アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです 作:ドレッジキング
深山町の商店街、通称マウント深山。その活気に満ちた通りを、遠坂凛は軽やかな足取りで歩いていた。夕暮れ時のオレンジ色の光が街並みを優しく照らし、日中の喧騒が徐々に落ち着いていく頃合いだ。凛は買い物籠を片手に、晩餐の材料を吟味しながら店先を覗いていく。しかし、彼女の心中は決して平穏ではなかった。聖杯戦争の緊張感が漂う中、一人で外出することの危険性を十分に認識していたからだ。とはいえ、霊体化したアーチャーが常に彼女の傍らにいることが、些かの安心感を与えていた。
「さて、こんなもんかしらね……。」
一通り必要な食材を買い終えた凛は、買い物袋を覗き込みながら呟く。腹が減っては戦はできぬとばかりに、今日の夕飯は少し多めに作ろうと決めていたのである。衛宮邸に来たキジトラの猫もといドクター・ストレンジが食べるキャットフードまで買う羽目になったのだが……。
「衛宮くんの胃袋も満足させられそうだわ」
その時だった。人混みの向こうに、ある男の姿が目に入った。黒いコートに身を包み、無骨な体躯を誇示するかのように立っている。その姿を認めた瞬間、凛の表情が凍りついた。
(げっ……!)
思わず心の中で悲鳴を上げる。そう、その男こそが、既に二度の遭遇経験のあるパニッシャーだった。凛は咄嗟に視線を逸らし、その場を立ち去ろうとしたが、既に遅かった。
「遠坂凛」
「あ、アンタ……何の用よ?」
凛は警戒心を露わにしながら尋ねる。パニッシャーは凛を冷ややかな目で見下ろした。
「学校での事件を聞いたぞ」
凛は一瞬、言葉に詰まる。
「...ロジャース先生から聞いたのね」
「ああ」
パニッシャーの声音に怒りが滲む。
「お前が生徒たちを避難させていれば、あんな事態には至らなかった」
しかしその言葉に対して凛は眉をひそめる。
「あなたに何が分かるっていうの?私たち魔術師には守るべきルールがあるのよ」
「ルール?罪のない生徒たちの命より大事なルールか?」
「そういう単純な話じゃないわ。神秘の秘匿は魔術師にとって絶対なの。それを破れば...」
「俺には関係ない」
パニッシャーは凛の言葉を遮る。
「お前たちの都合で一般人を危険に晒すなら、俺が止める」
凛は言葉に詰まる。確かに、聖杯戦争では一般市民を巻き込まないよう細心の注意を払っているが、完全に避けられるわけではない。ましてや慎二のようなマスターは市民の犠牲など意に介さないのだ。そして、その事実をパニッシャーに指摘されることに、凛は言い返す事はできない。しかし彼女にも魔術師としての矜持と遠坂家の当主としての意地がある。このまま言いたい放題言われるのも癪に障るのだろう、凛はパニッシャーを睨み返した。
「言いたいことはそれだけかしら?」
そしてそんな凛の言葉に対してパニッシャーはゆっくりと口を開ける。
「少し付き合え。話がある」
有無を言わさぬ眼光の鋭さで凛に言うパニッシャー。凛としては早く衛宮邸に帰りたいがこのパニッシャーと一度しっかり話し合うのも悪くないと思い、パニッシャーの後に付いてく事にした。商店街の喧騒から離れた路地裏。そこで凛とパニッシャーは向かい合っていた。周囲の建物が二人を覆い隠すように立ち並び、まるで密談の舞台装置のようだった。パニッシャーの巨体が凛の前に立ちはだかる。その身長191センチの威圧的な存在感は、まるで壁のようだった。対する凛は159センチの小柄な体躯ながら、一歩も引かず毅然と立っている。
「遠坂凛」
パニッシャーの低く重い声が、狭い路地に響く。
「お前を殺すつもりはない。だが、痛い目には遭ってもらう」
パニッシャーとしては凛は率先して悪事を働くような性格ではなく、スティーブやクリントと一応の協力関係にあるのも大きいだろう。しかし彼女の根本は魔術師であるのは違いない。学校の生徒を避難させる事に反対したからこそ多くの生徒がライダーに殺されかけたのだ。士郎やスティーブの活躍で阻止こそされたものの、避難に反対した凛への憤りを感じたのは事実である。そこで殺すのは止めるが痛い目には遭ってもらう事にした。もし凛が救いようのない極悪人なら喜んで鉛玉を脳味噌に挿入してやるのだが。パニッシャーの言葉に対して凛は眉一つ動かさず、むしろ挑戦的な目つきでパニッシャーを見上げた。
「あら? 随分と物騒な事言うわね。私に勝てるつもり?」
凛は強気な口調で言い放つが、内心は少し驚いていた。まさかこの男から自分に戦いを挑むとは思わなかったのだ。
「銃は使わないでおいてやる。だがお前は魔術なり飛び道具なり使っていいぞ。武器を持たない素手の人間を殺す事は簡単だろう?」
パニッシャーの挑発的な言動に凛の額に怒筋が浮かぶ。
「随分と大口叩くじゃない。魔術師と人間じゃ力の差があるけど、それでいいの?」
凛は負けじと挑発するように言い放つ。
「お前が本気で魔術を使えば、俺は敵わないかもしれん。だがな」
彼は一歩前に踏み出す。その動きに、凛は思わず身構えた。
「お前には魔術を使う暇も与えん」
凛はパニッシャーを睨みつつも、気丈に応じる。
「ふん、随分と自信があるのね。でも、あなたが何をしようと、私は遠坂家の当主よ。そう簡単には屈しないわ」
が、処刑人パニッシャーを前にしても凛は一歩も引こうとしない。二人の視線が空中で激突する。まるで目に見えない火花が散るかのようだった。パニッシャーの圧倒的な体格差と、凛の魔術師としての自負。相容れない二つの力が、この狭い路地で対峙していた。しかしこの路地裏で戦うのは些か狭すぎる。パニッシャーは場所を広い所へと変える提案を凛にすると彼女は意外にも快く引き受けてくれた。緊張感漂う路地裏を後にし、二人は人気のない近隣の公園へと足を運んだ。夕暮れ時の公園は、オレンジ色に染まる空の下で静かに佇んでいた。午後4時を回ったばかりの空気は、まだ日中の名残を留めつつも、徐々に夜の気配を感じさせ始めていた。遊具は無人のまま、かすかな風に揺られている。パニッシャーと凛は、その静謐な空間の中で向かい合っていた。二人の姿は、まるで異質な存在が偶然にも同じ場所に立っているかのようだった。パニッシャーは、その冷徹な目で凛を見下ろしながら、重い口を開いた。
「魔術師とは、つまるところ犯罪者予備軍だ」
その言葉に、凛は目を見開いたが、パニッシャーは容赦なく続けた。
「世の中に何一つ貢献できないばかりか、こんな街で聖杯戦争をやらかす迷惑極まりない社会不適合者のサイコパスの群れだ」
その言葉は、まるで鋭い刃物のように空気を切り裂いていく。パニッシャーの声音には、憎悪と軽蔑が混ざり合っていた。その眼光は、まるで獲物を狙う猛獣のように鋭かった。凛は一瞬、言葉を失った。パニッシャーの言葉には、彼女自身も否定できない部分的な真実が含まれていた。しかし、魔術師としての誇りと、遠坂家の当主としての自負が、簡単に屈するのを許さない。彼女は、わずかに眉をひそめながらも、挑戦的な微笑みを浮かべた。
「ふぅん、随分と手厳しいのね」
凛は、その青い瞳でパニッシャーを見上げる。
「でも、気になるわ。その"サイコパスの群れ"に、私も入っているのかしら?」
その問いかけには、皮肉と好奇心が混ざっていた。凛は、パニッシャーの反応を注意深く観察している。パニッシャーは無表情のまま、凛を見つめ返した。その眼差しには、これまでの経験から生まれた確固たる信念と、魔術師に対する根深い不信感が宿っている。二人の間に流れる緊張は、まるで目に見えるかのようだった。夕暮れの公園に、異質な空気が充満していく。パニッシャーと凛の対峙は、まるで時が止まったかのような静寂の中で続いていた。しかし、その平穏は長くは続かなかった。
「アーチャー、あなたは手を出さないで」
凛は霊体化して自分の周囲にいるであろうアーチャーに対して呼びかける。パニッシャーからはアーチャーの声は聞こえないものの、凛が微かに頷いた様子からどうやらマスターである凛であればアーチャーと会話ができるらしい。
パニッシャーは、凛の能力を決して侮ってはいなかった。魔術師の戦闘力は未知数であり、油断すれば致命的な結果を招くことを、彼は身をもって知っていた。そのため、常に警戒を怠らず、凛の一挙手一投足に神経を尖らせていた。もし彼女が本気で殺意を向けてくるのであれば、躊躇なく銃を抜く覚悟はできていた。
しかし、次の瞬間に起こった出来事は、パニッシャーの予想をはるかに超えるものだった。凛の姿が、まるで霧のように消えたかと思った瞬間、彼女は既にパニッシャーの目前に立っていた。それは単なる高速移動ではない。
まるで空間そのものを切り取り、瞬間移動したかのような超常の技だった。パニッシャーの瞳が驚愕で見開かれる。長年の戦闘経験を持つ彼でさえ、この状況を理解するのに一瞬の遅れが生じた。その僅かな隙を突くかのように、凛の動きが始まった。
彼女の姿勢が一変する。それは、まるで古の武術の型を思わせるような構えだった。パニッシャーの脳裏に「八極拳」という言葉が閃いた瞬間、凛の拳が繰り出された。その一撃は、パニッシャーの想像を遥かに超える威力を秘めていた。彼の巨体が、まるで羽毛のように軽々と宙を舞う。衝撃波が周囲の空気を震わせ、近くの木々の葉が一斉に舞い散った。パニッシャーの身体が地面に叩きつけられる。その衝撃で、地面に小さなクレーターが形成される。彼は咄嗟に受け身を取ったものの、それでも全身に鋭い痛みが走った。立ち上がろうとするパニッシャーの目に、凛の姿が映る。彼女は、まるで何事もなかったかのように立っていた。その表情には、勝利の色が垣間見えた。パニッシャーは、自分の認識の甘さを痛感していた。魔術師の力を、彼は明らかに過小評価していた。しかし、それと同時に、新たな闘志が彼の内に燃え上がる。これは、単なる魔術師との戦いではない。未知の力との対決、それこそが彼の目の前に広がっていた世界だった。
パニッシャーは、地面に刻まれた小さなクレーターから、ゆっくりと体を起こす。その動作には痛みが伴っていたが、彼の表情からは一切の弱音を読み取ることはできなかった。対する凛は、数メートル先に立ち、冷静な眼差しでパニッシャーを見つめていた。二人の間に流れる空気は、まるで刃の切っ先のように鋭く、そして重かった。凛は、その沈黙を破るように口を開いた。
「驚いた?魔術師の力を甘く見ない方がいいわよ」
その言葉に、パニッシャーは眉をひそめる。彼の頭の中では、先ほどの一撃の威力と、魔術師という存在の危険性が、新たに結びつきつつあった。
凛は、パニッシャーの思考を読み取ったかのように続ける。
「魔術師には身体強化があるの。普通の人間の何倍もの力を出せるわ」
そう言いながら、凛は自分の左腕の袖をまくり上げた。そこには、複雑な文様が刻まれており、それは淡く光を放っていた。
「これが魔術刻印よ。私たち魔術師の力の源」
パニッシャーは、その光景に目を見張った。魔術刻印から放たれる光は、まるで生き物のように蠢いており、その光景は彼にとって未知の領域だった。それは単なる装飾ではなく、明らかに力の象徴だった。凛の腕に刻まれた魔術刻印を目の当たりにし、パニッシャーは改めて彼女の強さを実感した。しかし、それと同時に、彼の闘志も燃え上がる。パニッシャーはゆっくりと立ち上がった。その動作には痛みが伴っていたが、彼の眼差しには決して諦めの色はなかった。むしろ、新たな挑戦への意欲が感じられた。
「なるほど」
パニッシャーの声は低く、しかし力強かった。
「お前たちの力は、確かに侮れないものだ。だが」
彼は一歩前に踏み出す。その姿勢からは、戦う意思が明確に伝わってきた。
「俺もそう簡単には引き下がらん。これが終わりだと思うなよ」
凛は、そんなパニッシャーの態度に、わずかに驚きの色を示した。普通の人間なら、ここまでの力の差を見せつけられれば、戦意を喪失してもおかしくない。しかし、目の前の男は違った。二人の間に再び緊張が走る。夕暮れの空が徐々に色を変えていく中、魔術師と処刑人の対峙は、新たな局面を迎えようとしていた。しかし、まだ本格的な戦いの火蓋は切られていない。両者とも、次の一手を慎重に探りあっているかのようだった。凛は、ゆっくりと身体の重心を下げ、両腕を前に構えた。その姿勢は、古来より伝わる中国武術、八極拳の型を思わせるものだった。彼女の動きには無駄がなく、まるで長年の修練を積んだ武道家のような精緻さが感じられた。その姿を目の当たりにしたパニッシャーの瞳に、一瞬の驚きが走る。魔術師が古武術に精通しているという事実は、彼の予想を遥かに超えていた。
凛の口元に、微かな笑みが浮かぶ。
「殺したりしないから安心して」
その言葉には、挑発の色が混じっていた。しかし、それ以上に、自身の力に対する絶対的な自信が滲み出ていた。パニッシャーは、無言で凛を見つめ返す。彼の頭の中では、これまでの戦闘経験が走馬灯のように駆け巡っていた。海兵隊時代に叩き込まれた格闘術、そして数々の死線を潜り抜けてきた経験。それらを総動員しなければ、目の前の少女に太刀打ちできないという現実が、重くのしかかってくる。彼は、自身の体内に眠る全ての技術を呼び覚まそうとしていた。それは単なる格闘技の枠を超えた、生き抜くための技術だった。パニッシャーの目に、新たな決意の色が宿る。周囲の空気が、さらに重さを増していく。遊具の影が長く伸び、二人の姿を不気味に歪めていた。夕暮れの風が、かすかに木々の葉を揺らし、その音が妙に耳に残る。
静寂を破るように、凛が動いた。彼女の動きは、まるで風を切り裂くかのように鋭く、そして速かった。魔術による身体強化が、凛の肉体を超人的なレベルまで引き上げている。パニッシャーの目が、わずかに見開かれる。凛の速度は、彼の予想を遥かに超えていた。凛の拳が、パニッシャーの顔面を捉えようと迫る。彼は咄嗟に首を傾け、かろうじてその一撃をかわす。しかし、それは序の口に過ぎなかった。凛の攻撃は、まるで滝のように絶え間なく繰り出される。拳、肘、膝、そして蹴り。それらが絶妙なリズムで繰り出され、パニッシャーを追い詰めていく。彼女の動きには無駄がない。それは単なる力任せの攻撃ではなく、長年の修練によって磨き上げられた技術が、そこにはあった。八極拳の基本に、現代格闘技のエッセンスを加えた、凛独自の戦闘スタイル。パニッシャーは必死に防御を固める。彼の腕に、凛の蹴りが炸裂する。その衝撃は、パニッシャーの想像を遥かに超えるものだった。
ただの少女の力とは思えない。凛の拳が、パニッシャーの胸を捉える。彼は思わず後ろに下がるが、それは凛の狙い通りだった。彼女は間髪入れずに踏み込み、回し蹴りを繰り出す。パニッシャーは、かろうじてその蹴りを両腕で受け止めるが、その衝撃で彼の体が宙に浮く。凛はその隙を逃さず、連続技を繰り出す。拳、肘、膝と、まるで息つく暇も与えないかのように攻撃を重ねていく。パニッシャーの動きが、徐々に鈍くなっていく。凛の攻撃の一つ一つが、彼の体力を確実に奪っていった。彼は経験豊富な戦闘のプロフェッショナルだが、それでも魔術によって強化された少女の前では、なすすべがなかった。凛の動きは、まるで舞うかのように美しく、そして致命的だった。彼女の周りには、魔力のようなものが淡く光っているように見える。それは、彼女の魔術刻印が活性化している証だった。
パニッシャーは、完全に防戦一方に追い込まれていた。彼の顔には汗が滲み、呼吸も荒くなっている。対する凛は、まだ息一つ乱していなかった。公園の空気が、二人の激しい攻防によって震えているかのようだった。夕暮れの光の中、魔術師と処刑人の戦いは、予想もしない展開を見せていた。パニッシャーの頭の中で、一つの認識が形成される。この少女は、本気を出していない。それでもなお、これほどまでの力を見せつけている。彼は、自分が直面している状況の深刻さを、改めて実感していた。
パニッシャーの額に汗が滲む。呼吸は荒く、動きにも僅かな乱れが生じ始めていた。しかし、その目には冷徹な怒りの炎が燃えていた。過去の戦いの記憶が、彼の中で渦巻いていく。スパイダーマンの超人的な敏捷性、デアデビルの鋭敏な感覚。彼らとの戦いで培った経験が、今、パニッシャーの中で憎悪と共に再構築されていく。
「聖杯戦争だと?」
パニッシャーの声が、低く唸るように響く。
「魔術師ども、お前らの身勝手な争いに、罪のない者たちを巻き込んで何が楽しい?」
その言葉には、正義感などではなく、純粋な怒りと憎悪が滲んでいた。パニッシャーの目に宿るのは、悪を憎み尽くす復讐者の眼差しだった。
「てめえんとこの学校の生徒を盛大に聖杯戦争の戦いに巻き込んで、事情を知ってるテメェは何食わぬ顔で戦いに参加か?」
その言葉には、凛への非難と共に、この街全体を覆う理不尽さへの怒りが込められていた。パニッシャーの目は、燃えるような憤怒に満ちていた。冬木市では、住民たちが理解できない恐怖に晒されていた。魔術師の存在も、サーヴァントの存在も知らない彼らは、突如として襲いかかる危険に対して全く無防備だった。穂群原学園の生徒たちは、ライダーの結界によって危うく魔力の燃料にされかけた。キャスターによって生命力を吸い取られ、病院に搬送された市民の数は日に日に増えていく。しかし、彼らを救うヒーローは存在しない。アベンジャーズも、スパイダーマンも、この世界には存在しないのだ。代わりに存在するのは、自らの欲望のために戦う魔術師たちと、彼らに呼び出されたサーヴァントたち。英霊と呼ばれるサーヴァントたちは、マスターの望みを叶えるか、聖杯によって自分の願望を実現するために行動している。彼らの目的のために、罪のない市民が犠牲になることなど、彼らの眼中にはない。
「魔術師連中も……サーヴァントもこの街の住民が死んだって誰も気に掛けやしねぇ!!」
パニッシャーの目は、怒りの炎で赤く染まっていた。その瞳には、これまでに見た数多の犠牲者たちの姿が映し出されているかのようだった。
「巻き込まれて死んでも”仕方のない犠牲”で済まされるばかりか真実さえ協会はもみ消しやがる!!」
彼の声は、さらに激しさを増す。その言葉一つ一つに、積み重ねられてきた怒りと憎しみが込められていた。パニッシャーの体は、その怒りを動力にして動きを加速させる。
「遠坂凛!お前も連中と同じなのか!?」
凛の瞳が、その言葉に反応して揺れる。しかし、パニッシャーの怒りは止まらない。
「お前も連中と……!!!」
その言葉と共に、パニッシャーの裏拳が凛の顔めがけて繰り出された。その一撃には、単なる攻撃を超えた、この世界全体への怒りの念が込められていた。
拳が空気を切り裂く音が響く。その瞬間、公園全体が息を呑んだかのような静寂に包まれた。
ルヴィアとの格闘バトル見る限りじゃ身体スペックでもパニッシャーさんだと勝ち目無いと思うんだよねぇ。
余計な贅肉が多いとはいえ凛ちゃん魔術師の端くれだし、分かり合えない部分が多そう。