アベンジャーズが第五次聖杯戦争に介入するようです 作:ドレッジキング
キャップ達には衛宮士郎を護るという任務の関係もあり、士郎の様子を衛宮邸の外から確認する事にした。身軽なブラックウィドゥとホークアイが衛宮邸の塀の上に昇り、そこから中の様子を伺う事にした。衛宮邸には明かりが付いており、そこで士郎は凛と話しているのだろう。
「キャップ、リンがあの坊や…シロウを殺す可能性はあるか?」
「……私だとて考えたくはないが、これは聖杯戦争だからな。見た限りシロウは聖杯戦争に関しては何も知らないようだし、彼にはセイバーが付いているからリンが手を出してくる心配は無いだろう」
アーチャーを一太刀で戦闘不能へ追い込んだセイバーの戦闘力は驚嘆に値するものだった。士郎はセイバーというサーヴァントを何らかの手段で召喚し、それによて聖杯戦争の参加者になったという事だろうか?それとも士郎は以前から自分が聖杯戦争の参加者だという事を知っていたのだろうか?どちらにせよ、キャップ達の任務は士郎を護る事、彼を死なせない事だ。それからどれ位の時間が経過しただろうか衛宮邸の入り口の引き戸が開き、中から士郎、凛、黄色いレインコートを着た少女が出てくる。背丈と、コートから見える鎧を考えれば先程のセイバーだという事が分かる。ウィドゥとホークアイは素早く塀を飛び降り、物陰に隠れた。
凛は士郎とセイバーを連れて何処かに向かうようだ。キャップ、ホークアイ、ウィドゥは凛に気付かれないように尾行する事にした。
凛は士郎とセイバーを連れ、新都の方へと歩いた。冬木市を流れる未遠川にかかる巨大な冬木大橋の上を歩く凛達に気付かれないように、キャップ達3人は凛達の後方から三百メートルの位置を維持した状態で尾行を続ける。ウィドゥやホークアイは尾行に関してはプロでさえ舌を巻くレベルだが、凛は魔術師で、セイバーはサーヴァントである。魔術に関して疎いキャップ達の存在にとっくに気付いているのかもしれない。キャップ達が追跡する間にも、凛とセイバー、そして士郎は新都の街を進んでいき、新都郊外にある冬木教会へと足を運んだ。キャップ、ホークアイ、ウィドゥの3人は教会に入って行く凛達を見送るしかできなかった。
教会の柵の向こうをよく見てみると、セイバーが教会の外にいた。恐らく中に入ったのは士郎と凛なのだろう。セイバーは自分達を尾行していたキャップ達の存在に気付いているのか、しきりにキャップ達の方に視線を向けてる。
「キャップ、こりゃ完全にバレてるぜ?」
「あぁ、伊達にサーヴァントではないという事か」
キャップとホークアイはそう言いながら苦笑いを浮かべる。
「キャップ、クリント、私達の任務はシロウを護る事だけど、シロウのサーヴァントである彼女…セイバーとなら協力できるんじゃないかしら?」
「確かにそれは名案だが、当のセイバー本人が我々の存在を受け入れてくれるかどうかは分からない。魔術師でもない私達3人は聖杯戦争にはお呼びじゃないのだろう」
「キャップ、セイバーは俺達を敵視してるって訳じゃなさそうだ。セイバーはずっと俺たちの事を見ている」
「えぇ、セイバーは私たちの事を警戒しているけど、敵意は感じられないわ」
3人がそんな会話をしている間にも、セイバーはキャップ、ホークアイ、ブラックウィドゥの事をじっと見つめている。
「セイバーは我々を信用できないようだが、このまま放置しておくわけにもいかない。ここはセイバーに話だけでも聞いてもらおうか」
キャップ、ホークアイ、ウィドゥは冬木教会の敷地に入る扉を開けて中に進んでいく。教会の入り口前にはセイバーが立っており、セイバーは入って来たキャップ達を見て険しい顔をする。
「貴方達は先程の…。聖杯戦争とは無関係の貴方達はここに入るべきではありません」
セイバーは毅然とした態度でキャップ、ホークアイ、ブラックウィドゥに言う。
「我々は君と話がしたい。少しだけ時間を貰えないだろうか?セイバー」
「私はサーヴァントです。マスターの許可なく勝手に話す事はできません」
「ならばマスターの許可を得ればいいのだな」
「はい、それがマスターの意思であれば」
「分かった。ではマスターのシロウに話を聞こう」
「待てよ、キャップ。シロウの奴は今、リンと一緒に教会の中にいるだろう?俺達も入って大丈夫なのか?」
「いや、流石に聖杯戦争と関係のない私達が入れば色々と不味い事態になるだろう」
教会の中に入る事を提案したホークアイだが、キャップはそうなれば状況が悪くなると考え、教会に入るのを止めた。キャップ達は士郎と凛が教会から出てくるのを待つ事にする。セイバーはキャップ達に対する警戒心が拭えないのか、キャップ達をじっと睨んでいる。
「さっきから睨んでいるが、俺達は別にお前さんに喧嘩を売ろうと思っちゃいねぇんだぜ?」
「私に喧嘩を売るかどうかではありません。マスターでも魔術師でもない貴方達は本来この聖杯戦争に関わってはいけないんです」
セイバーの理屈は最もだが、それで引き下がるキャップ達ではない。が、セイバーは話しを続ける。
「この冬木で行われる聖杯戦争に召喚されるサーヴァントは聖杯にかける望みがあります。この私もそうですし、私は自分の願いを聖杯で叶えなければならない。私のようなサーヴァントにとっても、マスターである魔術師にとっても聖杯というのはそれだけ重要な物なんです」
ストレンジからの話によれば聖杯というのはどんな願いも叶える万能の願望機であり、聖杯を求める者は七人のサーヴァントを使役して最後の一組になるまで殺し合うという。
「それはつまり、君はその聖杯が欲しくてこの聖杯戦争に参加しているというのか?」
「そうなります。分かりましたか?聖杯戦争で勝ち抜かなければ聖杯を手に入れる事はできない。貴方達部外者の出る幕はないという事です」
「だがそれは言うなれば聖杯という万能のアイテムを勝ち取る為の"私闘"ではないのか?シロウは学校で君達サーヴァントの戦いを見ただけでランサーに命を狙われる羽目になった。君も自分の戦いを見た一般人を見かければその手に掛けるのか?」
キャップの言葉にセイバーは眉を潜める。
「何が言いたいんですか貴方は?」
「我々は人々の為に戦っている。自分達の都合で関係の無い他者を踏みにじるような輩は見過ごせないだけだ」
「…その言い方はまるで私もその『関係の無い他者を踏みにじる輩』だと言っているようにも聞こえますが?」
「違うと言うのかね?セイバー」
「……」
「セイバー、私達は君の敵になりたい訳ではない。ただ、私達は君達の争いを止める事ができればと思っている」
「貴方達は一体何を言っているのですか!?」
セイバーは声を荒げる。
「貴方達はこの聖杯戦争には関わってはいけない人間なんです!それが理解できたのなら今すぐこの場を立ち去りなさい!この戦争は魔術師とサーヴァント達の為の戦いです!」
確かにキャップ達は魔術師でもサーヴァントでも聖杯戦争の関係者でもない。だが聖杯戦争によって関係の無い市民が命を落とす事態を見過ごすわけにはいかない。
「私達は人々の為に戦うのが使命だ。たとえ相手がどんな存在であろうと、聖杯戦争による犠牲を黙って見過ごしてはおけない」
「……」
「セイバー、我々が心配しているのは聖杯戦争に巻き込まれただけの無関係な人間が死ぬのが忍びないからだ。この冬木市で起きた十年前の大火災だとて聖杯戦争によるものだという事も調べが付いているんだ」
セイバーはキャップが口にした『十年前の大火災』というワードに反応する。
「あの大火災も聖杯戦争によるもだとすれば猶更放っておくわけにはいかない。セイバー、君は聖杯戦争で関係の無い人達がどれだけ死のうが構わないのか?」
「…貴方達に何が分かるというんですか。私がどんな思いを抱いて聖杯戦争に挑む事になったかを」
「分からない。だが、私達にも守り通さねばならないものがある」
「そんなものはありません。あるのは聖杯を手に入れたいという願望だけ」
「ならば私も同じだ。私も人々を護らなければならないという使命がある」
「だったら尚の事、私の邪魔をしないでください。私は聖杯戦争に参加しなければならないんです」
「セイバー、私は君と戦いたくはない。だが、どうしてもやるというのであれば仕方がない。力ずくで止めさせて貰おう」
キャップがそう言った直後、教会の扉が開き、中から士郎と凛が出てくる。
「あ!ロジャース先生!教会まで付いてきたんですか?」
士郎はランサーから救ってくれたキャップに声を掛け、駆け寄ってくる。
「あぁ、シロウ。教会で何かされなかったか?」
「いえ、俺は大丈夫です。けど中にいる神父からは色々と言われましたよ…」
士郎は教会にいる神父から色々と聞かされたり言われたりしたようだ。が、そんな士郎とは対照的に、凛は顔を真っ赤にしながらキャップ、ホークアイ、ウィドゥを睨んでいる。
「アンタ達ね…私達の事を尾行して教会まで付いてきたの!?聖杯戦争とは関係のない部外者は引っ込んでなさいよ!!」
凛は怒鳴り声を上げる。凛は自分達の後を付けてきたキャップ達をつくづく快く思っていない様子である。
「リン、悪いが私達にもシロウを護らなければいけない任務があるんだ。君の忠告は聞けないな」
「ああもう!アンタ達が関わると聖杯戦争が滅茶苦茶になりそう!…けど…さっきは助けてくれてありがと。い、一応礼は言っておくわ…」
凛は先程、衛宮邸でセイバーの攻撃から護ってくれたキャップに礼を言う。礼を言う時の凛の表情は顔を赤らめながらキャップ達から目を逸らしている。受けた恩にはキチンと礼を言える娘のようだ。
「なんだ、クソ生意気なガキかと思えば、ちゃんとキャップに礼が言える辺り可愛い部分もあるんだな」
ホークアイがキャップに礼を言う凛をからかう。
「う、うっさいわね!別にいいじゃないの!」と言い返す凛。
「まあ、とにかく遠坂が無事でよかった。ロジャース先生が守ってくれなきゃ今頃セイバーにやられていたんだからな」
取り敢えずキャップ達は衛宮邸へと戻るべく、門を開けて教会の敷地を出て、帰り道を歩く。セイバーと凛は聖杯戦争とは無関係の部外者であるにも関わらず、首を突っ込んでくるキャップ、ホークアイ、ブラックウィドゥをジロジロと見ている。魔術師同士の戦いである冬木の聖杯戦争に介入されるのが余程気に障るらしい。一方、キャップ、ホークアイ、ブラックウィドゥは自分達の世界に現れた謎の泥のについて話し合っていた。そんな中、キャップは突然立ち止まる。
「おい、どうしたんだ?キャップ?」
キャップが立ち止まった事に気づいたホークアイはキャップに話しかける。
「クリント…、アレを見ろ…」
キャップが指さした先にソレはいた。凛、セイバー、士郎も四十メートル先にいるソレに目を奪われている。
「―――ねぇ、お話は終わり?」
幼い声が響く。四十メートル先にいる銀髪の髪の毛に雪のような白い肌をした妖精を思わせる幼い少女がいた。今は夜であるが寧ろ周囲の闇は少女の美しさを際立たせており、神秘的な雰囲気を醸し出している。そしてキャップ達は少女の後ろにいる存在にも目を奪われる。少女の後ろには二メートル半はあろうかという黒い肌をした半裸の大男がいた。
男の方は岩石を思わせる程の分厚い筋肉に覆われており、手には大きな石で出来た剣を持っている。
「―――バーサーカー」
少女と大男を見た凛はそう呟く。聖杯戦争の事についても事前に知らされていたキャップ、ホークアイ、ブラックウィドゥは直感であの大男はバーサーカーだと理解した。
「こんばんはお兄ちゃん、こうして会うのは二度目だね」
少女は士郎に対して親しげに声を掛けた。バーサーカーとは少女の後ろにいる大男の事を言うのだろう。こうして直視しているだけでもバーサーカーの持つ力を肌で感じ取れる。
「―――やば。あいつ、桁違いだ」
凛もバーサーカーの力量が分かるのか、冷や汗を流しながら言う。
「あれ?なんだ、あなたのサーヴァントはお休みなんだ。つまんないなぁ、二匹いっしょに潰してあげようって思ったのに」
少女はつまらなそうに言う。そして少女は行儀よく、この場に不釣り合いなお辞儀をした。
「はじめましてリン、私はイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンって言えば分かるでしょ?」
「―――アインツベルン」
凛はイリヤと名乗った少女の言葉を聞き、微かに動揺している。そしてイリヤは言った。
「じゃあいくね。やっちゃえ、バーサーカー」
イリヤは歌うように、背後にいる黒い巨人に命じると、その刹那バーサーカーの巨体が飛んだ。バーサーカーは四十メートル離れた場所からここまでひとっ飛びで迫ってくる。
「―――シロウ、下がって」
セイバーがそう言うと、雨合羽がほどける。バーサーカーの落下地点まで駆け抜けるセイバーと、旋風と伴って落下してくるバーサーカーは全く同時に動いたのだ。そして空気が震える。
岩塊とも呼べるバーサーカーの大剣をセイバーは見えない剣で受け止めたのだ。
「っ―――」
衝撃に足下が陥没する。しかしそれでもバーサーカーの大剣を跳ね上げる事は出来なかった。
「……すごい」
凛が思わず感嘆の声を漏らす。セイバーはバーサーカーの大剣を押し返し、距離を取った。
「――――――――」
バーサーカーは無言のまま、再び大剣を振りかざした。
「――――――――」
旋風を纏ったバーサーカーの剣の一撃を受け止めたものの、セイバーは大きく後方に吹き飛ばされた。
「セイバー!」
「大丈夫です、シロウ」
セイバーがそう言うものの、彼女の足元には亀裂が生じていた。
「どうやらあのバーサーカーの攻撃力は通常のサーヴァントを遥かに凌駕しているようですね」
セイバーは冷静に分析する。バーサーカーの攻撃は全力で受け止めなければ防ぎきれない程の暴威を秘めたものだった。
「うそ……何よアレ」
凛はその圧倒的なまでの実力差を目の当たりにして驚愕するしかなかった。地力では完全にセイバーの上を行くバーサーカー。セイバーに勝機があるとすれば、バーサーカーの隙を突いて剣の一太刀を浴びせる事であるが、今のセイバーにそんな余裕は無かった。凛のサーヴァントであるアーチャーはセイバーにやられた傷が原因で今は実体化させる事ができない。
「――なんて奴だ」
ホークアイは冷や汗を流しながら呟く。彼はセイバーとバーサーカーの戦いを見ていた。セイバーはバーサーカーの大剣を受け止めるだけで精一杯のように見える。
「……」
ブラックウィドウは沈黙したままだ。彼女はこの場にいながら何もする事ができなかった。それは凛も同じである。
「あのバーサーカーとかいう巨人、ウチのハルクじゃないと止められなさそうだぜ?」
そう、アベンジャーズが誇るハルクであればあのバーサーカーとも渡り合えるだろう。だが今はキャップ、ホークアイ、ブラックウィドゥしかいない。ランサーにも勝てないキャップ達ではセイバーを圧倒する程の力を持つバーサーカーに勝つのは不可能に近い
「……」
ブラックウィドウは何も言わずにバーサーカーを見つめていた
バーサーカーはセイバーを上回る巨体とパワーを持ちながら、スピードに関しても彼女より上だった。バーサーカーが持つ岩の巨剣はただ振り回すだけで周囲の有象無象を破壊し尽くす。
肝心のセイバーはバーサーカーの攻撃の嵐の前に防戦一方となっていた。
「くっ――」
セイバーは必死にバーサーカーの攻撃を捌くが、徐々に押され始める。
あのバーサーカーというサーヴァントには『技術』など必要無い。圧倒的なまでのパワーとスピード、それさえあれば小細工など不要である。
このままではセイバーがバーサーカーに殺されてしまう。そう思った。その時、
キャップが駆け出した。
「離れていろセイバー!ここは私が隙を作る!!」
キャップはバーサーカーに挑んで行ったのだ。
「キャップ!」
ホークアイが叫ぶものの、キャップはヴィブラニウムの盾を構えてバーサーカーに向かっていく。
「■―――ッ!?」
バーサーカーは突然現れたキャップに驚きつつも大剣を振り下ろす
「うおおぉっ!」
キャップはその一撃を受け止めようとするが、その威力に圧倒されてしまう。
「ぐあっ!」
キャップの体は地面を転がりながらもバーサーカーの猛攻を耐える。
「くぅ……なんてパワーだ」
キャップの持つヴィブラニウムの盾はバーサーカーの一撃をも防いだが、バーサーカーの攻撃によってキャップの身体は吹き飛ばされてしまったのだ。キャップはどうにか起き上がり、体勢を立て直すと、ヴィブラニウムの盾をフリスビーのようにバーサーカー目掛けて投擲する。しかし、ヴィブラニウムのシールドを投げたところでバーサーカーにダメージを与える事はできない。
バーサーカーは飛んできたシールドを叩き落そうとするが、次の瞬間バーサーカーの頭上から何かが降ってきた事に気付く。
「■――ッ!?」
セイバーだ。セイバーはキャップが作ってくれた隙を見逃さず、バーサーカーの頭上まで飛び上がり、見えない剣をバーサーカー目掛けて振り下ろした。
「はああぁっ!」
セイバーの振り下ろされた不可視の剣はバーサーカーの胸を切り裂いたが、バーサーカーはセイバーの攻撃を受けて尚、大剣を振り回す。
「■■■■■■ッ!!!」
「くっ!」
「セイバー!」
バーサーカーの一撃を受けたセイバーはそのまま地面へと叩きつけられる。圧倒的過ぎる。セイバーの剣の一撃を受けて、身体に傷こそ負ったものの、バーサーカーの勢いは止まるどころかさらに加速する。このままだとセイバーが殺られてしまう。しかしホークアイは起爆装置のギミックを矢の先端に装着すると、その矢をバーサーカー目掛けて放った。
「喰らえ!」
ホークアイの放つ矢は真っ直ぐにバーサーカーに向かっていく。
「■■ッ!」
そして矢はバーサーカーの身体に直撃し、爆発したものの、ただの爆弾の矢が神秘の塊であるサーヴァントに通用する筈も無かった。
「■■■■■■ッ!!」
バーサーカーは爆煙の中から飛び出してくる。
「くっ――」
キャップはヴィブラニウムの盾を構えてバーサーカーに立ち向かおうとするが、そこへ士郎がキャップの前に立ち塞がった。
「離れるんだシロウ!君まで巻き添えになってしまう!」
「俺は…貴方に命を救われたんだ…!だから今度は俺が貴方の命を救う番だ…!」
士郎はキャップを庇うかのようにバーサーカーの前に立つ。しかしバーサーカーは止まる気配はない。
――――――――――殺される。
士郎はそう思った。その時だった。夜の住宅街に幼い少女の悲鳴が響いたのは。
「キャァァァァァァア!!」
悲鳴がした方を見てみると、そこには右腕が切断され、切断面から出てくる血を左手で止めているイリヤが地面に倒れて痛みに悶えている姿があった。そんなイリヤの姿を見たバーサーカーは動揺している様子だ。
「■■■―ッ!?」
バーサーカーは急いで倒れているイリヤに駆け寄る。イリヤは切断された右腕を抑えながら涙を流していた。
「痛いよ…助けて…バーサーカー…!わたしの……腕……!」
その時、バーサーカーは涙目で痛みに苦しむイリヤを身体で覆い隠した。キャップや士郎は何をしているのかと思ったが、遥か遠くから閃光を伴った光弾がイリヤを庇うバーサーカーに炸裂したのだ。
バーサーカーは謎の攻撃からイリヤを守っているのだ。
「■■■■■■ッ!!」
バーサーカーは雄叫びを上げる。バーサーカーは何度も、何度でも、その攻撃に耐え続けた。
「■■ッ!!」
バーサーカーは攻撃を受け続ける度に、その身に傷を負っていく。バーサーカーはイリヤを守る為なら、自分の身がどうなってもいいと言うかのようにイリヤを庇い続けていた。
――――――何故イリヤの右腕が切断されていたのか。その謎は今から数分前に遡る
考えてみればバーサーカーってヴェノムやカーネイジより強いんじゃないかと思ったり。ちなみにマーベル世界にもハーキュリーズ(ヘラクレス)がいて、彼もアベンジャーズのメンバーなんですよねぇ。