アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです   作:ドレッジキング

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ついに復讐の精霊登場。


第66話 貴様等の魂は、沢山の善良な人間の血で染まっている

地下聖堂の空気が、突如として変質する。それは単なる温度上昇ではない。魂そのものが焼き焦がされるような、地獄の業火を思わせる熱気。セイバーの翠の瞳が、不意に見開かれる。

 

天井から降り注ぐ砂埃の中、轟音と共に黒い影が突き抜けてくる。永劫の炎に包まれた車輪が、闇を切り裂くように回転を続けている。その存在は、まさに地獄からの使者そのもの。

 

「なんという魔力...」

 

セイバーの声が震える。彼女の前に現れたものは、英霊としての記憶にすら存在しない異形の存在だった。頭蓋骨となった顔から立ち上る炎。その眼窩に宿る青白い輝きは、魂の深部まで見通すかのよう。

 

ギルガメッシュの赤い瞳が、一瞬だけ興味深そうな色を帯びる。言峰の表情にも、これまでにない緊張が走る。彼らの前に出現したのは、復讐の精霊、ゴーストライダー。

 

「ゴーストライダー...」

 

パニッシャーの声には、かすかな安堵が混じっている。ウルヴァリンもまた、見覚えのある戦友の登場に、わずかに表情を緩める。

 

ヘルサイクルが、まるで生き物のように地下聖堂の床に着地する。その衝撃で、床面が赤く溶け始める。タイヤの跡には、永遠に消えることのない業火の痕が刻まれていく。

 

「お前たちの仕業か?」

 

骸骨となった顎から発せられる声は、まるで地獄の底から響き上がってくるよう。その問いは、明らかに言峰とギルガメッシュに向けられていた。ゴーストライダーの視線が、地下聖堂の奥に並ぶ棺へと向けられる。

 

凛の頬が、青ざめていく。彼女の魔術師としての本能が、目の前の存在の異常性を察知していた。それは英霊でも魔術でもない、全く別の領域に属する存在。天井から降り注ぐ光が、ゴーストライダーの炎に照らされ、地下聖堂全体が血に染まったような色彩を帯びていく。永遠の業火に包まれた復讐の精霊は、罪無き者への暴虐を糺すために此処に現れたのだ。

 

「ま、まさか...悪魔...!?」

 

士郎の声が、かすかに震える。しかし、それは違っていた。目の前の存在は、英霊という概念すら超越した、復讐の化身そのもの。人の手による悪逆非道を裁くために生まれた、地獄の審判者。

 

キャップの表情が、一瞬だけ和らぐ。この展開は、完全な想定外。しかし、少なくともゴーストライダーの出現は、彼らにとって希望の光となり得る。地下聖堂は、新たな戦いの幕開けを迎えようとしていた。

 

業火に包まれた眼窩が、言峰とギルガメッシュを捉える。その視線には、罪を裁く者としての絶対的な威厳が宿っていた。

 

「棺の中の子供達は、お前たちの仕業なのか」

 

骸骨となった顎から発せられる問いに、言峰は涼しげな表情を浮かべる。その態度には、これまでの所業を悔いる色など微塵も感じられない。

 

「ああ、私の実験体だ。第四次聖杯戦争後、引き取り手のない孤児たちをな」

 

神父の言葉に、棺の中から微かな嗚咽が漏れる。十年に渡る生き地獄。大火災で全てを失い、救いを求めた先で待っていたのは、さらなる深淵だった。

 

ギルガメッシュが、傲然とした笑みを浮かべる。その赤い瞳には、目の前の復讐の精霊を見下すような色が浮かんでいた。

 

「ふん、王たる者が臣下からの献上品を受け取るのは当然であろう。悪魔ごときが、我の采配に口を出すか」

 

その言葉が、引き金となる。ゴーストライダーの全身から、より激しい業火が迸り出る。棺の中の魂たちが、一斉に震え始める。彼らの苦痛、絶望、そして深い悲しみが、まるで実体を持つかのように地下聖堂を満たしていく。大火災の炎の中で家族を失い、教会に身を寄せた子供たち。その純粋な魂は、十年もの間、魔力供給源として搾取され続けてきた。死にたくても死ねず、生きていても苦痛だけが永遠と続く日々。その慟哭が、復讐の精霊の炎を、さらに激しく燃え上がらせる。

 

ゴーストライダーの指が、二人を指し示す。その仕草には、地獄の審判者としての威厳が込められていた。

 

 

 

 

 

 

─────貴様等の魂は、沢山の善良な人間の血で染まっている

 

 

 

 

 

その宣告と共に、地下聖堂の空気が一変する。正義の裁きが下される時が、今まさに訪れようとしていた。

 

「この程度の場所で戦うのも面白くないな」

 

ギルガメッシュの声が響き渡る。次の瞬間、黄金の鎧が閃光となって地下聖堂の出口へと跳躍する。その動きには、この狭い空間での戦いを忌避する意図が込められていた。

 

業火に包まれたヘルサイクルのエンジンが唸りを上げる。ゴーストライダーは、一瞬の躊躇いもなくギルガメッシュを追跡し始める。螺旋階段を駆け上がる音が、まるで地獄の太鼓のように響いていく。

 

地下聖堂から中庭、そして礼拝堂へと移動する二つの存在。その軌跡は、まるで光と炎の交錯のよう。教会の静寂は、一瞬にして戦場の喧騒へと変貌を遂げていく。

 

「ほう、追ってきたか、悪魔よ」

 

ギルガメッシュの声が、夜空に響き渡る。教会前の広場に降り立った英雄王の背後に、金色の空間が開かれ始める。その中から、無数の武具の輪郭が浮かび上がっていく。

 

轟音と共に、ヘルサイクルが礼拝堂の扉を突き破る。永劫の業火が、夜の闇を赤く染め上げていく。聖杯戦争において中立地帯とされてきた冬木教会が、今まさに世界最古の王と地獄の使者の戦場と化そうとしていた。

 

「さあ、この我が宝の数々を存分に味わうがいい!」

 

ギルガメッシュの声と共に、金色の空間から無数の宝具が射出される。それは流星群のような光景。一つ一つが神話や伝説の領域に達する武具の雨が、ゴーストライダーめがけて降り注いでいく。教会前の広場が、まるで昼のように明るく照らし出される。聖なる地に、英雄と悪魔の戦いの幕が切って落とされようとしていた。

 

夜空を切り裂く無数の宝具の雨。しかし、その光景を前にしても、ゴーストライダーは毅然と立ち向かう。業火に包まれたチェーンが、まるで生きた蛇のように宙を舞い、次々と宝具を弾き返していく。

 

「何!?」

 

ギルガメッシュの声が、驚愕と共に響く。地獄の力を宿したチェーンは、王の財宝を単に弾くだけではない。その一撃一撃に込められた復讐の意志が、宝具そのものを押し返していく。宝具の雨が途切れた瞬間、ゴーストライダーの骨となった顎が大きく開く。そこから放たれるのは、魂をも焼き尽くす地獄の業火、ヘルファイア。その炎は、人智を超えた領域に達する破壊力を持っていた。

 

「ふん、我が宝を焼き尽くすとでも?」

 

ギルガメッシュの嘲笑が響く中、ヘルファイアは容赦なく宝具群を呑み込んでいく。神話や伝説の域に達する武具も、地獄の炎の前では儚い存在でしかない。次々と溶解し、蒸発していく宝具の群れ。

 

「俺の炎は、貴様の財宝など物ともしない」

 

ゴーストライダーの宣告が、夜空に響き渡る。業火に包まれた眼窩からは、罪を裁く者の威厳が放たれていた。教会前の広場は、まるで地獄の一角と化したかのよう。ギルガメッシュの赤い瞳に、これまでにない緊張が宿る。目の前の存在は、もはや単なる異形の敵ではない。この世ならざる力を持つ、真の脅威。その事実に、英雄王は初めて気付き始めていた。

 

「悪魔ごときが、この我の宝物庫に入る資格などあろうか」

 

ギルガメッシュの背後に開かれる金色の空間が、一気にその数を増していく。それはもはや夜空を覆い尽くすほどの規模。無数の射出孔が、まるで天の裁きのように復讐の精霊を見下ろす。

 

「人類最古の王の力、見せてやろう」

 

その宣言と共に、宝具の雨が降り注ぐ。それは流星群などという生易しいものではない。まさに天からの絨毯爆撃。その数たるや、チェーンで全てを弾き返すことすら不可能な規模。

 

「くっ...」

 

ゴーストライダーの声が詰まる。業火に包まれた眼窩が、一瞬だけ揺らぐ。宝具の中に紛れ込んでいた聖なる護符が、その体を僅かに痺れさせる。

 

ギルガメッシュの口元に、不敵な笑みが浮かぶ。彼の宝庫には、世界中の悪魔祓いの道具が収められていた。十字架、聖水、そして数々の加持祈祷の道具。それらが放つ神聖な力は、たとえ復讐の精霊といえども、無視できない影響を及ぼしていく。

 

「所詮は悪魔。この我が持つ聖なる宝具の前では、ただの虫けらよ」

 

英雄王の嘲笑が響く中、宝具の雨がさらに激しさを増していく。ゴーストライダーの体が、徐々に押し込まれていく。地獄の使者といえども、世界最古の英雄が持つ宝具の数には、さすがに圧倒されようとしていた。夜空は、まるで昼のように明るく輝いている。聖なる力を秘めた宝具群が、復讐の炎を少しずつ押し返していく。教会前の広場で、二つの力が激しくぶつかり合っていた。

 

聖なる十字架がゴーストライダーの肩を貫く。その一撃に、業火の勢いが僅かに衰える。続いて古代バビロニアの護符が胸を直撃。地獄の使者といえども、世界各地の悪魔祓いの道具が及ぼす影響は無視できない。

 

「ぐぅ...」

 

骨となった顎から、呻き声が漏れる。一つ一つの宝具は、確かにゴーストライダーの存在を脅かすほどの力は持っていない。しかし、その数があまりにも膨大。まるで天からの裁きのように降り注ぐ聖なる武具の雨は、復讐の精霊の体を少しずつ蝕んでいく。

 

「どうだ悪魔よ」

 

ギルガメッシュの声が、高らかに響き渡る。金色の空間からは、さらなる宝具が溢れ出ようとしていた。

 

ゴーストライダーの体が、徐々に押し戻されていく。その足跡が、アスファルトに深く刻まれていく。永劫の業火は健在だが、その炎さえも、聖なる宝具の前では力を弱めざるを得ない。黄金の鎧を纏った王の姿が、月明かりに浮かび上がる、その表情には、勝利を確信したような尊大な笑みが浮かんでいた。数の暴力によって、世界最古の英雄は、地獄の使者を追い詰めていく。

 

地下聖堂の光景が、ゴーストライダーの脳裏に蘇る。棺の中で朽ち果てていく子供たちの姿。死にたくても死ねず、生きていても永遠の苦痛だけが続く日々。その魂の叫びが、復讐の精霊の中で轟音となって響き渡る。

 

「献上品だと?」

 

その言葉が、地獄の底から響き上がるような声で発せられる。ギルガメッシュの暴言が、ゴーストライダーの怒りに新たな燃料を注ぎ込んでいく。

 

無垢な子供たちの魂を、実験体として弄び続けた十年。その悲鳴、慟哭、そして諦めにも似た絶望。全てが、業火となってゴーストライダーの体内で渦巻いていく。

 

「貴様らの罪は、決して許されない」

 

骨となった顎から、審判の言葉が放たれる。その瞬間、ゴーストライダーの体から迸る炎が、これまでとは比べ物にならない激しさを帯びる。それは単なる地獄の業火ではない。罪無き者への暴虐を糺す、復讐の権化そのものの怒り。聖なる武具の雨が、悉く蒸発していく。十字架も、護符も、加持祈祷の道具も、全てが業火の前では無力。ゴーストライダーの眼窩に宿る炎が、より一層の輝きを増していく。

 

「な...何!?」

 

ギルガメッシュの声が、初めて動揺を帯びる。彼の宝具は、もはやゴーストライダーには届かない。復讐の精霊を包む業火は、まるで生き物のように広がり、うねり、そして全てを焼き尽くしていく。教会前の広場が、地獄の劫火に包まれる。それは、この世の全てを焼き尽くすほどの怒りの具現。子供たちの無念が、ゴーストライダーの力となって溢れ出していく。

 

「さあ、審判の時だ」

 

その宣告と共に、ゴーストライダーの姿が炎の中から浮かび上がる。英雄王の宝具など、もはや眼中にない。復讐の精霊は、ただ一つの目的のために燃え上がっていく。




やっぱゴーストライダーの決めセリフは外せないよね。
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