アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです   作:ドレッジキング

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ついにゴーストライダー登場!ぶっちゃけ冬木の人達の願いでゴーストライダーが召喚されてもおかしくないような気が……。ゴーストライダーの邦訳が少ないんで、ジョニーの性格におかしい部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。


第20話 ジョニー・ブレイズ

ジョニーはふらふらと炎上する街の中を歩いていた。燃え盛る街には生存者の姿はなく、ただ炎と煙が渦巻いているだけだった。そんな地獄のような光景の中、ジョニーはひたすらに町の中を進んでいく。すると、目の前の空間から突然巨大な影が現れた。それは全身が真っ黒で、まるで黒い鎧をまとったような姿だった。

 

「悪魔か…!?」

 

ジョニーは身構えてゴーストライダーへと変身していく。全身の血液が沸騰し、身体中に激痛が駆け抜ける。変身する度に襲ってくる痛みに耐えながら、ゆっくりと敵の姿を確認していった。鎧を纏った黒い影はゴーストライダーに変身したジョニーの姿を見ていた。そしてジョニーはゴーストライダーへの変身を終える。燃え盛る髑髏の頭にライダージャケットを身に纏った復讐の精霊。そしてゴーストライダーはゆっくりと黒い影を指差しながら宣言する。

 

「―――お前は、罪人だ」

 

そしてゴーストライダーの言葉が終わると同時に、黒い鎧の影は襲い掛かってくる。黒い鎧の影はゴーストライダーに強力な一撃を叩き込み、ライダーは車道に停まっている車に激突した。しかし、ゴーストライダーはすぐに起き上がる。まるで通用していないとばかりに平然としているのだ。黒い鎧の影は尚も攻撃を加えようと向かってくる。そして持っていた剣をゴーストライダーに叩き込もうとした。が、ゴーストライダーはアッサリと剣を掴み取る。黒い鎧の影は振りほどこうとするが、全く動かない事に動揺していた。それどころか掴んだ手からは凄まじく強い力が感じられていく。

 

その力は徐々に強くなり、遂に耐えきれなくなったのか、握られていた刀身の部分が粉々になった。武器を失った事で更に焦りを感じた黒い鎧の影は拳を振り上げるが、それより早くゴーストライダーが黒い影の胴体を拳で打ち抜いた。黒い鎧の影は霊基を破壊され、そのまま消滅する。ゴーストライダーは黒い鎧の影の消滅を確認すると、口笛を鳴らし、自分の愛車であるヘルサイクルよ呼び寄せた。そしてそれに跨ると、炎上する街の中を疾走する。暫く走行していると、人影が見えた。どうやら4人いるらしい。人影を確認した時には既にジョニー・ブレイズへと戻っていた。ジョニーはバイクを操りつつ、4人に近づいていく。

 

「先輩、生存者です!」

 

大きい盾を持った亜麻色の髪の毛をした少女がジョニーを指差す。

 

「生存者が俺達以外にもいたんだね」

 

黒髪の少年は亜麻色の髪の少女と共にジョニーに近づいていく。他の2人も後に続いた。

 

「あんた達は……生存者か?」

 

ジョニーは恐る恐る少年と少女に尋ねる。後ろには銀髪の若い女性と、杖を持った賢者風の男が控えていた。

 

「えぇっと……」

 

いきなり話しかけられて戸惑うものの、なんとか答えようとする。

 

「わ、私と先輩は……人理継続保障機関カルデアから来ました。後ろにいる女性はカルデアの所長であるオルガマリー・アニムスフィアです」

 

亜麻色の髪の少女の言葉を受け、ジョニーは後ろにいるオルガマリーに視線を移す。

一方、杖を持った青髪の男はジョニーの事をじっと睨んでいた。

 

「貴方も生存者なのね?」

 

「生存者……といえばそうなるだろうな。俺は気づいたらこの街にいたんだ……。何でかはしらないが」

 

「失礼ですが貴方のお名前は……?」

 

「俺はジョニー。ジョニー・ブレイズだ」

 

ジョニーはマシュに自己紹介を行う。それに続いてマシュは自分の名を名乗った。

 

「私はマシュ・キリエライトと言います」

 

「俺は藤丸立香です。よろしくお願いします」

 

続いて黒髪の少年もジョニーに自分の名前を名乗った。互いに挨拶を交わすと、今度はオルガマリーが前に出てくる。

 

「それで、これからどうするつもりなのかしら?ここはもう危険だけれど」

 

オルガマリーの言葉を聞き、ジョニーは周囲を見渡す。炎に包まれた街には人の姿はなく、ただ燃え盛るだけとなっていた。

 

「ところでさっきの話だと気がついたらここにいたって事だけど、どうやってこの冬木市まで来たの?まさかそのバイクで?」

 

オルガマリーはジョニーが乗っているハーレーを見ながら言う。どうやらこの燃え盛る街は冬木市というらしい。

 

「おそらくはな。気がつけばこの世界に来ていた。最初は訳がわかんなかったけど、街の中に入れば何とかなると思って歩き回ってたらあの化け物と遭遇して……」

 

ジョニーの言葉を受け、マシュは首を傾げる。

 

「気が付けばこの世界にいた……?という事はもしかして貴方はサーヴァント……?」

 

「サーヴァント?何だそれは??」

 

ジョニーは聞きなれないワードに首を傾げる。その様子を見たオルガマリーが説明を行った。

 

「サーヴァントは英霊の事よ。座という場所に登録された英雄の魂がこの世に現界しているようなもの」

 

「成程ねぇ……んー、まぁいいか。よくわからない単語だが、多分そういうもんなんだろう。とにかく俺もここがどこなのか……」

 

その時、ジョニーの中に眠る大悪魔ザラソスが呼びかけ始めた

 

『殺せ……殺せ……サーヴァントを……魔術師を殺せ……奴等は罪人だ……』

 

ジョニーは胸の痛みに苦しみながらも、なんとか耐える。マシュは額から汗を流して苦しそうにするジョニーを見て、心配して声をかけた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「あ……ああ……平気だよ……それより今はこの状況をどうにかしないと……」

 

しかしどうにも自分の中のザラソスを抑えられそうもない。ジョニーは仕方なくマシュやオルガマリーに自分の肉体の秘密を説明する事にした。

 

「……失礼だがアンタは魔術師なのか?」

 

ジョニーはオルガマリーに尋ねる。

 

「え?貴方は魔術師の事を知ってるの?確かに私はアニムスフィア家に生まれた魔術師だけど……貴方もそうなの?」

 

オルガマリーの言葉にジョニーは首を横に振る。知り合いに魔術師はいるが、ジョニー自身は違う。

 

「そうか……なら一刻も早く俺から離れた方がいい。俺の中の悪魔がアンタと後ろの青髪を殺すかもしれない……」

 

ジョニーは後ろに控えているクーフーリンキャスターを見ながら言う。

 

「ジョニーさんの中の悪魔……?」

 

「そうだ。俺の中には悪魔が眠ってるのさ。ザラソスっていうんだが、こいつは罪人の魂を欲している。だからできれば……逃げろ。俺の中のコイツは制御不能だ」

 

ジョニーはそれだけ言い残すと、その場から離れようとした。するとオルガマリーが引き止める。

 

「待ちなさい!貴方が何者か知らないけれど、ここで見捨てるのは私のプライドが許さないわ!!この街には多くのシャドウサーヴァントがうろついているの!」

 

その言葉を聞いたジョニーは驚いたように目を見開く。

 

「……へぇ、案外優しいんだな」

 

ジョニーは微かに笑みを浮かべるが、その直後、賢者風の男の杖で殴り飛ばされる。殴られたジョニーは派手に壁に打ち付けられ、口から血を吐いた。

 

「がっ……!」

 

「ジョニーさん!」

 

マシュは賢者風の男の杖に殴り飛ばされたジョニーに駆け寄る。

 

「クーフーリンさん!いきなり何を!」

 

「嬢ちゃん、ソイツから離れろ。ソイツん中には悪魔が潜んでいやがる。しかもとびっきり危険なヤローがな」

 

クーフーリンは倒れたままのジョニーを睨む。

 

「悪いがここで死んでもらうぜ。放置するのは危険過ぎる。それに……テメェはオレ達の味方じゃ無さそうだ」

 

ジョニーは起き上がると、静かに立ち上がる。

 

「さっさと逃げればいいのに……抑えが利かなくなっても知らないぞ……」

 

ジョニーは口から血を流しながら呟いた。そしてクーフーリンの二撃目が放たれ、またもジョニーは壁に叩きつけられる。しかし、今回は倒れずに踏みとどまった。それを見たクーフーリンは舌打ちをする。

 

「ちぃ……しぶといな」

 

が、クーフーリンの行動を見かねた立香がジョニーを庇うようにして前に出た。

 

「待ってくれ!彼をいきなり殺そうとするなんておかしいじゃないか!!彼は何もしていないのにどうして殺す必要があるんだ!?」

 

それを聞いて、ジョニーは少し驚く。自分を庇ってくれる立香に対して申し訳ない気持ちになった。

 

「そこをどけ。ソイツを生かしておくと後々面倒になるんだよ」

 

クーフーリンは立ちふさがる立香を退かすと、ジョニーに向けて杖を構えた。

 

「安心しろ、今度は痛みもなく一瞬で終わる」

 

「やめろ!」

 

クーフーリンの放つ魔術を止めようとした立香は、放たれる魔術の射線上に立ってしまう。クーフーリンは咄嗟に別方向に杖を別方向に逸らしたものの、立香は腕を負傷する。

 

「ぐぅ……!」

 

「先輩!」

 

「馬鹿野郎が!邪魔なんてするから……!」

 

マシュは慌てて負傷した箇所を確認する。傷口自体はそこまで深くないが出血量が多く、早く手当をしなければ危ない状態だと判断した。

 

「先輩!すぐに治療します!」

 

ジョニーは自分を庇う為にクーフーリン・キャスターのルーン魔術を受けて、血を流す立香の姿を目に焼き付けた。そしてザラソスが再びジョニーに呼びかける

 

『罪なき者の血が流れた――――』

 

そしてジョニーはザラソスの言葉に呼応する。自分の目の前で、罪なき者が血を流す事の意味がどんなものであるのかは知っている。そして自分の役割も……

 

――――今こそ復讐の時

 

ジョニーの身体には変化が生じる。ジョニーの全身の血液は猛烈に沸騰し、全身が炎に包まれていく。焼けていく自分の肌から放たれる臭いが鼻孔を突く。これまで何度も繰り返し変身してきたが、変身の度に苦痛を味わう。しかし、その苦しみこそが罪なき者を救えない事への罰なのだと思った。自分が変身するという事は常に手遅れを意味する。被害者は救えない、犠牲者は増える一方だ。

 

しかし、それでも自分は戦うしかない。罪なき者たちの無念を晴らす為、己の魂を燃やし尽くすまで戦い続ける。罪なき者を傷つけた悪を地獄へと叩き落し続ける、それが自分にしかできない戦いだ。

 

「な……何なのよ……コレは……?」

 

突然の事態に困惑していたオルガマリーだったが、燃え盛るジョニーの姿を見ると、恐怖で震えていた。

 

「おい……何なんだありゃあ……?」

 

クーフーリンも炎に包まれるジョニーの姿に動揺している。

 

「アイツをこのままにしとくのはまずいな……」

 

クー・フーリンはそう言うと、再び杖を構える。そして変身を果たしたジョニーがその姿を現した。燃え盛る髑髏の頭、全身をライダージャケットに身を包んだ地獄よりの使者。まさに人間がイメージする悪魔の姿であるが、オルガマリーはジョニーの姿を見て驚愕する。

 

「ま、まさか……真性悪魔なの……!?けどそんなハズは……!」

 

一方のマシュも、ゴーストライダーへと変身したジョニーを見て驚いていた。

 

「ジョ、ジョニーさん……!?その姿は一体……?」

 

マシュは恐る恐る尋ねるが、ジョニーは何も答えずオルガマリー達に近づく。オルガマリーは近づいてくるジョニーを見て怯える。

 

「ひっ……こっちに来るな……!」

 

しかし、オルガマリーの言葉を無視してオルガマリーの胸倉を掴むと、そのまま持ち上げる。そしてゴーストライダーはじっとオルガマリーの顔を見つめた。

 

「ちょ、ちょっと……離して……!この……!!」

 

必死に抵抗するオルガマリーだが、全く歯が立たない。その様子を見たマシュが止めに入る。

 

「やめて下さい!所長をどうするつもりですか!?」

 

マシュの言葉を受け、ジョニーは掴んだオルガマリーを地面に降ろした。そしてゴーストライダーはマシュの方を向き、こう告げる。

 

「お前は――善良な人間だ」

 

「え……?」

 

マシュはジョニーの口から発せられた言葉を聞き、戸惑った。そしてゴーストライダーはマシュの横を通り、クーフーリンの所へと向かう。

 

「本性現しやがったな……!」

 

クーフーリンは再び杖を構えて攻撃態勢を取る。そして杖を地に付けると、ゴーストライダーの地面に魔法陣が展開される。そして魔法陣の中から巨大な木の手が出現し、ライダーを掴み上げる。

 

「そのまま潰しちまえ!!」

 

しかし、次の瞬間に出現した手は粉々に破られた。ルーン魔術による強化で召喚された巨人の手があっさりと破壊されてしまったのだ。

 

「なっ……!」

 

クーフーリンは驚きつつも、攻撃の手を緩める事はなく火炎魔術による炎弾を杖から射出する。

 

「アンサズ!」

 

火炎弾はゴーストライダーに直撃するが、火炎魔術が地獄の炎を纏うライダーに通用する筈も無かった。

 

「ちぃ……!」

 

クーフーリンは杖を持ち、ライダーと直接戦闘を行うべく距離を詰める。そして杖に炎を纏わせ、ライダーの身体を滅多打ちにしていく。しかし、いくら殴打しても効果は無い。

 

「炎でダメならコイツはどうだ!?」

 

クーフーリンは氷のルーンを詠唱してライダーを凍結させようとする。が、ルーン魔術による凍結を以てしても、やはり効果は薄いようだ。クーフーリンの攻撃を物ともせず、ゴーストライダーはただひたすら前進を続けるだけだった。

 

「コイツはヤベェな……」

 

さしものクーフーリンといえど、自分のルーン魔術が全くといっていい程通用しない事に焦りを隠せない。いや、この攻防でゴーストライダーが自分では到底手におえない相手だという事を感じ取ったのだ。クーフーリンはマシュ、立香、オルガマリーに対してこの場から逃げる事を提案する。

 

「おい!ここから逃げろ!こいつは俺が食い止める!」

 

「そんな!クーフーリンさんを置いていくなんてできません!」

 

クーフーリンの提案に対してマシュは反論するも、クーフーリンに一喝される。

 

「馬鹿野郎!コイツはオレ達がどうにかできるレベルじゃねぇ!死にたくなかったらさっさと行け!」

 

クーフーリンの気迫に押されたのか、マシュは黙って俯いてしまった。

 

「……分かりました。先輩、オルガマリー所長、行きましょう」

 

マシュは悔しそうな表情を浮かべながらも、クーフーリンの言い分が正しいと理解する。オルガマリーは先ほどのクーフーリンの魔術で怪我をした立香の肩を貸し、その場から離れようとする。

 

しかしクーフーリンとゴーストライダーとの戦闘の余波でオルガマリーが倒れこんでしまい、オルガマリーは立香の身体に覆い被さってしまう。立香は自分の顔がオルガマリーの柔らかい胸に埋められる形となり、顔を真っ赤にして慌てる。オルガマリーは立香が倒れこんだ自分の胸に顔を埋めている事に気が付き、慌てて離れた。そして立香とオルガマリーは互いに見合って頬を赤く染める。

 

「す、すみませんでした……!大丈夫でしたか……?」

 

立香は申し訳なさそうに謝る。

 

「い、今のは不可抗力だから!事故!そう!事故でしょ!私だって好きでこんな事になってる訳じゃないんだからね!!?」

 

オルガマリーは顔を真っ赤にしながら叫ぶ。しかし当の立香とて年頃の少年である。オルガマリーの胸に顔を埋めてしまった事にドキドキしており、顔を赤くしている。それを見たオルガマリーは更に恥ずかしくなり、声を荒げた。

 

「ああもう!!何なのよこの状況はぁ!!!」

 

一方、クーフーリンは炎に包まれたゴーストライダー目掛けて火炎魔術を射出しつつ叫ぶ。

 

「さっさと消えろ!悪魔めがぁっ!!!」

 

しかし、クーフーリンの言葉に耳を傾ける事無く、ゴーストライダーは自分の武器である鎖を手に持ち、クーフーリンに攻撃する。ゴーストライダーの鎖はまるで生き物のようにうねる。そして瞬く間にクーフーリンの手足に絡みつき、身動きが取れなくなってしまう。そしてゴーストライダーは鎖を引き寄せると、クーフーリンの頭を掴み、自分の顔へと近づける。

 

「俺の目の奥を見ろ―――」

 

クーフーリンは抵抗しようともがくが、無駄だった。そしてゴーストライダーは目を光らせ、クーフーリンの脳に直接語りかける。

 

―――――お前は罪を犯した――――――

 

―――――だからこそ罪を償え―――――

 

 

 

 

****************************************************

 

 

 

「あの……こんな場所で寝ていたら風邪を引きますよ?」

 

その声で、ジョニーは目が覚めた。辺りを見渡すと、そこは見知らぬ街であった。目の前には一人の少女がいる。

 

「……ここは?」

 

「どこと言われましても……冬木市の深山町ですが……」

 

ジョニーは地面から起き上がると、服に付いた埃を手で払った。

 

「悪いな、ちょっとばかり気絶していたらしい。君の名前は?」

 

「えっと……間桐桜と言います」

 

ジョニーは改めて周囲を確認する。先ほどまで炎上していた筈の冬木市が何事もなかったかのようだ。まるで火災などなかったと言わんばかりに。

 

「ありがとう、おかげで助かったよ。俺の名はジョニー・ブレイズ。アメリカ人だ」

 

ジョニーは自分を起こしてくれた桜に礼を言う。

 

「いえ、困っている人を助けるのは当然の事ですよ。私の先輩がいつもしている事ですから」

 

桜は士郎の事を思い出したのか、少しだけ寂しそうに笑った。

 

「ありがとうサクラ。それじゃ俺はもう行くよ」

 

そう言うとジョニーは付近に停めてあった自分の愛車であるハーレーに跨り、エンジンをかける。

 

「あ、待って下さい!」

 

突然呼び止められたジョニーは不思議に思いながら振り返る。

 

「何か用かい?」

 

「いえ、何でもありません……」

 

「そうかい。それじゃ」

 

ジョニーはハーレーを発進させると、桜から離れていく。桜はハーレーに乗るジョニーの背中をじっと見つめていた。

 

『サクラ、彼に頼みさえすれば今の状況から脱せられたかもしれないのに』

 

桜は自分の心の中に聞こえてきた声に耳を傾ける。

 

「けど……私にはそんな事できません……。あの人を利用して兄さんやおじい様を殺すだなんて……」

 

『ジョニー・ブレイズは復讐の精霊ゴーストライダー。彼なら君を虐げる間桐慎二と間桐臓硯を殺せたかもしれないんだよ?そうすれば憧れの衛宮士郎と過ごす事ができる』

 

桜は首を横に振る。

 

「それでも……私は……!」

 

『辛い現状から脱したいという気持ちは君の中にあるんだろう?ならそんな気持ちに素直にならなければいけない』

 

「違う……!」

 

桜は自分に話しかけてくる存在の声を拒絶するように叫んだ。

 

「私の願いは……私が本当に望んでいる事は……!」

 

しかし、桜の叫びは誰にも届かない。

 

『私は君を助けたいだけだ。君の中の悲しみと苦しみ、そして怒りが私の耳に届いたのさ。これも何かの縁だろう?』

 

心の中に響く声は桜に対して優しく囁くように語る。

 

「あなたは何者なんですか……!」

 

桜は恐怖を堪えるように震える声で尋ねる。

 

『そうだね、いつまでも名乗らないというのも無作法だろう。私の名はドルマムゥ。君を救いたいと願う気持ちは本物だよ。君の望みを叶える為に力を貸そうじゃないか』

 

「どうして……!」

 

桜は心の中の存在に対して、思わず叫んでしまう。

 

『サクラ、君は救われるべきだ。君は常に虐げられる立場であり、被害者だった。そして今もまた君は間桐臓硯という邪悪な魔術師に利用されている。このままではいけない。それは分かるね?』

 

「……」

 

桜は何も答えない。しかし、内なる存在は言葉を続ける。

 

『いい加減に現実を受け入れよう。これは聖杯戦争なんだ。魔術師同士の殺し合いなんだよ。それに勝てば、君の望みは叶う。君の憧れの衛宮士郎だって手に入るだろう?それに君の姉である―――』

 

「もうやめてください!」

 

桜は悲痛な表情を浮かべて叫ぶ。

 

「お願いします……!これ以上何も言わないでください……!貴方の言葉を聞いていると……自分が惨めに思えてきてしまうんです……!だから……だから……!」

 

『惨めに思えるんじゃなくて、実際に惨めじゃないか。今までずっとそうやって耐え忍んできたんだろ?だけどそれも限界が来てしまった。だから私に助けを求めたんじゃないのかな?』

 

「……!」

 

自分の心を覗き込むような視線を感じ、桜は俯いてしまった。

 

――助けてほしい。誰かに救ってほしい。

 

そんな願望は確かに存在していた。

 

『サクラ、君は実に哀れだ。自分の力で今の状況から脱しようという意思すら感じられない。いや、そんな意思は君が間桐家で育った際に折られてしまったかな?君は大勢の魔術師達によって自分の身体を―――』

 

「やめてください……!それ以上は聞きたくない……」

 

しかし、桜の懇願は誰に届く事も無い。

 

『ああ、すまない。少し喋りすぎたようだ。だが安心してくれ。これからは私の言葉に従ってくれるだけで良い。そうすれば、いずれは君を縛る鎖は解き放たれるだろう』

 

桜はドルマムゥの言葉に耳を傾ける事無く、ただ自分の身体を抱き締めて怯えるだけだった。




ぶっちゃけゴーストライダーって普通に人類悪クラスはあるんじゃ……?けどハルクみたいに地球破壊とかは無理だと思う(多分)

ゴーストライダーは物理的な破壊力よりも特殊能力と不死性がヤバいイメージ。
型月世界で言う対魔力も滅茶苦茶高いイメージ。


そういえばキアラに贖罪の瞳をしても、彼女の性質上快楽に変換されるような……?(;^_^A
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