気味にアクアに声をかける。
「いや。本当にやってみないとわかんないわよ」
「それでもやるだけやってみてください」
「仕方ないわね。わかったわ」
アクアは頼りにされてうれしいのだろう。上機嫌になった。
「あとはその後だが、めぐみん爆裂魔法でやつの足を破壊できるか? 」
「わ、私ですか!? 」
白羽の矢が立っためぐみんが肩をびくりと跳ねさせる。
「そういえば居るな高火力持ちの……」
「爆裂魔法使いの……」
「頭のおかしい子が……」
冒険者たちがカズマの発言を聞いてめぐみんに注目する
「おい、頭のおかしい子などともう一度言ってみろ。私がいかに頭がおかしいかここで証明することになってもいいんですか? 」
きりきりと目を吊り上げためぐみんを見て、冒険者たちが彼女から目を逸らした。
「それでどうなんだよめぐみん」
「そうよ、あなたの爆裂魔法なら結解を破った後のデストロイヤーに効くんじゃないの? なんたって悪魔を2度も滅ぼした最強魔法じゃない!! 」
カズマと期待のまなざしを送るゆんゆんにそう言われ委縮するめぐみん。
「さ、さすがに我が最強魔法でも一撃ではデストロイヤーを仕留めきれないと思われ……」
「それでも片側に打ち込んで足の何本かを毟れれば動きを止められるかもしれないだろ」
カズマが思索しながらそう言った。
「た、確かにそうですが……」
割と逆境や追い詰められた状況に弱いめぐみんはますます委縮した。
すると。
「遅くなりましたー!! ウィズ魔道具店の店主、ウィズです!! 私も冒険者カードは持っているので街の危機と聞いてやってきましたよー!! 私もお手伝いします」
「ウィズさんだ!! 」
「貧乏店主さんが来た!! 」
「勝てる。これで勝てる!! 」
ウィズさんが冒険者ギルドに顔を出してきた。
「何でこんなに盛り上がってるんだ? 」
「さぁ? 」
カズマと俺はこの盛り上がりの理由がわからないでいたが、その疑問を近場にいたダストが答えてくれた。
「知らないのか? 彼女はもともと凄腕アークウィザードとして名をはせてたんだぜ」
「「なるほど」」
「それなら、なぁウィズ、爆裂魔法は使えるか? 」
カズマがさっそくウィズさんに聞いてみる。
「使えますよ? 」
「ならめぐみんと同時発射で両方の足を吹き飛ばしてもらうとするか」
それからもカズマによる作戦の思索は5分ほど続き。
「よし作戦をたてられた!! 不測の事態に備えていくつかのプランも考えたんだが今からみんなに説明してもいいか? 」
ベルディアを討伐したパーティーの意見というのもあって異存はなく、みんながカズマの意見に耳を貸した。
「もう少しでデストロイヤーが見えてくるな」
「そうですね……作戦うまく行くといいですけど」
少し不安げなゆんゆん。
「大丈夫さ、うまく行く。そう信じよう」
俺も内心緊張しながらも、自分にもゆんゆんにも言い聞かせるように言った。
「はい!! 」
ゆんゆんは笑顔を見せた
俺たちは今、街の北西方向の門から少し離れた場所。その右端にいる。
めぐみん達には遠く及ばないものの俺とゆんゆんにはライトオブセイバーがある。超破壊力を秘めたビームソードともいうべきその技を使えるというだけで高火力持ちの仲間入りだ。
さて。俺たちに与えられた任務はデストロイヤーが射程圏内に入る前に詠唱を済ませて置き、デストロイヤーが放つと思われる魔力光線に最大出力のライトオブセイバーをブチ当て相殺、または射線を逸らすことにある。ちなみに今のゆんゆんはアクアの支援魔法でかなり強化されている状態だ(俺は神殺しの呪いの効果のせいでその恩恵にあずかることができない)。
責任は重大だが、一応俺たちのライトオブセイバーでどうにかできなかった場合を考えてマジックスクロールの一種であるマジックキャンセラーを大量に用意した部隊が配備してある。
「それにしてもダクネス。ずっとあそこにいるつもりなんだね」
北西方面の門から離れた荒野には地面に剣を突き立て、そこに手をかけた状態でデストロイヤーを待つダクネスがいた。
「あ、カズマさんが説得に行きましたね」
「正直あの位置かなり危ないからな下がったほうがいいんだがなんで前に出ることにこだわるんだろう? 」
「せ、性癖じゃないですか? ダクネスさんの」
少し赤面気味のゆんゆん。
「そうだとしたら事態が事態なのに欲望に一直線すぎるよ」
俺は呆れて頭を抱えた。それと同時にある意味まっすぐな生き方に感動を覚える。見習いたいとも思った。
やがてダクネスがカズマに向けて大声を上げたのがこっちに聞こえてきた。
「ララ……なんだって? 」
「ララティーナと呼ぶなって言ってたと思います」
「なんじゃそりゃ? 」
「確かララティーナってダスティネス家の御令嬢の名前だった気が……。あれダクネスさんって金髪碧眼だからまさか……」
ゆんゆんがそう言ったところで。冒険者たちの大声が響いた。それはデストロイヤーが見えてきたことを知らせるものだった。
「来るぞゆんゆん!! 」
「はい!! 」
最悪の場合この子を抱えて逃げないとな。カズマの指示通りに。などと考えながらデストロイヤーの方を見る。
デストロイヤー。それは8本足でクモのようにいくつかの複眼を備えており、上の部分を空母の甲板のごとく平らにし、ヤドカリのように砦のような建造物を背負った形状をしている。そしてなにより超巨大だった。その光沢のある青黒いボディは圧迫感すら与える存在感をとてつもなく放っている。それがこちらにまっすぐ進行してきた。
「ゆんゆん!! 詠唱を!! 」
「わかってます!! 」
俺たちは詠唱を開始した。手のひらの上にいくつもの魔方陣が展開されていく。初めて使用した時とは違う。何度か練習も重ねたうえ、詠唱も破棄していないライトオブセイバー。それは何十メートルもの長さを持って顕現した。隣で同じくライトオブセイバーを展開するゆんゆん。彼女のライトオブセイバーは俺の物以上に太く安定している。
やっぱりゆんゆんはすごい。
そうしていると、デストロイヤーがその複眼から魔力を放出。そして収束させて魔力光線……ビームを照射した。そのビームは真っ赤で血のような色合いだった。それが角度から考えてまっすぐアクセルの街のおそらく中心へと発射される。
絶対にやらせるか!! 俺の、俺たちの帰る場所を、そこに生きる人々を焼かせてなるものか!!!!
自然とそんなことを考えていた俺に。
「フェイズ1!! リョウタ!! ゆんゆん!! やれ!! 」
移動したカズマが魔導メガホンで後方の門の上から叫ぶ。
轟音とともに空気を引き裂きながら飛んでいくビームを。
「「ライトオブセイバぁぁぁぁぁ!!!! 」」
俺とゆんゆんの2本の光の剣でぶっ叩いた。
血の如きビームが光の剣でアクセルの街の方角からそれた方向……上空へと伸びていく。
「「いっけぇぇぇぇぇ!!!! 」」
俺は右手にのしかかってくる確かなビームの手ごたえを感じながら。その出力の高さを受けて地面の上をスライドさせられながら。それでもライトオブセイバーを照射し続ける。
そして!!
ビームの照射が終わった。それと同時にライトオブセイバーが限界を迎えて粉々に砕けた。
俺とゆんゆんは見事にビームを弾ききった。
「フェイズ2だぁぁぁアクアぁぁぁぁ!!!! 」
俺とゆんゆんが体力切れで一時的に座り込む中、カズマの声が再び響く。
「任せなさいな、セイクリッドぉぉぉぉぉ……ブレイクスペル!!!! 」
アクアがいる門の上から蛍光イエローに輝く5つの魔方陣が展開されそこから5本の解呪作用を持った極太の光線が発射される。わざわざ俺たちが魔力消費をしてデストロイヤーのビームを防いだのは、この魔法をビームと相殺させる形で減衰させてしまうようなことなくデストロイヤーの魔力結解を破壊させるためだ。
デストロイヤーの魔力結解とアクアのセイクリッドブレイクスペルが激突する。
「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
アクアの叫びとともに、俺たちが現在のように座ってないと危うくバランスを崩しかねないほどの衝撃波を放ちながらセイクリッドブレイクスペルの光線が巨大化した。
その瞬間デストロイヤーの魔力結解が粉砕された。周囲に青く輝く魔力結解の残滓が漂う。デストロイヤーはというと一度衝撃で後退したのち、魔力結解の残滓の中をかき分け再度突撃をかけてきた。
「フェイズ3!! 射撃部隊!! デストロイヤーの複眼を破壊しろぉぉぉぉ!!!! 」
指示を受けたウィザードやアーチャー、ミツルギで構成された部隊が防壁の門の下から一斉にデストロイヤーの複眼に向けて魔法や爆発ポーションを先端に取り付けた矢、ルーンオブセイバーを放つ。多色の弾幕がデストロイヤーの複眼に殺到し片っ端から破壊していく。特殊なガラスか何かでできているからだろう。透明の物体が砕け散り破片をまき散らす。
「ファイナルフェイズ!!!!、めぐみん、ウィズ!!!! 」
それはめぐみんとウィズさんによる門からの爆裂魔法の発射で、デストロイヤーの両脚部を狙い確実に動きを止めると同時に完全に破壊すること。
「めぐみんさん同時発射です。……めぐみんさん!? 」
「あ、あぁぁぁ……」
本番に弱いめぐみんが動揺している声が風に乗ってかすかに聞こえてくる。そんな彼女にカズマが発破をかけた。
「おいめぐみんお前の爆裂魔法はあれを壊せないようなへなちょこ魔法なのか? ウィズに負けたら見っともないぞ!! 」
「な、なにおう!! 我が名をコケにするよりも最も言ってはならないことを口にしましたね!! いいでしょう見せてやりますよ最強の魔法、爆裂魔法を!!!! 」
「それでこそよめぐみん、私の終生のライバルで一番の友達……!! 」
めぐみんとウィズさんの詠唱する声が響き渡る。アクアの先ほどまで展開していた魔方陣に勝るとも劣らない巨大な2つの赤橙の魔方陣が砦に浮かび上がる。
「「エクスプロージョン!!!!!!!! 」」
そこから超高出力の塊が発射される。2つの爆裂魔法のエネルギー体はまっすぐデストロイヤーの脚部の付け根へと突き刺さり。
巨大な爆発を発生させた。
そしてデストロイヤーの8本の脚がはじけ飛び、各々が粉々になり、残されたデストロイヤーの胴体だけが地面を滑り巨大な土煙を上げて、ダクネスの手前で停止した。
デストロイヤーがビームを撃つのは公式ではありません。また、デストロイヤーに弓矢が届くのは冒険者なので筋力が常人より底上げされているのと弓が冒険者専用のものだからです。
カズマさんは今回の作戦立案及び指揮にあたって、日本でのゲーム知識等を総動員して、どんな状況にも対応できるように何重にも戦略を立てるなどして、滅茶苦茶頑張ってます。
さて、デストロイヤーは割とあっさり目に倒せました。問題はこの中にいる奴です。