アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです   作:ドレッジキング

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久しぶりの更新!2部7章後編と奏章をプレイしました!

ORTの無法っぷりが凄まじかった……(;^_^A


第32話 学校での戦い③

クリントは少し離れた位置から弓矢を気絶しているライダーに構え、ナターシャも手首にあるガジェットを向けている。いつ起きて来るか分からないライダーに対して警戒をしつつ、スティーブと士郎は壁にもたれかかる慎二の前に立つ。慎二は自分のサーヴァントであるライダーが倒された事に酷く取り乱している様子だ。

 

「おい起きろライダー!!!オマエは僕を守るんだろう!?」

 

必死に声をかけるものの、ライダーは一向に起きる気配はなかった。頼みの綱のライダーは戦闘不能状態。目の前にはスティーブと士郎。どう考えてもチェックメイトである。

 

「慎二、今すぐ学校の結界を解除しろ!ライダーのマスターはお前なんだろう?ならライダーに命令して結界を解く事もできるはずだ!」

 

冷静に話す士郎とは対象的に、冷静さを失った慎二はヒステリックに叫んだ。

 

「うるさい!黙れ!オマエが僕に命令なんかするな!」

 

魔術師として冷酷に学校の生徒の命を踏み躙ろうとしていた慎二が、こうして追い詰められれば騒ぎ立てる。人を殺せる度胸と覚悟はあっても、自分の危機ともなればこの様になる。清々しい程の小物の慎二であるが、そんな慎二がライダーに命じなければ学校に張られた結界を解除する事ができないのだ。

 

「ライダーに命じて今すぐ結界を解除してもらえ……!できないんなら俺はお前を……!」

 

士郎は壁にもたれかかる慎二の胸倉を掴んで無理矢理立たせつつ凄む。

 

「くそ……!おいライダー!早く起きろ!ブラッドフォートを止めるんだ!」

 

だが気絶しているライダーは慎二の言葉に対して反応がない。士郎の魔力を通したヴィブラニウムの盾の一撃がよほど効いているのだろう。しかし、それも無理もない話だ。何せあの一撃には必殺の意志が込められているのだから。相手はサーヴァントなので加減をすればこちらがやられていた。スティーブの本気のヴィブラニウムの一撃を加えられれば大抵のヴィランには痛打となりえる。最も、超人的な耐久力を持つスーパーヴィランにはさほど効果などないのだが……。

 

「……まだライダーは死んでいないんだろうな慎二?」

 

「当たり前だ!死んでいたらとっくに学校の結界は解除されてる!」

 

ともあれライダーが起きなければ結界の解除も不可能なので、ここはライダーを起こしてみることにした。

 

「……私が起こしてみよう」

 

「ロジャース先生、気を付けて」

 

士郎の言葉にスティーブは頷くと、壁にもたれて気絶しているライダーの身体を揺すりつつ、彼女の頬に平手打ちをかます。

 

「ライダー、悪いが起きてくれ。起きて学校の結界を解除してくれないか?」

 

「……!」

 

ライダーは気絶から回復し、周囲を見渡すとナターシャとクリントが慎二を抑えつけて人質にしている光景を目の当たりにする。

 

「ライダー!早く学校の結界を解け!僕の命が危ないんだぞ!」

 

「……」

 

ライダーは慎二の言葉に返事こそしないものの、彼の命令を聞き入れたのか学校中に張り巡らされていた重苦しい空気と重圧が消えてなくなっていくのを士郎とスティーブ達は感じた。真っ赤な血のフィルターがかかったような景色から、元の正常な景色へと戻った。

 

「……これでいいだろう?この結界は特殊らしくてね。一度張った場所にはそう簡単に張り直せないらしい。要求通り結界を解除したんだから僕を解放してくれないか?」

 

慎二の言葉を聞いた士郎はゆっくりと首を振る。

 

「慎二、令呪を捨てろ。お前がマスターとしての資格を捨てて聖杯戦争から脱落するのを見届けてやる。そうすればもう二度と争うこともない」

 

が、士郎の言葉を聞いた慎二は怒りに満ちた形相で吼える。

 

「――――ふ、ふざけるな!そんなことできるもんか!令呪が無くなったら僕はライダーを従えられなくなる!そうなったら僕は――――」

 

士郎としては親友であった慎二が聖杯戦争に参加してマスターとして戦う事を望んではいない。こうして学校に結界を張り巡らせ、大勢の生徒の命を奪おうとまでしたのだ。ならマスターの資格である令呪を捨てさせ、二度と聖杯戦争には関わらせないようにしなければならない。士郎なりの情けではあったが、それが慎二のプライドを傷つける結果になったようだ。普通の高校生よりも魔術師として生きる事を選んでいるというのか。

 

「令呪を捨てても教会に行けば匿ってもらえる。お前は聖杯戦争に関わるべきじゃなかったんだ」

 

が、士郎がそう言った瞬間、ライダーの短剣が飛んでくる。咄嗟にスティーブが士郎を突き飛ばしていなければ脳天が串刺しになっていただろう。動けるようになったライダーはクリントとナターシャに拘束されていた慎二を奪い返すと、スティーブ達と距離を取る。

 

「ラ、ライダー……!?」

 

慎二はライダーの行動に驚いている様子だったが、ライダーは慎二を庇うようにして士郎達の前に立ちはだかる。

 

「……さっきシロウの口から言った令呪で思い出した。令呪を使ってセイバーをここに呼べるか?」

 

「あっ……!その手があったか……!」

 

スティーブの言葉に士郎は令呪を用いてセイバーを呼び出そうとする。が、その様子を見ていたライダーは危険を感じたのか慎二を抱え上げるとそのまま教室の窓ガラスを突き破って外に飛び出した。

 

「うわ!?ライダー!?」

 

慎二はライダーの行動に驚くが、ライダーは冷静だった。スティーブ、クリント、ナターシャの3人に加えてセイバーまで呼び出されてしまえば確実に負けてしまう。それを読んだライダーは迷わず撤退を選択したのだ。更に言えばスティーブの持ったヴィブラニウムの盾による一撃によるダメージも決して軽くはない。士郎とスティーブ達3人は窓ガラスを割って外に脱出したライダーと慎二の二人を見送る事しかできなかった。

 

「とりあえずは……勝ったのか……?」

 

「そうみたいですね……」

 

スティーブと士郎は慎二とライダーのコンビの撤退を見届け、ようやく自分達が勝ったと実感できた。

 

「シロウ。キャップとの連携は大したモンだったぜ?お前さんが自分の魔力を込めたヴィブラニウムの盾を投げて、それをキャップがキャッチしつつ一撃を叩き込む一連の流れはなかなか見応えがあった」

 

「ありがとうございます。あのまま戦っていたら、俺達じゃ間違いなくやられていた」

 

スティーブ、クリント、ナターシャの誰かが欠けていれば確実にやられていただろう。サーヴァントではなく、人間である自分たちがライダーを撤退に追い込めた事は紛れもない勝利である。セイバーや凛が聞けば間違いなく仰天するだろう。

 

「シロウ、君の込めた魔力のお陰で彼女を追い払えた。感謝する」

 

「いえ、俺なんかロジャース先生たちの足手まといになってばかりです」

 

そう言いつつも、二人は笑顔で勝利のハイタッチをかわす。そんな二人の様子をクリントとナターシャは微笑ましそうに見つめていた。

 

 

 

*************************************************************::

 

 

コヤンスカヤが用意してくれたホテルの部屋は所謂スイートルームと言って良かった。豪華なソファにこうして3人で座ることができ、大画面のテレビに映る映画をのんびり観賞できるのだから最高だ。立香は画面に映る映画に夢中になっている様子で、目をキラキラさせていた。ソファに座るにあたって、コヤンスカヤは自分の太い尻尾を出し、その上に立香とパニッシャーを座らせている形となっている。立香はコヤンスカヤのモフモフとした尻尾が気に入っているので、こうして座る時は彼女の尻尾をソファの上に置いて座っている。

 

「まったくもぅ……私の尻尾は椅子じゃございませんのよ?」

 

そう言いつつも、立香が自分の尻尾に座ることを認めているあたり、彼女もまんざらではないのだろう。コヤンスカヤの言葉に苦笑しながら、パニッシャーは言った。

 

「いいじゃないか、別に減るものじゃないだろ?」

 

そう言った自分に彼女はため息を吐くと、仕方ありませんわねと小さく呟き、リモコンを使って音量を大きくする。パニッシャー自身もコヤンスカヤの尻尾が気に入ったようで、尻尾の毛並みと弾力を楽しんでいる。パニッシャーはコヤンの尻尾を撫でながら言う。

 

「お前の中で褒められる部分があるとすればこの尻尾だろうな。フワフワで気持ちいい」

 

「あら?♪お褒めいただきありがとうございます」

 

コヤンはニヤニヤした顔でパニッシャーを見つめてくる。その目は明らかに自分をからかっている様子だ。立香はコヤンの尻尾のモフモフ具合がよほど気持ちいいのか、寝そべって彼女の尻尾に顔を埋める。

 

「んん~~っふわふわぁ~」

 

尻尾に埋もれて幸せそうな声を上げる立香の様子に、コヤンスカヤは微笑みながら言った。

 

「あらあら? そんな声を出しているとワンちゃんみたいですわよ?」

 

そう言って笑うと、尻尾に寝そべる立香の頭を撫でる。確かにコヤンの尻尾のモフ具合はその手の趣味を持つ輩から見れば極上の逸品だろう。

 

「戦いと殺しが大好きな貴方も、私の尻尾の魔力には白旗を上げていますのね」

 

コヤンスカヤは立香と同じく自分の尻尾の毛並みと感触を楽しむパニッシャーに顔を向けながら言う。その表情は完全に小悪魔モードに入っている。

 

「ふん、お前の性悪ぶりよりはマシだ」

 

「私は元々いた世界の南米には、貴方を気に入りそうな神がいますのよ?戦いと殺しを好む貴方はまさしく彼のお気に入りになるかと」

 

「どんなやつだ?」

 

「その神の名はテスカ……いえ、この話はまた今度にしましょう」

 

コヤンスカヤはパニッシャーの質問をはぐらかしつつ映画鑑賞を続ける。立香はコヤンスカヤのモフ尻尾の上で寝落ちしており、パニッシャーはそんな立香の頭を優しく撫でる。

 

「……こうして見ると、私とアナタ、そしてこの子は家族に見えませんこと?」

 

まるで恋人のように振る舞いつつ悪戯っぽく笑うコヤンスカヤに対し、パニッシャーは少し照れながらも答える。

 

「お前が女房なんざまっぴらごめんだ!」

 

パニッシャーの言葉にコヤンはクスクスと笑いつつも、彼と一緒に映画鑑賞を楽しむ事にした。




【悲報】パニッシャーさん、コヤンスカヤのモフ尻尾に陥落する


テスカトリポカってパニッシャーさんの事を確実に気に入りそう。ディノスの皆さんからはオセロトルに近い的な事を言われそうだけど。
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