アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです 作:ドレッジキング
「タイガーって言うなぁぁぁぁぁぁ!!!」
「!? ど、どうしたんだ急に? 私が何か不味い事でも言ってしまったのかタイガ?」
「だ・か・ら! タイガーはダメェェェェェ!!!!」
「そ、そんなに名前で呼ばれるのが嫌だったのか…? 済まない、知らなかったんだ…」
昼休み、スティーブは2年C組の担任、藤村大河と話している際、ついうっかり彼女の下の名前…「タイガ」と言ってしまったのだ。
それが彼女にとっての地雷ワードである事など欠片も知らなかったスティーブは突如ホラー映画で殺人鬼に襲われるヒロインをも凌駕する声量を誇る大河の絶叫を聞く
羽目になり、彼女の彷徨が原因で廊下にいた生徒達の視線が自分と大河に注がれる事となった。
「お、お願いだからその名前では呼ばないでロジャース先生…」
「分かった、以後気を付けるよ。しかし私の国では友達でも仕事の同僚でもファーストネームで呼び合うものだからつい…」
スティーブは自分の祖国であるアメリカでは上司と部下の関係であろうとお互いにファーストネームで呼び合う社会である。スティーブにとっては藤村大河という教師
に親しみを込めて「タイガ」と言ってしまったのだがどうやら裏目で出たようだ。
「ロジャース先生、藤村先生は下の名前で呼ばれるのは嫌なんですよ」
大河の絶叫を傍で聞く羽目になった弓道部主将の美綴綾子は困惑するスティーブにアドバイスをする。
「そうだったのか…済まないフジムラ」
「わ、私こそいきなり叫んで申し訳ありません…!」
流石に大河自身もこのままではばつがわるいと思ったのかスティーブに謝罪する。
「私ってこの名前で呼ばれると反射的にこうなってしまうんです…」
「大丈夫、もう下の名前で呼んだりはしないよ」
「あ、ありがとうございますロジャース先生…!」
大河はそう言うとそそくさと職員室へと戻って行った。
「思わぬ地雷を踏んじゃいましたね」
「ああ、だが地雷を踏んだ授業料が絶叫だけなら安いものさ」
「そういえばロジャース先生、今朝のニュースは見ましたか?」
「…私も見たよ。実を言うと現場は私やバートン達が暮らしているアパートの直ぐ近くだ」
今朝のニュースの一面記事に書かれていた"一家惨殺事件"…。
一軒家に暮らす家族が何者かに襲われ、両親と姉は死亡。下の男の子は助かったと書かれていた。
(この町で行われる『聖杯戦争』と何か関連があるのだろうか…?)
今回の一家惨殺事件以外にも新都の方でガス漏れが起きている。スティーブは物騒な事件が立て続けに起きているこの事態にキナ臭さを感じていた
「今回の事件によって下校時間が早められたんです。ロジャース先生も気を付けてください」
「ご忠告ありがとうアヤコ。だが私やバートン、ナターシャなら暴漢や殺人鬼程度全然平気さ」
「うーん…確かに体育の時間でのロジャース先生の身体能力を考えれば…」
極力任務で目立つ事は避けるように言われているが、体育の時間で持ち前の身体能力を発揮し、一躍生徒達の間で有名になってしまった。
「ん…? あの子は…」
ふとスティーブが視線を移すと彼女がいた。そう、衛宮士郎と並んで今回の任務の最重要人物である「遠坂凛」だ。
「済まないアヤコ、ちょっとリンと話しがあるんだ」
「遠坂と? あぁ分かりました。それじゃ私はこれで…」
綾子は凛の元に向かうスティーブに別れを告げてその場を後にした。
(なるべく怪しまれないようにしなければな…。こういうのはナターシャの得意分野だが私でも彼女の心を開く程度はできるさ)
「やぁリン」
「あら? 貴方は確かロジャース先生ですね?」
出来る限り爽やかな笑顔で声を掛けるスティーブ。凛はスティーブの声に振り替える。
「少しお話はできるかな?」
「えぇ…大丈夫ですけど」
それから暫くの間スティーブは凛と他愛のない世間話をした。いきなり本題に入ってしまっては
怪しまれてしまう。
「この冬木に来る前から気になっていた事なんだが…10年前に冬木市で起きた大火災の事なんだが…」
「…!」
"10年前の冬木の大火災"…このワードを聞いた凛の表情が微かに強張るのをスティーブは見逃さなかった。
(やはり10年前の大火災は聖杯戦争に関係しているのか…?)
スティーブとて聖杯戦争や冬木市の事について何もかも知っているというわけではない。フューリーからの指令内容だとて元を辿ればストレンジから教えられた情報だ。
10年前に起きた大火災は確実に聖杯戦争が関係しているとフューリーから伝えられた。そして10年前の大火災で大勢の民間人が犠牲になった事も…。
この場で彼女から出来る限り情報を収集しておきたい。
「どうして10年前の大火災の事を?」
「私も昔は記者でね。デイリービューグルという所で働いていたんだが、10年前の冬木の大火災を取材したかったんだが
諸々の事情で出来なかったのさ」
この学校に潜入する際に渡した偽装履歴書の職歴欄に記者を入れておいて正解だった。元記者であるのなら数百名もの人命が失われた大事件である10年前の大火災について尋ねても不自然ではないだろう。
最も、記者でありデイリービューグル所属というのであればもっと適任がいたのだが生憎と"親愛なる隣人"は冬木で別の任務に当たっている。
「私としても10年前の大火災について色々と知りたい。君は何か詳しい事は…」
「…が亡くなったんです」
「え?」
「10年前の大火災で父が亡くなりました。この事件については出来れば触れて欲しくはないんです」
「そうだったのか…嫌な事を思い出させてしまって済まない」
「いいんです、それじゃ私は忙しいので…」
「……」
凛は話を切り上げると、その場から立ち去ろうとする。
「…仮に」
「…?」
スティーブが不意に漏らした言葉に凛はふと立ち止まる。
「仮にあの大火災が人為的なものによって引き起こされたとしたら、私はその原因となった存在を決して許さない」
「あの大火災を引き起こした犯人がもしいたとするならば、私は犯人を必ず法廷に立たせ然るべき裁きを受けさせる。
あの火災が原因で亡くなった人達の為に」
「何ですか…急に…?」
凛は先程の紳士然とした外国人教師といった態度とは打って変わって、力強さと揺るがぬ決意を感じさせるスティーブの言葉に微かに動揺した。
そしてスティーブの鋭い視線は真っすぐ凛の双眸を見ていた。余りにも真っすぐな視線と尋常ではない威圧感に凛の額に僅かばかりの冷や汗が流れた。
「あぁ、私とした事がつい熱くなってしまった。もう行って大丈夫だよ凛」
「は、はい…」
が、これ以上詮索するのは危険と思ったのか直ぐに自分の表情を気のいい外国人教師の表情に戻す。声色も紳士的に修正した。
そして凛は足早にスティーブから離れていく。
「やはりあの火災は…」
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(もう見えなくなったわよね…?)
(凛、先程の外国人教師についてだが…)
(えぇ、あの顔と目を見て分かった、彼は間違いなく知っている。これから起きる戦い…"聖杯戦争"の事を…!)
(どうするかね凛? あの男をあのまま放置しておけば厄介な事になるかもしれんぞ?)
(とりあえずあの先生についての処遇は保留よ)
(君なら手っ取り早く彼の記憶を消し去りそうなものだが)
(あの教師…どうやら只の素人じゃないわ。貴方も気付いてるんでしょアーチャー?)
(あぁ、私から見てもあの男は只者じゃない)
(まさか人間に擬態したサーヴァント!?)
(いや、私が見る限り彼は真っ当な人間だ。昨夜見た金髪の男とは違ってその点はハッキリと分かる)
(そして魔術師でもない。正真正銘普通の人間だ。ただ、"普通"の定義にもよるが…)
(普通の人間…か)
(なんにせよあの男をあのままにしてはおけまい)
(魔術師でもサーヴァントでもないならあの先生に出来る事は限られている筈。とはいえ今すぐじゃない。また日を改めてその時は…ね)
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新都郊外の丘の上にある教会に向けて歩を進める漆黒のコートに身を包んだ処刑人…フランク・キャッスルは昨夜の事を思い出していた。
―――これで終わったと思うな! いずれテメェもそこのガキも始末してやる!!
昨夜会った殺人犯の青い槍男はそんな捨て台詞を吐いてその場を逃走した。あの男の襲撃によって唯一生き残った少年は聖堂病院へと移送された。
医師の話によれば外傷は無いが、心的ストレスによるショックが大きいとの事だ。無理もないだろう、目の前で両親と姉を槍男に殺されたのだから。
生き残った少年を一人にしてしまったが、幸いにも"向こう見ずの悪魔"が付き添っている。
度々あの男は犯罪者に対する処遇を巡って対立してきたが、今だけは協力関係にあった。
そして今自分は向かっている教会は今回の聖杯戦争の監督をしている男が居るという。ストレンジからはかなり詳しく聖杯戦争
の事について教えてもらった。
ただストレンジといえど聖杯戦争や魔術師、サーヴァントの全てを知りえたわけではない。ある意味一番重要な情報を知れなかった事で、弁護士は昨夜の戦いで撤退を余儀なくされたのだから。
そうこう考えている内に冬木教会へと辿り着く。元々この周辺には外国人が多く居住していた事もあり、教会はかなり本格的な造りだった。
「教会、か…」
かつてはフランク・キャッスルもカトリックの修道士を目指していた時期があった。だがそれも今は叶わぬ夢となったが…。
広大な敷地へ入る為の門を開け、そして教会の扉の前に辿り着く。
そして対策としての仕掛けを十分に施した後に扉を開いて中へと入った。何の策も無しに入るなど馬鹿のする事だ。
教会の中は広々としていた。荘厳な雰囲気に包まれた礼拝堂がフランクを出迎える。教会の席には金髪をした若い白人の男が座っていた。
フランクの方に視線を移すも、すぐに前を向く。
そしてフランクは礼拝堂の最前列の席に腰掛けた。それと同時に奥の扉が開かれ、この教会の神父が姿を現した。
その神父は日本人離れした長身と引き締まった肉体をしていた。190cmを超えているであろう身長はフランクよりも僅かに上背がある。
神父の着るカソックの上からでも鍛え抜かれた肉体がハッキリと分かる。海兵隊として戦場を生き延び、数多くの犯罪者の相手をしてきたフランクは目の前の神父が只者ではない事を感じ取った。
神父は無言でフランクの方に視線を向け続け、檀上に立つ。
「……」
「……」
そのまま暫く両者の睨み合いが続いた。フランクは目の前の神父が只者ではない事を感じ取った。そしてもう一つ感じ取れた事がある。
―――この神父は紛れもない「悪」だ、と。
「冬木教会へようこそ迷える子羊よ。懺悔であれば喜んで私が聞こう」
「生憎と俺はここに懺悔にしに来たんじゃない」
「ほぅ?」
「ここに来たのは単なる"観光"だ。この町の教会がどんなものか気になってな」
「それとこの教会の神父の顔も拝みに来た。教会ってのは神父もいてこそだ」
「私の顔を見にかね?」
「そうだ。神父になるにはそれに相応しい人間じゃなきゃならん。少なくとも俺の目の前にいる
ような男が務めていい職業じゃないからな」
「これはこれは。私が神父に相応しくないと?」
「俺もかつては修道士になる為に勉強していたがな。だが今の俺はそれに相応しい人間じゃない」
「君の仕事は何かね?」
「清掃業だ。但し害虫専門のな」
「虫とはいえ多くの生物を殺める仕事だ。教会で懺悔の一つでもしていってはどうかね? 多少は気が晴れると思うが」
「いちいち虫を殺した程度で懺悔室に行ってたまるか。免罪符も必要ねぇよ」
それから暫く言葉のやりとりを続ける両者。
「もう十分だ。俺はもうそろそろ行く」
「私との会話は堪能できたかね?」
「まさか」
フランクは教会の扉の前まで来て神父に言う。
「近い内にまた来るぜ。今度はお前に振る舞う土産でも持参してきてやる」
「それはそれは。期待するとしよう」
そして扉を開けて外に出ようとするフランクはふと礼拝堂の奥に視線を向ける。
(…気のせいか?)
扉を開けようとする際、微かな胸騒ぎ感じたのだ。礼拝堂の奥というより下…地下と言った方が
正しいだろうか?
「それじゃあな」
そう言うとフランクは外に出た。
「……後日再調査といくか。今度は徹底的に調べてやる」
フランクは足早に少年が入院している聖堂病院へと向かった。
キャップはヒーローだからやっぱこんな反応になっちゃうかなー?と思いました。原作キャップってもっと堅苦しい筈なんですけどそこは目を瞑ってください(;^_^A
正直あんまりSSを描いた事がないんで色々拙い部分が多いかもしれないですが、目を瞑ってください(>_<)
パニッシャーって過激なやり方から他のヒーロー達からは嫌われてるけど、FGO世界なら理解者多くなるんじゃないかな?と思ったりw
それと教会の地下…あ(察し