アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです   作:ドレッジキング

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新サーヴァント登場回。この人はもしや……?


第74話 謎のサーヴァント

アインツベルン城の廊下を、イリヤの足音が冷たく響く。冬の陽光は高い窓から差し込み、白銀の世界を映し出していた。その静寂を破るように、一人の騎士の姿が彼女の前に現れる。胸元と背中が大きく開いた鎧に身を包んだその男は、まるで英雄譚から抜け出してきたかのような風格を漂わせていた。灰色の長髪は背中まで伸び、胸には薄緑色に光り輝く紋様が刻まれている。その姿は、人間離れした存在感を放っていた。

 

「悪いが、マスターからの命令だ。城内の警備を任された」

 

その声には、高潔な騎士道精神が滲んでいた。しかし、イリヤの赤い瞳には明らかな不快感が宿る。あの装甲の男が連れてきたサーヴァント。その存在自体が、彼女の領域への侵入者に他ならなかった。

 

「ふーん、あの人の使い魔さんなの?別に要らないんだけど」

 

イリヤの言葉には、幼い少女らしい甘さと、魔術師としての冷徹さが混ざり合っていた。廊下に差し込む陽光が、二人の間に長い影を作り出す。

 

「それは承知している。だが、命令は絶対だ」

 

騎士の瞳には、揺るぎない決意が宿っていた。その姿勢は、まるで運命に導かれるまま、ただ与えられた役目を全うしようとする存在のようでもあった。イリヤは不機嫌そうに頬を膨らませる。その仕草は年相応の可愛らしさを見せながら、同時に危険な意思を秘めていた。城内に異質な存在を置くことへの不満が、彼女の表情に浮かぶ。

 

イリヤと別れた騎士は、静かに寝室の扉へと歩を進めた。その重厚な足音が、冬の城に響き渡る。扉を開けると、そこには哀れな光景が広がっていた。椅子に縛られた立香は、すでに失禁で衣服を濡らし、小さな体を震わせながらうなだれていた。

 

「大丈夫か、少年」

 

騎士の声は低く、しかし優しさを秘めていた。その瞳には、弱者への慈愛の念が宿っている。戦場で幾多の命を刈り取ってきた英雄の目が、今は深い同情の色を湛えていた。立香は恐る恐る顔を上げる。その褐色の瞳には、まだ警戒の色が残っている。見知らぬ騎士の姿に、本能的な畏れを感じているのだろう。しかし、その騎士の佇まいには、どこか安心感を与えるものがあった。

 

「お前を傷つける気はない。むしろ、守るように命じられている」

 

重装の鎧を身につけた巨躯が、ゆっくりと立香に近づく。その動きには、幼い獲物を驚かせないような配慮が感じられた。立香の体が、わずかに強張る。

 

「僕を...守る?」

 

立香の声が震える。その言葉には、これまでの恐怖体験に裏打ちされた不信感が滲んでいた。しかし、騎士の目に宿る誠実さは、少年の心に微かな希望を灯すには十分だった。

 

「ああ。今は辛いだろうが、必ず助けは来る。それまでの間、俺が傍にいよう」

 

その言葉には、単なる命令への服従以上の、何か温かいものが込められていた。騎士は静かに立香の傍らに膝をつき、優しく頭を撫でる。その仕草には、幾度となく人々の願いを叶えてきた英雄の温もりが感じられた。

 

騎士は立香の傍らに立ち、静かに窓の外を見つめる。その姿勢には、幾度となく人の願いを叶えてきた英雄の矜持が感じられた。マスターの命令は絶対だ。しかし、目の前で蹲る者を見過ごすことはできない。それもまた、彼の信念だった。

 

「お腹...すいた」

 

立香の小さな呟きが、部屋の静寂を破る。その声には、五歳の子供らしい素直さと、囚われの身となった者の儚さが混在していた。騎士は、胸に秘めた葛藤を押し殺すように深く息を吐く。

 

「少し待っていてくれ。何か持ってくる」

 

その言葉には、命令への服従と人としての慈愛が、複雑に絡み合っていた。立香は僅かに顔を上げ、騎士の後ろ姿を見つめる。その瞳には、まだ警戒の色が残っているものの、かすかな信頼の光が灯り始めていた。

 

「僕...帰れるの?」

 

立香の問いかけに、騎士は一瞬動きを止める。その背中には、言いようのない重みが乗せられているようだった。彼には約束を交わす権利はない。しかし、この少年に希望を与えることはできる。

 

「必ず、助けは来る。それまでの間、俺に出来ることをしよう」

 

その言葉には、戦場で培った確かな信念が込められていた。立香の瞳に、新たな光が宿る。それは恐怖と希望が混ざり合った、複雑な輝きだった。

 

「ね、おじさん...怖くないの?」

 

その素朴な問いかけに、騎士の心が僅かに揺れる。彼の目には、自らもまた願いに縛られた存在であることへの、痛切な自覚が浮かんでいた。

 

食糧庫から獲得した戦利品は、パンと果物、そして水だった。英雄と呼ばれた存在が、まるで夜盗のように城内を忍び歩く。それは滑稽なようでいて、どこか切なさを帯びた行為だった。

 

寝室に戻った騎士は、小さなナイフでパンを切り分け始める。その手付きには、剣を振るう時とは違う、細やかな優しさが宿っていた。立香は、その様子を固定された姿勢のまま、じっと見つめている。

 

「少し、口を開けてくれ」

 

騎士は、パンの一片を立香の口元へと運ぶ。その仕草には、幾度となく人々の願いを叶えてきた者特有の、確かな優しさが滲んでいた。立香は恐る恐る口を開け、差し出されたパンを受け入れる。

 

「美味しい...」

 

その呟きには、単なる空腹を満たす喜び以上の、何か深い感情が込められていた。騎士は無言で頷き、次はりんごの小片を差し出す。窓から差し込む陽光が、その光景を静かに照らしていた。

 

「ゆっくりでいい。まだ、たくさんある」

 

騎士の声には、戦場では決して見せない柔らかさが混じっていた。立香の目に、初めて安堵の色が浮かぶ。それは束の間の平穏さの中で、幼い魂が見せた小さな信頼の証だった。

 

「ごちそうさま...」

 

立香の声が、部屋の静寂を優しく破る。騎士は残りの食事を片付けながら、この瞬間の温かさを心に刻み付けるように、少年の姿を見つめていた。

 

扉が開かれる音が、穏やかな空気を一瞬で凍らせた。イリヤが入室してくる様は、まるで冬の妖精が舞い降りてきたかのようだった。その赤い瞳には、何かを見つけた捕食者特有の輝きが宿っていた。

 

「へえ、城の警備にお料理の無断借用も含まれていたのね?」

 

イリヤの声には、子供らしい甘さと、魔術師としての冷徹さが混ざり合っていた。立香は再び体を強張らせ、騎士は静かに立香の前に立ちはだかる。その姿勢には、弱者を守り抜こうとする意志が込められていた。

 

「罪は認める。だが、後悔はしていない」

 

騎士の言葉には、揺るぎない決意が滲んでいた。イリヤは不機嫌そうに頬を膨らませ、まるで駄々をこねる子供のように足を踏み鳴らす。しかし、その仕草の裏には、底知れない危険が潜んでいた。

 

「ふーん。じゃあ、バーサーカーにお仕置きしてもらおうかなぁ?きっと楽しいショーになると思うわ」

 

その言葉には、人形遊びに興じる少女のような無邪気さと、生死を弄ぶ存在としての残虐性が同居していた。しかし、騎士は一歩も退かない。その瞳には、幾度となく死地を潜り抜けてきた者の覚悟が宿っていた。

 

「望むなら、その時は全力で応じよう。しかし、今はこの少年を守ることが俺の務めだ」

 

イリヤは、その言葉に僅かな興味を示す。彼女の赤い瞳が、まるで珍しい玩具を見るように騎士を観察していく。弱者を守ろうとするその姿勢は、彼女にとって新鮮な光景だったのかもしれない。

 

「違うの!僕がお腹空いたって言ったから...おじさんは悪くないよ!」

 

立香の声が、震えながらも部屋に響く。その声には、幼い魂の純粋な願いが込められていた。椅子に縛られた小さな体が、必死に騎士を守ろうとする。それは弱者が強者を庇うという、奇妙な光景を作り出していた。

 

「お仕置きは...僕にして。おじさんは、ただ僕が可哀想だって...」

 

その懇願に、イリヤの目が危険な光を帯びる。彼女は優雅なステップを踏むように、立香に近づいていく。その仕草には、獲物を追い詰める捕食者の優美さが感じられた。

 

「あら、そう?じゃあ、あなたをお人形さんにしてあげましょうか?」

 

イリヤの声には、甘い毒が滲んでいた。その言葉が、立香の小さな体を震えさせる。しかし、騎士の巨躯が、まるで盾のように二人の間に立ちはだかった。

 

「止めろ。子供に手を出すつもりか」

 

その声には、英雄としての威厳が込められていた。イリヤの赤い瞳が、不満そうに細められる。魔術師としての彼女は、この騎士の存在を邪魔に感じ始めていた。

 

「邪魔しないで。わたしのおもちゃなんだから」

 

その言葉に、騎士の体から冷たい殺気が漏れ出す。それは弱者を守り抜く者の、揺るぎない決意の表れだった。立香の目に、かすかな希望の光が宿る。

 

 

イリヤは威厳を保つように、背筋を伸ばしたまま部屋を後にする。その白銀の髪が、僅かに揺れながら視界から消えていく。扉が静かに閉じられる音が、重苦しい空気を残して響いた。

 

戦士は、イリヤの背中が完全に見えなくなるまで、その場を動かなかった。しかし、足音が遠ざかっていくのを確認すると、その巨躯がゆっくりとしゃがみ込む。その動作には、戦場では決して見せない優しさが滲んでいた。

 

「すまない」

 

その言葉は、単なる謝罪以上の重みを持っていた。立香を危険に晒してしまったという後悔と、十分な守りを果たせなかったという自責の念が、その二文字には込められていた。

 

「僕のせいだよ。おじさんは、優しくしてくれただけなのに...」

 

立香の声が震える。その瞳には、幼すぎる魂が背負わされた運命への、言い知れぬ悲しみが宿っていた。騎士は、静かに首を横に振る。

 

「お前は悪くない。俺がもっと慎重であるべきだった」

 

その声には、幾度となく人々の願いを叶えてきた英雄の、確かな重みが込められていた。その言葉が、立香の小さな心に温かな慰めをもたらす。窓から差し込む陽光が、二人の間に静かな光の橋を架けるかのように揺らめいていた。




もう誰がどう見てもあの人じゃないですかやだー。名前伏せる意味……( ̄▽ ̄;)
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