アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです   作:ドレッジキング

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流石にあんだけ強力なサーヴァントがいれば援軍は呼びたいよね。


第69話 援軍

朝靄に包まれた衛宮邸のリビングには、昨夜の戦いの重い余韻が漂っていた。食卓を囲む面々の表情は暗く、箸を持つ手にも力が入らない。士郎は目の前の味噌汁に映る自身の歪んだ姿を見つめながら、教会の地下で目にした光景を反芻していた。

 

大火災の後、教会に預けられた子供たち。自分と同じ境遇でありながら、言峰の非道な実験の犠牲となった彼らの姿が、士郎の脳裏から離れることはなかった。

 

「衛宮くん、食べないと体に毒よ」

 

凛の声が静寂を破る。彼女の言葉には、後見人の裏切りに対する怒りと、士郎を案じる優しさが混在していた。

 

食卓の向かいでは、スティーブが黙々とパンを口に運んでいた。その青い瞳には、昨夜の戦いを経て芽生えた新たな決意が宿っている。子供たちへの非道な仕打ちは、彼のヒーローとしての正義感を根底から揺さぶっていた。

 

「ロジャース先生、警察の捜査はどうなりましたか?」

 

凛の問いかけに、スティーブは一瞬動きを止める。その表情には、言い知れぬ苦悩が浮かんでいた。

 

ゴーストライダーの乱入によって、教会の地下の惨状は予想以上に大きく露見してしまった。魔術世界の秘密を守ろうとする凛と、一般市民の安全を優先するスティーブの間には、依然として深い溝が横たわっていた。

 

スティーブは重い溜息と共に首を横に振った。その仕草には、正義の象徴として戦ってきた男の無力感が滲んでいた。朝のニュースは教会での出来事に一切触れず、代わりに些末な事件や天気予報が淡々と流れている。

 

「残念だが、この事件は闇に葬られる可能性が高い。警察の捜査も、恐らく途中で立ち消えになるだろう」

 

その言葉に、凛は複雑な表情を浮かべる。魔術師としての彼女は「神秘の秘匿」の必要性を理解しながらも、後見人の罪が不問に付されることへの怒りを抑えきれないでいた。

 

リビングの空気が、より一層重くなっていく。朝日が窓から差し込み、テーブルの上のグラスに反射して不規則な影を作り出している。士郎は無意識のうちに拳を握り締める。彼の中で、自分が生き残り、他の子供たちが地獄へと落とされた理不尽さが、静かに沸騰していた。

 

「あの子供たちは...このまま忘れ去られるんですか」

 

士郎の声が震える。彼の言葉には、大火災の生存者としての痛切な思いが込められていた。スティーブは、盾を持つ手に込めるような力で、コップを握り締める。

 

「いいや、シロウ。私たちは決して忘れない。そして必ず、言峰とランサーを裁きの場に連れて行く」

 

その宣言には、アベンジャーズのリーダーとしての、揺るぎない決意が込められていた。それは単なる約束以上の、魂の誓いとも呼ぶべきものだった。

 

朝食後、士郎たちが片付けを行う間、スティーブ、クリント、ナターシャは居間の一角に集まっていた。窓から差し込む朝の光が、彼らの深刻な表情を浮かび上がらせる。教会での戦いを経て、この聖杯戦争の危険性は彼らの想像を遥かに超えるものだと理解していた。

 

「もう躊躇っている場合じゃない。援軍を要請すべきだ」

 

スティーブの声には、迷いのかけらもなかった。地下聖堂で目にした惨状が、彼の決意を固めさせていた。クリントは弓の弦を調整しながら、ゆっくりと頷く。

 

「シーハルクはどうだろう?ジェニファーなら状況を理解してくれるはずだ」

 

その提案に、ナターシャは首を傾げる。彼女の緑の瞳には、冷静な分析の色が宿っていた。確かにジェニファー・ウォルターズは弁護士としての知性と、ハルクの力を兼ね備えた強力な戦力だ。しかし、その圧倒的な存在感は、この街の秩序を根底から覆しかねない。

 

「サムはどうかしら?戦術的な思考と、空からの援護は有効よ」

 

ナターシャの提案に、スティーブは腕を組む。ファルコンの機動力は確かに魅力的だが、同時に目立ちすぎる。そこへクリントが新たな案を出す。

 

「バッキーはどうだ?ウィンターソルジャーとしての経験は、この手の隠密作戦に向いているぜ?」

 

スティーブの青い瞳が、光を宿す。確かにバッキーは状況を理解し、かつ目立たずに行動できる。しかし、彼らの議論は更に続く。

 

「それにキャロルの力があれば、最悪の事態も回避できる」

 

ナターシャの言葉に、三人が沈黙する。キャプテン・マーベルの圧倒的な力は、確かにサーヴァントにも対抗できる可能性を秘めていた。しかし、それは同時にこの街に被害を及ぼす危険性もある。

 

「キャロルは最後の切り札として置いておくべきだ。まずはバッキーに来てもらおう」

 

スティーブの判断に、クリントとナターシャが同意する。バッキーの戦闘経験と潜入能力は、現状の任務に最適だった。ギルガメッシュは倒れたものの、まだ言峰とランサー、そして他のサーヴァントたちが残されている。

 

「それと...もう一つ考えなければならない問題がある」

 

ナターシャの声が、居間に響く。彼女の視線は、立香が庭で遊ぶ姿に向けられていた。幼い少年の笑顔の裏には、家族を失った深い傷が隠されている。ランサーへの復讐心を秘めたパニッシャーの存在も、彼らにとって無視できない要素だった。

 

スティーブは立ち上がり、窓際へと歩み寄る。朝の陽光が、彼の姿を縁取るように照らしていた。もはや躊躇う時ではない。教会の地下で目にした惨状は、彼らの正義感に火をつけた。この戦いは、単なる異世界への介入ではなく、明確な悪と戦う戦いとなっていた。

 

「では決まりだ。バッキーを呼び、キャロルには待機してもらう」

 

スティーブの宣言が、朝の空気を震わせる。彼らの戦いは、新たな局面を迎えようとしていた。

 

秋の陽光が庭を優しく照らす中、立香の無邪気な笑い声が響き渡る。パニッシャーの巨体が、まるで大きな遊具のように立香を支えている。その光景は、復讐の鬼と呼ばれる男の意外な一面を覗かせていた。

 

 

 

 

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「おじさん、もっと高く!」

 

立香の声が、朝の空気を震わせる。パニッシャーは、その願いに応えるように少年の体を宙に舞わせる。その仕草には、普段の冷徹さは微塵も感じられない。むしろ、失われた優しさの残滓が、かすかに垣間見えるようだった。

 

「お姉ちゃんも一緒に遊ぼう!」

 

立香の呼びかけに、凛は複雑な表情を浮かべる。魔術師としての彼女は、常に冷静さを保つことを心がけていた。しかし、この無邪気な笑顔の前では、その仮面さえも溶けていく。

 

「もう、仕方ないわね」

 

凛の言葉には、普段の尖った部分が影を潜めている。彼女は立香に手を差し伸べ、パニッシャーと交代で少年を宙に投げ上げる遊びを始める。その姿は、まるで本当の姉弟のようだった。

 

立香の笑顔には、ランサーによって奪われた家族の影は見えない。それは、この瞬間だけは全てを忘れ、純粋な喜びに浸ることができる奇跡の時間だった。パニッシャーの眼差しには、その光景を見守る静かな決意が宿っていた。

 

「僕ね、お姉ちゃんとおじさんが大好き!」

 

立香の無邪気な告白が、三人を包む空気をより温かいものへと変えていく。それは、戦いと復讐の狭間に咲いた、小さな希望の花のようでもあった。

 

庭先の遊びに、新たな影が加わる。ライダーは黒いタートルネックのセーターとジーンズという、サーヴァントらしからぬ出で立ちで現れた。魔眼を封じる眼鏡が、朝の光を受けて淡く輝いている。

 

パニッシャーの体が、一瞬にして戦闘態勢へと移行する。その背筋に走る警戒心は、昨日の風呂場での出来事に由来している。しかし、そんなパニッシャーの考えている事を見抜いたのかライダーの唇には意味深な微笑みが浮かぶ。

 

「貴方、随分と怖がりなのですね」

 

ライダーの声には、パニッシャーの警戒を面白がるような色が混じっていた。その言葉に、凛は思わず溜息をつく。

 

立香は新たな大人の参加に歓声を上げ、ライダーの長い髪に興味津々な様子で近づいていく。パニッシャーの表情が更に強張る中、ライダーは優雅な仕草で少年の頭を撫でる。

 

「この子の笑顔、大切にしなければいけませんね」

 

その言葉には、単なる思いやり以上の意味が込められていた。パニッシャーとライダー、二人の目が静かに交錯する。そこには、立香を守るという共通の意志が見て取れた。

 

「ねえねえ、髪の毛触ってもいい?」

 

立香の無邪気な願いに、ライダーは柔らかな笑みを浮かべる。彼女は膝をつき、立香の背丈に合わせるように身を屈める。パニッシャーの警戒は緩んでいないが、その眼差しには僅かな変化が生まれていた。




バッキーとキャロルなら援軍として呼ぶなら妥当な人選かな?ハルクは流石にねぇ(^_^;)
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