【完結】この素晴らしいゆんゆんと祝福を!!   作:菅原リディ

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095 VSスパリュード

「まとめて相手をして差し上げましょう」

 

 スパリュードは停止すると、水と炎のウィップをトンファーから展開。両腕を大きく開く形で2本の鞭を横なぎに振るう。

 

 それを俺の前に立ちふさがっている3人の中で真ん中に位置するカズマがウィップをパワードスーツでつかむ。

 

 その隙に、左側のゆんゆんと、右側のアイリス姫が距離をとると同時に。

 

「インフェルノ!! 」

 

「エクステリオン!! 」

 

 ゆんゆんが業火を、アイリス姫が光の巨大な斬撃波を放った。

 

 スパリュードはそれを、ウィップを消滅させた後、大きく後ろに後退して回避する。

 

「カズマ、活動限界は大丈夫か!? それと他のみんなはどうした? サーチから反応が消えたんだが」

 

「活動時間の方は問題ないよ。さっきアクアからドレインタッチで魔力を過剰摂取してきたからな。それとみんなにはレインさんのテレポートで最上階から離れてもらってる。ミツルギの遺体も一緒にな 」

 

 カズマが機関砲をスパリュードに撃ちまくる中、俺の気がかりだったことを答えてくれた。

 

 なら後はスパリュードを倒すだけだ。パズルのピースも今はこの場に無い。安心して戦える。

 

「ディナイアルブラスター!! 」

 

 俺はカズマの真後ろからジャンプして身をスパリュードの方にさらけ出すと、ディナイアルブラスターを発射する。しかし、それを飛びあがって回避するスパリュード。

 

「逃がすか!! 」

 

 俺はディナイアルブラスターを照射したまま上へと振り上げる。カズマは次弾が装填されたマイクロミサイルを全弾発射。ゆんゆんは飛行し、スパリュードの真横からライトニングストライクを、アイリス姫は再度エクステリオンを放つ。

 

 それらを、球体魔方陣でしのぎながら、攻撃の射程外に逃れるスパリュード。だがマイクロミサイルが魔方陣を貫通し、スパリュードへと命中しそうになる。それをトンファーですべて叩き落としたスパリュードは爆風によって鎧を傷つけられながらも生身の部分はほとんど無傷だった。

 

 ゆんゆんは爆煙を引き裂き空中のスパリュードにブレードオブウインドを纏わせたハルバードを振り下ろす。それをスパリュードは右のトンファーで受け止める。

 

「やぁぁぁ!!!! 」

 

 ゆんゆんが連続で斬撃をスパリュードに見舞うがどの斬撃もスパリュードには届かない。右腕のトンファーですべて受け流されているのだ。

 

「甘い!! 」

 

 スパリュードは叫ぶと、左のトンファーからファイヤーボールをゆんゆんへと発射しながら鋭い蹴りをゆんゆんの腹に叩き込む。

 

 ゆんゆんはファイヤーボールと蹴りの両方をグウェンで受け止めるが、あまりの威力に吹っ飛ばされて瓦礫の山に激突した。

 

「がはっ!! 」

 

 ゆんゆんがせき込む。

 

 それを好機と見たのかゆんゆんにとどめを刺そうと接近していくスパリュードだったが、カズマの機関砲の斉射で阻まれる。その隙にアイリス姫と俺は飛び上がってスパリュードに得物を振り下ろした。

 

 しかしスパリュードは巧みな動作で斬撃から逃れると水と炎の魔力弾を俺たちへとばらまいた。それらを落下しながら俺とアイリス姫は切り払い、ゆんゆんはグウェンでガードし、カズマはパワードスーツの耐久性を生かして弾幕の中を突っ切り、スパリュードにジャンプと共に蹴りを放った。

 

 蹴りをトンファーを交差させて受け止めるスパリュード。俺とゆんゆんとアイリス姫はその隙にディナイアルブラスター、トルネード、エクステリオンを発射するが。

 

「当たりません!! 」

 

 急速降下してそれらを回避したスパリュードは着地した。

 

「だったら!! 」

 

 カズマが今度は落下しながらスパリュードに機関砲を連射する。スパリュードはそれらをすべてトンファーで弾く。俺はスパリュードの右側から、ゆんゆんは左側から強襲する。だが、機関砲を全て弾ききった後、俺たち2人に向けてファイヤーボールとマキシマムウォーターキャノンを放ち寄せ付けない。

 

 そんな中アイリス姫がスパリュードの後方から襲い掛かる。スパリュードはまず、後ろ回し蹴りでアイリス姫の剣の軌道を叩いて逸らすと、アイリス姫のその顔面に素早くトンファーによる右ストレートを放った後、裏拳を加え、さらに膝蹴りを腹に叩き込むと同時に、左腕のトンファーで威力の強化された肘鉄を見舞う。

 

「あぐっ!? 」

 

 アイリス姫が短く悲鳴を上げる。

 

「てめぇぇぇ!!!!!!!! 俺の妹に何しやがる!! 」

 

 カズマは激昂し、一気にスパリュードに距離を詰めて回し蹴りを放つ。

 

「あなたにとってアイリス姫は妹でしたか。ならば弟も妹も奪われた私の怒りも理解できましょう」

 

 スパリュードはアイリス姫を蹴り飛ばすと同時にカズマに振り向き、回し蹴りを左トンファーで受け止めて右トンファーからマキシマムウォーターキャノンをゼロ距離発射。カズマを弾き飛ばす。

 

「クソ、数で押せば何とかなると思ってたのに全然うまくいかねぇ!! 」

 

「今まで戦ってきた敵の中で相対的にみれば一番強いんじゃ……!? 」

 

 俺とゆんゆんは体勢を立て直しながら嘆く。ベルディアクラスの技量で今の俺と大体同じパワーとスピードがあれば、こんなにもうまく立ち回れるものなのか……。いや、怒りにのまれることなくそれを力に変えられるだけの精神力もあるからこそスパリュードは強いのだろう。

 

「だったら!! ゴリ押しするだけだ!! 」

 

 カズマが叫ぶと同時に、近くに転がっていた俺のソードメイスを拾い上げると、強烈な機械音をパワードスーツから鳴り響かせた。

 

「何の音だカズマ!? 」

 

「リミッター解除だ!! 」

 

 カズマがそう叫ぶと同時にパワードスーツの胸部のセンサーユニットが強く発光する。そして、文字通り一瞬でスパリュードの真後ろに回り込み、ソードメイスを横なぎに振るった。

 

「な、はやい……!? 」

 

 驚愕の表情を浮かべるスパリュードだったがそれにも対応し、トンファーでソードメイスを受け止める。だが、リミッター解除されたパワードスーツの出力はとんでもないもので、スパリュードを弾き飛ばし瓦礫の山に叩き込んだ。

 

「お兄様、すごい……」

 

 ゆんゆんに介抱されて立ち上がったアイリス姫がそうこぼす。

 

「まだまだだ!! 」

 

 カズマが機関砲を連射しながらスパリュードにソードメイスの切っ先を向けて突っ込んでいく。俺と、口から血を流しつつもまだまだ戦える様子のアイリス姫がそれに続き、ゆんゆんは上方からスパリュードに強襲をかける。

 

「このままやられてさしあげるとでも? 」

 

 スパリュードはそんなことを言いながら機関砲の弾をトンファーですべて叩き落し、カズマの突撃は体をいなして回避する。スパリュードの真後ろで瓦礫の山がカズマの突撃を受けて粉々になっていく中で、俺とアイリス姫は。

 

「ライトオブセイバー!! 」

 

「行きます!! エクステリオン!! 」

 

 スパリュードに光属性の攻撃を放つ。悪魔にとっては結構なダメージになるそれを、スパリュードは球体魔方陣で防ぎ、凌ぐが。

 

「ライトオブセイバー!! 」

 

 真上からさらに追加されたゆんゆんのライトオブセイバー。渾身の一撃らしくとてつもなく太いそれを喰らって球体魔方陣が粉砕され、俺たち3人の攻撃がスパリュードに命中する。

 

「ぐっ!? 」

 

 鎧がどんどん砕け、その身を焼かれていくスパリュード。

 

「これで止めを刺してやる!! 」

 

 カズマがソードメイスを縦一文字にスパリュードの後ろから、ライトオブセイバーやエクステリオンをものともせずに振り下ろす。

 

 だが。

 

「ここで死んでたまるか!! 」

 

 スパリュードは無理やりウイングをはためかせ、ライトオブセイバーとエクステリオン、そしてカズマの一閃から逃れる。

 

 しかしそれをカズマは許さない。

 

 ジャンプしてスパリュードの足をつかむと、思いっきり引っ張り、地面にたたきつけた。

 

 その衝撃でクレーターができる。

 

「死ね!! 」

 

「死ぬものか!! 」

 

 カズマが殺意を込めた叫びと共に、機関砲とマイクロミサイルを至近距離で一斉発射してスパリュードにとどめを刺そうとするが。

 

 スパリュードは半回転して仰向けになった後、カズマの機関砲を球体魔方陣でしのぎ、ミサイルはトンファーで叩き落す。

 

「それでも!! 」

 

 カズマがソードメイスをスパリュードに再度振り下ろす。それをウイングの力で無理やり飛行して回避するスパリュード。だが、俺がバーニングスラッシャーをスパリュードの翼に向けて発射。焼き斬り落下させる。

 

「いまだ!! ゆんゆん、アイリス姫!! 」

 

「「はい!!」」

 

 ゆんゆんがインフェルノを真上から浴びせ、アイリス姫が聖剣から白い電撃と光の奔流を照射した。

 

「インフェルノ!! マキシマムウォーターキャノン!! 」

 

 しかしスパリュードはそれらを両腕のトンファーからそれぞれ魔法を放って相殺する。

 

「いまだ!! 」

 

 カズマが先ほどの様にスパリュードに突っ込む。スパリュードは魔法を魔法で相殺しながらカズマに右足で蹴りを加えるが、神殺しの剣でブーストされた俺にすら一瞬と感じられる速度で迫りくるパワードスーツの装甲に触れたのち粉砕骨折して足が押しつぶされた。

 

「なにっ!? 」

 

「うぉぉぉぉ!!!! 」

 

 カズマが片足が潰れたスパリュードを羽交い絞めにする。

 

「リョウタぁぁぁぁ!!!! 俺ごとディナイアルブラスターでこいつを吹っ飛ばせ!! 」

 

「分かった!! 」

 

「え、お兄様も死んでしまいますよ!? 」

 

「大丈夫だアイリス!! このスーツの防御力なら耐えられる!! 」

 

「このっ!? 」

 

 スパリュードがトンファーをうまく使ってカズマを殴打するが、リミッターを外したパワードスーツはびくともしない。

 

「ディナイアルブラスター!!!! 」

 

 そして俺はカズマもろともスパリュードに決定打を与える一撃を見舞った。

 

 カズマのパワードスーツは爆裂魔法に耐えられるだけあって表面が赤熱化していくだけにとどまっている。だが、スパリュードは崩れていた鎧がさらに粉砕されていき生身の部分の露出が増え、そこが焼かれていく。

 

「おのれ!! だがテンロンとゲキドラスを死に追いやった神殺しの青年を殺すまでは!! 」

 

 ディナイアルブラスターを受け身も取れずに喰らいながらも、もがき続けるスパリュード。

 

 そんな中。

 

「目的を見失ってはダメよ!! 兄さん!! 」

 

『テンロン!? 』

 

 もう動かなくなったと思っていたテンロンが声を上げた。意識を取り戻したのだろう。ボロボロの状態でスパリュードを見つめている。

 

「ゆんゆん、アイリス姫!! 2人はテンロンにとどめを!! 生かしておいたらなにするか分からない!! 」

 

「はい、リョウタさん!! 」

 

「分かりました!! 」

 

 ゆんゆんとアイリス姫がテンロンにとどめを刺すべく魔法を放とうとする。

 

 だが、その瞬間に。

 

「テンロォォォォン!!!!!!!! 」

 

 スパリュードが右肩の関節を外してカズマのホールドから逃れると、ディナイアルブラスターの範囲から逃れテンロンの前に躍り出て、ライトオブセイバーとエクステリオンを球体魔方陣を展開して自分とテンロンを見事に守り切った。

 

「なんて野郎だ……」

 

 カズマが絶句している中、俺もまたスパリュードの力に驚かされていた。

 

「兄さん。これを受け取って。ちゃんと奪ったから」

 

 そんな中、テンロンがある物をスパリュードに差し出す。

 

 それは六角形の禍々しい光を放っている宝石だった。

 

 つまり。

 

「何でパズルのピースをテンロンが持ってるんですか!? 」

 

 ゆんゆんが叫んだ通りだった。一体いつの間に!?

 

「そこの黒と紺の甲冑を着た人間に最初に殴り飛ばされたときにすでにもぎ取ってましたのよ!! あとは私のお得意の虚像を作る魔法でアヤメリスの腕輪にくっついていると見せかけてたんですのよ!! 」

 

「……よくやりました。テンロン……」

 

「さぁ兄さん。兄さんももう長くはないわ。だけどこれがあれば要石を手に入れた今、デストラクター様は復活できますわ」

 

「しっかりと受け取りました……!! 」

 

 スパリュードが涙を流しながらそう答えると、その真下にテレポートの魔方陣が展開される。

 

「っ!! カズマ!! 」

 

「ああ!! くたばれ!! 」

 

「ディナイアルブラスター!!!! 」

 

 俺とカズマは一斉射撃する。だが、先にスパリュードの姿が消え、残されたテンロンは哄笑しながら、俺とカズマの攻撃で灰燼に帰した。

 

 

 

 

 

 

 俺にゆんゆんにカズマにアイリス姫は、戦い終えた後、ゆんゆんに頼んでテレポートしてアクセルの街に避難していたアクアたちと合流し再度テレポートで王城に戻ってきた。

 

 現在俺たちは、王城付近の広場にいる。広場では次々と騎士や兵士や冒険者のけが人や遺体が運ばれていた。

 

 俺たちはみんな顔面蒼白だ。

 

 当たり前だ。なぜなら、デストラクターの要石と、それの封印を解くために必要なパズルのピースを奪われたのだから。

 

「すいません……。私が不甲斐ないばかりに……」

 

 アヤメリス様が謝罪する。

 

「アヤメリス様のせいではありません。僕が死んでしまっていたばかりに、悪魔たちと戦えなかった。カガミリョウタにあなたの身の安全を任せられていたというのに……。ごめんなさい」

 

 蘇生されたミツルギがアヤメリス様に謝った。

 

「これからどうするかだな……」

 

 カズマが呟く。今現在カズマはパワードスーツを脱ぎアクアにヒールを全身にかけてもらっていた。理由はリミッター解除したときの反動で全身がボロボロになってしまったからだ。あちこち内出血を起こしている。

 

「デストラクターを迎え撃つしかないと思いますお兄様!! そして、臣下たちの仇を討ちます!! 」

 

 救助作業のために現場指揮を行っているクレアと、テレポートのやりすぎで疲労で倒れてしまったレインさんを侍らせていないアイリス姫がカズマの横で立ち上がって言った。

 

「アイリス……。大丈夫か? 」

 

「お兄様……」

 

 カズマが報復に燃えるアイリス姫の頭を撫でる。その瞬間アイリス姫は泣き崩れた。多くの人が犠牲になったのは明白だ。王城を預かる者としてかなりの精神的なダメージがアイリス姫にはあるだろう。ダクネスはそんなアイリス姫をそっと抱き寄せた。

 

「アイリス様。どうか気を確かに。ここにはミツルギを蘇生して見せたように、死者のリザレクションを可能としているほどのアークプリーストがいるのです。ですから……」

 

「ララティーナ……」

 

 ダクネスが悲痛な面持ちでアイリス姫に言い聞かせる。だがダクネスもわかっているのだろう、アクアですら蘇生できないレベルで損壊してしまった遺体があることに。だからこそ今のような顔をしているのだ。

 

「カズマさんのヒールをかけ終えたらすぐに蘇生作業に入るから待っててねアイリス様」

 

 アクアがそう言いつつカズマの体のヒーリングを続ける。

 

「こちらから打って出ないといけませんね……先手を打たれると確実に被害者が増えますよ」

 

 めぐみんがゆんゆんと顔を見合わせる。その後ゆんゆんはみんなの方を向いて。

 

「でもどうしたらいいでしょうか? 破壊神との近いうちに戦う運命がエリス様の神託で確定しているとはいえ、めぐみんの言うように先手を打ちたくてもどこから出てくるか、そしていつ襲ってくるかもわかりませんし。それに以前戦った時よりも確実に強くなってると思うから……」

 

「戦力の強化は必須だね」

 

 そう言って俺は、カズマのパワードスーツのリミッターカットによるダメージの、錬金術による修復作業が終わったので顎に手を当て考える。デストラクターの戦闘能力の高さは知っている。技量はスパリュードほどではないにしても爆裂魔法を連射できるのだ。この前戦った時は範囲を絞った爆裂魔法しか見ていないが、あれを普通に放てば多くの人が死に追いやられる。しかも、爆裂魔法をまともに喰らっては一般人であれば塵すら残らないだろうからリザレクションもかけられない。

 

「俺の強化率が3割の力のデストラクター相手だと考えると、シルビア戦の時ほどではないから相当苦戦するだろうね……」

 

 勝てるかどうかはっきり言って分からない。しかし勝つしかない。だが、今回は俺1人ではどうにかできないだろうしここはみんなと協力するしかない。

 

「作戦を立てないとな……。まず空を飛べるリョウタとゆんゆんが主力として活躍するとして、他の連中は遠距離からの援護になるわけだけど、この場にいるメンバーの遠距離攻撃手段じゃ心もとないか? 」

 

「ああ、カズマ。だからミツルギとアイリス姫。さらにはバニルとウィズさんにも手伝ってもらって遠距離火力を増やす必要がある」

 

「力を貸すよ、サトウカズマ、カガミリョウタ」

 

「私も、やります」

 

 決意の表情のミツルギとアイリス姫。

 

「くっ、私では役に立てないな、爆裂魔法に耐えられるにしても1度だけでは意味がない……」

 

 ダクネスが悔しげにつぶやく。

 

「私も破壊神と戦うとあれば仲間の危機ですのでファイヤーボールも使いますが、1発しか撃てないとはいえ爆裂魔法の方が今回は需要があるでしょうか? ですが撃った後はお荷物になってしまいますし……」

 

「とりあえず、ダクネスとめぐみんはペアで行動してくれ」

 

「わかりました」「わかった」

 

 カズマの提案に素直に従う2人。

 

「破壊神と戦う上では、やっぱり少数精鋭の方がいいな。数で押そうにも爆裂魔法相手じゃどうしようもないしな」

 

 アクアのヒーリング作業が終わり体を軽く動かしながらカズマがそう言うと。

 

「紅魔族の力を借りたいところですけど力を借りれば入れ替わるための器をたくさんこちらが用意してあげているのと変わらないですからね……」

 

 アイリス姫も作戦立案に意見を出し始めた。

 

「そこはアクアのエクソシズムを浴びせればしばらくの間は大丈夫だとしてもやっぱネックだよな」

 

 俺は心配になってゆんゆんとめぐみんの方を見た。

 

「でもデストラクターに確実にダメージを入れたり張り合う上ではめぐみんとゆんゆんの力は必須だからな。危険とはいえ、アクアにエクソシズムをかけてもらって戦いに参加するしかないだろうな。あ、レールガンも使うか。あれならデストラクターでも一撃で倒せるかもしれない」

 

「でもカズマ。残機が残っていたらいずれ復活しますよ? デストラクターの残機は10個。今回奪われた要石のが3割ですから、今まで眷族たちが魂を収集して手に入れているであろう残機を含めなくても最低でも3つは残機があります。止めを刺すのはやっぱり神殺しの力……リョウタでないとだめですね」

 

「そうだよな……。確実に倒さないといけないからな……」

 

 めぐみんの言葉にレールガンを使うことは没にした様子のカズマ。

 

 やがてあたりも暗くなりはじめたころ。俺たちの間でデストラクターと出会った場合にどうするべきか少しずつ対策が練られ始めていたところで。

 

「みなさん。お話があります……」

 

 突如として天から声がした。俺たちは全員声のした方を向く。

 

 そこにいるのは藍色の修道服のような衣装を着た雪のような銀髪の女性だ。

 

 広場の他の人々もその存在に気づき声を上げ始める。

 

 その存在とは。

 

『エリス様!? 』

 

「何であんたがここに降りてきてるのよエリス!? 」

 

 エリス様だった。

 

「皆さんに力を授けるために参りました。一緒に来てほしい場所があるんです」

 

 空からゆっくりと降りてきたエリス様は真剣な表情でそう告げた。




 スパリュードは作中の中では2番目に強いキャラです。ちなみに1番はとうとう復活が確定してしまった彼です。

 さて、これにて第6章終了です。ここまでついてきてくれてありがとうございます。いよいよ次回から全3話で構成されている最終章と、エピローグが始まります。お楽しみに!!
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