【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?   作:夜叉猫

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今日は私の数少ない仲のいい男の子の友達と遊んだんですが小説の話で盛り上がりましたっ♪

You Tubeでの動画も面白かったです♪
やっぱり歌い手さんたちって凄いですね~

では、本編をお楽しみ下さい♪


~水樹とコミュニティだそうですよ?~

二一零五三八零外門。

そこにコミュニティ【ノーネーム】の本拠地があった。

入り口である門は確かに立派ではあるものの、旗が無いからか、何処か寂しさを感じる。

 

「此処が我々のコミュニティの本拠でございます。

しかし、我々の活動する本館まではしばらく歩かなければなりませんが御了承下さい。

……この辺りはまだ戦いの名残が残っていますので……」

 

黒ウサギは寂しそうな表情を一瞬した。

戦いの名残か……

 

「戦いの名残って言うのは魔王との戦いか?」

 

「ちょうど良いわ。

箱庭最悪最凶の天災が残した爪跡を見せて貰おうじゃないの」

 

「……私も興味がある」

 

問題児たちの言葉になんとも言えないような表情をしながら、扉をゆっくりと開けた黒ウサギ。

そこに広がっていたのは――――

 

――――荒れ果てた荒野と言っても過言ではない一面の廃墟だった。

 

「「「なっ?!!!」」」

 

「これは……酷いな……」

 

自分の予想以上だったのか目を見開く十六夜。

その異様さに立ち尽くす飛鳥。

荒れ果てた地を見て開いた口が塞がらない耀。

三者三様の様子に黒ウサギは重い雰囲気を出している。

 

十六夜がスッと目を細めると、側にある木製の建物の残骸に近づいて行く。

そして、地面に落ちている木製の囲いを手に取った。

――ササァー

乾いた音をたてながら十六夜の手にある囲いは崩れていった。

 

「…おい黒ウサギ……その【最悪の魔王】つう奴とのギフトゲームがあったのは今から何年前の……いや、何百年前の話だ……?」

 

「……僅か三年前でございます……」

 

「ハッ……それは面白いな、いや、マジで……本気で面白いぞ……。

この風化しきった街並みが三年で完成しただと?

……軽く見積もっても二百年以上は経過してる筈なんだがな……

……三百年前の間違いじゃないのか?」

 

「いいえ、この状況は三年前に襲来した【魔王】の力による惨状で間違いありません……」

 

「……なんてデタラメな……!」

 

冷や汗を流しながら飛鳥は事の状況について口にした。

 

「…どんな力がぶつかったとしても、こんな壊れ方はありえねぇ……

……断言できる、木造の崩れ方なんて自然崩壊したとしか思えないぞ……」

 

「ベランダにテーブルとティーセットがそのまま出てるわ……

……これじゃまるで生活していた人間が突然『消えた』みたいじゃない……」

 

「動物の気配も感じない……

こんな廃墟なのに動物が寄って来ないなんて……

まさか……土地が死んでるの……?」

 

辺りに散らばる数々の残骸は僅か三年で風化したなどと言われても到底信じれるようなモノではなかった。

【魔王】の力がどれ程強大か分からせるには十分である。

 

「……魔王とのゲームはそれほど未知数の戦い だったのでございます……。

……彼らがこの土地を取り上げなかったのは【魔王】としての力の誇示と一種の見せしめでしょう。

……彼らは力を持つ人間が現れると遊び心でゲームを挑み、二度と逆らえないように屈服させま す。

その証拠に僅かに残っていた仲間も心を折られ、 コミュニティを去りました……」

 

黒ウサギは悲し気にそう語った。

確かにこの状況を見せ付けられれば普通の者ならぽっきりと心を折られるだろう。

――しかし、十六夜たちは違った。

 

「【魔王】……か……。

……ハッ、いいぜいいぜいいなオイ!!!

想像以上に面白そうじゃねえか【魔王】様って奴はよぉっ!!!」

 

「……この風景を見せられたら嫌でも認めなければならないようね……

私は『弱い』わ……

……でも、だからどうしたと言うの!

むしろ、私はやる気が出てきたわ!!」

 

「私も『弱い』よ……

だけど、私は負けたくない。

私は強くなってたくさんの友達をこの手で守りたい!!」

 

それぞれ高らかにそう叫んだ。

いつもは大人しい耀が叫んだのだ。それほどに彼らには刺激的なことだったのだろう。

 

「……皆様……」

 

黒ウサギはそんな十六夜たちを見て涙を浮かべていた。

これが復興への狼煙となる希望が出たからだろう。

……なら俺はその狼煙を確実なるモノにしよう。

 

「……ねぇ黒ウサギ?」

 

「は、はいっ。な、何でしょうか?」

 

真面目な声色の俺に何かを感じたのか、黒ウサギは言葉を詰まらせる。

 

「俺は此処を元に戻せる(・・・・・)よ……?」

 

「「「?!!!?!!!」」」

 

「ほ、本当でございますかっ?!!」

 

十六夜たちは俺を見ながら目を見開いている。

黒ウサギはその目に少しの疑いがあるものの、俺の言葉に希望を感じたようだ。

 

「な、何でも致します!!

だから……だからお願いします!

この場所を元に戻して下さい夜鶴さんっ!!」

 

黒ウサギは深く頭を下げた。

すぐに戻しても別に良いのだが、俺はここでひとつ試すことにした。

 

「『何でもする』……か……」

 

俺は黒ウサギを見ると、冷たい凍るような笑みを浮かべて条件を提示する。

 

「なら黒ウサギここで今すぐ――――死ね」

 

「「「なっ?!!!」」」

 

淡々と黒ウサギに告げる俺。

十六夜たちはその言葉に声を上げた。

そして、口々に俺を非難する。

 

「おい夜鶴……。

お前言って良いことと悪いことがあるぞ……?」

 

十六夜は鋭い視線を此方に向け、拳を握り締めている。

 

「夜鶴君私は貴方良い人だと思っていたのに……

最低ね…………」

 

飛鳥は冷たい目線で俺を見詰める。

 

「夜鶴と友達になったのが私の一生の恥だよ……」

 

耀は三毛猫を抱きしめ強い口調でそういった。

 

「最低上等。

俺は今黒ウサギと取引しているんだよ?

他の人が口を挟まないで欲しいなぁ……

 

――それで?黒ウサギ。

答えはなんだい?」

 

十六夜たちにそういうと冷たい凍るような笑みを浮かべて黒ウサギに答えを聞いた。

 

「わ、分かりました……。

黒ウサギの身を犠牲にコミュニティを元に戻して下さるのなら……黒ウサギは喜んでこの身を犠牲にしましょう……」

 

そういった黒ウサギは一本の普通の短剣を【ギフトカード】から取り出した。

 

「皆様……黒ウサギが大好きなこのコミュニティを……そして同士たちをどうか……どうかお願い致します」

 

黒ウサギは短剣をふりかぶると自らの胸に向けて突き刺す。

 

――――ザクゥッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ごめんね黒ウサギ……」

 

俺はそういいながら、俺の手に突き刺さる短剣を黒ウサギから奪った。

 

「……夜鶴……さん……?

その短剣を返して頂かないと……黒ウサギは死ねないのですよ……?」

 

黒ウサギの目には涙が大量にたまっていた。

ツウと頬を伝う涙。

 

「違うんだ君は死ななくて……良いんだよ……

ごめんね……俺は君を試したんだ……」

 

「試……した?」

 

俺の言葉に今にも飛び掛かって来そうな十六夜たちも動きを止めた。

 

「そうだよ。

君がどれ程この【ノーネーム】を思っているのかを試したんだ。

結果は俺の予想以上に黒ウサギはこの【ノーネーム】を思っていたようだね……

……だって自己犠牲をしてまでも【ノーネーム】を助けようとしたんだから……」

 

俺は手に突き刺さる短剣をズブリと抜いた。

手からは血が滴る。

その姿を見た十六夜たちは俺の考えていたことを理解したのか、申し訳なさそうにした。

 

「口だけなら何とでも言える。

だけど黒ウサギは違った。

君は【ノーネーム】と言う場所を『愛して』いるんだね……」

 

最後に黒ウサギの頭を撫でながらにっこりと暖かく笑った。

すると、黒ウサギが涙を流しながら大声で泣いた。

 

「怖かったんですよっ……!!

夜鶴さんが夜鶴さんじゃないみたいでっ……!!」

 

「……ごめん」

 

「黒ウサギだって、皆様と戦うのですよっ……!!

コミュニティを思う気持ちは誰にも負けないのですっ……!!」

 

「ごめん……本当にごめんね黒ウサギ……」

 

「ヒック……ヒック……うわぁぁぁぁぁん!!!」

 

黒ウサギは俺の胸で泣いている

俺はしばらく黒ウサギの頭を撫で続けた。

 

 

――――――――――

 

 

しばらくして、十六夜たちが俺の方に歩み寄って来た。

 

「悪かったなあんなに威嚇しちまって……」

 

「私もごめんなさい……

夜鶴君の思いも考えも知らずにあんなこと言ってしまって……」

 

「私もごめんなさい……夜鶴」

 

次々と謝ってくる十六夜たち。

その表情には心底申し訳無さそうなモノだった。

十六夜の表情には、何故気づかなかったのかという悔しさも読み取れた。

 

「いや、良いんだよ……

あれは、俺が悪いんだからね……」

 

謝る十六夜たちに俺は苦笑いしながら言った。

いくら黒ウサギを試す為とはいえ、余りにもゲスな態度をとりすぎたのだから。

そして、俺は泣き止んだ黒ウサギに目を移す。

 

「……さぁ黒ウサギ。

さっきのお詫びも兼ねて此処を完璧に復活させようか?」

 

「は、はいっ!!お願いします夜鶴さん!!」

 

その顔には、あのような態度をとった俺に対しての恐怖や拒絶、怨みなどといった負の感情は見受けられない。

むしろ、その顔にはこの荒れ地を復活させる俺に対しての感謝や笑顔が浮かんでいた。

彼女は……黒ウサギは優しい……。

心が広いのだろうか?

 

「じゃあ、始めようか……」

 

十六夜たちが見守る中、俺は【ギフト】を発動させた。

 

「【創造者の娯楽】発動。

作成能力(スキル)内容指定……

 

創造(クリエイト)】……

神聖なる大地(ガイア・オブ・エデン)】!」

 

初めて作成した能力。

その効果はあらゆる大地に恵みを与え、世界に存在する植物などの自然を産み出すことだ。

 

効果はすぐに現れた。

乾き、割れた大地はその姿を緑に覆われ、本来あるべき豊穣の大地である姿を取り戻す。

辺りには木々も生え始め、その木には果実が実った。

しかし、まだ廃墟が残っている。

このままでは黒ウサギと約束した『元に戻す』とは言えなくなる。

 

「……も一個……!

創造(クリエイト)

時を司りし者(クロノス)】!」

 

連続して能力を創り出す。

次の能力は、その名の通り時間、時に関係する能力である。

効果は時間を巻き戻す、進める、停めると言ったものだ。

 

俺は【時を司りし者】を使って廃墟を元に戻す。

 

効果範囲指定……時間指定……

 

「【後戻り(レグレーション)】」

 

すると、廃墟は光出しその姿を変える。

辺りに散らばる残骸ですら、壊れる前……いや、完成したばかりのような美しさを取り戻したのだった。

そして最後に、枯れた小川に水を流せば……

 

「……再現完了……かな?」

 

そこに広がるのは、青々と茂る草木たち。

復活した建物も、自然をバックに映えている。

 

「凄いのですよっ……!!これは以前のコミュニティの時よりも豊かになっていますっ!!」

 

黒ウサギはとびあがりながら嬉しさを体で表現している。

 

「こ、こりゃスゲェな……

あんな荒れ地から此処まで復活させるのかよ……」

 

「え、えぇ……夜鶴君って実は規格外なのね……」

 

「動物たちの気配がする……!!

凄いね夜鶴って……!」

 

冷や汗を流す十六夜、目を見開く飛鳥、目を閉じ動物たちを感じる耀。

三人は俺に対しての意見を述べた。

 

「……夜鶴さん」

 

黒ウサギから声を掛けられる。

振り向くとそこには、涙を流す黒ウサギがいた。

 

「本当にありがとうございますっ!!」

 

「良いんだよ黒ウサギ……

俺は言ったよね?『全力を持って黒ウサギたちを助ける』って。

むしろこれからだよ……これから【ノーネーム】は出発するんだ」

 

俺は十六夜たちに視線を移す。

 

「此処には十六夜が飛鳥ちゃんが耀ちゃんがそして俺がいる。

最底辺?だからどうしたんだい。

俺たちは決して負けない。

返り咲こうじゃないか『最強』に

そして知らしめよう俺たち【ノーネーム】の名を!」

 

俺が腕を天に向かって高々と突き上げた。

すると、一本また一本と腕が突き上げられた。

 

「ヤハハ!!

おもしれぇこというじゃねぇか夜鶴!

その話俺も乗ったぁっ!!」

 

「確かに素敵な話じゃない。

私も賛成よ夜鶴君」

 

「私も賛成。

私も負けたくないから……」

 

俺はそういう十六夜たちを見て自然と笑みが溢れた。

 

「黒ウサギあとは君だけだよ?」

 

俺たちの視線は自然と黒ウサギに誘導された。

そんな俺たちの視線を受けてか、黒ウサギは涙を拭い、笑った勝ち気な顔で。

 

「Yes!!【ノーネーム】の始動なのですよ!」

 

黒ウサギも腕を天に向かって突き上げた。

 

――――――――――

 

 

「黒ウサギ!!」

 

俺たちが水樹の苗を植えるために巨大な貯水池に来ると、ジンが慌てながら黒ウサギの名前を呼んで来た。

 

「なんで自然が……建物が元に戻ってるの?!」

 

どうやら原因は俺らしい。

俺が理由を説明しようとすると、黒ウサギがご機嫌に答えた。

 

「ジン坊っちゃんそれは、夜鶴さんが戻してくれたのですよ♪」

 

「なっ?!あの死んだ土地を復活させたのですか!?」

 

目を見開いて驚くジン。

黒ウサギは嬉しそうに話を続ける。

 

「それに、水樹の苗では補えない居住区の水も夜鶴さんが小川までも復活させて下さったのでこのコミュニティの水問題は万事解決です♪」

 

その話を聞いたジンは俺を見ると、深く頭を下げた。

 

「ありがとうございました!

このコミュニティを代表して御礼を申し上げます……本当にありがとうございました!!」

 

「良いよ。

俺もこのコミュニティの一員だからね。

……それよりホラ子供たちが興味津々で此方を見てるよ?」

 

先程から木の影から此方を見ている子供たちがいた。

黒ウサギはそれに気がついたのか手招きをする。

 

「黒ウサギのおねーちゃんおかえり!!」

 

「ねぇねぇ!新しい人たちって誰?!」

 

「かっこいいの!?強いの!?」

 

黒ウサギにキラキラとした瞳を向ける子供たち。

いやぁ……可愛いねぇ~……。

 

「Yes!!とても強くて可愛く、格好良い人たちですよ!

皆にも紹介しますから一列に並んで下さいね!」

 

黒ウサギの言葉でササッと並ぶ子供たち。

その数は二十人程だ。その中には狐や狸、猫や犬といった獣耳をつけた子供がいた。

うんうん。子供って可愛いよねっ!!

俺も子供欲しいなぁ……(精神年齢33歳)

そんなことを考えていたのだが、ぶんぶんと頭を振って考えをおいやった。

 

横の十六夜たちを見ると――

――なんとも言えない表情をしていた。

 

十六夜は面倒臭そうに、飛鳥はその数に圧倒されたように、耀は嫌そうにしていた。

三人とも子供が苦手なようだ。

 

すると、黒ウサギからわざとらしい咳払いが聞こえる。

 

「右から、逆廻 十六夜さん、久遠 飛鳥さん、春日部 耀さん、不知火 夜鶴さんです。

この御四方は皆、強力な【ギフト】を持っていらっしゃいます。

コミュニティを支えるのはこの御四方のような方々です。

ギフトゲームに参加出来ない者はギフトゲームプレイ ヤーの私生活を支え、励まし、時には彼らのために身を粉にして尽くさねばなりません」

 

「あら、私はフランクにしてくれてm「駄目です」……」

 

「それでは組織は成り立ちません」

 

飛鳥の提案を一刀両断した黒ウサギ。

その風格は長年【ノーネーム(ここ)】を支えて来たからだろう。

確かに黒ウサギがここの中核なのだろう。

 

「ココに居るのは子供達の年長組です。

皆、ゲームには出られませんが見ての通り獣のギフトを持っている子もいますから何か用事を言いつけるときにはこの子達を使ってください。

みんなもそれでいいですね?」

 

「「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」」

 

子供たちが一斉に叫んだ。

うんうん。元気で良いね~♪

 

「ヤハハ、なかなか元気じゃねぇか」

 

「そ、そうね……」

 

おっと……十六夜は子供が苦手な訳じゃ無いみたいだ……。

その代わり飛鳥と耀が子供が苦手なことが確定したね……。

 

「みんな無理はしないでね?」

 

俺が子供たちに話し掛けると、

 

「「「「「「「はいっ!夜鶴お姉ちゃん!!」」」」」」」

 

元気に俺の性別を間違えてくれた……。

俺の見た目からだとやっぱり女と間違われるんだね……。

 

「あ、あははは……」

 

つい乾いた声で笑ってしまった。

すると、黒ウサギが慌てたように子供たちに言った。

 

「み、皆!!夜鶴さんは男の方ですよ!!」

 

「「「「「「「ええっ?!!」」」」」」」

 

全員が心底驚いたような顔をした。

 

「え、えっと……あのぅ……」

 

あわあわと、困ったかのように動き出した黒ウサギ。

おそらく俺が不機嫌になったと思ったのだろう。

 

「大丈夫だよ黒ウサギ。

別に気にはしてないよ?……完全に違うとも言えないし(ボソッ」

 

その言葉で安心したのか、黒ウサギは胸をなでおろす。

そして、柏手をひとつ打つと十六夜の方を向いた。

 

「さてさてっ!自己紹介も終りましたし、水樹の苗を植えましょう!

黒ウサギが台座に根を張らせるので十六夜さんの【ギフトカード】から出していただけますか?」

 

「おう」

 

十六夜は【ギフトカード】を取り出すと、そこから素早く水樹の苗を出して黒ウサギに渡す。

 

「大きな貯水池だね……ちょっとした湖ぐらいあるよ」

 

「にゃ~?」

 

「はいな、最後に貯水池を使ったのは三年前ですよ三毛猫さん。

元々は【龍の瞳】を水珠に加工したギフトが設置してあったのですがそれも魔王に取り上げられてしまいましたから……」

 

最近空気になりかけていた三毛猫の問い?に黒ウサギが答えた。

その時、十六夜が瞳を輝かせて黒ウサギに言った。

 

「【龍の瞳】?なにソレ超欲しい!!。

黒ウサギ!何処に行けば手に入るんだ?!」

 

「さて、何処でしょうか?。

もし知っていても十六夜さんだけには絶対に教えません」

 

黒ウサギはツーンとそっぽを向いた。

そんな黒ウサギを子供のように恨めがましく睨む十六夜。

龍と戦いたかったんだろうなぁ……

 

「それでは、苗の紐を解いて根をはります!

十六夜さんは水門を開けてください!」

 

「あいよ」

 

十六夜は軽く了解すると、貯水池に下りて水門を空ける。

すると、大波のような水が十六夜に向かって流れていく。

まさに激流のような水に襲われそうな十六夜。

 

「ちょ!!少しは待てって!

……今日はもう濡れたくねぇんだよっ!」

 

叫びながら十六夜は貯水池から石垣まで跳躍した。

そのほんの数秒先に今まで十六夜の居た場所に激流が通過した。

あれには巻き込まれたく無いかな……

 

そのあと、黒ウサギは水量を見て嬉しそうに口を開いた。

 

「凄いです!これなら水樹の水だけでも生活以外の水が使えるのですよっ!」

 

「生活以外?水産業か何かか?」

 

「いえ、どちらかといえば農作業の方が近いかもしれません。

……例えばですが【水仙卵華】などの水面に自生する花のギフトを繁殖させればギフトゲームに参加せずともそれを売ればコミュニティの収入になります。

これなら皆にも出来ますし……」

 

「ふぅん……おいその【水仙卵華】ってなんだ御チビ?」

 

「確かにそれは気になるね」

 

ジンは十六夜の【御チビ】という呼び方に驚いたようだったが、気持ちを切り替えたのか丁寧に説明してくれた。

その説明のあと、ジンは十六夜に何かを言おうとしたが、それよりも早く十六夜が口を開いた。

 

「……言っておくが、俺は俺自身が認めない限り【リーダー】なんて呼ばないぞ?

その水樹だって気が向いたから貰ってきただけで コミュニティのためになんてつもりはこれっぽっちもないからな?」

 

十六夜は鋭い目線をジンに向けた。

そのあとも真剣な顔で話を続ける十六夜。

 

「確か黒ウサギにも言ったと思うんだが……

……いや、言ってないか……。

ともかく、俺は召喚された分の【義理】は返す。箱庭の世界なら退屈して暇の大安売りなんてしないで済みそうだしな。

――だが、もし俺が【義理】を果たした時にこのコミュニティがつまらないことになってたら、迷いなく、そして躊躇いなく俺はコミュニティを抜けるぞ?

――最悪俺がコミュニティ事態を跡形も無く潰す……」

 

十六夜の言葉は冗談なんかという考えを消し去る迫力があった。

そして、ジンはそれに対して怯むことなく堂々と語った。

 

「僕らは、何時までも黒ウサギに頼るつもりはありません。次のギフトゲームでそれを証明します」

 

「……そうかい、頑張れよ御チビ」

 

十六夜は眠たそうに呟いた。

 

「ちなみに……」

 

俺は皆に聞こえるように口を開いた。

 

「少なからず俺も十六夜に同意するよ」

 

十六夜も眠そうながら俺の方を見る。

黒ウサギたちも静かに聞いている。

俺の話は静かに聞くって決まりでもあるのだろうか……。

 

「俺は確かに黒ウサギたちを助けるとは言ったけど……黒ウサギたちにその価値が無いと判断したらすぐにでも俺はコミュニティを抜けるよ?

まぁ、俺は十六夜とは違ってコミュニティを潰したりはしないけどね……」

 

俺の言葉には黒ウサギが答える。

ウサギ耳をピンと張り、髪を桃色に染めた。

顔は真剣なものである。

 

「私たちはそれぞれ【誇り】を持って行動しています。

【ノーネーム】だからと言って他のコミュニティと変わりはしません。

【ノーネーム】というコミュニティに【誇り】を持ち、同士たちを思う。

だから、夜鶴さんを失望させることは決してありません!!」

 

黒ウサギの熱弁に俺は頷く。

 

「黒ウサギが言うならそうなんだろうね……

でも、俺と十六夜の話は忘れないでね?」

 

俺がそういうと黒ウサギ、ジンはゆっくりと頷いてくれた。

 

「……さぁ、もう夜も深くなって参りました。

本館に行くとしましょう」

 

黒ウサギのその言葉で、俺たちは歩き始めた。

確かに空には月が上がっている。

 

――本館の明かりはもうすぐ傍だ。

 

 

 

 

 

 




やっぱり書くのは楽しいですね♪

今日は休日なのでお昼にオムライスを作りました♪

皆さん料理楽しいですよっ♪


感想も、凄くお待ちしています(*_*)ウルウル
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