【完結】この素晴らしいゆんゆんと祝福を!! 作:翳り裂く閃光
「何と。デストラクターと出会って戦ってそのうえ勝利したのか」
「ああ。何とかね」
俺は炭化してしまい激痛を与えてくる右わき腹を押さえながらダクネスと一緒にミツルギを抱えてデストロイヤ-の中を走る。これでも痛覚軽減と言うスキルのおかげでだいぶマシではあるのだが。
「驚いたな。まさか復活していようとは」
「アクシズ教徒のせいらしい」
「……そうか」
俺がアクシズ教徒の名を出した瞬間、どこか納得したように、そしてあきれるダクネス。
「出口が見えて来たぞ!! 」
カズマが叫ぶ。
それから俺たちはデストロイヤーの甲板に出ると、ロープを伝ってさっさと脱出した。
外から見ても全体的にデストロイヤーは赤熱化しており、超高温になっている。周囲では一緒に突入した冒険者たちがデストロイヤーの様子をうかがっており、どうやらほぼ最深部にいた俺たちが最後に戻ってきたメンバーだったようだ。
俺たちも冒険者の方に合流すると。
「「キョウヤー!! 」」
ミツルギの取り巻きのフィオとクレメアが俺たちと気絶したミツルギを見つけて駆けよってくる。
「爆裂魔法を喰らって大けがしたけど治療したわ。今は気絶してるだけだから大丈夫よ」
アクアがミツルギの状態を説明する。
「よかったよぉ」
「キョウヤがなかなか帰ってこなかったから本当に心配したわ。そのアンタたち、今回はありがとう」
フィオが涙目でミツルギの無事を見て安心し、クレメアが俺たちに礼を言った。
「俺たちこそ今回はミツルギが協力して時間を稼いでくれたからデストロイヤーの自爆を止められたんだし感謝してるよ」
カズマがフィオとクレメアにそう言うと、彼女たちはカズマにトラウマがあるようで「「そ、そう」」と引き気味に受け答えした。
俺とダクネスはフィオとクレメアにミツルギを任せる。
「それにしてもコロナタイトは取り除いたはずなのにこれは何なんだよ……」
カズマがデストロイヤーを見て、一人呟く。
「これは、内部にこれまでたまっていた熱が外に噴き出そうとしているのではないでしょうか……これではデストロイヤーの前面の亀裂から街めがけていずれ熱が噴射されて、街が火の海になってしまいます……!! 」
『なんだってー!!!? 』
冒険者も俺たちも全員がこの理不尽に叫んだ。倒したら自爆しようとして、それを止めようとしたら破壊神が出てきて、それも倒してコアも取り除いたら今度は残骸が火を噴こうとしている。最悪すぎるだろう。
「どうにかするにはどうすればいいウィズさん!? 」
「爆裂魔法をもう一度使って、超高エネルギーで熱もろともこの場でデストロイヤーを吹き飛ばしてしまえばいいんですがそれには魔力が足りません……!! もう一度誰かから魔力を……それもたくさん供給してもらわないと……」
「だったらアクアから吸えばいいじゃないかウィズ!! こいつ神様だから魔力もたくさん持ってるだろうし」
「待って待って、私の神聖な魔力を大量注入するとこの子消えちゃうわよ!! 」
「うんうん……」
アクアがカズマの案の危険性を説く。ウィズさんもやや怯えた顔で頷いている。
「じゃあどうすれば……」
悩むカズマにゆんゆんが。
「あの、カズマさんはドレインタッチが使えましたよね? それで魔力をアクアさんから吸ってめぐみんに流し込んだらいいんじゃないでしょうか? 」
「ナイスアイデアだゆんゆん!! 」
ゆんゆんを褒めるカズマは足早にめぐみんを休ませている場所に行き、彼女を背負って戻ってきた。
それから、アクアの魔力をめぐみんに流し込み。
「今度こそウィズに負けない爆裂魔法を放って見せますとも!! さぁ刮目せよ!!!! エクスプロージョン!! 」
その爆裂魔法の威力はアクアから過剰に魔力を供給されていたおかげなのか、範囲はともかくその威力は非常に高く、今度こそデストロイヤーは跡形もなく無に還った。
こうして起動要塞デストロイヤーの一件は終わりを告げた。
夜。冒険者ギルドは破壊不可能と言われたデストロイヤーの破壊に成功しすっかり戦勝ムードになっていた。
俺たちも浮かれた気分で飲み食いする。ちなみに俺はこれをいい機会と思い飲酒してみた。初めて飲んだ酒は思ったよりもうまかった。
「ランダムテレポートでコロナタイトを飛ばしたか。どこにも被害が出てないと良いな」
「だな」
俺はカズマからコロナタイトの顛末を聞いた。カズマによると、コロナタイトをカズマの魔力を使ってウィズさんがランダムテレポートで世界のどこかに飛ばしたらしい。自爆のために赤を通り越して白に輝いていたそれを処理するにはあの場ではそれしかなかったそうだ。
「聞いたか? あの悪徳領主アルダープの屋敷が吹き飛んだらしいぜ」
「吹き飛んだ? 」
「なんでも突然爆発したそうだ。残念ながらアルダープは外出中で無事らしいんだけどな」
「そいつは残念だ」
そんな冒険者たちの会話が聞こえてきた。
「……まさかコロナタイトが」
「怖いこと言うなよリョウタ。それにあれだけヤバそうに光っててデストロイヤーを自爆させるようなコロナタイトの爆発だったらもっと……屋敷を吹き飛ばす以上の火力だろ」
「でも自爆装置から取り外したから小規模で済んだと考えれば……あるいは」
「おいやめろよ!! 」
からかいすぎたな。
「ごめんカズマ」
「いいよいいよ」
軽く笑って許してくれるカズマ。
「リョウタは今回も大活躍だったようですね。まぁ私たちのパーティーやウィズはみんな大活躍みたいなものですがあなたは破壊神を討伐しました」
ダクネスがみんな大活躍と言うフレーズを聞いてビクッとした。そう言えばダクネスは今回特に何にもやってない。強いて言うなら冒険者たちをデストロイヤー内部に突入させるための引き金になったかもしれないというくらいだ。その一方で残りのメンバーは明確に活躍している。作戦の立案と指揮、バリアの破壊とエネルギータンク、足の破壊と本体の破壊、ビームの軌道を逸らした、自爆装置を止めた、自爆装置の解除を邪魔する破壊神を倒した。と言った具合にだ。
「破壊神。強かったけど神殺しの剣が全開稼働一歩手前まで頑張ってくれたおかげで腹に傷を負ったくらいで済んだよ。今は傷をプリーストさんに治癒してもらったから……終わってみると被害も少なくて済んだ」
俺は冒険者カードに追加された破壊神討伐の欄を見ながら言った。
「あの時のリョウタさんの動きはすさまじかったですね。私コンビとして少し自信を無くしちゃいました……」
肩を落とすゆんゆん。
「見てみたかったものです。ゆんゆんが自信を失うほどの全力戦闘。…………それからあなたたちはコンビと言うよりパートナーでしょうに」
「ぱ、パートナー……!? 」
ゆんゆんが焦りながらうつむく。照れているのだろう。……照れる要素あったか?
乙女心はやっぱりわからんと思いながらも、言葉にしてくれたおかげでわかっていること。自信を無くしそうだったと言う言葉を聞いて俺はゆんゆんをフォローすることにした。
「ゆんゆんは十分やってくれたさ」
「そうでしょうか? 」
「破壊神が本気を出す前の戦闘じゃあ、ゆんゆんがいなけりゃきつかった。なにせ神殺しの剣のはあの時ベルディアと戦った時と変わらない程度の強化しかしてくれなかったからな」
「そうですか。……役に立ててたならよかったです」
ゆんゆんがほほ笑む。
やっぱりゆんゆんは明るい顔してる方がいい。でも何だろう……自然な笑顔じゃないな。まだ何か思うところがあるのかもしれない。
それにしても。
「破壊神と言えば、3つ気になることがあるんだよな」
「どうした? 」
「いやさ、カズマ。俺、破壊神の討伐の暁には願いを1つ叶えてくれるらしかったんだがそんな兆候が一切現れないのと、過酷な運命が待っていると言った割にはあとから考えてもあっけなかったのと、破壊神が最後に自分の眷族がどうのこうのと言ってたのが気にかかってな」
「そういや言ってたな。眷属がどうのっていうのは初耳だけどな」
「エリス様が願いを叶えてくれると言ったのだろう? あの方の言葉に嘘はないと思うぞ。私の願いも叶えてくれる御方だ。きっと願いを叶える準備をしているのだろう。……あるいはまだ終わっていないのか」
まさか他の要石の封印を解いて破壊神を討伐しないといけないとかなのだろうか。だとしたら勘弁してほしい。封印を解くには何重ものプロテクトとして掛けられたパズルを解くか、今回アクシズ教徒がやらかしたらしいブレイクスペルによる要石の強制停止をしないといけない。そして倒すにしても、神殺しの剣の能力の限界は今回の戦闘で発揮した力の時点で最大稼働一歩手前なのだ。
これは文献で調べたことなのだがアルカンレティアに封じられていたのは破壊神の残機と力の2割ほど。つまり今回戦った破壊神は2割ほどの力しかもっていなかったことになる。2割の時点でほぼ互角なら、王都の3割とかましてや紅魔の里の4割とかの破壊神と戦えというのは無茶がある。
「これで終わっていてくれよ」
俺はそう祈りながら好物になった酒を口に運んだ。
「カガミリョウタさん。カガミリョウタさん……」
聞いたことのあるひどく美しい声がする。確か俺はさっきアルコールのおかげか屋敷につくと自分の部屋ですぐに眠ってしまったはずだが……。俺はその声に応えるために目を開いた。
「ここは……またこの空間ですかエリス様」
俺はエリス様のあの何もない部屋にいた。現在椅子に座って対面のエリス様の方を見ている。
「お休みのところすいません。あなたの魂だけこの部屋に呼び寄せました」
「そうですか。魂だけだからあのアルコールで気分が高揚した感覚が無いんですね」
もしアルコールで気分が高揚したままだったら、口が滑って「パッド入れてるって本当ですか」などと聞いてしまっていたかもしれない。しかし言われてみると確かに胸が不自然に膨らんでいる気がしないでもない。
おっと、女性の胸ばかり見るのは失礼だからやめよう。
「そうですね、今のあなたは肉体からの影響を受けない存在ともいえますね。なにせ幽霊ですから」
エリス様が笑う。本当にきれいだなこの御方。
「それで俺への用は何ですかエリス様。ここに呼ばれたということは何か……。まさか破壊神を倒したから願いを叶えてくれるとかですか? 」
俺は期待を胸に目を輝かせながらエリス様に問う。願い。……叶えるならそうだな。ゆんゆんと恋人になりたい? いやこれはゆんゆんの意思を捻じ曲げたりとかの可能性があるから無しとして、この場合は借金チャラにできる億万長者になりたいがいいだろうか?
「そのことなのですが……。私としては願いをかなえてさし上げたいのですが……」
歯切れの悪い様子のエリス様。
「実はまだ破壊神との戦いが終わっていないみたいなんです。天使ミルデが見た破壊神と戦うあなたのビジョンと今回のあなたの戦う様は違っていたらしくて」
「そうですか。願い叶えてもらえるのは無理なんですね」
俺は肩を落とす。
「すいません。そのことをお伝えしたくて今回は特別にお呼びしました」
「わざわざありがとうございます」
「いえ、そもそも私たちの管理する世界の問題をあなたに押し付けているようなものですし。ごめんなさい。そしてありがとうございます」
エリス様が優しい顔つきでそんなことを言った。
「本当なら魔王軍も破壊神も神々が解決するべき問題だと私は考えているのですが、天界規定の中でも世界への干渉は厳しく禁じられておりまして。人類が自滅することが無いようにと持ち主を失った神器を回収することや、アクア先輩のように例外中の例外な事例でなければ世界に干渉できないんです。あとはお休みの時くらいですね。それでも大きな制限がかかりますけど」
「そうだったんですか」
しかしエリス様は話しやすい。だいぶ俺のコミュ障も緩和されてきてはいるのだが、パーティーメンバーでもないのにここまで話しやすいのは他にはウィズさんくらいだ。後どうでもいいが神様にも休日はあるんだな。
「だから、世界を護るために真剣に戦うことを考えてくれるあなたには感謝しています。本当にありがとうございますね」
頭を下げるエリス様。
「そんなとんでもないですエリス様。俺はある意味やりたいことをやってるだけですから」
「そうですか? そう言っていただけると幸いです」
「あのエリス様、未来って変えられたりするんですか? 破壊神は眷族がいると言っていて、そいつらの力でまた復活する気みたいでした」
「そうですね。未来を見ると言ってもミルデの力は高い可能性のうちの一つを見るだけなので変えられないことは無いと思います」
「よかった。なら眷族を倒せば破壊神と戦わなくて済む道もあるってことか……」
「そうですね。……っと、そろそろタイムリミットですね」
「時間と言うことは俺の魂が幽体離脱した状態から元に戻るってことですね」
「はい。……最後にせめてセイクリッドハイネスブレッシング……!! あなたに幸運がありますように」
エリス様が最高位のブレッシングを再び俺にかけてくれた。最近、前回の分の効果がだいぶ薄れてきていたのでありがたい。
「ありがとうございますエリス様」
「それではいずれまたお会いしましょうカガミリョウタさん」
俺は足元に開いた魔法陣に飲み込まれつつ、エリス様に微笑み顔で見送られた。
「目が覚めてしまった。今何時だ? 」
部屋の時計を見ると現在時刻は午前1時。眠っておよそ1時間程度と言ったところだ。
「目が覚めてしまったものは仕方ない。一応トイレ行っといてそれからまた布団にもぐるか」
俺は布団の外は寒いと感じながら部屋を出て、近場のトイレで用を足す。するとおそらく一階のリビングの方で明かりがついているのが階段から見えた。
誰か起きてるのか? あるいは消し忘れか?
とりあえず俺は1階に行き状況を確認する。リビングには人影があった。ドアのすりガラス越しに見えるその姿。一瞬で判別ができた。ゆんゆんだ。
「ゆんゆん。なにしてるんだい? 」
「あ、リョウタさん。いえ、眠れないので……」
「お茶を飲んでたのか」
「はい」
ゆんゆんはそう言ってお茶をすすった。
「俺も飲もうかな、さっきトイレ行ったばっかりだから次寝ても寝てる間に起きるなんてことは無いだろうし」
「あ、私がお茶を汲みますね、座って待っててください」
「じゃあお言葉に甘えて」
そうして、ゆんゆんはコップをとりお茶を台所で注ぐとそれを持ってきてくれた。
「どうぞリョウタさん」
「ありがとうゆんゆん」
コップを受け取りお茶を口に運ぶ。
ゆんゆんが淹れてくれたという追加効果でただのお茶もおいしく思える。しかし、この世界緑茶も麦茶もないのが残念だ。
「どうしましたリョウタさん? もしかしておいしくなかった? 」
対面に座ったゆんゆんが心配そうな顔をする。
「いや違うんだ。ゆんゆんが入れてくれたおかげでおいしいんだけど、少し故郷のお茶を思い出しただけさ」
「そうでしたか。あと誰が入れたってこのくらいの値段のお茶なら味なんて変わりませんよ」
「俺にとっては違うんだよ」
俺は笑ってそう言う。
そしてしばらくゆんゆんが沈黙した。
……今の発言、失言か? 冷静に考えるとあなたが入れたお茶だからおいしい=あなたが好きですみたいなニュアンスに受け取られかねないだろ……。クソ、さっきのエリス様との会話とは違って酒の影響がまだ残ってるな。でなきゃ迂闊にこんなこと言わない。多分。
「あ、ゆんゆん今のは……」
「リョウタさん、うれしいです。ありがとうございます」
ゆんゆんは、はにかんだ笑顔を見せた。
「う、うん」
ちくしょう!! 滅茶苦茶かわいい!!
しかしここまで好意的な反応をされると本当にうれしいし、正直ゆんゆんが俺のことを好いてくれてるのではないかと考えてしまう。
でもこの子にとってはやっぱり友達と言う存在は何よりかけがえない物だろうから俺はよくてこの子にとっての親友だろうか? 一番の友達はめぐみんとして。
「あの、リョウタさん? 」
「うん? 」
「もしかして眠い? 」
「いや、そこまで眠くは……。ごめん、2回も連続で黙り込んだらそう勘違いするよな」
「いえいえ、別にいいんですよ。もう寝ますか? 」
「いやもう少しゆんゆんに付き合うよ。まだ起きてるんだよね? 」
「はい」
ゆんゆんがほほ笑んで答える。なんだろ。本当に好意的な反応を示してくれるなこの子は。
「あのリョウタさん、聞いて欲しいことが……」
「なんだい? 」
ゆんゆんは頬を染め、目を紅く輝かせながら深呼吸する。
なんだろう。まさか告白か!? いやそんなことがあるはずない。俺にそう簡単に春が来るだなんてことはないはず。ひた隠しにし続けているとはいえ俺はヒキニート気質な人間。まず好きになられるようなところがないはずだ。やばい自分で言ってて悲しくなってきた。でも今の俺にはエリス様のセイクリッドハイネスブレッシングがある。だからもしかすると。もしかするとあるかもしれない。
「あのですね……」
「うん」
やばい緊張してきた。
俺は背筋が伸びていくのを感じた。
そしてゆんゆんは意を決した顔で言葉を発した。
「私、もっと強くなって見せるから。だから、これからもよろしくお願いします……!! 」
告白じゃなかった……。
だけど突然どうしたんだろう?
ゆんゆんの発言の意図がわからないでいると彼女が言葉を紡ぎ始めた。
「私、今日の戦いで見てるだけどころかただの足手まといになってしまってました。そんな自分が許せないんです。私はもっと強くなって見せる。そしてあなたのそばで戦えるようになって見せるから……。コンビ……いえ、あなたにふさわしいパートナーになって見せるから!! 」
「ゆんゆん……!! 」
なんだろう。パートナーとかすごく嬉しい。
俺は自然と笑みがこぼれた。
「リョウタさん? 喜んでる? 」
「うん。嬉しかったからね。それと」
「はい? 」
「俺も君と一緒にいるのにふさわしいパートナーになってみせるよ」
ゆんゆんが頑張るなら俺も頑張らないと。
「そんな、今でも十分ですよリョウタさん」
ゆんゆんから意外な答えが返ってきた。これは想定外だった。それと同時に嬉しくもある。しっかりと彼女にとって必要な人間になれている。あるいは演じられている。
「十分すぎるくらい。私なんかにはもったいないくらいの最高のパートナーですよリョウタさんは」
やばいうれしい、にやけが抑えられない……!!
「ゆんゆん今俺どんな顔してる? 」
「その……すごくにやけてますよ? 」
「そっかー。……キモくない? 」
「ぜんぜん。どうしてそんなことを? 」
「灰色の青春を過ごしてたからかな」
「そ、そうですか。でも今すごくリョウタさん生き生きしてていいと思います。きっと今リョウタさんは青春してるんだと思いますよ」
言われてみれば恋をして頑張ってるんだから青春してるな。
「ありがとう」
愛してるよゆんゆん。
こうして俺たちは気づくと夜中の3時くらいまで雑談してしまった。
とても楽しかった。またエリス様のセイクリッドハイネスブレッシングの効果が表れた。
俺、エリス教徒になろうかな?
「私の青春が、動き出す……!」←よりもい風に。
リョウタは今、青春していますが、お気づきの方もいると思いますがリョウタは仮面をかぶっています。それなりに自分を偽り、演じているのです。
あと痛覚軽減スキルはオリジナルです。公式にはありません。
さて、これにて第2章終了です。ここまで読んでいただきありがとうございました。次はいよいよ第3章です。第3章のタイトルは「リライズ」で、オリジナル展開多めかつ、リョウタとゆんゆんの関係に大きな変化が訪れます。ご期待ください!!
それと……感想、高評価いただけると嬉しいです。励みになってます。