アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです 作:ドレッジキング
どうにか大河には凛が士郎の家に下宿する事を認めてもらった。士郎が大河に対してスティーブ、クリント、ナターシャの3人が実は切嗣の友人であり、切嗣の遺言に従って士郎の面倒を見る為に自分の家に下宿していると、咄嗟に嘘を付いた為、大河はそれに納得してくれた。凛1人だけならまだしも、大人であるスティーブ達3人も一緒に下宿するというのだから大河も認めざるを得なかったのだろう。
「しかし衛宮くんが咄嗟にあんな嘘を藤村先生に言うなんて意外だったわ」
「ん? そうか?」
凛の言葉に士郎は首を傾げる。
「そうよ。だって藤村先生ってああ見えて鋭いところがあるじゃない。私が藤村先生に説明したら、きっと色々と質問攻めにされたと思うんだけど」
「まあ、確かにそうだな」
士郎の養父である切嗣は色々な世界を旅している事は大河も知っているので、切嗣が海外を旅している過程でスティーブ、クリント、ナターシャの3人と知り合い友人になったと言えば確かに納得はしてくれるだろう。切嗣がちょくちょく海外に行っていたという過去がこういう場面で生かされた事に士郎は少しだけ嬉しく思った。
「私もキリツグからシロウをよろしく頼むと言われたんだ。少しの間だからフジムラも納得してくれるさ」
スティーブは自分達と一緒に通学路を歩く桜を考えての嘘を士郎達に言う。聖杯戦争の事を桜に知られるわけにもいかないので、士郎は凛と共に考えた設定をそのまま使う事にしたのだ。サーヴァントであるセイバーは士郎の家に留守番しており、代わりにスティーブ、クリント、ナターシャが士郎の身を護るという形になっている。そうしている内にスティーブ、クリント、ナターシャ、士郎、凛、桜の6人は校門をくぐる。スティーブは学校の生徒達から挨拶の言葉をかけられ、スティーブもそれに快く応じている。
「……ふん。朝から頭痛いのがやってきちゃってまあ」
凛がそう言うと、視線の先には登校してくる生徒達を邪魔そうに押しのけながらこちらに近付いてくる一人の男子生徒の姿があった。男子生徒はこちらに来るなり、桜に対して声をかける。
「桜!」
「あ……兄さん」
桜は近づいてくる男子生徒の姿を見ると、びくりと身体を震わせた。
「どうして道場に来ないんだ!おまえ、僕に断りもなく休むなんて何様なわけ!?」
男子生徒の手が上がったと思うと、士郎が「よ、慎二。朝練ご苦労様だな」と言って慎二の手を掴んで挨拶した。
「え…衛宮!?おまえ―――そうか、また衛宮の家に行っていたのか、桜!」
「……はい。先輩の所にお手伝いに行っていました。けど、それは」
「後輩としての義務だって?まったく泥臭いなお前は。勝手にケガしたヤツなんてかまうコトないだろ。いいから、おまえは僕の言う通りにしてればいいんだよ」
慎二は士郎に掴まれた腕を戻すと、自分の後頭部をさする。
「痛てて…。くそ、あの赤いレザースーツめ…今度会ったらタダじゃおかない…」
何やら小言でブツブツと言う慎二だが、すぐに気を取り直して士郎に話しかける。
「しかしなんだね、そこまでしてうちの邪魔をして楽しいわけ衛宮?桜は弓道部の部員なんだから無理矢理朝練をサボらせるような真似しないでくれるかな」
「―――む」
しかし慎二の言葉に対して桜は納得できないという感じで声を上げた。
「そんなコトありませんっ……!私は好きで先輩のお手伝いをしているだけなんです。兄さん、今のは言い過ぎなんじゃないですか」
「は、言い過ぎだって?それはおまえの方だよ桜。衛宮が一人住まいだからなんだって言うんだ。別に一人でいいっていうんだからさ、一人にしてやればいいんだよ。衛宮みたいなのはそっちの方が居心地がいいんだからさ」
「兄さん……!やだ、今のはひどいよ、よ……」
「―――ふん。まあいい、今日で衛宮の家に行くのはやめろよ桜。僕が来いって言ったのに部活に来なかったんだ。そのくらいの罰を受ける覚悟はあったんだろ?」
睨むような視線の慎二に対して桜は固まってしまった。慎二は桜を強引に連れて行こうとするが、
「おはよう間桐くん。 黙って聞いていたんだけど、なかなか面白い話だったわ、 今の」
「え―――遠坂? おまえ、なんで桜といるんだよ」
「別に意外でもなんでもないでしょう。桜さんは衛宮くんと知り合い、わたしは衛宮くんと知り合い。 だから今朝は三人で一緒に登校してきたんだけど、気づかなかった?」
「な―――え、 衛宮と、知り合い……!?」
「ええ。 きっとこれからも一緒に学校に来て、一緒に下校するぐらいの知り合い。 だから桜さんとも付き合っていこうかなって思ってるわ」
「衛宮と、だって……!!」
慎二は士郎を睨む。
「は、そんなバカな。 冗談がきついな遠坂は。 君が衛宮なんかとつき合う訳ないじゃないか。ああ、そうか。 君勘違いしてるんだろ。 そりゃあたしかにちょっと前まで衛宮とは友達だったけど、今は違うんだ。もう衛宮と僕は無関係だから、あまりメリットはないんだぜ?」
「そうなの? 良かった、それを聞いて安心したわ。 貴方の事なんて、ちっとも興味がなかったから」
「――――おまえ」
「それと間桐くん? さっきの話だけど、 弓道部の朝練は自主参加の筈よ。 欠席の許可が必要だなんて話は聞いてないわ。 そんな規則、わたしはもちろん綾子や藤村先生も聞いてないでしょうねぇ」
「ううるさいな、 兄貴が妹に何をしようが勝手だろう!いちいち人の家の事情に首をつっこむな!」
「ええ、それは同感ね。 だから貴方も一衛宮くんの家の事をあれこれ言うのは筋違いじゃない? まったく、こんな早足で校舎朝から校庭で騒がしいわよ、間桐くん」
「―――!!」
じり、と慎二は後退すると、忌々しそうに士郎と桜を睨みつける。
「分かった、 今朝の件は許してやる。けど桜、次はないからな。 今度なにかあったら、 その時は自分の立場ってヤツをよく思い知らせてやる」
言いたい放題言って、慎二は早足で校舎へ逃げていった。
「しかしまぁ、清々しいまでの小物だなありゃ……」
クリントは見事なまでに凛に言い負かされた挙句、捨て台詞を吐いて校舎へと逃げて行った慎二の人間性を見抜いたのか、呆れたような口調で呟いた。
「まぁ、慎二はああいう奴ですから」
士郎は慎二と付き合いが長いせいか、特に気にしていないようだ。
「先輩、済みません…。兄さんがご迷惑をおかけしました」
桜は凛に向かって頭を下げる。
「いいのよ、別に。それに謝るのは私の方だし。ちょっとやり過ぎだったわよね、今の。あいつだって立場があるんだし。ほら、みんなの前でああいうのってしちゃ駄目だって言うじゃない。間桐くんが落ち込んでたら後でフォローしてあげて。これに懲りずにまたつっかかってきてもいいって」
「あ―――はい。兄さんが凝りてなければまたお相手をしてあげて下さい、先輩」
凛の言葉に安心したのか桜は嬉しそうに微笑んでいる。
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昼休み。スティーブは凛に学校の屋上に呼び出され、そこで話をしたいと言われた。2月というまだ寒さが満ちているこの時期に屋上に出ると肌寒い風が吹きつける。
「来たわね。わざわざ呼び出したりして悪かったわね」
凛はそう言って軽く手を上げる。
「リン、私を呼びつけた理由は大体分かるよ」
凛はマスターでもなく、魔術師でもないスティーブ、クリント、ナターシャの3人が聖杯戦争に首を突っ込む事に対して反対していた。しかし、彼らは自分達の世界で起きた謎の泥事件の調査の為に来たと言うのだ。凛はそんなスティーブ達に対して呆れながらも士郎の事をキチンと守ってくれている事に関しては感謝する。
「貴方達ってほんっとお節介というか世話好きというか…。自分達が殺されるかもしれないのに、よくもまぁそこまで他人に構えるわね」
凛は溜息を吐きながら呆れた口調で言う。しかし、その言葉とは裏腹に彼女の表情にはどこか嬉しそうな笑みが浮かんでいた。
「まぁ、それはお互い様だろ? 君だってシロウに対して世話を焼いてくれているじゃないか。聖杯戦争を勝ち抜く上で同盟を組んでいるだけとも言えるが、君はシロウを利用しているだけの冷たい人間ではないんだろう?」
スティーブに言われ、凛は顔を微かに紅潮させる。
「そ、そりゃあ……一応衛宮くんは同じ学校の生徒だし、先日の学校でアーチャーとランサーの戦いを目撃しちゃったせいでランサーに命を狙われたでしょう?学校を戦いの場にしちゃった私にも非はあるわけだし…」
よくよく考えればあの時の士郎は学校でアーチャーとランサーが戦いを繰り広げているなど知る由も無かった。それで戦いに巻き込んでしまったのだから、凛も責任を感じているのだろうか?
「リン、私はこんな事は余り聞きたくないんだが、ランサーがシロウを執拗に殺そうとしたのは"神秘の秘匿"が関係しているんだったな?一般の人間に魔術の存在を知られるわけにはいかないから、アーチャーとランサーの戦いを目撃したシロウを消そうとした…」
「えぇ、大体そんな所よ。魔術ないし神秘っていうのはね、ごく限られた人間にのみ知られるからこそ"神秘"なの。大勢の人間に知られた時点でそれは神秘では無くなる。魔術師にとって一番恐れるべきなのは神秘の漏洩よ」
凛の言葉を聞いてキャップは腕を組む。
「ふむ……。それなら仮に聖杯戦争に参加している君が誰かに自分の戦いを目撃された場合、自分のサーヴァントであるアーチャーに命じて目撃した人間を消すのか?」
スティーブは凛の瞳を真っ直ぐ見ながら問う。凛は一瞬目を丸くするが、すぐに冷静さを取り戻す。
「……確かに、そういう事になるわね。聖杯戦争が一般人に知られないようにする為には仕方ないわ。私だって一応魔術師の端くれなんだし、魔術師全体のルールである"神秘の秘匿"は守らなきゃいけない」
「だがそれは君達魔術師の都合だろう。我々ヒーローにとっては一般市民を守る事が最優先事項だ」
凛の返答を聞いたキャップはそう言い切った。
「…ヒーロー番組に出てくるヒーローまんまの台詞よ、それ」
「聖杯戦争で市民が死んでも、サーヴァントや魔術師は助けてはくれないだろう。参加者の誰もが自分達の願いを叶えるのに夢中で、巻き添えになって死んでいく人々の姿が目に入らない。だからこそ我々は人々を助ける」
「あぁもう、命知らずとお節介を極めてるわよ貴方達は!」
凛はスティーブの言葉に呆れ果てる。
「それに私もクリントもナターシャも、戦いを偶然見てしまっただけの少年を殺そうとするような奴を英雄とは認めない。過去の歴史で偉大な功績を残していようが、素晴らしい行いをしていようが、何も知らない子供を平然と手に掛けようとする奴はその時点でヴィランだ」
スティーブは二日前の夜の学校の校庭でアーチャーとの戦いを見てしまった士郎を執拗に殺そうとしたランサーに対して明確な嫌悪感を露わにした。
「……サーヴァントっていうのは基本的にマスターに従うものなのよ。それが例え気に食わない相手だろうとね。マスターにはサーヴァントの行動を制御する為に三画の令呪があるわ。サーヴァントに対して絶対命令権を行使できる力だけど、それがあるからこそサーヴァントはマスターに従うの」
凛の言葉を聞いてキャップは腕を組んだまま黙り込む。
「……確かに君の言う通りかもしれない。だがそれでも私はランサーのように無闇に無関係な少年を殺すようなサーヴァントを容認できない」
凛は溜息を吐いた。
「……分かった。そこまで言い切るなら好きにしなさい。けどこれだけは言わせて。魔術師の存在や聖杯戦争の事を一般の人間に広めようとする行為だけはしないでちょうだい。もしやるようなら、その時は私が貴方を……」
そう凛が言いかけた時だった。扉を開けて士郎が中に入ってくる。士郎はポケットから缶コーヒーを取り出すとそれを凛に渡した。
「ありがと。次は紅茶にしてね。わたし、インスタントならミルクティーだから。それ以外はありがたみがランクダウンするから注意するべし」
そう言いつつ凛は士郎を連れて物陰に入って行き、スティーブも二人に続いた。
「あいよ、次まで覚えていたらな。それよりなんだよ、こんな所に呼び出して。人気がない場所を選ぶあたり、そっちの話だと思うけど」
「えぇ、それ以外にないでしょ?それじゃ単刀直入に聞くけど、士郎。貴方、放課後はどうするつもり?」
「放課後?いや、別にこれといって予定はないよ。生徒会の手伝い事があったら手伝うし、なかったらバイトに出るし」
そんな士郎の言葉を聞いた凛は露骨に呆れたような顔をした。いや、スティーブでさえ今の状況を考えれば士郎に対して多少呆れていたのだが…。
「なんだよ二人共…。その露骨に呆れたような表情は。言いたい事があるなら言ってくれ」
「……貴方がどうなろうと私は構わないんだけど、ま、一つだけ忠告してあげるか。今は協力関係なんだし、士郎は魔術師として未熟すぎるから」
「またそれか。魔術師として未熟っていうのはもう耳にタコだ。あまり苛めないでくれ」
「苛めてなんてないわよ。ただ、士郎が学校の結界に気付いてないようだから未熟だって言ってるの」
「待て。学校の結界って、それはまさか」
「まさかも何も、他のマスターが張った結界だってば。かなり広範囲に仕組まれた結界でね、発動すれば学校の敷地をほぼ包み込む。種別は結界内の人間から血肉を奪うタイプ。まだ準備段階のようだけど、それでもみんなに元気がないって気付かなかった?」
凛の言葉に士郎にも思い当たる節があるのか、考え込んでいる。
「つまり――――学校に、マスターがいる……?」
「そう、確実に敵が潜んでいるってわけ。分かった衛宮くん?そのあたり覚悟しておかないと死ぬわよ貴方」
凛は真剣な表情で士郎に言う。
「ちょっと待ってくれ凛。この学校に張られた結界は発動すれば生徒達の命を奪うものなのか?今は聖杯戦争というのは分かるが、この学校の生徒達は聖杯戦争のマスターじゃないだろう。一体どうしてそんな真似を…」
「所謂"魂喰い"ってやつよ。サーヴァントの中には人間の精気を吸い取って自らの糧にしているヤツも存在するわ。そういうサーヴァントにとって人間の魂はいわば餌みたいなものなのよ。人間の生命力を魔力に変換するのが一番効率がいいみたいだし」
「……それで。そのマスターが誰か分かっているのか、遠坂は」
「いいえ、あたりは付いてるけど、まだ確証が取れてない。……まあ、うちの学校にはもう一人魔術師がいるって事は知ってたけど、魔術師イコールマスターってわけじゃないから。貴方みたいな素人がマスターになる場合もあるんだし断定はできないわ」
「む。俺は素人じゃない、ちゃんとした魔術師だ……、って待った遠坂。魔術師ならもう一人いるってうちの学校にか……!?」
「そうよ。けどそいつからマスターとしての気配は感じないのよね。 真っ先に調べにいったけど、令呪も無ければサーヴァントの気配もなかった。よっぽど巧く気配を隠しているなら別だけど。 まずそいつはマスターじゃないわ」
「だからこの学園に潜んでいるマスターは、士郎みたいに半端に魔術を知ってる人間だと思う。ここのところさ、微量だけどわたしたち以外の魔力を校
舎に感じるのよ。 それが敵マスターの気配って訳なんだけど……」
要するに、この学校には魔術師が二人いるという事だ。片方は凛が言っていた通りマスターではないらしいが、もう片方はマスターである可能性が高い。
そうなれば、必然的に相手も魔術師だ。士郎は凛の話を聞きながら、自分の隣に立つスティーブを見上げると、スティーブは士郎と目を合わせて頷いた。
「それなら私やクリント、ナターシャも協力しよう。人手は多いに越した事はないだろ?」
「えぇ、まぁね。それじゃ結界の話に戻すわね。ほとんど魔法の領域だし、こんなの張れる魔術師だったら、まず自分の気配を隠しきれない。だから間違いなく、この結界はサーヴァントの仕業だと思う」
「……サーヴァントの仕業か。 なら、 マスター自身はそう物騒なヤツじゃないのかな」
「まさか。 魔術師にしろ一般人にしろ、そいつはルールが解ってない奴よ。 マスターを見つければ、まずまっすぐに殺しに来るタイプの人間ね」
「? ルールが解らないって、聖杯戦争のルールをか?」
「違う。人間としてのルール。こんな結界を作らせる時点で、そいつは自分ってものが判ってない」
「いい士郎? この結界はね、発動したら最後、結界内の人間を一人残らず“溶解”して吸収する代物よ。わたしたちは生き物の胃の中にいるようなものなの。 ……ううん、魔力で自分自身を守っているわたしたちには効果はないだろうけど、 魔力を持たない人間なら訳も分からないうちに衰弱死しかねない」
「一般人を巻き込む、 どころの話じゃないわ。この結界が起動したら、学校中の人間は皆殺しにされるのよ。分かる?こういうふざけた結界を準備させるヤツが、この学校にいるマスターなの」
凛の言葉を聞いて士郎とスティーブは息を飲んだ。
「……学校の生徒達を避難させる事はできないだろうか?何かあってからでは遅い」
スティーブは凛から学校に張られている結界の効果を知り、生徒達を全員学校の敷地外の避難させる事を凛に提案する。
「さっきの私の言葉を聞いてなかったの?そんな事をすれば"神秘の秘匿"に関わってくるの。そんな事も分からないの?」
「そこは火事なりガス漏れなりの嘘を付いてでも避難させるべきだろう。嘘も方便っていうやつだ」
凛は魔術師として神秘の漏洩を防ぎたいが、スティーブとしても人命を優先する為に引き下がらなかった。
「そもそも、学校の敷地に結界を展開して生徒達を血肉に変えようとしている魔術師だとて"神秘の秘匿"とやらを守れていないだろう」
「それはそうだけど、こっちはちゃんと監督役もいるのよ」
「監督役がいても、こんな真似をするマスターが出てきてる時点で機能していないと思うんだが…」
「うるさいわね!とにかく、この学校はわたしの管轄なんだし、学び舎にいる生徒達を血肉にしようとするマスターはどの道倒すんだからいいでしょ!」
凛はスティーブを睨みながら怒鳴る。結界自体の危険性については凛自身よく分かっているようだが、そんな危険な結界よりも神秘の漏洩の方を恐れているように見えた。魔術師として生きている以上神秘の秘匿には細心の注意を払っているのだろうが……。スティーブとしては今直ぐにでも校舎の生徒達を避難させてやりたいが、凛に何と言われるのか分からない。凛自身、決して悪い人間ではないのだが、聖杯戦争に参加する以上はその他大勢の命よりも自分が勝ち上がる事を優先しなければならない。戦いの過程で多くの市民に迷惑を掛けてもある程度は仕方のない事として黙認するしかないのだ。スティーブが生徒達の避難を提案しても、それに反対していた事から凛もやはり根っこは魔術師という事だろうか……?スティーブは魔術師として生きている凛とヒーローとしての自分の価値観に齟齬を感じていた。
キャップはFGOのような人理の危機なら喜んで力を貸してくれそうだけど、聖杯戦争には普通に考えて反対するよね。
神秘の秘匿が破られて大勢の人間に魔術の存在が知られたら、特異点が発生したり剪定案件になるのかな?