【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?   作:夜叉猫

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長い間更新出来なくてすみませんでした!

ちょっと色々と悩んでまして……

悩んでいたというのも十六夜の今後の扱いなのですがね……
それが、ようやく決まったのですが……この話で皆さん分かってしまいますかね?

それでは、本編をどうぞ♪


~【神の気まぐれ】だそうですよ?~

指から離れ、宙を舞う銀色のコイン。

俺はそのタイミングペストを見ながら一言呟いた。

 

「……ちなみにだけど……。

このギフトゲームで負けても君たちのギフトゲームである【The PIED PIPER of HAMELIN】はクリアされたことにはならないから安心してね?」

 

「あら、そんな心配は微塵ともないわ。

……だって勝つのは

グリムグリモワール・ハーメルン(私たち)】だもの」

 

ペストは余裕そうな笑みを浮かべながらそう言ってニヤリと笑うと―――

 

―――キィンッ

 

コインの地に落ちた音と共に攻撃を仕掛けて来た。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

Side ペスト

 

私たちはコインが落ちた瞬間に攻撃を始めた。

勿論―――速攻でこのギフトゲームを終わらせる為に。

ラッテンは私の考えを読んだようにフルートを唇にあて、すぐに演奏を始める。

フルートから広がる不協和音はまさに私たちの為の音楽。

 

「……くっ……」

 

その不協和音を耳にした男―――確か夜鶴だったかしら?―――は肩膝をついた。

ふふふ……効いているみたいね……。

そして、そこにヴェーザーが突撃していき、その手に持つ巨大な笛を振るう。

 

「オラオラどうしたァァア!!

さっきの威勢はどこ行った嬢ちゃん!!」

 

随分と楽しそうに巨大な笛を振るっているヴェーザー。

巨大な笛はさながら鞭のようにしなりながら夜鶴を襲っている。

一方夜鶴は腕を使って辛うじてヴェーザーの猛攻を防いでいる。

私も参加してもいいのだが、うっかり殺してしまったらいけない。

故に、私はラッテンとヴェーザーに任せている。

 

「さぁ、降参したらどう?

貴女もう立つこともままならないでしょう?」

 

ラッテンの魔笛の音色を聞いて屈服しなかっただけでも称賛の言葉を贈ってあげたいくらいだ。

 

「………………」

 

しかし、私の言葉に対して夜鶴は何も口にしない。

 

「……ヴェーザーやっちゃって」

 

「はいよ……マイマスター!!!」

 

そういったヴェーザーは巨大な笛を天高く振り上げる。

すると、今までの攻撃で飛び散った岩石、粉塵、などが集まりひとつの塊となった。

そして、その塊をヴェーザーは力一杯に叩きつけた。

弾ける塊。夜鶴に向かって飛んでいくのは鋭く尖った岩のナイフ。

あそこに私の死を運ぶ黒き風を混ぜるのもまた一興だが、それをしてしまえば確実に死んでしまうだろう。

だから、やらない。

あの娘には私に隷属してもらわないといけないから。

 

「こいつはついでだァア!!」

 

そういって、ヴェーザーは再び巨大な笛を横薙に振るった。

すると、不気味な風切り音が響き、夜鶴の居る場所の地面がさながら生き物のように動く。それは夜鶴の体にまとわりつくかのように蠢き、夜鶴の行動を許さない。

 

(これで……私たちの勝ちね)

 

私がそう思いながらニヤリと笑うと同時にヴェーザーの攻撃が身動きの取れない夜鶴に直撃した。

 

―――ドグォォォォンッッッ!!!

 

衝撃音と共に辺りにまう土煙。

崩れゆく地面がヴェーザーの攻撃の威力を物語っている。

 

「殺してはいないわよね?ヴェーザー」

 

「あぁ。死んではいねぇはずだぜ?」

 

肩に巨大な笛を担ぎながらヴェーザーは呟いた。

ラッテンもフルートの演奏を止めている。

私は勝利を告げる【契約書類】の登場を待った。

 

―――しかし、私たちの前に現れたのは……

 

「もう終わりかい?魔王様」

 

―――無傷で立つ夜鶴の姿だった。

 

 

Side Out

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「あ、貴女……!なんで無傷……」

 

土煙が晴れ、俺の姿をみたペストは驚愕の表情を貼り付けていた。

 

「いや、むしろなんであの程度の攻撃で俺を倒せると思ったんだい?」

 

砂埃を払いながらの俺の言葉にヴェーザーは大きく瞳を開く。

おそらく、あの攻撃に少なからずの自信があったのだろう。

 

「……くっ!!」

 

焦りの表情を浮かべたラッテンは唇にフルートをあて、演奏を始めた。

広がる不協和音が俺を包み始める。

 

「ヴェーザー!!次は私も殺るわ!

本気で殺っちゃって!!」

 

「動けねぇ今が殺り時ってかァッ!!」

 

そういったヴェーザーは俺に突撃してくる。

しかし、二人とも何を勘違いしているのだろう……

 

「……誰が動けないって?」

 

―――俺がいつ動けないと言ったのだろうか?

 

突撃してくるヴェーザーの巨大な笛を片手で掴む。

 

「なっ?!!お前動けないんじゃねぇのか!?」

 

「何の話をしているんだい?」

 

俺は掴んだ巨大な笛を引き寄せ、ヴェーザーに蹴りを入れる。

メキメキメキッ、という嫌な音がヴェーザーから聞こえて来たが死んではいないはずだ。

俺の蹴りによって吹き飛んでいくヴェーザーは建物を三棟ほど貫通して四つ目の建物にぶつかったところでようやく止まる。

 

「ヴェーザーッ!!!」

 

ラッテンの悲痛な叫びが響いて来た。

ペストは俺を信じられないモノを見たかのような目で見詰めている。

 

「あ、貴女……ラッテンの魔笛の音色を聴いてなんともないの……?」

 

「笛の音程度なら高が知れているだろう?」

 

俺がペストの言葉に返事をすると次はラッテンが大きく瞳を開いた。

 

「じゃ、じゃぁ、なんで最初膝をついたのよ?!」

 

「効いていたフリをしただけだよ。

君たちの攻撃を見てみたくてね」

 

その言葉に絶望したような表情を浮かべるラッテン。

俺はそんなラッテンに刹那の間に近づくと、【一撃】腕を振るった。

 

「ッ!……かはぁッ?!!?!!」

 

ラッテンはヴェーザーの貫通していった建物を同じように貫通していき、ヴェーザーの隣にぶつかり、止まった。

崩落を始める建物三棟を背に俺はペストを見詰める。

 

「……さぁ……これからだよ?魔王様」

 

「くっ……!!」

 

ペストは悔しそうな、憎そうな表情を浮かべながら行動を開始した。

黒い風を撒き散らしながら高速で動き回る。

そんなペストの姿を見ながら目を瞑り、一言。

 

「……【黒死病】」

 

「……ッ!」

 

俺の呟きにペストは動きを止めた。

ジッとこちらを見詰めるペストに対して俺は何もせず、ただ話を始めた。

 

「十四世紀から始まる寒冷期に大流行した人類史上最悪の疫病……だったかな」

俺は辺りに撒き散らされた黒い風を見詰めながらそう言う。

 

「……なんで分かったの?」

 

「【ラッテン】、【ヴェーザー】……先程俺が沈めた男女の名前だったね。

そしてあの陶器の巨兵は【シュトロム】。

そこまで分かれば君のことくらい分かるよ」

 

ペストは俺の言葉を聞いて笑ったとても面白そうに。

 

「……俄然貴女が欲しくなったわ……夜鶴!!!」

 

辺りに漂う黒い風、そして新たにペストから発生した黒い風が俺を包み始めた。

しかし、この風には【死】を感じない。

 

「……これは?」

 

「貴女には死んでもらっては困るの。

その風は貴女の意識を奪う為のモノよ。

大丈夫、次に目を醒ませば全て終っているわ」

 

ペストは悪い笑みを浮かべながらそう語った。

俺の周りを黒い風が全て覆う。

そして、近づいてくるペスト。

 

「さぁ……今度こそ私の勝ちよ……」

 

その姿を見た俺は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――笑みを浮かべた。

 

「ッッッ?!!」

 

俺の表情を見た途端にバッ、と身を翻したペストだったが……遅い。

黒い風の中から手を伸ばし、ペストの脚を掴んだ。

 

「あ、貴女……なんで動けて!?」

 

「……君の敗因は……俺の【ギフトゲーム】を受けたこと(・・・・・)だ」

 

そういって、ペストのお腹に蹴りを一撃放った。

吹き飛ぶペストは建物に激突―――

 

―――しなかった。

 

「「マスター!!」」

 

ヴェーザーとラッテンがペストが建物に激突する直前にその身を割り込ませて勢いを止めた。

 

「ラッテン……ヴェーザー……」

 

ペストは口から血を溢れさせながら名を呼んだ。

 

「大丈夫かよ……マスター?」

 

「負けちゃいましたね……マスター?」

 

二人はそう言って気を失った。

ペストはよろよろと立ち上がり、腕を抱えながらこちらを見詰めてくる。

 

「……ねぇ、夜鶴」

 

「何かな?ペスト」

 

俺はゆっくりとペストに近づいて声を返す。

 

「このゲーム……負けても私たちのゲームはクリアにならないのよね……?」

 

「勿論。これは俺の気まぐれから始まったゲームだ。

故に、君たちのゲームには干渉しないようにしてある」

 

俺の言葉を聞いたペストは少し、笑みを浮かべながらそう、と短く返す。

 

「なら、このゲーム私たちの負けよ……

私たちは降参するわ」

 

その言葉と共に俺の勝利を告げる【契約書類】が手元に現れた。

 

「次は私たちのゲームで勝負よ……夜鶴」

 

ペストはそう言うと、気を失った。

崩れ落ちるペストの身を受け止めて、俺は創り出したマットの上にゆっくりと寝かせた。勿論、ラッテンとヴェーザーも同様にマットの上寝かせる。

 

「……悪い娘じゃ無いみたいだね」

 

そういいながら、俺は【ギフト】、【神を癒したもう者(ラファエル)】で治療する。

初めに治療するのはヴェーザー。

俺の蹴りによりおそらく肋骨が砕けているはずだ。

緑の淡い光と黄色の柔らかい光がヴェーザーの体を包み込む。

そして、片手間に一番傷の浅い……とは言ってもいくつかの骨が折れているラッテンの治療も行う。

 

「……これで……良し」

 

完治させるのに僅か数秒。

我ながら規格外の効果である。

そして、最後にペストの治療に取り掛かる。

ペストは俺の蹴りをまともに受けた。

しかも、女性で子供。一番傷が深いだろう。

おそらく、内臓が一つ二つ破裂しているのでは無いだろうか。

俺はペストのお腹に手をかざし、【神を癒したもう者】の力を全開で浴びせた。

その余波の影響か、ラッテンとヴェーザーの意識が回復したようだ。

背後で立ち上がる気配を感じた。

 

「おい……何してる嬢ちゃん」

 

「治療だよ……君たちの傷も治してるけど体力までは戻してないからあんまり無理しない方が良いよ」

 

そう言うと、ラッテンとヴェーザーは自らの体を確認するように見回した。

 

「……マジで治っていやがる……」

 

「ホント……むしろ初めより体調が良いわ」

 

ヴェーザーとラッテンはそう呟くと治療中のペストに近づいた。

俺は治療が済んだので一歩下がった。

流石に内臓を治すのには十秒ちょっとかかってしまった。

 

「ペストは体力も回復させておいたからすぐに目が醒めるよ」

 

俺はラッテンとヴェーザーにそう伝えると、立ち上がり再び口を開いた。

 

「これから元の世界に戻るからペストちゃん(・・・)を抱えておいてね?」

 

「わ、分かったわ」

 

ラッテンが返事を返したのでこの世界――【模倣(コピー)する者】でコピーした世界――から元の世界に戻った。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「痛ってぇ……なんだよ夜……づる……」

 

戻った瞬間に十六夜の声が聞こえて来た。

俺が振り返るとそこには目を見開く十六夜の姿があった。

 

(……あ、三人の服装変えるの忘れてた……)

 

全身血みどろの姿のペスト、ヴェーザー、ラッテン。

十六夜には俺が一瞬で半殺しにでもしたように映っていつのではないだろうか。

 

「ち、違うんだよ?十六夜」

 

俺が近づくと肩を震わせ、俯く十六夜。

怖がらせてしまったか?と思い、十六夜の次の句を待っていると……

 

「ずるいぞ夜鶴!!

俺にもやらせろよ!!」

 

……案外怖がっていなかった。

むしろ、好戦的な瞳だ。ギラギラと光っている。

 

「ご、ごめんごめん……でも、多分まだ戦う機会はあるからさ、許してくれないかな?

なんでもしてあげるからさ?ね?」

 

俺が手を合わせながら頼むと、十六夜はニヤリと笑いながら口を開いた。

 

「今度女体化して俺と遊べ。

それでチャラだ」

 

「………………えっ?」

 

俺は己の耳を疑った。

てっきり『俺と戦え』とでも言うかと思ったのだが……。

 

「だから、今度女体化して俺と遊べ!」

 

「ま、まぁ……良いけど……。

……そんなので良いの?」

 

「あぁ……良いんだよ」

 

そう言って十六夜はそっぽを向いた。

そんな十六夜に向かって声をかけようとした瞬間、辺りに激しい雷鳴が鳴り響いた。

 

「【審判権限(ジャッジマスター)】の発動が受理されました!

これより、ギフトゲーム【The PIED PIPER of HAMELIN】は一時中断し、審議決断を執り行います!

プレイヤー側、ホスト側は共に交戦を中止し、速やかに交渉テーブルに移行してください!!

繰り返します―――」

 

黒ウサギが輝く三叉の金剛杵を掲げ、高らかに宣言した。

 

「……行こっか十六夜」

 

「……そうだな」

 

短いやり取りをして、俺と十六夜は皆の元へと向かっていった。

 

(はぁ……ギフトゲームはどうなるのかな……)

 

俺はそんなことを考えながら歩いていた。

 

 

 

 




はい、という訳で今回の話でしたが……
ともかく短かったですね……。
いつもは六千字はかいているのですが、今回は約五千字。
ちょっとスランプ気味なのですよ……。


それはそれとして、今回は【夜叉猫の料理話】なのですよ♪
今回はおみあげにもちょうどいいお菓子なのですよ♪
材料は冷凍のパイ生地とチョコレートです!

まず、解凍したパイ生地に軽く卵黄を塗って、砕いたチョコレートを押し込むようにパイ生地に乗せます!
そして、クルクルと巻いてから少し置いておきます。

後はロールケーキを切るように切ってから温めておいたオーブンで焼きます!
あまり白っぽいとサクサク感が無いので、綺麗に焼きましょう!
最後に私は溶かしたチョコレートを少しかけて冷やして完成です!!

このレシピはこないだ友達に教えて貰ったんですけどかなり美味しくてオススメです!

皆さんもお試しあれ♡



それでは、また次回をお楽しみに♪
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