アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです 作:ドレッジキング
平行世界はマーベルにもFateにも共通する重要な概念であり、今後この平行世界という要素が重要になってきますよ~。
士郎は夢を見ていた。夜、衛宮邸の縁側に座る養父の切嗣。士郎はこの切嗣とのやり取りを今でも覚えている。この頃の切嗣は外に出る事はなくなり、こうして家の中でのんびりと過ごす事が多くなった。士郎は縁側に座って月を眺めている切嗣の傍に座った。
「爺さん、また縁側でボーッとしているのか?身体に障るぞ?」
「ああ、士郎か。大丈夫だよ。僕はこうやってのんびり過ごしている方が好きだからね」
冬だというのに気温はさして低くなく、多少肌寒いだけでこうして縁側で月を見ながら過ごすのは丁度良かった。切嗣は月を見ながら穏やかな顔をしていた。士郎は切嗣が正義の味方に憧れていたのを思い出し、切嗣にその事を聞いてみた。
「残念ながら僕はもう正義の味方にはなれないんだ。ヒーローは期間限定で、オトナになると名乗るのが難しくなるんだ。そんな事、もう少し早く気づいていればよかったんだけどね」
「そっか……。じゃあさ、せめて俺が大人になったらアンタの代わりに正義の味方になってやるよ!」
そう力強く士郎は答えた。父である切嗣が叶えられなかった願いを自分が代わりに叶えると、そう誓ったのだ。
「ハハッ、そりゃ頼もしい。それなら安心だな……」
そう言うと切嗣は静かに目を閉じて息を引き取った。士郎は最初切嗣が眠ったのかと思ったが、直ぐに切嗣がこの世を去った事を知る。だが士郎は泣き叫んだりはせず、じっと切嗣の顔を見上げていた。
だが士郎の目からは熱い液体が流れていた。それでも士郎はただ静かに、死んだ切嗣の穏やかな表情を朝までずっと眺めていた。
***********************************************************
士郎と同様にキャップも夢を見ていた。否、夢にしてはあまりにもリアル過ぎる。凍てつく寒さの気温に、辺り一面が白銀一色で、遠くには氷で出来た山まで見える。キャップは自分の恰好が「キャプテン・アメリカ」としてのコスチュームだという事を確認する。背中にはヴィブラニウムの盾を装備している状態だ。
キャップは今の自分の状況を上手く呑み込めずにいたが、ようやくここが南極だという事を理解できた。自分が氷漬けになった場所であり、この南極の氷の下で数十年も眠っていたのだ。キャップ的には余り良い思い出の場所ではないが、周囲を探索する事にした。キャップとしてはこの程度の極寒は大して問題ではなかった。キャップは周囲を警戒するが、周囲に人の気配はなく、歩みを止めずに探索を続ける事にした。時間は夜であり、闇が広がっていたが、南極という事もあり雪の白さと空に浮かぶ月が闇夜を照らしていた。キャップは南極には何度か行った事があるが、その時とはまた違った雰囲気だった。
その時、キャップは南極の夜空を見上る。
「……何だあれは?隕石…?」
キャップが空を見上げると巨大な隕石のような飛来物が"真っ直ぐ"地上に落ちてきているではないか。地球の重力や自転を考えればこうして真っ直ぐ垂直に隕石が落ちてくる事など有り得ない。しかも隕石は複数あり、いずれも垂直に地上に向かって落下してきているではないか。キャップは空から落ちてくる隕石に気を取られていたが、背後から猛スピードで接近してくる乗り物の音に気付き、咄嗟に回避する。その乗り物は巨大な装甲車のような乗り物であった。南極には各国の基地が幾つも点在しているが、今通った巨大な装甲車は何処かの国の軍の装甲車なのだろうか?そして数十メートル程進んだ装甲車は急停車する。キャップを危うく跳ねそうになったのだから当然といえば当然だが。そして装甲車の扉が開き、中から亜麻色の髪の毛に眼鏡をかけたショートヘアーの少女が身を乗り出しながらキャップに叫ぶ。
「早く乗ってください!!」
取り合えずキャップは少女の言う通り、大急ぎで装甲車の中へと搭乗した。
「生存者の方ですか!?」
亜麻色の髪の毛の少女は搭乗したキャップに尋ねる。
「生存者…?何か大きな災害でも起きているのか…?」
「はい…!今この地球では空から落ちてきた空想…」
しかしそこでキャップは夢から目を覚ました。
*******************************************************
「グッドモーニングキャップ、よく眠れたかい?」
キャップは瞼を開けると、そこにはコスチュームを脱いで普段着を着ているクリントとナターシャの姿があった。自分が見たあの夢は何だったのかと疑問に思うスティーブだったが、取り合えず起きる事にした。スティーブは衛宮邸の廊下を歩いていると、士郎と会う。
「おはようシロウ。昨夜は色々と大変だったな…」
「えぇ、ロジャース先生には本当にお世話になってばかりで…。俺は先生に命を救われたんです。だから何かの形で恩は返さなきゃいけない」
士郎は真っ直ぐスティーブを見ながら言う。昨夜は校庭での戦いを目撃したせいでランサーに命を狙われ、何かの拍子にセイバーを召喚して聖杯戦争の参加者としての資格を得てしまった。そして教会からの帰りにバーサーカーのマスターであるイリヤに命を狙われた。士郎にはセイバーが付いているとはいえ、またあのバーサーカーに命を狙われれば命は無いかもしれない。スティーブは士郎を守る為には自分達が元いた世界に残っているアベンジャーズのメンバーを呼び寄せるしかなかった。そう考えていると、凛がこちらに歩いてきた。
「ロジャース先生、先生達が何者なのか教えてもらいましょうか?聖杯戦争の事を何処で知ったのか?何故衛宮くんを救おうとするのか、聖杯戦争に首を突っ込もうとするのはどうしてなのかをね」
凛は鋭い目でスティーブを睨みながら言う。
「分かったよリン。まずはリビングで話そうか。私達が何者であるかを教えなければならないだろう」
そしてスティーブは士郎と凛を連れてリビングルームに入ると、食卓に座りながら士郎と凛に自分達が何者であるのかを説明した。自分達は士郎と凛がいる世界とは別の平行世界から来たという事を伝える。すると凛は呆気に取られたような表情をした。
「へ、平行世界から来たですって!?平行世界間の移動なんてそれこそ
「いや、我々の感覚からすれば平行世界を移動するのはさして珍しい事じゃないんだ。流石にドクター・ストレンジやリード・リチャーズの力添えがなければ出来ないがな」
そう、キャップを始めとするアベンジャーズにとっては平行世界など珍しい概念ではない。しかし士郎と凛はそんな事は信じられないと言った様子だった。
「私達アベンジャーズがこの世界の冬木市で行われる聖杯戦争や魔術師、サーヴァントの事を知り得たのは我々の世界で活躍する
「そ、そのドクターなんとかっていう魔術師が聖杯戦争やサーヴァントの事をアンタ達に教えたってワケ!?」
凛は若干怒りが籠ったような表情をする。
「別の世界から来たアンタ達は知らないでしょうけど、私達魔術師にとっては「神秘の秘匿」は何よりも大事なの。魔術の存在を知る人間は少ない程いい。なのにアンタ達は聖杯戦争に首を突っ込んで神秘の秘匿を脅かしてるのよ!」
凛の話によれば、魔術の存在が一般の人間に知られると、神秘が薄れてしまい魔術師達が目指している「根源」への到達ができなくなってしまうのだという。それ故に「他の魔術師が下手を打って神秘を漏らして、自分に迷惑がふりかかってこないよう、互いに監視し合うための組織」として魔術教会が存在するのだ。
「こんな冬木の街中で聖杯戦争なんていう戦いをしているのに、神秘の秘匿の心配をするのか?何処かのドームや孤島でも借り上げてそこでやればいいだろう?」
が、キャップは実に最もな意見を凛に言う。しかし冬木市には質の高い霊脈があるので、聖杯戦争の舞台としてはうってつけだという。
「私達アベンジャーズはヒーローだ。人々の平和を守る為に戦う義務がある」
「それが余計なお世話だって言ってんのよ!アンタ達みたいな得体の知れないコスプレ集団が首を突っ込むせいで私達みたいな魔術師が大迷惑してんだからね!」
凛はウガー!という勢いでキャップに食って掛かる。
「君達魔術師の都合なんて冬木で暮らしている一般の人達は知らないだろう。それに、私達からすれば君達のやっている事はただの犯罪行為にしか見えないんだが」
「アンタって人は何処まで口が減らないのかしらねぇ…」
凛は腕を組んで笑顔を浮かべているが、額には複数の怒筋が浮かんでいる。
「…けどアンタにはセイバーの攻撃から護ってもらった恩もあるからね。今直ぐ自分達の世界に帰るんなら見逃してあげてもいいけど?」
「残念ながらそれには期待しない方がいい。私達はシロウを守らなければいけないんだ」
「俺を守る…?そういえばロジャース先生達はどうして俺を守ろうとしているんですか?」
「それには深い事情があるんだが…。私やクリント、ナターシャも詳しい話は聞かされていなくねて」
スティーブ達とてストレンジから詳細な事を教えられているわけではない。だが士郎がたった一度でも死ぬような事態が起きれば、スティーブ達の世界に多大な脅威が降りかかってくるのだと言う。
要するに士郎の死がトリガーとなるらしいのだが、ストレンジはその事については固く口を閉ざしている。
「そうですか…。けどいつか機会があれば教えてください」
そう言うと士郎は立ち上がりリビングを出る。
「シロウ、どこに行くんだ?」
「道場に行ってきます。そこで少しばかり汗を流したいんで」
「それなら私やクリントも行こう。トレーニングなら付き合うぞ?」
スティーブ、クリント、士郎の3人は衛宮邸の道場に向かった。
*******************************************************************
昨夜士郎が召喚したサーヴァントであるセイバーが、可愛らしい服を着て道場で正座をしていた。所謂精神統一という奴だろう。正座をしているセイバーは気品に満ちており、凛々しい顔つきで瞑想をしていた。そんな彼女の姿を見て、士郎は思わず感嘆の声を上げる。
するとセイバーは士郎達に気付き、立ち上がる。そしてセイバーは士郎に対して昨夜のバーサーカーでの戦いの事を振ってきた。
「シロウ、昨夜の件ですが…」
「うん?どうしたんだセイバー?」
セイバーは厳しい表情をしながら士郎に言う。
「昨夜のバーサーカーとの戦闘で、貴方はそこにいるスティーブを庇う為にバーサーカーの前に立ちふさがりました。ですが貴方は私のマスターであるという事を忘れないでください。もし貴方が死ぬような事態ともなれば私は現世に留まれずに消滅してしまう」
セイバーは真剣な眼差しで士郎を見つめながらそう言った。
「それは分かっているよセイバー。けどあのままだったらロジャース先生は確実に死んでいた…。俺は目の前で殺されそうになる人を放ってはおけないんだ」
「シロウ、貴方は聖杯戦争における私のマスターである事を肝に銘じてください。サーヴァントはマスターを守る義務があるのです。マスターが勝手な行動をしてしまえばサーヴァントである私でも守り切れない事態になるんです」
セイバーは士郎が勝手な行動をしたせいで、危うくバーサーカーに殺されかけた事について怒っているようだ。凛から話を聞いた限り、マスターである魔術師が死ねば、サーヴァントは現世に留まる事ができずに消滅してしまうらしい。マスターとサーヴァントは言うなれば運命共同体なのだ。
「すまないセイバー。君が俺を心配してくれているのは分かる。だけど……」
「いいえ、分かっていません!シロウ、貴方はマスターとしての自覚がなさ過ぎる」
「セイバー、シロウを責めるのはそこまでにしてあげなさい」
スティーブはシロウに対して怒りを見せるセイバーについ口を出してしまう。
「聖杯戦争に参加しているわけでもない貴方は口を挟まないで頂きたい。これはサーヴァントである私と、マスターであるシロウの問題です」
「確かに君の言う通りだセイバー。けどシロウが聖杯戦争やサーヴァントについて知ったのは昨日なんだ。聖杯戦争に熟知しているわけでもないんだから大目に見てやってもいいんじゃないか?」
「……」
セイバーはスティーブを暫く睨むが、渋々といった感じで頷いた。
「分かりました。貴方の意見も一理あるようですね」
「セイバー……」
セイバーの言葉を聞いてホッとするスティーブ。
「ですがシロウ。貴方は私のマスターである事を忘れないでください」
「ああ、分かっているよセイバー」
「それならいいのです」
士郎はセイバーがどんな英雄なのか気になり、セイバーに聞いてみる事にした。
「なぁセイバー、お前ってどこの国の英雄なんだ?サーヴァントっていうのはみんな有名な奴ばかりなの?」
だが士郎の問いかけに、セイバーは首を横に振る。
「残念ながら答える事はできませんシロウ。私たちサーヴァントは英霊です。それぞれが"自分の生きた時代"で名を馳せたか、或いは人の身に余る偉業を成し遂げた者たち。どのような手段であれ、一個人の力だけで神域にまで上り詰めた存在です」
凛が言っていたが、英霊とは、生前に卓越した能力を持った英雄が死後に祭り上げられ、幽霊ではなく精霊の域に昇格したモノを言う。
「ですが、それは同時に短所でもあります。私たちは英霊であるが故に、その弱点を記録に残している。名を明かす――――正体を明かすという事は、その弱点をさらけ出す事になります」
「敵が下位の精霊なら問題になりませんが、私たちはお互いが必殺の力を持つ英霊です。弱点を知られれば、まず間違いなくそこを突かれ、敗北する」
「……そうか。英雄ってのはたいてい、なんらかの苦手な相手があるもんな。だからセイバー、なんて呼び名で本当の名前を隠しているのか」
「聖杯は役割に該当する能力を持った英霊を、あらゆる時代から招き寄せる。そうして役割(クラス)という殻を被ったモノが、サーヴァントと呼ばれるのです」
スティーブ達もこの世界に来る時に、フューリーからサーヴァントについての説明を受けている。
セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー。
英霊はこの七つのクラスの内、いずれかに割り当てられてサーヴァントとして召喚されるのだ。
「そんじゃ俺が英霊になった際には"アーチャー"として召喚されってわけだな。最も、俺は剣に関しても扱い慣れてはいるが」
クリントは自分が仮に英霊になった際のクラスについて話す。
「という事は君は剣に優れた英霊だから、セイバーと呼ばれているのか」
「はい。属性を複数持つ英霊もいますが、こと剣に関しては私の右に出る者はいない、と自負しております」
スティーブの問いにセイバーは頷く。
「もっとも、それがセイバーの欠点でもある。私は魔術師ではありませんから、マスターの剣となって敵を討つ事しかできない」
「権謀術数には向かないって事だな。いや、それは欠点じゃないと思うけど。セイバーはあんなに強いんだからもうそれだけで
十分だろ」
「私達の場合はチームを組んでお互いの欠点をそれぞれ補い合う。だが君達サーヴァントの場合はチームではなく個人で戦わなければならない。主であるマスターからのバックアップもあるとはいえ、基本的には自分の実力のみで勝ち上がらなければならないというわけだな?」
スティーブが所属するアベンジャーズではチームで一丸となって敵に挑む。だが冬木の聖杯戦争ではサーヴァントは基本的に自分一人だけの力で戦わなければいけないのだ。チームワークが介在する余地が無い。
「はい、ですが例外はいます。キャスターは魔術を用いて自分の使役している使い魔を召喚し、敵に襲わせるという戦い方をしてくる者もいるでしょう」
「聖杯戦争において、戦闘で強いだけでは勝ち上がれません。例えばの話ですが、敵が自身より白兵戦で優れている場合、貴方達ならどうしますか?」
「私達の場合、自分よりも格上の相手と戦うのは慣れているからな。仲間との連携、緻密な戦術戦略で敵を完封する。頭を使わなければスーパーヴィランには勝利できない」
そう、サノスやロキ、アポカリプス、ギャラクタス、ストライフといった名だたるスーパーヴィランには真っ向から挑めば敗北するのは必至。だからこそ相手の弱点を突いたり、緻密な作戦を立てる必要がある。
「ここにいるクリントも私同様スーパーパワーは持っていないが、鍛え上げた己の技量のみで数々のヴィランを倒してきた。戦いとは必ずしもスペックが上の者が勝利するわけではない。どのような敵にも必ず
「昨夜のバーサーカーとの戦いを見れば貴方達が只者ではない事は分かります。ですが魔術を超えた神秘であるサーヴァントが相手ではいつ命を落としても不思議ではありません。私達英霊は基本的に人の手で倒す事は叶わない高位の存在なのです」
「こちとら伊達にスーパーヴィランやコズミックビーイング相手に戦ってきてないぜ? キャップ、どうも俺達はこの娘に過小評価されているみたいだ」
「過小評価しているわけではありません、私は単に事実を述べているだけです。貴方達はサーヴァントの力を甘く見過ぎています。サーヴァントは人間とは比べ物にならないほど強力な存在です。それは例えマスターが未熟であっても変わりません」
セイバーの言う事は最もであり、超人血清を打って人間の限界レベルの身体能力と格闘技を駆使して戦うキャップや、弓術に優れ抜群の身体能力を持つクリントでは神秘の塊であるサーヴァントに太刀打ちできないのは自明の理だ。
「確かにサーヴァントを相手にすれば人間は簡単に殺されるだろう。しかし、サーヴァントだって無敵じゃない。現に私達は昨夜、バーサーカーを撤退に追い込んだ」
「あれはバーサーカーのマスターであるイリヤが何者かの攻撃を受けて負傷した故に撤退しただけです。正面戦闘ではバーサーカーに太刀打ちできなかったのは私や貴方も同じではありませんか」
「……そうだな。バーサーカーは規格外だ。私、クリント、ナターシャの3人がかりでも到底勝てないだろう」
スティーブは昨夜のバーサーカーの力を思い出す。確かにあのパワーはアベンジャーズのメンバーであるルークやハルクでなければ対抗する事はできないだろう。人手不足であるが故にこの世界にこれるのはスティーブを始めとする人間の範疇に収まったヒーローしかこれない。だが昨日のストレンジからの連絡では既に冬木市にはピーター・パーカーが来ているという。彼の力ならサーヴァントに対抗する事は可能だろう。そう思っていると、道場に私服姿の凛が入ってきた。凛は持っていたボストンバックを床に下すが、それを見た士郎はキョトンとした顔をしている。
「……むむむ?何しにきたんだ遠坂?」
士郎は訝しむように凛に尋ねる。
「何って、家に戻って荷物取ってきたんじゃない。 今日からこの家に住むんだから当然でしょ」
「っ……!!??す、住むって遠坂が俺の家に……!!!???」
「協力するってそういう事じゃない。…… 貴方ね、 さっきの話って一体なんだったと思ったわけ?」
「あーう」
「……まあいいわ。とりあえず私の部屋はどこかしら?」
どうやら凛と士郎は手を組む事になったようだ。だがスティーブ達とて士郎を守るという任務がある以上、聖杯戦争に参加しているアーチャーのマスターである凛をこのまま放置するわけにもいかなかった。いつ同盟を解消されて、士郎が殺されるのか分かったものではない。
「ちょっと待ってくれリン。私達とてシロウを守らなければいけないんだ。そういうわけで私とクリント、ナターシャもシロウの家に泊まる事にする」
「ちょ!?何勝手な事言ってんのよ!!聖杯戦争とは無関係のアンタ達は引っ込んでなさい!!」
相変わらず凛はスティーブ達に対してツンツンしている。
「君は部外者である私やクリントと違って聖杯戦争の参加者だろう?ならいつ同盟を解消されてシロウを狙うのか分かったものではない。聖杯戦争というのは最後の一人になるまで戦うんだ、そのルールを考えればいずれ君はシロウの命を狙う事になるんだぞ?」
スティーブから正論を突き付けられ、押し黙る凛。確かに凛は聖杯戦争に参加しているマスターであり、立場上は士郎と敵対関係である。にも拘らず士郎と同盟を結んだのは自分のサーヴァントであるアーチャーがセイバーの攻撃を受けて行動不能状態になっているからだ。
「……そこまで言うんなら住んでも構わないわよ。ただし私の邪魔だけはしないでね。もし邪魔をするようならその時はアンタ達を躊躇なく始末してあげるから」
凛はスティーブとクリントを睨むと、道場から出て行った。
***************************************************
「ストレンジ、応答して。私とキャップ、クリントはシロウ・エミヤの護衛をしているけど、敵は予想していたより強大よ。誰かこっちに派遣できる?」
ナターシャはこの世界に来る時にストレンジから貰った特殊な端末を用いて、端末の向こうに居るストレンジに呼び掛ける。
『ブラックウィドゥか。残念ながらこちらも少し問題が発生している。アベンジャーズのメンバーは北欧のスカンジナビア半島全域に突如として現れた"巨大な嵐"を調査中でね。ヘリキャリアで入ろうとしたが、嵐に阻まれて入る事ができない。悪いが援軍はもう少し待ちたまえ』
「"巨大な嵐"ですって…?」
『そうだ。だがソーがウォリアーズ・スリーと共にスカンジナビア半島に出た"巨大な嵐"の中に入って行った。他のメンバーも入ろうとはしているが上手くいかない。だからもう暫く辛抱して欲しい』
そう告げるとストレンジからの通信は途切れた。
「一体私達の世界で何が起きているというの…?」
ナターシャは自分達の世界に突如として現れた謎の泥や、スカンジナビアに出現した"巨大な嵐"に何か言い知れぬ不安を感じていた。
もうこれはソーさん以外に任せられない案件ですねぇ。しかし相変わらず凛はツンツンしてるなぁ…(;^ω^)
ソーが北欧異聞帯に入る作品は作るべき?
-
作るべき!
-
作るべきじゃない!
-
作者のお好きに
-
そんな事より続きはよ