080 会食のお誘い
アクセルに帰ってきた翌日。さっそくカズマと工作室で持ち帰った魔道具等を分解して機構を確かめたりしていた。頭が良くなったため元の世界での知識と合わせればある程度は直感的にだが仕組みが理解ができた。
「この調子だとこの世界で商人として大成功するのも夢じゃないな」
「いや、リョウタ。すでに商人としては成功してる部類だろ俺たちって。だって6億エリスも稼いでるんだぞ商品開発で」
「それもそうだな……」
俺は痛む腰を叩きながらそう答える。
「……なあ、リョウタ。聞きたいことがあるんだが」
「いいぞカズマ」
カズマはしばらく沈黙した後、まじめな顔で。
「お前らヤったのか? 」
……鋭いな我が親友。
「ヤった。なんでわかった? 」
「……だってお前が妙に腰をいたわってるから。ゆんゆんも今日はたびたび腰をさすってたし」
「そうか、それでばれたか」
「……どうだった? 」
「最高だった。もうエロいのなんの。サキュバスの淫夢サービスは受けられなかったけどそんなもの俺には必要ないな。ちなみにお前の作ってくれた避妊具は大活躍だったぞ。ありがとう」
「めっちゃうらやましい!! うらやましすぎるぅぅぅぅ!! 」
俺の肩をつかんでくるカズマ。そして俺を勢い良く揺らす。
「落ち着けカズマ!! 血涙を流しかねない勢いで言わなくてもいいだろ!! 」
「俺もヤりたい!! 」
「めぐみんかダクネスに頼んでみろよ!! 案外OKだったりするかもだぞ!! 」
「めぐみんはよくわかんないんだよ!! あいつ俺が手を出そうとした時、カマかけて逃げたと思えばまんざらでもなさそうに俺に引っ付いてきたりするしさ!! おまけに好きですよとか言ってくるし!! ダクネスはダクネスでもし俺があいつが望むとおりのすんごいエロい目に合わせようとすればファッションドMだから嫌がりそうだし!! 」
「とにかくヤりたいなら恋人を作れカズマ!! ただしヤることだけを目的に恋人は作るなよ、相手に失礼だからな」
「そんなことわかってるさ!! 」
カズマが涙目になった。
「彼女が欲しい!! 」
そして大声でそう叫んだ。
すると。
玄関の呼び鈴が鳴った。
「来客だな。誰だろう? 」
「行ってみるかカズマ」
「……おう」
俺と多少平静さを取り戻したカズマは玄関に向かうと。
「お、お嬢様おやめください!! このご老体相手にそれはおやめください!! 死んでしまいます!! 」
涙目で執事服の爺さんの首を絞めているダクネスがいた。この爺さんはおそらくさっきの発言からしてダクネスのところの使用人なのだろうが、しかし。
「おいダクネス止めろ!! 死んでしまうぞ!! 」
「そうだぞダクネス!! 自分ところの使用人を殺す気かい!? 」
カズマと俺がダクネスを取り押さえる。すると騒ぎを聞きつけたのかゆんゆん、めぐみん、アクアがやってきた。
「いったいどうしたんですか? ダクネスが取り押さえられているとは珍しい光景ですね」
「なに、なに? 何があったの? 」
「だ、大丈夫ですかダクネスさん!? 」
3人に取り乱している理由を聞かれたダクネスは俺たちに取り押さえられ、涙目のまま、「私の取柄は実家の権力を除けばあとはエロい身体だけなのだろうか」と弱々しくつぶやく。
「そりゃそうだろ。お前の取柄はエロいことだけだ」
「か、カズマ!! 私の取柄は防御力もあるはずだぞ!! 頼むからハーゲンと同じことを言うのはやめてくれ!! 」
「ハーゲンって言うのはこのおじいさん執事さんのことかい? ダクネス」
「ああ、そうだ。それでハーゲン。いったい何なんだ、このままでは当家が貴族としての権利をはく奪されかねないというのは!! 私が体を売って生活するようになるかもしれないなどというおかしなことを言い出した理由を説明してくれ!! 」
「え、貴族としての権利をはく奪される? 」
ゆんゆんが驚く。
「実は……、これを」
ハーゲンさんが、落ち着きをやや取り戻し俺たちから解放されたダクネスに一通の手紙を差し出す。
「王室から送られてきた手紙です。それをご覧になれば事の重大さがお分かりになるかと……」
ダクネスが手紙に目を通すと、どんどん顔が青ざめて、やがて膝から崩れ落ちた。
「確かにこれは……重大な事件だな」
「なんだったんだよダクネス? 」
「か、カズマ!? い、いや、これはだな。お前たちには関係ないことだ。うむ、関係ないことなんだ!! 」
「スティール」
「ああ!? 」
カズマがダクネスから手紙を奪い取る。
俺たちは気になってカズマの持つ手紙に目を向ける。
そこには。
要約すると華々しい活躍をしているカズマとその仲間である俺たちへの会食のお誘いの手紙だった。問題はその差出人で。なんとそれはこの国のお姫様、アイリス姫からだった。
「か、カズマ!! みんなも、こんなものは辞退しよう。この中のだれかが無礼を働いただけで下手をすれば首が飛ぶ。礼儀作法なんて知らないだろう? こんな堅苦しいのは嫌だろう? そ、そうだ!! ダスティネス家の力で身近な店を借し切りにして宴会でもやろう。だから!! ……」
「ついに俺たちの時代が来たか」
カズマは嬉しそうにそうつぶやいた。
「いやカズマ。俺は反対だぞダクネスと同じで。何かやらかしただけで首が飛ぶようなパーティーなんぞに参加したくないし」
別に俺は多分やらかさない。問題はカズマ、アクア、めぐみんだ。カズマは調子に乗っていると大体失言をするだろうし、アクアはうるさいし、めぐみんは売られた喧嘩は買う紅魔族、なんかあった時にやらかしかねない。なのでそんなものには参加するべきではない。
「何言ってんだリョウタ。お姫様だぞ!! お姫様が俺たちと会食しませんかって言ってきたんだぞ!? 心配しなくてもみんなそこまでバカじゃないし首が飛ぶようなことをやらかすわけないじゃないか。なぁみんな!! 」
ああ、我が親友が調子に乗っておられる。いやな予感しかしない。
「そうね、お姫様と宴会できるんでしょ!! 楽しみね!! 」
「ぜひ我が爆裂魔法を披露して差し上げたいところですね!! 」
「お暇様……お姫様かぁ。会えるんだ……」
俺とダクネス以外は乗り気なようだ。
ゆんゆんはやらかさないだろうけど、他が絶対ヤバいって!!
「なぁダクネス、適当な理由つけて断ろうか」
「リョウタはわかってくれているようで助かる!! ほらみんな、私とリョウタは会食に反対だ。リョウタも反対ということはゆんゆんも反対ということだ。パーティーメンバーの半数が反対しているのだ。ここはこの話は無かったことにしよう!! 」
「ご、ごめんなさいダクネスさん。私アイリス姫に会ってみたいです……」
「な、ゆんゆん!? 」
「それにみんなきっと大丈夫だと思いますよ、それに首が飛びそうになったらみんなで全力で抵抗すれば何とかなりそうですし」
なんかゆんゆんが物騒なこと言うようになってる……。
だけど。
「……割と本当にどうにかなりそうな気はするな」
まず俺は超高レベルの冒険者。ぶっちゃけレベル60でこれだけ若くて紅魔族でおまけにルーンナイトという強力な職業についている奴は数少ない。真正面からやりあってまともに戦えるのは、この国でも、そして魔王軍にも名が知れ渡っているミツルギくらいだろう(今は彼はレベル37よりも高レベルになっていると思われるので)。ほかのチート持ちもいるがそこまで高名になって噂になるほどの奴らはいないし、最悪紅魔の里に逃げ込めば、神殺しの剣の力も使えるのでめっちゃ強くなり、基本的に太刀打ちできる奴がいなくなるはずだ。
続いてゆんゆんもレベルが現在40を超えているため立派な上級冒険者だ。そのうえテレポートまで覚え、サーチも昨日取得したため隙が無く神器を持っているため他のチート持ちとも実質同等かそれ以上。アクアはステータスがカンストしているうえにエリス様を脅せるためみんなに無限コンテニュー(俺を除く)を可能にできるので正真正銘のチートユニットだし(知力に難はあるが)、めぐみんも状況が状況ならインフェルノ並みのファイヤーボールを使えるうえに、すべてを消し去る爆裂魔法が使える。ダクネスに関しては言うまでもなく防御力が異常なためシルビアロボくらい強くないと撃破不可能だし、カズマに関して言えばなんだかんだ幸運と機転でどうにかしそうなところがあるのでみんなと一緒ならなんとかなる。
さて、アイリス姫はそれはそれは強いらしいがその場で戦闘になった際に勝つのは俺たちだろう。多少傲慢かもしれないが俺たちに勝てる物なら勝ってみろと言いたいところだ。
「まぁゆんゆんが会いたいって言うならいいかな。ごめんダクネス。その場でまともにやりあわなきゃいけない最悪の事態を考えても勝てなくもないだろうし俺も会食に賛成させてくれ」
「アイリス様に勝つこと前提かお前は!? 」
「紅魔族は売られた喧嘩は買う主義なので。まぁ喧嘩になると決まったわけじゃないけど」
「お前は後天的な紅魔族だろう!? いや確かにアイリス様にお前ならば勝てなくもないだろうし、ゆんゆんがいれば実質圧倒できるだろうが……。そう言う問題ではないだろう!? 」
「うろたえるな!! 勝てばよかろうなのだ!! 」
「リョウタ……」
ダクネスが悲しそうに見つめてくる。
「お嬢様、当家は終わりのようですね」
ハーゲンさんも悲しそうに言った。
それから、カズマとめぐみんは爆裂散歩に出かけ、アクアはリビングのソファーで昼寝をする中、ダクネスに俺とゆんゆんは説得されていた。
「頼む!! お前たちはともかくあいつらが何かをしでかさないという保証はないのだからどうか参加を辞退するように3人を説得してくれ!! 嫌な予感しかしないんだ!! 」
「で、でもお姫様に間近でお会いできるなかなかないチャンスですし……私は会ってみたいです」
お姫様という存在に乙女なゆんゆんは憧れがあるのだろう。
「ゆんゆんが会いたがってるので俺も会食に賛成。というか別に気難しい方ってわけでもないんだろうアイリス様は。だったら大丈夫だろ」
「いやどうだろうか、身分の低い物との関わりの薄い方だからな。正直、無礼を働いたときにどういう対応をとるか幼いころからアイリス様を知っている私でもわからない」
「まぁでもさダクネス。冷静に考えてみてくれ。魔王軍幹部を討伐できるほどの戦闘能力を持つ存在を気に入らないという理由だけで抹殺するほど横暴な王族なんていないと思うぞ。冷静に考えられるだけの頭があればそんな決断は下さないはずだ」
王族は聡明なはずだ。アヤメリス様の件のおかげで良い感情は抱いてはいないが、そのおかげでアイリス姫や周囲の人間が冷静な判断ができる人々であるということはわかっている。少なくともアクセルの悪徳領主の如く傍若無人な存在でないことは明白だ。
「ううぅむ」
ダクネスが頭を抱える中、ゆんゆんは俺の隣でうんうんと首を振っている。かわいい。昨日の夜はもっとかわいかったが。
「まぁそうだな。リョウタの言う通りかもしれない。仕方がない。不安ではあるが会食のお誘いを受けるという形で返事の手紙を書くことにしよう。ただ頼むからあの3人をフォローしてくれよ……。カズマは身分など関係なく突っかかるところがあるし、アクアは悪意なく迷惑なことをしでかしそうだし、めぐみんも紅魔族流の何とかと言ってアイリス様を変に驚嘆させかねないからな」
「了解」「わかりました」
俺とゆんゆんはダクネスに微笑みながら返事をする。
そしてダクネスは返事の手紙を書くと言ってとぼとぼと自室へ行った。
「さてゆんゆん。アクアも寝てるし実質2人きりになってしまったわけだが……何かする? 」
「そうですね……あ、チェスでもしませんか? リョウタさん知力も上がってるから前よりも強くなっているはずですし」
「そうだね。そうしようか」
ゆんゆんがリビングに置いてあるチェス盤を持ってくる中、俺はお茶を汲む。ゆんゆんはしゃがむとき腰をさすっている。昨日のが激しすぎたのだろうか?
「そう言えばゆんゆん」
「はい、なんですかリョウタさん? 」
「お腰大丈夫かい? 」
…………。
「リョ、リョウタさん……!! 」
チェス盤を机に置いたゆんゆんがこれ以上ないくらい顔を真っ赤にして俺の方を見つめてくる。
それがかわいくて、ついついからかいたくなる。
「昨日は激しすぎたかな? 今日は優しめにするよ」
「リョウタさんのバカぁ……。今日するとはまだ言ってないじゃないですか……。どうしてすること前提になってるんです」
ゆんゆんの目が紅く輝いている。
「そりゃゆんゆんがあんなに気持ちよさそうにしてくれたら今日もヤろうかなって思うよ」
「……リョウタさんのエッチ」
最大限の抵抗なのだろう。机に顔を伏せて小声でそう言って俺を睨みつけてきた。
「ごめん、ごめん。まぁするかどうかはまた後で決めるとして、やろうか、チェス」
「……はい」
俺が2つのティーカップを机に置いてゆんゆんに笑いかけると、ゆんゆんは体を起こしてチェスの駒を並べていく。
「……じゃあ始めましょう」
「ああ。ゆんゆんが先行でいいよ」
「わかりました」
それから俺たちはチェスに勤しんだ。ゆんゆんの言ったとおり、知力の向上によって普段なら勝率3分の1のところを、2分の1まで縮められた。
「魔道具分解時の時もそうだけど知力の向上を実感できるな。俺、頭が良くなってるんだなやっぱり」
「そうみたいですね。リョウタさん強くなってますね」
ゆんゆんが自分の次の1手を考えながら言う。
「まさか平凡だった俺の脳みそがここまで優秀になるとは思いもしなかったよ」
「紅魔族改造手術の恩恵は大きいんですね」
顎に手を当て考えているゆんゆん。
「そういや魔力の増大に伴った戦闘能力の上昇はまだ確認してなかったな」
「何かクエストを2人で受けて確認しますか? 」
「そうだね、これが終わったらクエスト探しに二人でギルドに行こうか」
「はい!! 」
約20分後。結局ゆんゆんの勝利で最後のゲームは幕を閉じ、俺とゆんゆんは冒険者ギルドに顔を出した。
見知った冒険者たちがアクアから聞いたのか、俺とゆんゆんが恋人になったことを祝福してくれるのだが、それと同時に俺の瞳の色を気にしていた。
なので。
そこそこ注目を集めている中で、俺は自己紹介をすることにした。なにせ生まれ変わったのだ。記憶を除いて。
「我が名はカガミリョウタ。新たなる紅魔族にして、神を断つ剣なり!! というわけで、紅魔族になりました。これからもみんなどうぞよろしく。ちなみに魔王軍幹部にとどめを刺してレベルも60になりました」
さすがにポーズまでは取らなかったが、ギルド中に響き渡る声を上げる。
「もう駆け出し冒険者の街にいちゃいけないレベルに達してるじゃないか」
「60なんてそもそも見たこともないわよ」
「というかアクアさんがまた魔王軍幹部を討伐したって言ってたけど本当だったんだな」
「というかどうやって紅魔族になったんだよ? 」
ギルド内がざわつく。
「リョ、リョウタさん、恥ずかしくないんですか? 」
手をつないでいるゆんゆんが恥ずかしそうに委縮する中
「ぜんぜん。ああ、それと紅魔族には紅魔の里の謎施設に行けばなれるけど、記憶を失うという対価があるから、俺みたいに錬金術ってスキルが無い限りはお勧めしないよ!! 」
俺はみんなにそう説明すると自分も紅魔族になりたいという発言は鳴りを潜めたが、シルビア討伐の件や紅魔の里がどんなところだったかなどで質問攻めにされる。
しばらくして、質問攻めからようやく解放された俺とゆんゆんは2人でギルドのクエスト掲示板を覗く。
「いいクエストは無いかな? 」
「そうですねぇ……あ、これはどうですか? 大量発生したジャイアントアースウォームの討伐クエストです」
「……どんなモンスターなんだい? 」
「一言で言うなら大きなミミズですね。大きいと言ってもそれこそ全長十数メートルほどの物です。なので得物を牙の付いた口で丸呑みするんです。ちょうど人間を飲み込める口のサイズですね」
「なんて嫌なモンスターなんだ……。依頼書を見る限り難易度的には俺たちレベルで余裕か。強さもそれなりになんだろうな」
「そうだと思いますよ? 私も戦ったことが無いからどのくらい強いのかわかりませんが」
「まぁ、これにしようか」
「はい!! 頑張りましょう」
「ああ!! 」
俺とゆんゆんはルナさんにジャイアントアースウォーム討伐のクエストを引き受けることを伝えると、ギルドを出て早速、屋敷に戻り支度を始めた。今回のクエストは距離的にはそんなに遠くなく往復に徒歩で2日の距離だ。
「ということで、シルビア戦では確認できなかった魔力増大の効果を実感するためにクエストに行ってくる」
「いってきます」
俺とゆんゆんはみんなにクエストを引き受けたことを伝える。
みんなは今、地下格納庫から持ち帰った様々な魔道具や便利グッズで遊んでいた。
「お前ら真面目だな。もっと優雅に暮らそうぜ」
「いやカズマ。お前の言う優雅とは引きこもりのニート三昧だろう。リョウタとゆんゆんは実に冒険者らしいな。私も見習わなければ」
「見習わなきゃって思うんだったらいい加減スキル『両手剣』でも取得してくれよ」
「断る」
カズマがダクネスの即答に呆れた。
「気を付けてね、神殺し、ゆんゆん。あ、ゆんゆんにはブレッシングかけといてあげるわね」
ブレッシングの魔法をゆんゆんにかけるアクア。
「ありがとうございますアクアさん」
ゆんゆんはアクアに笑いかける。俺もアクアにありがとうと伝える。
「なんだか少し心配なのですが。大丈夫ですか? 昨日はお楽しみしたようでお腰も痛そうですし、人生の絶頂期だと舞い上がっていて油断とかしないでくださいね」
「え、お楽しみ? 神殺しとゆんゆんお酒でも飲んで楽しんでたの? 」
めぐみんの発言にアクアは意味が分からず戸惑っているが、ゆんゆんは顔を真っ赤にしてうつむいた。
「大丈夫だよ。クエストとあっては、舞い上がらずに冷静に対処できるだけの器用さは俺もゆんゆんも持ち合わせてるから」
「そ、そうよめぐみん。私たちは大丈夫だから!! 」
「そうですか。じゃあ気を付けていってきてくださいね」
めぐみんに微笑みながらそう言われる。
本当に、めぐみんもゆんゆんへの態度がずいぶん変わったな。やっぱり今や家族と言っても過言ではなく、お互いにライバルだと意地を張るだけでなく、親友と思っていることを包み隠さずに明かすようになったことが影響しているのだろう(シルビア戦でもめぐみんが親友と言ってくれたと嬉しそうにゆんゆんは語っていたし)。
「携帯電話で定期連絡してくれよ」
「分かってるよ。せっかく手に入れた便利なアイテムだしな」
思えばカズマもここ数日でパーティーメンバーのことをすごく心配したり気遣う発言が増えた。シルビア戦でパーティーがいまだかつてない危機に陥った反動なのだろう(しかも自分がトリガーとなったことが余計拍車をかけている)。ちなみに携帯電話は、紅魔の里からアクセルの街まで電波? が届くことを測定済みだ。
「「行ってきます」」
こうして、俺とゆんゆんはジャイアントアースウォームの討伐に出かけた。
リョウタとゆんゆんはバカップル街道を突き進んでいます。そしてゆんゆんとめぐみんの関係も大分変わりました。
さて次回は戦闘回です。