【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ? 作:夜叉猫
実は再来週もう一度受験。
私は勉強より小説を取ってしまったようです。
番外編はルイオスを倒してからにしようと思っています。
皆さん感想御待ちしています♪
それでは本編をどうぞ!
俺たちがコミュニティ【サウザンドアイズ】を訪れると、店先にはあの無愛想な店員が立っていた。
こんな時間に大変だなぁ……。
「お待ちしておりました。
中で【オーナー】と【ルイオス様】がお待ちでございます」
「……黒ウサギ達が来ることは承知の上、ということですか……?
……あれだけの無礼を働いておきながらよくも……よくも『お待ちしておりました』なんて言えたものですね……」
「……事の詳細は聞き及んでおりません。
中で【オーナー】と【ルイオス様】からお聞きくださいませ」
店員の態度に再び怒りが湧いたのか黒ウサギの目には怒気が含まれていた。
しかし、今の彼女に怒りをぶつけても意味がないと判断したのか、黒ウサギは店内に入って行った。十六夜と飛鳥もそれに続いて行く。
「……君も大変だね」
「……さて、何のことでしょうか?」
店員はまたも無愛想に……いや、少し笑いながら答えた。
俺は、それに苦笑いを浮かべるとまた店員の頭を優しく撫でながら口を開いた。
「お疲れ様」
何故かこういう女性を見ると頭を撫でたくなるんだよなぁ……
「あ、頭を撫でないで下さい!」
店員は顔を赤くしながらも頭を振った。
実はこの店員、無愛想何かでは無いのではないだろうか……。
「ふふふっ……。ごめんごめん……って前もこんな話をしたね」
俺は、優しく笑いながらそういうと店員はクスリと笑った。
「えぇ……確かにそうでしたね」
「さぁて……俺も行くよ」
そういって、俺も店内に入って行った。
今回訪れた部屋は前回の部屋ではなく、庭にある離れの部屋だった。
「うわあぉ!!ウサギじゃん!
うわ~!実物初めて見た!
噂には聞いていたけど本当に東側にウサギがいるなんて思わなかった!
……つーかミニスカにガーターって随分エロい格好だな!
ねぇ君、うちのコミュニティに来いよ。
三食首輪付きで毎晩可愛がるぜ?」
中に入ると嫌に気に障る声で歓声が上がった。
顔の微妙に……そう、イケメンともブサイクとも言えないだからと言って普通でもないような整い方をしている男。彼が【ペルセウス】のリーダーなのだろうか……
「随分と分かりやすい外道ね。
先に言っておくけどこの美脚は私達の物よ!!」
「そうですそうです、黒ウサギのこの脚は……って違いますよ飛鳥さんっ?!!」
飛鳥の渾身のボケに黒ウサギも危うく同意してしまう所だったようだ。
「その通り、この美脚は既に俺のモンだ!」
「そうですそうです、黒ウサギのこの脚は……ってもう黙ってらっしゃいっ!!!」
十六夜も飛鳥に乗ってそんなことを口にした。
まぁ、『私達の』から『俺の』になっているのが十六夜らしいね。
「よかろう!!ならば言い値で買おう!」
「売・り・ま・せ・ん!
もう……黒ウサギも本気で怒りますよっ!!」
「馬鹿だなぁ、怒らせてんだよ」
「こんの御馬鹿様っ!!!!!」
スパァーン!!と黒ウサギ秘伝のハリセンが十六夜の頭に炸裂した。
十六夜は座布団の上で頭を擦っている。
全く……十六夜には自重という言葉を知らないんだろうか……。
俺が頭を軽く左右に振っていると、男が突然笑い始めた。
「あ、あっははははははっ!!!
あぁ~面白い……何?【ノーネーム】って芸人のコミュニティなわけ!?
もしそうならまとめて【ペルセウス】に来いってマジで!!!
道楽には好きなだけ金をかけるのが僕の性分だから生涯の生活は保証してやるよ。
……まぁ、勿論その美脚は僕のベッドで毎晩好きなだけ開かせてもらうけどね?」
「お断りでございます。
黒ウサギは礼節も知らぬ殿方に肌をみせるつもりはありませんので」
黒ウサギの言葉に俺と十六夜はえっ?という顔をすると黒ウサギに言った。
「へぇ?俺はてっきり見せるために着てるのかと思ってたぜ」
「ごめんね黒ウサギ俺も黒ウサギの趣味だと思っていたよ……」
「ち、違いますっ!私の趣味なんかじゃありませんからねっ!!?」
慌てて声を上げる黒ウサギを楽しそうに見る十六夜。
黒ウサギは何故か自らの胸の下で腕を組みながら恥ずかしそうに口を開いた。
「こ、これは白夜叉様が開催するゲームの審判 をさせてもらう時、この格好をしながらすれば、賃金を三割増しにすると言われて……」
やっぱり原因は白夜叉ちゃんかぁ……。
黒ウサギも大変だなぁ……
「……おい白夜叉」
「なんだ小僧……?」
キッと白夜叉を睨む十六夜。
流石にこれには来るものがあったのか白夜叉に向かって右手を挙げる。
「……超グッジョブっ!!!」
「うむ!!!」
……どうやら十六夜は、白夜叉側だったらしい。
俺と黒ウサギは肩を並べてガックリと項垂れた。
俺の知り合いには変態が多いな……。
「……黒ウサギ頑張ってね?」
「……夜鶴さんも頑張って下さい」
俺と黒ウサギは互いに互いを慰めた。
【ノーネーム】の子供たちはこんなふうにしちゃ駄目だね……。
話はズレにズレ、あれから五分程かかっていよいよ本題を話すこととなった。
【サウザンドアイズ】幹部 白夜叉。
【ペルセウス】リーダー ルイオス。
名を見ればかなりのビッグネームがそろっているがその実は方や変態。方や外道なゲス。
ただの変人の集まりでしかない。
黒ウサギはノーネームの領地で起こった事の詳細を白夜叉に話している。
そんな黒ウサギをルイオスは気持ちの悪い目でずっと見ている。
……イライラするなぁ……
「――【ペルセウス】が私達【ノーネーム】に対する無礼を振るったのは以上の内容です。
……ご理解いただけましたでしょうか?」
黒ウサギのいつにない真剣さに白夜叉も押され気味だ。
十六夜はルイオスを睨みながらピクリとも笑わない。飛鳥は目を瞑りながら静かに座っている。
「う、うむ……。【ペルセウス】の所有物である
そして、それらを捕獲する際における数々の【ペルセウス】側からの暴挙と暴言、確かに受け取った。
【ノーネーム】が謝罪を望むのであれば後日――」
「結構です。
……あれだけの暴挙と無礼の数々……我々の怒りはそれだけでは済みません。
【ペルセウス】に受けた屈辱を晴らすには【ノーネーム】、【ペルセウス】両コミュニティの【決闘】を持って決着をつけるべきかと……」
黒ウサギの提案したのは唯一俺たちが正当な理由でレティシアを取り戻せる方法。
まぁ、正当じゃなければこの場で叩き潰すという方法があるにはあるのだが……
それだけは使いたくない。
「今回【サウザンドアイズ】にはその【決闘】での仲介をお願いしたく参りました。
……もし、もしも【ペルセウス】が【決闘】を拒むようであれば【
「絶対に嫌だ」
ルイオスは興味もなさそうに【決闘】を拒否した。
十六夜と飛鳥は目を一瞬だけ見開いたのだが、直ぐに元の……いや、少しだけ怒気が混ざった顔をしていた。
黒ウサギにいたってはその顔を驚愕の色に染めていた。
「……は、はい……?」
「だから、嫌だ。
【決闘】だなんて冗談じゃない。
それにあの吸血鬼が暴れまわったって証拠があ るの?」
「それなら彼女の石化を解いてもらえば……」
「駄目だね。
あいつは一度逃げ出したんだ。
出荷するまでは石化は解けないし……君たちと口裏を合わせてないとも限らないじゃないか。
……そうだろ?【元・お仲間さん】?」
その嫌味ったらしい言葉、嫌に気に障る声、三日月状に開かれた口……。
……駄目だ……まだ我慢しないと……。
十六夜ですら暴れていないのに俺が暴れる訳にはいかない。
「それに、吸血鬼が逃げたのだってお前たちのせいだろ?お前たちが盗んだんじゃないのか?」
「な、何を根拠にそんな事を――――」
「ほら、君たちだって証拠が無いと認めない。
だから僕も証拠が無いから【決闘】を拒否するんだよ」
あまりにも屁理屈をならべるルイオス。
まるで小さい子供のようだ。
「……まあ、どうしても【決闘】に持ち込みたいならちゃんと調査しないとねぇ………
……もっとも…… ちゃんと調査されて一番困るのは全く別の人だろうけど……?」
ルイオスのニヤニヤとした笑みは白夜叉に向けられていた。
白夜叉も睨み返してはいるのだが、そこには悔しさの表情が浮かんでいた。
……大丈夫まだコイツは何もしていない。
落ち着け俺……落ち着くんだ……。
「……それじゃあ、さっさと帰ってあの吸血鬼を売る準備をしないと。
愛想ない女って嫌いなんだよね、僕。
……特にアイツは身体もほとんど餓鬼だしねぇ……」
困ったような顔をしながらヤレヤレと首を振るルイオス。
「それでもまあ?見た目は可愛いから?
その手の愛好家には堪らないだろ?
気の強い女を裸体のまま鎖でつなぎ組み伏せ啼かすってのが好きな奴も居るし?
こう、太陽という名の天然の牢獄に囚われて永遠に玩具になる美少女ってさ……なかなかエロくない?」
俺たちを挑発するかのような言葉を並べるルイオス。その笑みはニヤニヤと気持ちが悪い。
飛鳥は眉をひそめながら肩を抱いている。
黒ウサギも髪を緋色に染めているが、必死で堪えている。
そんな俺たちの反応が面白くなかったのかルイオスは溜め息を吐きながらまた口を開く。
「……はぁ……でもさぁ?
だってさ、箱庭から売られるだけじゃなくて、恥 知らずな仲間の所為で【ギフト】までも【魔王】に譲り渡さないといけなくなったんだからねぇ……」
「…………なっ!!!??」
「それってどういうことなの?!」
黒ウサギと飛鳥は動揺したように声をあげた。
その反応が気にいったのか、ルイオスはまたニヤニヤと笑い出した。
「それを馬鹿な無能共の無茶を止める為に捨てて、ようやく手に入れた自由も所詮は仮初のもの!
他人の所有物なんて極め付けの屈辱にまで耐えて駆けつけたってのに、その仲間はあっさり自分を見捨てやがる!!
……目を覚ましたアイツは一体どう思うんだろうねぇ……?」
アハハハハハハと下品にも笑い声をあげるルイオス。
黒ウサギはその言葉によって哀しそうな顔をした。
おそらく……悟ったのだろうレティシアがどれだけの代償を払いここまで来たのかを……。
そんな黒ウサギの表情を見たルイオスはニヤリと笑って提案を始めた。
「……ねえ、黒ウサギさん?このまま彼女を見捨てて帰ったら、コミュニティの同士として申し訳が立たないよね……?」
「………どういう……ことですか……?」
「取引をしようよ。
【吸血鬼】を【ノーネーム】に返してやる。
……その代わりにさ――――僕は君が欲しい。君は一生僕に隷属するんだ」
「……なっ?!!!」
両手を開きながら黒ウサギに向かってそういったルイオス。
この提案は至極簡単だ。【レティシア】の代わりに【黒ウサギ】を寄越せと言っているのだ。
「冗談じゃありませんわっ!!!
……外道だとは思っていたけどここまでだなんて私も予想外よ……!!!
黒ウサギこんな奴なんて放っといて行きましょう!」
黒ウサギの手を引いて立ち上がろうとする飛鳥だったが、黒ウサギはうつ向きその場を動かない。
ルイオスは嫌らしい笑みを浮かべ口を開いた。
「アッハッハッハッハ!!!
君は【月のウサギ】だもんなぁ!
仲間の為に煉獄の炎に焼かれるのだって本望だろう……?」
「…………」
うつ向く黒ウサギに近づいたルイオスは更に黒ウサギを追い詰めるかのように言葉を繋ぐ。
「ほら……どうしたの?
ウサギってのは義理とか人情とかそういったもんが好きなんだろ?
そんな
なぁ、どうなんだよ」
ルイオスが黒ウサギに触る寸前に我慢の限界なのか飛鳥が【ギフト】を行使した。
「【黙りなさい】っ!!!!!!」
「っ………?!!……!??」
ルイオスはその口を縫われたかのように開けなくなっている。
「もう我慢の限界よ……!!【そのまま地に頭を伏せてなさい】っ!!!!」
「っぐっ……?!!!」
ルイオスは飛鳥の言葉通りその頭を地に伏せた。
……しかし、ルイオスは腐ってもコミュニティ【ペルセウス】のリーダー。
その強さならばある程度に達している。
つまり―――――
「……おぃ……女ァ……!そんなのが、通じるのは………格下だけだ馬鹿がァァっ!!!!」
―――――今の飛鳥では完璧にルイオスを縛ることは出来ない。
飛鳥の行動に怒ったのか、ルイオスはその手に曲線を描く刃をもつ鎌、ギリシャ神話では【ハルパー】という名をもつ武器を取りだし、飛鳥に斬りかかった。
……が、その刃は飛鳥に当たることは無かった。
間に割り込んだ十六夜がいとも簡単に指一本で【ハルパー】を受け止めたのだ。
十六夜の顔には笑みが浮かんでいた。
「くっ……このっ……!!!」
押し返されたルイオスは十六夜を睨み攻撃の態勢をとった。
しかし、白夜叉がその二人を止めた。
「えぇいっ!!!!止めんかこのたわけ者共が!!!
夜鶴!!おんしm――――ヒッ?!!!」
白夜叉が俺の方を見ると小さな悲鳴をあげた。
「……ん?……あぁごめん白夜叉ちゃん……
「お、おんし……
白夜叉の俺を見る目が驚愕に染まっていた。
あらら……白夜叉ちゃんにばれちゃったか……。
「まぁ、話はまた今度……
……さて、ルイオス君だっけ……?」
「おっ!君も可愛いんだねぇ!君も【
ルイオスは俺に近づくと頬を撫でてくる。
……もう……我慢ならない……
せっかく今まで我慢してたのに……
「なんならさっきの君も来ないかい?
反抗的な娘を調教s――「この塵芥風情が……」……あぁん……?」
俺の言葉にルイオスは眉をひそめた。
「お前……たかが【ノーネーム】の小娘が【ペルセウス】リーダーである僕に『塵芥風情』だと……?」
俺の胸ぐらを掴むとまたも【ハルパー】を取りだし構えた。
「ふざけるなよ小娘がァァァ!!!!」
「ルイオス止めろ!!!そやつに手を出してはいかん!!!!」
白夜叉の慌てるような声。
しかし、遅い。ルイオスの【ハルパー】は俺に振り下ろされた。
「――死ね……」
俺は、拳を振るった。
十六夜に振るったモノとは訳が違う。
【ハルパー】は砕け散り拳はルイオスに向かう。
――――ギャイィィィン!!!
ルイオスに当たる寸前にナニかがさしこまれた。
しかし、拳風によりルイオスは吹き飛ばされ店の塀に叩きつけられた。
塀にはクレーターまで出来ている。
「……白夜叉ちゃん……」
「おんし……今ルイオスを確実に殺すつもりだっただろう……?」
さしこまれていたのは白夜叉の手にあるナニか。
おそらく相当なモノなのだろう。
「ごめん……助かったよ……危うく」
――殺す所だった……
その言葉にその場はしん、となった。
「……ひとまずおんしたちはコミュニティに帰れ。
今回のことは双方不問とせい。
ルイオスのことは正当防衛じゃからな気にせんでもよい」
「……わかりました……
白夜叉様……先程の話考えて置くとお伝え下さいませ……」
「なっ?!黒ウサギ!???」
飛鳥が黒ウサギの言葉に驚愕の表情を浮かべた。
「……心得た。必ず伝えよう」
こうして俺たちは【ノーネーム】へと帰って行った。
……ゲームに備えて殺さない為の能力を創らないとな……
今だ決まっていないゲームに備える俺だった。
空に輝く【ペルセウス】の星座。
ゴーゴンの首の位置にあたる恒星……【アルゴル】と呼ばれる。
【アルゴル】は【食変光星】と呼ばれるのだが、ナニかがおかしい。
俺はそれに笑みを浮かべた。
さて……ルイオスをどうやってボコボコにしましょうか……。
悩むモノですね……。
皆さんこれからも宜しくお願い致します♪