【完結】この素晴らしいゆんゆんと祝福を!!   作:翳り裂く閃光

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067 カズマさんは心に傷を負った

sideゆんゆん

 

 私が飛行を始めてしばらく。高度は100メートルくらいだろうか?

 

 見下ろす平原は美しい。所々にモンスターらしき影も確認できるが、リョウタさんやカズマさんに知らせなくても問題ないほど離れているため私は安心して飛行を続ける。

 

 空を飛ぶのもだいぶ慣れて来たなぁ……。

 

 だが私はまだ、空戦に慣れきっているわけではない。この前のテンロンとの戦いのときも私は爆風に翻弄されたりして隙を作ってしまうことがあった。気を付けないといけないだろう。

 

「でも空中戦の訓練は誰も飛べる人がいないからできないし……。リョウタさんが飛べるのは人外の強い相手と戦ってる時だけだしなぁ……」

 

 でもせっかくのアドバンテージなのだ。生かせるようにしないともったいないだろう。

 

 そんなことを考えていると私はカズマさんの進行方向に何かがいるのに気づいた。カズマさんも気づいたのだろう。何か行動を起こそうとしている。

 

 ……まさか倒そうってことなのかな?

 

 私はカズマさんが心配になり高度を下げて援護に回ろうとする。

 

 すると。

 

「キーーーーー!!!!!!!! 」

 

 突然私に対してだろう。威嚇するかのような鳴き声とともに、何かが私に近づいてきた。

 

 それは鷲の上半身にライオンの下半身を持つ魔獣。グリフォンだった。

 

 グリフォンは紅魔の里で石化させられて像と化し、今ではよく待ち合わせ場所として使われているモンスターだが、かなり強い。それこそ昨日の上級者殺しに匹敵するほどに。

 

「カズマさんの援護に回りたいのに!! 」

 

 こっちに来ないでほしい。だがグリフォンは私の思いとは裏腹に、上半身の鷲の如き足の部分を突き出して突撃してきた。

 

 私をとらえて食べる気なのだろう。

 

「そう簡単にはいかないから!! 」

 

 グウェンに念じて速度と高度を上げる。グリフォンは突撃するのをいったんやめて空中で急制動をかけると、私に追いすがってきた。

 

「撃ち落としてあげる!! ライトニング!! 」

 

 私はハルバードを飛びながら構え、先端からライトニングをグリフォンに向けて発射した。

 

 グリフォンはそれを回避すると鳴き声を上げながら、私に向けて一気に距離を詰めてくる。

 

「なら!! ファイヤーボール!! 」

 

 ファイヤーボールを牽制のために連続発射。グリフォンはそれらを全てかいくぐり私に両前足を突き出した。

 

「当たらないわ!! 」

 

 両前足を突き出した体当たりを私は先ほどの意趣返しの如く急制動をかけて回避すると同時に。

 

「やぁぁぁぁ!!!! 」

 

 ブレードオブウインドを纏わせたハルバードで思いっきりグリフォンの胴体をすれ違いざまに切り裂いた。

 

 悲鳴を上げるグリフォン。

 

「一気に畳み掛けるんだから!! 」

 

 私は痛そうにしつつも飛び続け、方向転換し再度私に襲い掛かろうとするグリフォンに向けて。久しぶりに詠唱した魔法を浴びせることにした。

 

 その魔法はライトニングストライク。魔方陣を展開してそこから落雷を落としたり、術者の手から直接電撃を発射できる高火力の上級魔法だ。今回は落雷バージョンを使う。 

 

「ライトニングストライク!! 」

 

 グリフォンの真上に魔方陣が現れ、超高速で極太の落雷が落ちる。

 

 しかし。

 

 ライトニングストライクを身をよじって回避するグリフォン。そして今度はこちらの番だと言いたげな表情で一気に翼をはためかせくちばしを突き出して突撃してきた。

 

 だったら!!

 

「ガーター!! 」

 

 私は停止し、迎え撃つことにした。まずマジックワンドを左手に構え、そこから直接ガーターを発生させてグリフォンのくちばしによる一撃を受け止める。

 

 予想外のパワーで私は後方にスライドさせられるが構わず私はハルバードの先端からライトオブセイバーを発動。ガーターを解除しくちばしが私のおなかを貫かんと迫ってきたので体をそらして回避すると。

 

「やぁぁぁぁぁ!!!!!!!! 」

 

 グリフォンが私の横を通過する寸前でライトオブセイバーを振り下ろした。

 

「キーーーーー!!!!!!!! 」

 

 グリフォンはライトオブセイバーを危険だと本能的に悟ったのか、翼を折りたたみその場から急速落下して光の剣を回避する。

 

 そのまましばらく落下し。再度翼を大きく広げ飛翔を始めるグリフォンに。

 

「逃がさないんだからぁぁぁぁ!!!! 」

 

 絶対当てる!! 

 

 左手に握ったマジックワンドからもう1本ライトオブセイバーを生成。振り下ろした。

 

 グリフォンは大きく翼を広げて風に乗り、迫るマジックワンドからのライトオブセイバーを回避する。

 

 避けられちゃった……。

 

 だけど!!

 

「まだまだよ!! 」

 

 私は2本のライトオブセイバーを消滅させて両手の得物からライトニングを斉射してグリフォンの右の翼に穴をあける。

 

 グリフォンは怒りの咆哮を上げながら私から遠ざかっていく。

 

 グリフォンのような魔獣は飛ぶときには翼から魔力を放出する。または魔法がかかっているから飛行が可能だ。なので穴をあけたぐらいでは地に落とすことはできない。魔法式ならアクアさんのブレイクスペルで飛べなくすることもできると思われるがグリフォンは残念ながら魔力放出型の飛行方法なのだ。

 

 私はふと、グウェンはどうやって飛んでいるのだろうか? やっぱり魔力が出ている雰囲気は無いから魔法によって飛行可能になっているのかと一瞬思索するが今はそれどころではないので頭を切り替える。

 

 グリフォンは私から距離をとったのち今度はきりもみ回転しながら突撃してきた。

 

 速い!? これは逃げたほうがいいかしら!?

 

 私はグリフォンのその速度に驚愕させられながらぎりぎりできりもみ回転体当たりを回避する。本当にぎりぎりで私の服の左腕の一部が破かれた。

 

 私は後方に位置したグリフォンを捉えるため振り返ると、グリフォンはすでに方向転換を終えて、次なるきりもみ回転を行おうとしていた。

 

 逃げるのは無理そうね。なら!!

 

「いい加減に落ちて!! 」

 

 カズマさんが心配なのに!!

 

 私はまた突撃してきたグリフォンの一撃を急上昇で回避し、ワンドの先からライトオブセイバーを展開。ハルバードの先からはライトニングストライクを放ちながらその両方を3度目のきりもみ回転突撃しようとしてくるグリフォンに叩きつけた。

 

 悲鳴を上げながら両方の翼が焼け付いて行くグリフォンは、遂に墜落し始めた。

 

 グリフォンは陸上でもその4足で活動が可能なため生かしておけばリョウタさんたちやカズマさんが危険にさらされかねない。なので私は落ちていくグリフォンに一気に急降下して追いつくと。

 

「せやぁぁぁぁ!!!! 」

 

 ブレードオブウインドを纏わせたハルバードで首を切断し絶命させた。

 

「やった!! 」

 

 私は一気に減速して着地する。私の隣には首を失ったグリフォンの死体が転がった。

 

「紙一重だったわね……」

 

 正直グリフォンがきりもみ回転体当たりを見舞ってきたときは逃げたほうがいいんじゃないかと一瞬だけ思わされたので、勝ててよかった。

 

「カズマさんに合流しないと」

 

 カズマさんには少し失礼かもしれないが、彼はレベルはこのパーティーで一番低い。戦闘になったらめぐみんと同じくフォローに入らなければ危険な存在だ。今はリボルビングライフルなどで武装しているが、あれは大きな音が鳴るので平原では使わないことにしているようなので心配だ。

 

 私はグウェンに念じて再び飛行し、グリフォンとの戦闘でみんなとだいぶ離れてしまったので合流すべく動いた。

 

 

 

 

 

 

 しばらく飛び続けていると。

 

「見つけたって……え!? 」

 

 私はカズマさんがみんなと合流した状態で、とんでもない状況にいるのを確認した。

 

 何と雌オークたちに取り囲まれているのだ。

 

「リョウタさん!! カズマさん!! 」

 

 私は一気に急降下する。

 

 カズマさんは組み伏せられて、服を破かれた挙句、オークに手のひらを舐められていた。

 

 女の子のように泣き叫んでいるカズマさん。

 

 実質レイプなのでそれはもう怖いよね……。助けてあげないと!!

 

 私はグウェンで急降下する。

 

 女性陣はもちろんのこと、幸いと言っていいのかわからないが、リョウタさんはなぜか雌オークから無視されている。

 

 雌オークたちは完全にカズマさんにしか眼中に無く、カズマさんの周りに群がっていた。

 

「か、カズマを放してください!! 」

 

「ちょっとカズマ!! 今助けてあげるからね!! 」

 

「オーク……オーク……」

 

「カズマに触るな性獣どもめ!! 」

 

 めぐみんとアクアさんがカズマさんを助けるべくオークの肉壁を突破しようとしている。ダクネスさんはなぜか意気消沈しており、リョウタさんはと言うとオークに攻撃しようとしたところを数匹のオークに押さえつけられていた。

 

 リョ、リョウタさんの貞操の危機じゃない!!

 

「あんたはお呼びじゃないのよ!! 」

 

「老い先短いのとしたって強い子は生まれてこないわ!! 」

 

「あんたなんかとはしないから。見逃してあげるから暴れるんじゃないよ!! 」

 

「若くて生命力にはあふれてるけどすぐ死にそうなやつは引っ込んでな!! 」

 

「な、すぐ死にそうだと!? 」

 

 リョウタさんの貞操の危機ではないようだ。オークにもリョウタさんの先が短いことは本能的にわかるようだ。リョウタさんが襲われなくてよかったような悪かったような少し複雑な気分だ。

 

「めぐみん、アクアさん!! 離れて!! 」

 

 私の声を聴いて二人は安堵したかのような表情をすると、オークの肉壁から下がる。

 

 私は着地すると同時に、カズマさんを取り囲んでいるオークたちに向けて。

 

「ボトムレススワンプ!! 」

 

 泥沼魔法を発動。カズマさんは巻き込まないように輪っか状に展開されたそれは、カズマさんを取り囲んでいたオークの集団をまとめて飲み込んだ。

 

 そして私は恥ずかしいがオークたちを脅すために名乗りをすることにする。

 

「わ、我が名はゆんゆん!! アークウィザードにして、紅魔族の中でも五指に入る魔法の使い手!! オークたち!! ご近所のよしみで命は奪わないで上げるから、さっさと仲間を救出して去りなさい!! 」

 

 それを聞いた泥沼魔法を受けていないオークたちは私が自分たちに攻撃する気はないことを悟り、自分の服を裂いてロープ代わりにして仲間のオークの救出を始める。それによりリョウタさんの拘束は解け、カズマさんも貞操の危機から脱した。

 

「ゆんゆん!! ゆんゆん!! 」

 

 泣きながら私の名前を叫ぶカズマさん。

 

 私はカズマさんのところに飛ぶと、カズマさんをしっかりホールドして、早急にオークのもとから引き離し、みんなのところで降ろした。

 

「ゆんゆん!! 感謝しますぅぅぅぅ!!!! 」

 

 泣きながら私のグウェンに縋りつくカズマさん。

 

「もう大丈夫ですよ。カズマさん。怖かったんですね」

 

「うん、うん。怖かったよぉぉぉぉ!!!! 」

 

 カズマさんがかわいそうで、落ち着けようと思い私は自然とカズマさんの頭を撫でた。

 

「うううう……」

 

 泣きながらも安心感を抱いてくれたようで徐々に落ち着いていくカズマさん。

 

「カズマ、もう大丈夫よ」

 

「アクア、アクアー!! 」

 

「ちょっとカズマさん!? よしよし」

 

 付き合いが最も長いらしいアクアさんのそばが1番落ち着くのだろう。カズマさんはアクアさんが近づいてくると、アクアさんの足にしがみついた。

 

「とにかくこの場から離れましょう」

 

 私の提案にみんな頷くと平原を一気に走って抜けた。

 

 

 

 

 

「俺はオークにすら相手にされないのか……。いや、俺にはゆんゆんがいるから大丈夫!! 大丈夫だ……」

 

 大丈夫そうに見えないんですが。

 

 リョウタさんはオークに相手にされなかったことがそれはそれで心に傷を負わされたようだ。

 

 今、私たちは森の中で休憩していた。温かいコーヒーを淹れて飲んでいる。

 

 カズマさんはいまだにアクアさんのそばから離れていない。時々アクアさんに頭を撫でてもらっている。

 

 本当に怖かったんですね。

 

「しかしゆんゆん、カズマが襲い掛かろうとしていたのが雌オークであることに気づいてあげられなかったのですか? それにやけに登場も遅かったですが、まさかあなたがぎりぎりのタイミングで駆けつける紅魔族流の登場のしかたをするとは思いませんでしたよ」

 

 私のライバルは変な勘違いをしているようだ。そんな演出じみたことをしてカズマさんの心にトラウマを作ろうとするわけがない。

 

「私はカズマさんが何かに襲い掛かろうとしたのを見て援護に入ろうとしたんだけど、そのタイミングでグリフォンに襲われたのよ。そのせいで助けに来るのが遅くなったの」

 

「ああ、そうだったのですか。てっきり紅魔族としての血が騒いだのかと思って少し期待したのですが」

 

「そんなわけないから」

 

 私がめぐみんの言いだしたバカなことを否定していると。

 

「ゆんゆん、大丈夫だったのか? 怪我とかしなかったかい? 服が一部破けてるけど……」

 

「あ、大丈夫ですよリョウタさん。心配してくれてありがとうございます」

 

 リョウタさんはやっぱり優しい。

 

「そっか、良かった」

 

 微笑むリョウタさんはそれから私に「お疲れさま」と言ってくれた。

 

 何と言うか好きな人にこういうことを言ってもらえるとすごく幸せな気持ちになる。

 

「ありがとうございますリョウタさん」

 

「うん」

 

 そんな幸せなやり取りをしているとカズマさんが突然おかしなことを言い始めた。

 

「お前らって本当にきれいな顔してるよな」

 

 …………。

 

 どうしたのだろう。急に褒められても驚きしかないのだが。

 

 めぐみん、アクアさん、ダクネスさんも驚いている。

 

「ど、どうしたのよカズマ? いつもおかしいけれど今日はいつにも増して言動がおかしいわよ!? 」

 

「な、何か企んでいるのだ、そうなのだろう!? 上げて落とすとか……」

 

 そうなのかなぁ? なんだか本心から言ってくれてる気がする。

 

「お前らって本当に美人だよな」

 

 私は素直に照れる。そんな中めぐみん達はと言うと。

 

「アクア、カズマの頭に回復魔法をかけてあげてください……」

 

「そ、そうだな、さっきのオークとのトラウマでおかしくなったのかもしれない!! 」

 

「わ、わかったわ、ヒール!! 」

 

 アクアさんに頼みカズマさんの頭にヒールをかけ始めた。

 

「いや多分トラウマのせいでみんなの顔つきのことを正常に評価しているだけだと思うよ」

 

 1人冷静なリョウタさんがみんなに突っ込んだ。

 

 

 

 

 それから私たちは休憩を切り上げ、森の中を歩き始めた。森では、昨日の林と同じくカズマさんの敵感知と潜伏で進んでいくことになっている。私のスキルポイントに余裕があれば私がサーチを取得するのだが。

 

「ねぇめぐみん、あなた爆裂魔法とファイヤーボール以外にスキルをとるつもりはないの? 」

 

「っ!! い、いきなり何を言い出すかと思えば。今のところありませんよ。私は爆裂道を極めんとする者です。ファイヤーボールことプチ爆裂魔法は我が罪の戒めとして取っていますからね。公にする気はありません」

 

 今のところ?

 

「ねぇ今のところって言った? 」

 

「なんでもありません。言っていません」

 

 いや間違いなく言ってたわよめぐみん。

 

「全く、めぐみんは学生時代から魔法学においても魔力量においても常に1番の成績だったのに……。里のみんなだってあなたには期待してたんだから爆裂魔法なんてネタ魔法しか使う気が無いって知られたらみんなが悲しむわよ」

 

「何がネタ魔法ですって? そもそも、里のみんなに族長の娘であるにもかかわらず紅魔族らしくなくて既に落胆されているゆんゆんには言われたくありませんね」

 

 このライバルっ!! 私がすごく気にしていることを!!

 

「爆裂魔法がネタ魔法だって言ってるのよ!! 確かに射程が魔法の中で一番長くて威力だってオーバーキルなレベルであるけれどそれだけじゃない!! デメリットの方がはるかに多いわ!! あんたが今まで爆裂魔法を使いこなして強敵を撃破できているのは全部カズマさんがいてくれたからじゃない。あんただけじゃ使いこなせたりなんかしないわよ!! 」

 

「ゆんゆん、あなたは今、私の逆鱗に触れましたね!! 」

 

「な、何よこの欠陥魔法使い!! 」

 

 欠陥魔法使いは少し言い過ぎただろうか? 私は言ってからひどいことを言ったと思いめぐみんに謝ろうかと思ったが、そのころにはキリキリとめぐみんの眉が吊り上がり、私への暴言を吐いていた。

 

「少し黙るといいですよ!! このスイーツ脳!! 紅魔族であるにもかかわらずかっこよさにこだわらずに周りの状況や流行に流されやすい分際で私の爆裂道をバカにする資格などありません!!!! 」

 

 スイーツ脳って!!!!

 

「今あんたスイーツ脳って言ったー!? なによ、流行に敏感で悪い!? 大体、私にあんたはカズマさんにアピールするために今、流行のファッションとかを聞いてきてるじゃない!? 同じ穴の狢よ、この爆裂スイーツ脳!! 」

 

「おいちょっと待て!! 静かにしろよ、モンスター呼び寄せるだろ!! 後俺へのアピールってのはどういうことなのか詳しく!! 」

 

 カズマさんが私たちに注意しつつも、私の発言に興味を示したことに顔を赤くして焦るめぐみん。

 

 もしかしたら口げんかで初めて勝ったかもしれない。

 

 そう思っていると。

 

「おいこっちだ!! こっちから人間の声が聞こえてきやがるぜ!! 」

 

 耳障りな甲高い声がした。

 

 まさかモンスター!?

 

 呼び寄せちゃった……。リョウタさんに無理はさせられないのに。私なんて馬鹿なことを……。

 

「ひとまず茂みに身を隠すぞ!! 」

 

「そうだねダクネス!! みんな隠れるぞ」

 

 ダクネスさんとリョウタさんがみんなに茂みに隠れるように促す。

 

「短気なゆんゆんがぎゃあぎゃあ叫んでいるからですよ!!!! 」

 

 めぐみんが私に怒鳴ってくる。

 

「しっ!! めぐみん、切り替えて!! 隠れるのよ!! 」

 

「な、なんですか切り替えの早い!! 腹が立ちますよ……」

 

 みんなで身を隠そうとしたところで。

 

「見つけたぞ!! 紅魔族の子供が2匹と冒険者風の奴らが4匹だ!! みんなこっちにこい、紅魔族とは言え子供!! 倒せば大手柄だ!! 」

 

 1匹の鎧を装備したモンスターが現れた。それは耳がとがっていて赤黒い肌をしたスリムで小柄な体系の鬼だった。




 ついにゆんゆん視点解禁です。ゆんゆん視点で書くのはとても楽しかったです!! ゆんゆんらしくなるように努力しましたが、出来ているでしょうか? まぁ私の書いているゆんゆんは独自の成長を遂げているので、原作ゆんゆんと少し違ってしまっていますが。

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