アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです   作:ドレッジキング

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久しぶりに本編再開!今回はウルヴァリンが自分の能力を駆使して活躍しますぞ~


第17話 柳洞寺

翌朝、スティーブ、クリント、ナターシャ、凛、士郎の5人は揃って学校へと登校した。正門には登校する生徒たちの姿があり、学校はいつも通りの日常を迎えいる。が、スティーブ、クリント、ナターシャだけでなく士郎も学校内を覆う違和感に気付いた。

 

「……なんというか、外と中じゃ空気が違う。甘い蜜みたいな空気じゃないか」

 

士郎は学校内の空気の異常性を感じ取っているようだ。

 

「へえ、士郎にはそう感じられるんだ。……貴方、魔力感知は下手だけど、世界の異状には敏感なのかもしれないわね」

 

そう凛は言うと、何やら考え込んでいる。

 

「にしても甘い蜜、か。例えるならウツボカズラとか。うん、なかなか言い得て妙じゃない」

 

「……ウツボカズラって、おまえ。そのイメージ、とんでもなく凶悪だぞ」

 

士郎が言った"甘い蜜"という表現に、凛はウツボカズラを例える。

 

「そう?士郎の直感は外れてないと思うけど?だってこの学校、結界っていうフタがしまったら中の生き物はみんな食べられるんだし」

 

「っ――――――――」

 

士郎は自分の本音を凛に見抜かれたようだ。

 

「やっぱりね。判りやすいから楽しいわ、貴方って」

 

凛は小悪魔的な笑みを浮かべて士郎をからかう。

 

「ああそうですか。俺はちっとも楽しくない」

 

「怒らない怒らない。士郎の言いたい事だって分かってるから安心なさい。貴方は学校の生徒を巻き込みたくないと思ってるし、わたしだってここを戦場にするのは願い下げ。なら、やるコトは一つよね?」

 

凛の言葉に士郎はうなずく。

 

「……分かってる。この結界を張ったマスターを探し出して、なんとかしなくちゃいけない。そうして、そいつが結界を解かないっていうんなら、倒すだけだ」

 

「そういうこと。ちゃんと理解してくれていて安心したわ。じゃ、わたしは結界を張ったヤツを捜してみるから、士郎は不審な場所をチェックしといて。わたしも一通り回ったけど、見落としがあったかもしれない」

 

「リン、結界を張ったマスターを探すのなら私とクリント、ナターシャも協力しよう」

 

スティーブは自分とクリント、ナターシャも学校に結界を張ったマスターを探すのに協力すると凛に伝える。

 

「ハイハイ、分かったわよ……。まったく、こんな時にまで真面目なんだから」

 

凛はため息を吐くと、「じゃ、よろしく頼むわよ」とだけ言って校舎の中へと入っていった。

 

「よし、私達も手分けして探そう」

 

そう言うと、スティーブ、クリント、ナターシャの3人は士郎と共にチャイムが鳴る校舎へと入って行った。そして昼休み、スティーブは士郎とペアを組んで学校内に潜んでいるマスターを探す事にした。クリントとナターシャもペアを組んで別の場所を探している。スティーブは自分の直感を駆使して学校内で特に違和感を感じる場所を探す。スティーブは魔術師ではないが、研ぎ澄まされた第六感を駆使して、何かしらの異変を感じ取る事ができる。もしもの時に備えて自分がキャプテン・アメリカとして活動している際に用いる円形の盾を布に包んだ状態で持ち歩く。校舎の中にもおかしい場所は多々あったが、とりわけおかしかった場所は弓道部の部室だった。スティーブと士郎は弓道場の建物の前に立つ。

 

「……どうして気が付かなかったんだ。異常って言えば、ここが一番異常じゃないか――」

 

士郎はそう言いながら自分の胸を押さえる。確かにスティーブから見てもこの弓道場からは異様な感じがした。スティーブは自分の直感で"ここは危険な場所"という事を理解できた。

 

「……ロジャース先生、結界には基点があるって遠坂が言ってた。何か所あるかは知らないけど、最初の基点は多分このあたりにあると思います。魔力で刻まれた"刻印"がある筈…」

 

そう言って士郎は弓道場を注意深く見るが、何も見つからないようだ。魔力感知に疎い士郎では結界の基点である刻印は見えないという事だろうか?

 

「ロジャース先生、ここの部室の事を遠坂に報告して――――」

 

士郎がそう言いかけた時だった。スティーブと士郎の後ろから男子生徒が声を掛けてくる。

 

「なんだ、捜し物かい、衛宮」

 

「――!」

 

突然の声にスティーブと士郎の二人は振り向く。人気の絶えた弓道場の前に立っていたのは間桐慎二だった。

 

「――――慎二」

 

「やあ。奇遇だね、僕もそのあたりに用があって来たんだけど……君、もしかして見た?」

 

そう言って慎二はニヤリとした顔で言う。

 

「……見たっつて、何を。別にここには何もないぞ」

 

「ああ、やっぱり見たのか。……なるほどね、君が遠坂と一緒にいた理由はそれか。そうだよねぇ、マスター同士、

 

手を組んだ方が効率がいいもの」

 

慎二の口から出た"マスター"というワードに士郎は反応する。

 

「―――!慎二、おまえ」

 

「そう警戒するなよ衛宮。僕と君の仲だろ。お互い、隠し事は無しにしようじゃないか。君が何を連れているかは知らない。けど、君もマスターなんていう酷い役目を押しつけられたんだろ?」

 

間違いない、間桐慎二は聖杯戦争の事、そしてマスターの事を知っている。そして自分も士郎と同じくマスターであるかのような口ぶりだ。

 

「……まさか。おまえがマスターなのか慎二」

 

「だからそうだって言ってるだろ。ああ、でも勘違いはしないでくれ。僕は誰とも争う気はない。そりゃ襲われたら殺し返すけど、手を出されなうちは黙ってるさ。ほら、このあたり衛宮っぽいだろ、僕も」

 

慎二は笑みを浮かべながら言う。

 

「しかし驚いたよ衛宮。君が魔術師でもない外国人教師をこの戦いに関わらせるなんてさ」

 

慎二は士郎の隣にいるスティーブを見ながら言う。

 

「ロジャース先生は俺の命の恩人なんだ。確かに聖杯戦争とは関係のない人だけど、それでもこの戦いを止める為に俺の味方になってくれた人だ」

 

士郎はスティーブを庇うかのように慎二の前に立つ。

 

「一般人を関わらせても何の得にもならないだろうに。まぁいいさ、どうせ僕が勝つんだから」

 

慎二は不敵な笑みを漏らす。

 

「まあいい。それより俺も衛宮がマスターだって知って驚いてるんだ。意外なのはお互いさまって事で、少し話し合わないか」

 

「話し合う……それは構わないが、何を話う合うっていうんだ」

 

「そりゃ今後のことさ。さっきも言ったけど、僕は戦うつもりはない。けど他はそうでもないんあろ?ならさ、いつか来る災難に備えておかないと不安じゃないか。一人じゃ不安だけど、二人ならなんとかなると思わない?」

 

慎二は士郎に対して共闘ないし同盟を持ちかけてきた。士郎は現在アーチャーのマスターである凛と同盟を組んでいるので、凛が慎二と士郎の同盟にどう反応するかは分からないが、スティーブにとっては余り良い結果にはなりそうにない予感がした。

 

「ああ衛宮、君の隣にいる外国人教師……ロジャース先生だっけ?その先生は抜きで話をしようじゃないか。その先生は聖杯戦争とは無関係なんだろう?ならマスター同士の話合いに参加させるわけにはいかない」

 

慎二はニヤついた顔で士郎に提案する。

 

「……」

 

士郎は沈黙する。慎二の言っている事は間違っていない。確かにスティーブは聖杯戦争に首を突っ込んでいるだけの一般人?だが、士郎にとってはランサーから襲われて殺されそうになっている所を救ってくれた恩人である。そしてスティーブだけでなくクリントとナターシャも士郎を護る為にこの聖杯戦争に参加しているのだ。本来であれば敵同士であるマスターの慎二よりも士郎はスティーブの方を信じようとする。だが慎二がマスターだとすれば、今ここで自分のサーヴァントをけしかけてスティーブを殺すかもしれない。

 

幾ら慎二が自分からは仕掛けないとは言っても、聖杯戦争とは無関係の人間であるスティーブを消す可能性がある以上は下手に刺激しない方がいいだろう。士郎が見た限りではスティーブは人間の範疇では飛びぬけて高い能力の持ち主ではあるが、サーヴァントと比べればその力は見劣りしてしまう。なのでここは慎二の言う事を聞いておく事にした。

 

「そうだな……俺の家に来なよ。そこで二人だけで話し合おうじゃないか。ここじゃ誰に聞かれるのか判ったもんじゃない」

 

「ちょっと待て、午後の授業はどうするんだ?」

 

「授業?そんなものサボればいいだろう」

 

「……」

 

士郎は考えた末に、慎二の話を聞く事にした。

 

「ロジャース先生、俺は慎二の家に行ってきます」

 

「大丈夫なのか士郎!?下手をすれば君が殺される危険だって……」

 

「心配してくれてありがとうございます。でも、これは俺の問題です。それに慎二は俺の親友でした。そんな俺を簡単に殺すとは考えられないです」

 

「決まりだね衛宮。それじゃ行こうか」

 

スティーブの言葉も空しく、士郎は慎二と共に学校の校舎を出ていった。スティーブは離れていく士郎と慎二を見ていたが、士郎の身に何かあっては手遅れなので、気付かれないようにコッソリと尾行する事にした。慎二がサーヴァントを連れている可能性もあるので、出来る限り気配を殺して二人の後を尾ける。

 

 

 

 

 

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昼下りの午後、冬木市深山町の郊外にある円蔵山の中腹にある柳洞寺へと続く階段をラフな格好をした小柄な欧米人の男が昇っていた。身長こそ160cm程度ではあるが、身体に搭載した筋肉量はかなりのものであり、低い身長には不釣り合いなほどに盛り上がった大胸筋と三角筋、そして僧帽筋と広背筋の隆起が男の肉体の凄まじさを物語っていた。男は階段を上りながら、手に持った資料を読む。

 

「ストレンジから渡された情報によりゃ、この寺は冬木における最高の霊地らしいな。こんな場所にこそ魔術師やサーヴァントが潜んでいる可能性が高い、と」

 

欧米人の男……ローガンは魔術に関しては素人ではあるが、自身の勘の良さには自信があった。柳洞寺が最高の霊地とくれば、今回の聖杯戦争に参加しているマスターやサーヴァントが目を付けない筈がない。

 

衛宮士郎の護衛を担当しているキャップ、クリント、ナターシャとは別に、ローガンは街で暴れているマスターとサーヴァントを止めたり、柳洞寺のような魔術師が根城にしていそうな場所を捜査する役割を与えられている。ローガンは一歩一歩柳洞寺へと続く階段を昇り、山門へと到達した際、不意に誰かの存在を感じ取った。五感ではない第六感……ローガン自身の直感が告げていた。

 

(いるな。サーヴァントとマスターのどっちかは知らんが、少なくとも片方は間違いなくここにいやがる)

 

ローガンは山門の付近を見回すが、誰もいない。魔術師でもないローガンであるが、そんな彼が自分の持つ野生の勘のみでマスターかサーヴァントの存在を感じ取ったのだ。野生動物というのは人間よりも第六感に優れており、人間よりも先に異常を感知する能力に長けているとはいうが、ローガン自身も野生的な自分の直感には自信があった。

 

そしてローガンは柳洞寺に入り、寺の境内を見回す。境内には何名かの観光客らしき人間がいたが、その中にマスターやサーヴァントらしき気配は無い。そもそもマスターである魔術師やサーヴァントの中には自分達と同じ参加者にも正体を気取られないような者さえ存在するので。ウルヴァリンの直感や嗅覚だけでマスターやサーヴァントを探すのには無理がある。ローガンは観光客を装って境内を歩き回り、怪しい人間や場所が無いかどうかを調べる。

 

「……どうやらここにはいねぇようだな」

 

結局、柳洞寺には何もおかしな点は見つからなかった。そう思った矢先、ふと境内を歩いている女性の姿を視界に入れる。外国人であろうか?水色の髪の毛をした美女であるのだが、ローガンは彼女の事を訝しむ。ウルヴァリンはこう見えて間近にいる人物が普通の人間かどうかなど簡単に見分けられる。それに、つい先日ピーターを助けた際に、女のサーヴァントと交戦したが、その時にサーヴァント特有の"匂い"を嗅ぎ取る事ができた。

 

超人的感覚を持つローガンはとりわけ嗅覚に優れており、先日の戦いで普通の人間とサーヴァントの持つ"匂い"の成分の違いを嗅ぎ分ける事に成功したのだ。サーヴァントが持つ"匂い"はローガンからしても異質そのもので、魔力を感知する能力のないローガンからしても一発で分かる程のものだった。そしてローガンは水色の髪の毛をした美女の後をこっそりと付ける。流石に近距離で匂いを嗅がないとサーヴァントかどうかは分からないので、慎重に近付いていく。そしてすれ違うフリをしつつ、水色の髪の毛の美女の体臭を嗅ぎ取った。

 

(……!)

 

間違いない、この水色の髪の毛の美女はサーヴァントだ。魔力を感じ取れないローガンではあるが、この水色の髪の毛の美女の持つサーヴァント特有の"匂い"を嗅ぎ取る事でサーヴァントである事を見破れた。水色の髪の美女はすれ違ったローガンを見て訝しんでいる様子であったが、これで決定的な証拠が得られた。柳洞寺にサーヴァントがいる事は判明したが、まだこの柳洞寺を根城にしていると判明したわけではないのと、たまたま柳洞寺の視察に来ただけかもしれないのでローガンは暫くの間この水色の髪の美女の動向を監視する事を決める。

 




間近でメディアさんの体臭を嗅ぐとかウルヴィー変質者やん……(^▽^;)
そして山門にいる存在を感じ取ったという事はフラグが立ちましたねぇ

そういやサーヴァントには体臭ってあるっけ?(´・ω・`)
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