アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです   作:ドレッジキング

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ついに謎の男の正体判明。


第76話 時間の征服者

魔術の光が森の中で閃き、そこにルーク・ケイジの巨躯が現れた。身長198センチ、体重180キロという怪物じみた体格は、まるで人間離れした彫像のようだ。黄色のシャツは引き裂かれんばかりに筋肉を主張し、ジーンズのベルトは腰の太さに悲鳴を上げているかのようだった。

 

「ストレンジのヤツ、ちったぁマシな場所に飛ばせなかったのかよ」

 

アフリカン・アメリカンの豪傑は、周囲を見渡す。本来なら仲間たちと合流するはずだった転送が、明らかに予定地点からズレていた。その代わり、目の前には異国の城が威容を誇っている。

 

「なんだあの城は...ストレンジからそんな話は聞いてねぇぞ」

 

ルークは拳を握り締める。その腕には、ストレンジの魔術による紋様が淡く浮かんでいた。通常の格闘術では通用しないという英霊たちに対抗するため、特別な加護を施されているのだ。

 

「とにかく、キャップたちを探すしかねぇな」

 

しかし、その足は自然と城の入り口へと向かっていた。まるで何かに導かれるように、ルークの体は城へと引き寄せられていく。彼の直感が、この城に何か重要な存在がいることを告げていた。

 

破壊不能の肉体を持つヒーローは、城の正面に立つ。その表情には、これから始まる戦いへの覚悟が浮かんでいた。ストレンジの魔術による加護が、彼の体内で静かに脈動している。

 

「さーて、どんな歓迎パーティーが待ってるんだ?」

 

 

「こんな扉、マッチ棒みてぇなもんだ」

 

ルークの拳が、城の扉に打ち込まれる。破壊不能の肉体から放たれた一撃は、中世の職人が丹精込めて作り上げた扉を、まるで紙のように引き裂いていった。

 

広大なホールが、侵入者を出迎える。高い天井からは巨大なシャンデリアが吊るされ、その光が大理石の床に反射して幻想的な空間を作り出していた。壁には中世の貴族を思わせる肖像画が並び、まるでルークの侵入を冷ややかに見つめているかのようだ。

 

「派手な建物だこと。どこのお金持ちの道楽なんだ?」

 

その呟きが、荘厳な空気を震わせる。ストリートで育った男にとって、この豪奢な空間は明らかに異質なものだった。しかし、今はそんな感想に耽る時ではない。

 

「ストレンジの話じゃ、立香って子がここに囚われてるんだろ」

 

ルークの全身に、戦いの昂ぶりが走る。ストレンジから施された魔術の加護が、彼の筋肉の奥深くで脈打っている。それは、この世界の超常に対抗するための特別な力だ。

 

「待ってろよ、ガキ。必ず助け出してやる」

 

その決意と共に、ルークは階段を上り始めた。不思議なことに、彼の体は自然と進むべき方向を把握していた。まるで何かに導かれるように、巨躯が城の深部へと向かっていく。

 

豪華な装飾の施された廊下を歩みながら、ルークは周囲への警戒を怠らない。ストレンジの説明によれば、この世界には英霊と呼ばれる存在がいる。歴史上の英雄たちが、現代に召喚された戦士たちだという。

 

「お出迎えがないのは、少し気になるところだが...」

 

静寂の中、ルークの足音だけが響く。その音が城全体に鳴り渡り、確実に彼の存在を城の主に告げているはずだった。しかし、誰も現れない。それは明らかに罠のようにも思えた。

 

「まあいい。相手が出てこないなら、オレの方から探してやるまでだ」

 

ルークは拳を握り締める。その手に、魔術の紋様が淡く輝きを放つ。英霊たちとの戦いに向けた準備は、既に整っていた。

 

 

ルークは城の中を、まるで本能に導かれるように進んでいた。廊下という廊下、部屋という部屋を、迷路のように繋ぐ城の構造は、通常なら確実に迷子を生むはずのものだった。しかし、彼の体は不思議と進むべき方向を把握していた。

 

「なんだこの感覚は...まるで磁石に引き寄せられるみてぇだ」

 

その時、扉の向こうから声が漏れてくる。ルークは静かに足を止め、耳を澄ます。紫と金で縁取られた装甲を着た男の低い声と、少女の高い声が交互に響いていた。

 

「立香という子は、私の実験に必要不可欠な存在なのだ。彼の特異性が、この世界の歴史を書き換える鍵となる」

 

装甲の男の声には、狂気じみた確信が込められていた。それに対して、少女の声が不安げに応える。

 

「でも、わたしには難しい話はよく分からないわ。その子が本当にそんなに大切なの?」

 

「そうだ。お前の願い─あの男への復讐を果たすためにも、彼は重要な駒となる」

 

ルークの表情が、一瞬にして凍りつく。その声の主を、彼は知っていた。いや、知るはずのない場所で、知るはずのない声を聞いていた。

 

「何でここに...まさか、あの野郎がこの世界にいやがるのか!?」

 

思わず漏れた声を、ルークは慌てて押し殺す。しかし、彼の心の中では怒りの炎が燃え上がっていた。その男との戦いの記憶が、鮮明に蘇る。

 

「バカな...ストレンジのヤツ、こんな重要な情報を黙ってたのか」

 

装甲の男の声が、さらに続く。まるで少女を甘く諭すような、しかし底知れない野心を秘めた声だった。

 

「イリヤスフィール、お前の協力があってこそ、この計画は成功する。お互いの目的のために─」

 

ルークは拳を握り締める。ストレンジから与えられた魔術の加護が、その腕で輝きを増していた。立香を救出する任務は、予想以上に複雑な様相を帯び始めていた。

 

「そろそろ実験を...」

 

その言葉が引き金となった。ルークの意識が思考を追い越し、彼の体は既に動いていた。豪壮な扉が、まるで段ボールのように内側へ粉砕される。破片が舞い散る中、巨躯が威圧的に立ちはだかる。

 

「そこの坊主から離れろ!征服者カーン!」

 

部屋の中央に立つ装甲の男が、明らかな驚きの色を見せる。その紫と金で縁取られた装甲が、僅かに震えているのが見て取れた。

 

「まさか...ルーク・ケイジか。ストレンジめ、この男までこの世界に送り込むとは」

 

カーンの声には、想定外の事態への困惑が滲んでいた。だが、それはルークも同じだった。見知った敵が、異世界で再会を果たすなど、誰が予想できただろう。

 

「オレだって予想してねぇさ。このド派手な城で、お前みてぇな時間泥棒と会うとはな」

 

その言葉に、銀髪の少女が不満げに頬を膨らませる。その姿は、状況を理解していないかのような無邪気さを放っていた。

 

「もう!わたしの城の扉を壊すなんて、随分と乱暴な人ね。セラとリーゼリットに修理を頼まなきゃいけないじゃない」

 

イリヤの声には、まるで壊れたおもちゃを嘆くような子供らしい不満が込められていた。しかし、その瞳の奥には、何か計算づくの光が潜んでいるようにも見えた。

 

立香は混乱した様子で、その場に立ち尽くしている。ルークの腕に刻まれた魔術の紋様が、今や明確な輝きを放っていた。それは、この世界の超常に対抗するための力の証だった。

 

 

征服者カーン──その存在は、アベンジャーズにとって最も危険な敵の一人として名を轟かせていた。31世紀から来た科学者にして征服者、その知性と野心は時空を超えた脅威となってきた。紫と金で縁取られた未来的な装甲は、単なる防具以上の意味を持つ。それは、あらゆる時代の科学技術を統合した結晶であり、時間そのものを操る力を秘めていた。アベンジャーズは幾度となく、この時間を渡る征服者と対峙してきた。しかし、カーンの計略は常に予測を超えていた。彼は単なる狂気の科学者ではない。歴史を書き換え、時間軸そのものを支配しようとする野望の化身だった。

 

その知性は現代の最高峰を遥かに超え、装甲に組み込まれた武装は神話の領域に達している。時間を止め、加速させ、あるいは巻き戻す─そんな荒唐無稽な力を、彼は科学の名の下に手中に収めていた。

 

スティーブ・ロジャースでさえ、カーンとの戦いを「時間との戦い」と評した。彼の存在は、未来からの侵略者というだけでなく、歴史という概念そのものへの反逆者だった。そして今、その危険な存在が、聖杯戦争という異世界の神秘に手を伸ばそうとしている。

 

この状況下で、カーンが立香という少年に目をつけた理由は定かではない。だが、それが何らかの破壊的な実験に繋がることは、ルークの経験が警告していた。時を操る征服者が、聖杯戦争という神秘に介入する─その結末は、想像を超えた惨事となりかねない。

 

 

「科学者面してた野郎が、今度は魔法使いにでもなりたいってのかよ」

 

ルークの皮肉めいた言葉に、カーンは優雅な笑みを浮かべる。その表情には、31世紀の知性が持つ余裕が滲んでいた。

 

「君は魔術と科学を別物だと考えているのか?面白い。だが、この世界には既にその境界を突破した組織が存在している」

 

カーンの装甲が、陽光を不気味に反射する。その瞳には、新たな発見への興奮が宿っていた。

 

「南極に存在する機関は、既に両者の融合を成し遂げている。そして砂漠の地下に眠る研究所もまた然り。彼らのメカニズムを解析すれば、私の技術との統合など容易いことだ」

 

その言葉に、ルークは眉を寄せる。その表情には、明らかな警戒の色が浮かんでいた。科学と魔術の融合─それは、この征服者の手にかかれば、更なる脅威となるに違いない。

 

「脅威を倍増させたいってわけか。お前らしい考えだ」

 

イリヤは、その会話の意味を理解できないという表情で二人を見つめている。しかし、彼女の瞳の奥には、何かを企むような光が潜んでいた。

 

「魔術と科学、その境界線上にこそ、私の求める真実がある。そして、この少年こそがその鍵となる」

 

カーンがそう言って立香を見つめる瞳には、まるで実験材料を見るような冷徹さが宿っていた。

 

「要するに他所の技術のパクリってわけか。31世紀の科学者にしちゃ、ずいぶんとケチくせえ真似してんじゃねえか」

 

ルークの嘲笑に、イリヤが銀髪をなびかせながら前に出る。その小さな唇には、天使のような無邪気な笑みが浮かんでいた。

 

「ふふ、あなたのような乱暴者には、お仕置きが必要みたい。もうバーサーカーを呼んだわ」

 

その言葉と共に、城全体が震動を始める。ルークの戦闘経験が、制御不能な殺気の接近を告げていた。その脅威は、彼がこれまで対峙してきたどの敵とも異質なものだった。

 

「クソッ...!」

 

本能的に廊下へと飛び出したその瞬間、巨大な影が壁を粉砕しながら現れる。身長2メートル50を超える巨躯は、まるで小さな山が動き出したかのようだった。漆黒の肌に浮かぶ筋肉は、人知を超えた力を内包している。

 

300キロを超える体重が床を軋ませる中、バーサーカーは咆哮を上げた。その声は人のものではなく、まさに野獣のそれだった。ストレンジから与えられた魔術の加護が、ルークの体内で激しく反応する。

 

「でけえ野郎だ...これがサーヴァントってやつか」

 

戦いの予感に、ルークの体が熱を帯びる。破壊不能の肉体を持つヒーローと、神話の英雄の激突が、今まさに始まろうとしていた。

 

イリヤの銀色の笑い声が、廊下に響き渡る。それは少女のものでありながら、何か底知れない狂気を含んでいた。




南極の機関……一体何デアなんだ……?(すっとぼけ)


考えれば考えるほどカーンってFGOの世界観と親和性高いんですよね。
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