【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ? 作:夜叉猫
書くのがとてもたのしくなって来ました♪
それでは、皆様お楽しみ下さいませ。
俺が転生してから十五年。
その間に色々なことがあった。
まずこの世界でも俺には親がいなかった。
俺は転生そうそう捨て子になっていた。
まぁ、そこはチート&バグキャラな俺である。
身体を変化させる能力によって成長し、一人暮らしをすることが出来たので問題はなかった。
「あぁ~……暇だ……」
そんな俺も能力を使わずにやっとここまで成長することが出来た。
しかしオーミの奴俺の容姿を【空の境界】に出てくる【
「あぁ~……早く原作始まらないかなぁ……」
最近の悩みは女に間違われる以外に暇だということだ。
能力も全て確認したが、どれも箱庭に行かないと目立つものばかりだ……まぁ、箱庭でも目立つだろうけど……。
俺は、寝転がるベットの上で早く原作が始まることを願いながら眠りについた。
Side 三人称
夜鶴が眠りについたその時、まさに原作が始まろうとしていた。
――ある快楽主義な少年は、川辺で……
――ある御嬢様な少女は、部屋の中で……
――ある動物が友人な少女は、猫から……
自分宛の不思議な手紙を手に入れていた。
『逆廻 十六夜 殿へ』
『久遠 飛鳥 殿へ』
『春日部 耀 殿へ』
三者三様の反応を浮かべたが、結局とった行動は皆同じ。
その手紙を開封したのだった。
――『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むならば、
己の家族を、 友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの【箱庭】に来られたし』――
そして、勿論夜鶴の元へもその手紙は届いていた。
『不知火 夜鶴 殿へ』
「やっと……やっと原作開始かぁ……楽しみだなぁ……やっとオーミに逢える」
そう言いながら夜鶴は手紙を開封したのだった。
「わっ!?」「きゃっ?!」
「えっ!?」「にゃっ?!」「よっしゃ!」
少しばかりの悲鳴が木霊する。
彼らの四人+一匹の目の前に広がっていたのは、完全無欠に異世界だった。
これから、夜鶴のお話が始まって行く。
Side Out
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
辺りの風景はまるっと切り替わり、見たことのないような風景が広がっていた。
今の時代コンクリートジャングルの多い町中でこれだけの自然を見たことのある者がどれだけいるだろうか。
青々と生い茂る草木に静かに流れる小川。
その向こうには栄えているであろう近未来的な街が存在している。
好奇心を揺さぶられる光景に両手放しで喜びたいのだが、そんな余裕はない。
何故ならば――
――俺たちは上空4000mからのパラシュート無しスカイダイビングをしているのだから。
「結構怖いぃぃぃぃい!!!?」
俺は、能力を使うのも忘れそう叫んだ。
一瞬の内に着水。湖には4つの水柱と1つの小さな水柱がたてられた。
湖から自力であがった俺たちは、というか問題児たちは、口々に文句を言い始める。
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺り込んだ挙句、空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。
場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。
石の中 に呼び出された方がまだ親切だ。」
「石の中じゃ動けないでしょ」
「俺は問題ない」
「そう、身勝手ね」
「此処.........どこだろう?」
「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえ か?」
本当にどんな頭と視力してるんだろうってくらいよく見てるね……
それにしても……間近で見ると性格ねじまがってるなぁ……
しかも問題児オーラが半端ないわ……
『俺超問題児!!』ってオーラと『超御嬢様!!』ってオーラに『無関心』ってオーラが漂ってるよ。
服から水を絞り終えたのか、十六夜が髪をかきあげ俺たちの方を向いて喋り始めた。
「まず間違いはないだろうが…オマエらにもあの変な手紙が?」
「えぇ、そうよ。だけどまずその【オマエ】って呼び方やめてくださる?私は【
飛鳥は十六夜にそういうと、今度は座って猫を拭いている少女に視線を向けた。
「そちらの猫を抱えている貴女は?」
「…【
「そう、よろしく春日部さん。そこの野蛮で凶暴そうな貴方は?」
ん~……散々な言われ方だなぁ……
俺ならキレる自信があるね。
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な【
用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様?」
「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」
十六夜はそういうと、俺の方を見た。
確かに自己紹介は大切だよな。
「んで、そこの和服のアンタは?」
「俺か?俺は、【
俺は、ニコリと笑ってそういった。
俺は、オーミを愛してるから間違いではない。
ちなみに、俺は【両儀 式】の容姿の為、和服が似合う。だから多くは和服で過ごしているのだ。
「……失礼だけど、不知火さんは女性?それとも男性?」
飛鳥が俺を見て尋ねて来る。
やっぱり俺が男だと、断言されることは無いんだな……。
「久遠さん。俺は、男だよ?」
それを聞いた三人に驚いたような顔をされてしまった。
今まで無関心だった春日部さんまで反応したのが地味に傷ついた。
「ごめんなさい。私はてっきり女性だと思っていたわ」
「ヤハハ。俺も女だと思ってたぜ」
「貴方と一緒だなんて傷ついたわ」
最後の最後に毒を吐いた飛鳥。
本当に性格ねじまがってるなぁ……。
心からケラケラと笑う逆廻十六夜。
傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。
我関せず無関心を装う春日部耀。
そんな三人を観察する不知火夜鶴。
物陰から見ているであろう黒ウサギはそう捉えているはずだ。
(うわぁ……何だか問題児ばっかりみたいですねぇ……)
……なんだろう。
心の声が聞こえた気がする。
しかも不本意ながら俺まで問題児判定されてるような感じの。
黒ウサギも大変なんだろうなぁ……。
なんせ、自分たちが召喚した助っ人なのに……十六夜たちが協力する姿なんて想像出来ないだろうし。
少なくとも俺は客観的に見て想像できそうにない。
その時重いため息が聞こえた気がした。
しばらくして十六夜が苛立たしげに喋り始めた。
「……で、呼びたされたのはいいけどなんで誰もいねえんだよ?
この状況だと誰か説明する奴ぐらいいるんじゃねえか?」
「そうね。何の説明もないままでは動きようがないもの」
「……。この状況に対して落ち着きすぎているのもどうかと思うけど……」
「まぁ、仕方がないんじゃないかな?」
黒ウサギだって今の状況を見て焦ってるんだろうし……
すると、十六夜はしばらくためたあとに
「――仕方がねえな。こうなったらそこに隠れているやつにでも話を聞くか?」
少し大きめな声でそういった。
黒ウサギ……君もっと早く……むしろ最初からいたほうが良かったと思うよ……。
俺の心の声は時既に遅しである。
「なんだ貴方も気づいていたの?」
「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?春日部と夜鶴も気づいていたんだろ?」
「……風上に立たれたら嫌でもわかる」
「長年の経験上ね……」
「へぇ……おもしれぇなお前……」
目の笑っていない十六夜。
まさか、ターゲットにされちゃったかな?
そんななか気配の主――黒ウサギがでてきた。
「や、やだなあ御四人様。
そんなら狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギはしんじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独 と狼はウサギの天敵でございます。
そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ 穏便にお話を聞いていただけたら嬉しいでございますョ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「……強く生きてね」
「あっは、取りつくシマもないですね♪」
バンザーイ、と降参のポーズを取る黒ウサギ。
しかし、黒ウサギの目は俺たちを値踏みするかのようにしていたのを俺は見逃さなかった。
そんな中で春日部さんは黒ウサギに近づいて行き、その頭についているウサギ耳を掴むと力一杯引っ張った。
「えい」
「フギャ!」
気の抜けたようなしかし、切実な黒ウサギの悲鳴があがった。
「ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」
黒ウサギは自らの耳を護るように手をあげると春日部さんに問い掛けた。
「好奇心の為せる業」
「自由にも程があります!」
黒ウサギは今度は俺に視線を向けると必死の表情で言った。
「どうか……どうかお助け下さい!!」
「……強く生きて……」
俺はその言葉に軽くそう返すと黒ウサギの顔は悲しみで染まった。
そんな黒ウサギに追い討ちをかけるかの如く、十六夜たちが動き始めた。
「へえ? このウサ耳って本物なのか?」
「………。じゃあ私も」
十六夜は右。飛鳥は左のウサギ耳を掴むと左右同時に引っ張った。
「フギャァァァァァァッッ!!!??」
そんな叫び……いや、悲鳴が辺りを木霊した。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」
「いいからさっさと進めろ」
半ば本気の涙を瞳に浮かべる黒ウサギに同情する者は誰一人として居なかった。
まあ彼女の話を『聞くだけ聞こう』という程度には全員耳を傾けているだけマシなのだろうか……。
「それではいいですか、御四人様。定例文で言いますよ?言いm「さっさと言え」……ようこそ、【箱庭の世界】へ!
我々は御四人様にギフトを、与えられた者達をさだけが参加できる【ギフトゲーム】への参加資格をプレゼンさせて頂こうかと召喚いたしました!」
「ギフトゲーム?」
「そうです!既に気づいていらっしゃるでしょうが、御四人様は皆、普通の人間ではございません!
その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵なのでございます。【ギフト ゲーム】はその【恩恵】を用いて競い合うためのゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に作られたステージなのでございますよ!」
大げさに両手を広げ、俺たちに説明していく黒ウサギ。
飛鳥はその説明に対して質問するために手をあげていた。
「まず、初歩的な質問からしていい?
貴方の言う【我々】とは貴女を含めた誰かなの?」
「Yes!異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多とある【コミュニティ】に属していただきます♪」
「嫌だね」
十六夜はコンマ数秒で拒否を口にした。
「属していただきます!!!
そして【ギフトゲーム】の勝者はゲームの【主催者】が提示した賞品をゲットできるというとってもシンプルな構造となっております」
「………【主催者】って誰?」
「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開発するグループもございます。
特徴として、前者は自由参加が多いですが【主催者】が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。
しかし、見返りはおおきいです。【主催者】次第ですが、新たな【恩恵】を手にすることも夢ではありません。
後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗退すればそれらは【主催者】のコミュニティに寄贈されるシステムです」
「後者は結構俗物ね……チップには何を?」
「それも様々ですね。金品、土地、利権、 名誉、人間、……そしてギフトを賭け合うことも可能でしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然ご自身の才能も失われるのであしからず」
黒ウサギはその笑みのなかに黒さを混ぜる。
これは俺たちを怖がらせようとしているのだろうか?
もしそうならあまりにもお粗末過ぎる。
飛鳥はその持ち前の挑発的な声音で黒ウサギに質問をする。
「そう。なら最後に一つだけ質問させてもらってもいいかしら?」
「どうぞどうぞ♪」
「ゲームはどうやったらは始められるの?」
「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければOK!商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加して行ってくださいな」
「………つまり【ギフトゲーム】はこの世界の法そのもの、と考えてもいいのかしら?」
案外鋭い飛鳥の問いに黒ウサギは感心したかのような声をあげてまた喋り出す。
「ふふん?なかなか鋭いですね。
しかし、それは八割正解、二割間違いです。我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。
……が、しかし! 【ギフトゲーム】の本質は全く逆!!一方の勝者だけが全てを手にするシステムです。
店頭に置かれている賞品も、店側が提示したゲームやクリアすればタダで手に入れることも可能ということですね」
「そう。なかなか野蛮ね」
「ごもっとも。
しかし、【主催者】は全て自己責任でゲームを開催しております。
つまり奪われるのが嫌な腰ぬけは初めからゲー ムに参加しなければいいだけの話でございます」
そう告げると黒ウサギは一枚の封書を取り出した。
「さて、皆さんの召喚を依頼した黒ウサギには、箱庭の世界における全ての質問に答える義務がございます。
……が、それら全てを語るには少々お時間がかかるでしょう。 新たな同士候補である皆さんを何時までも野外に出しておくのは忍びない……。
ここから 先は我らのコミュニティでお話させていただきたいのですが………よろしいですか?」
「……待てよ、俺がまだ質問してないだろ?」
今まで清聴していた十六夜が黒ウサギに向かって真剣な顔で話しかけた。
「……どんな質問でしょうか?ルールですか?それともゲームそのものですか?」
「そんなのはどうでもいい。
俺が聞きたいことは一つ。
――この世界は面白いか?」
十六夜の言葉に俺を含む全員が黒ウサギを見詰め次の言葉に耳を傾けた。
「――Yes。【ギフトゲーム】は人を超えたものたちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
黒ウサギは目を輝かせ楽しそうにそして嬉しそうに自信満々で答えた。
確かに直に体験して見ると面白そうな世界だ。
オーミに感謝しないとな。
ひとまずここで区切りです!
早く夜鶴に無双させたいです……
皆様感想などお待ちしています!