生きる目的を探す男とVault101のアイツ   作:ソーヤー麺

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dead or alive
1話 キャピタル・ウェイストランド


 

 

2277年、9月26日。午後14時22分。

 

焚き火を囲う様にして、酒を手にした2人の男が話し込んでいた。一人の男は汚れ過ぎて元が白だと信じられないシャツを着て、オリーブ色のカーゴパンツを履いた陽気そうな男。もう一人の男はレザーアーマーに金属プレート補強を施した特製アーマーを着た、屈強そうな無表情の男だ。

 

「なぁアンタ知ってるか?全ての人間、いや生物と言った方が良いんだろうか?

全ての生物には、悪意をその内に隠す性質があるんだってよ。

所で話は変わるが、200年前は人を殺すと罪に問われたらしい。

今じゃあり得ねぇ話だよな?

だってよ、この世界、誰かを殺さないと自分が生きていけねぇんだもんな」

 

「…このクソ暑い中で良くそんなつまんねぇ話が出来るな。つまり何が言いたい?」

 

「つまり俺が言いたい事はだな…あれだよ。内に秘めた悪意を、今の世界じゃ隠す必要が無くなった。だから自分の欲求を満たす為に人を殺す奴もいると思うんだよ、俺はさ」

 

「…自己満足の為に人間を殺すヤツ?ハッ、そんなもん右向いても左向いても四方八方にいやがるぜ」   

 

「だよな?こんな世の中、マトモな奴なんかいやしねぇ。その辺を少しばかり歩いただけでレイダー共に捌かれて食われちまう」

 

「ああ、そうだな…」

 

「ホント、俺も明日には死んじまってるかもなぁ…」

 

「……人間、何時死ぬか判らねぇからな」

 

 

 

「ハハ、まぁ…お前は今死ぬんだけどな?」

 

 

 

「……………何だと?」

 

「ハハハッー!!そのバックパックの中身全部置いて行きなー!!」

 

ードンッ!

 

「ハ…アッ…?アー……」

 

ードサッ…

 

「……はぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2277年、9月…今日が何日だったか忘れた。まぁそんなとある日の茹だる様な暑い陽射しの午後。俺は今、1人の男の短い生涯を終わらせた。何て事は無い。こんな事、何時もの事だ。俺はある廃墟でスカベンジングを終え、隠れ蓑に帰る道中だった。神経を張り巡らせ、慎重に動いているとさっき殺した男が生温いウィスキーを携え、俺に声を掛けながら近付いて来た時から何となくこうなる事は予想していた。出来る限りフレンドリーに、無害を装い獲物に近付く。このイカれた世界では良く使われる常套手段の1つだ。だから俺は奴が声を掛けて来た時から、1度たりとも銃のグリップを離して無い。お陰で奴が俺の頭に銃を向け、ブッ放す前に、俺が奴の頭をぶち抜いてやる事が出来たと言う訳だ。

 

「…ダメだぜ、此処はウェイストランドだ。意味は判るだろう。ボウヤ?」

 

奴が携えていたウィスキーの瓶を手に取り、奴の頭の上でその瓶を傾けると、中身の液体は奴の半分になった顔面に溢れ落ちる。これが死に往くクソッタレへのせめてもの餞だ。あの世でたっぷりとウィスキーを味わいなクソッタレ。

 

「さて……おっと…ボウヤにコレはもう必要無いだろう?ありがたく使わせて貰うぜ」

 

拓けた荒野のキャンプで銃何かブッ放せば、発砲音を聞き付けてレイダーやら奴隷商人、緑色の化け物がアホみたいに湧いて来やがる。だからその前に奴の所持品を漁る。アイツらは本当に何処からでも湧いて来やがるから堪った物じゃない。おっ、クソッタレの割には中々の数のキャップを溜め込んでやがる。銃弾も…うん、まぁ上々だな。

 

結局今回の戦利品は、.38口径弾8発と10mm弾5発にバレルが熱で曲がった壊れ掛けの10mmピストル1挺。状態が割りと良い38口径ピストルとグレネード3つ、スティムパック2個、サイコ1つ、5.56mm弾60発。あとはキャップが…338個。そんじょそこらのレイダー相手にも苦戦しそうな心もと無い手持ちだ。まぁどうせ他の人間を襲って奪った物だろうがな、コイツもその辺のレイダーと大して変わらん。

 

俺は奴から頂いた戦利品を背に負った大きなバックパックに詰める。そして同じバックパックからきれいな水を1本取り出し、一口だけ飲む。

これまた生温いが贅沢は言えない。と言うか冷たい水を最後に飲んだのは何時だったか…ああ、飲んだ事も無かったか。

 

水が入った薄汚いペットボトルのキャップをしっかりと閉め、そのペットボトルを今日得た糧と共にバックパックへと無理矢理詰め込む。重さは30㎏、かなりの大きさに膨れ上がったバックパックを背負い、腰のホルスターにぶら下がった愛銃のグリップを撫でながら、俺は隠れ蓑にしているスプリングベール小学校近くの小屋へと向かう。何者にも侵入されてないと良いが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……恐れていた事が現実になった。最悪だ。あれから特に危機に見舞われる事も無く、小屋の近くまで戻れたのは幸いだった。だが戻った小屋には既に先客が居て、その先客が複数人。極めつけは全員が銃で武装している。クソ、あのレイダー共…

恐らくあのアホ共はスプリングベール小学校からやって来ているに違いない。あの場所はレイダーの根城になっているからだ。だが何故だ?この小屋は小学校の真後ろ。更には少し距離を置いて岩影に隠れた、言わば死角に位置する完璧な隠れ家だったはずだ。まぁ良い、今は俺の小屋を奪還する事を考えないと。あの小屋には今まで貯めた食料や水が……奴等に飲み食いされて無いことを祈るしか無いな。

 

「出来る限り静かに殺るか…銃声で他のレイダーが集まって来やがったら厄介な事になる」 

 

背負っていたバックパックを地面に降ろし、愛銃の.44マグナムの残弾を確認する。廃墟でグールに相手に2発、さっきのアホに1発撃ったから残りは3発。対するレイダーは小屋の周囲を見張る1人と…中に何人居るかが問題だな。やっぱりナイフで殺るか。

 

ホルスターにマグナムを押し込み、左側のホルスターにぶら下がったサバイバルナイフを手に取る。姿勢を出来る限り低くし、足音を抑えながら俺はレイダーへと忍び寄った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小屋の周辺を見張るレイダーの男は油断していた。何時でも撃てる様に調整され、装填された弾の数もマガジン丸1本分だ。そんな最高の状態のアサルトライフルを自身は手にしている。それを考えただけでレイダーの男の心には余裕が出来ていた、そして油断も。だからだろうか、彼の背後にレザーアーマー姿の大きな影が忍び寄るのに気が付かなかったのは。

 

「…………」

 

ーサッ…

 

「…あ?」

 

ーガバッ!

 

「っ!?」

 

忍び寄る者の腕が、レイダーの男の首と口許に絡み付く。言葉を封じ、動きを封じる動きの流れは素早く、慣れが見受けられた。

 

ーザクッ

 

「~~!!??」

 

男の首筋に、ナイフが突き立てられた。気管と頸動脈を分断する様にナイフを横にスライドさせると…

 

ーザクッ…ザクッ……ブシュッ…シュゥゥ…

 

「ぐっ…!っ…ふ…~…っ!……」

 

暫くビクビクと痙攣していた男の体は、見事に血抜きがされた死体へと変貌した。レザーアーマー姿の男はナイフを抜き、音を立て無い様にゆっくりと死体を寝かせてから室内を覗く。

 

 

 

「そしたら女が言ったんだ。お願いします!この子だけはぁ~!ってよ!ギャハハハ!」

 

「ギャハハハ!!モチロン殺ったんだよな!?」

 

「ああ、女もガキもヤってから拷問して殺して食っちまったよ。久しぶりに新鮮な肉を食ったぜ」

 

「羨ましいこった。お!水がたんまりあるぜぇ!酒もヤクもだぁ!!」

 

「最高だぜぇ!全部頂いたちまおうぜぇ!ギャハハハ!」

 

 

 

(話の内容はどうでも良いが…酒だけは死守しねぇと)

 

相手は2人。正面から入って直ぐの場所と奥にもう1人。両方手元に銃は無かった。余裕だな。

 

レザーアーマー姿の男は、自らが隠れ家としている小屋の扉の前に立つ。そして右手にナイフを持ち、右足に力を込めると勢い良く扉を蹴り開けた。

 

ードンッ!!

 

「ッ!?」

 

一番初めに驚いたのは扉付近で酒を漁っていたレイダーだ。いきなり開いた扉の方を見ると、向こうからナイフを振りかぶった大男が立っていたからだ。

 

ーザクッ!!

 

「あ…か……イヤだ…ぁ…」

 

脳天にナイフを突き立てられたレイダーは鼻と口から血を流し、そのまま崩れ落ちた。

 

「なっ、なんだぁ!?」

 

もう1人、奥で食料を漁っていたレイダーが驚く。いきなり扉を蹴破り、現れた男が仲間を無惨に殺害したからだ。咄嗟に腰のホルスターに手を伸ばすが、そこにあるはずの物が無い。そう、彼の10mmピストルはテーブルの上に無造作に置かれたままだったのだ。

それに気付いたレイダーの男は、冷や汗を滝の様に流す。何故ならテーブルは入り口の近く。即ちレザーアーマー姿の男の後ろに置かれているからだ。

そこで初めてレイダーの男は気付く。命乞いをするべきだと。

 

「た、頼むッ!今すぐ出て行くから命だけは…」

 

ーゴッ!

 

「ギャアッ!?」

 

ーガシャーンッ!

 

レイダーの男が懇願していると、レザーアーマー姿の男がレイダーの男を殴り付けた。パンチを受けたレイダーの男は勢い良く吹き飛び、ひび割れた皿が納められた食器へと突っ込んだ。のたうち回りながら逃げようとするレイダーの男に、死体から回収したナイフを向け、ゆっくりと近付くレザーアーマー姿の男。

 

「た、たす…」

 

ードンッ!

 

「…け………て…」

 

背中から心臓に一突き。無情な攻撃はそれぞれ一撃でレイダー3人の命を奪った。そして死体もそのまま、レザーアーマー姿の男は転がったスチールの椅子を立たせ、座るとテーブルに置かれたスコッチの瓶を手に取り、一口煽ってから呟いた。

 

「…ブハァ………後片付け…メンドクセェ」

 

 

 

こうした命のやり取りを終え、彼の日中活動は終わる。これがキャピタル・ウェイストランド。殺るか殺られるかの世界なのだ。

 

 

 





書きたいから書いた、後悔はしていない。
宜しければ感想や応援をいただけたら嬉しいです。

最後に主人公の名前とS.P.E.C.I.A.Lを書いて終わります。


名前 ハイン・ブレスウェート
性別 男
人種 白人
年齢 25歳
身長 197㎝
体重 92㎏


S.P.E.C.I.A.L

Strength(筋力)10

Perception(洞察力)9

Endurance(持久力)10

Charisma(魅力)3

Intelligence(知力)8

Agility(敏捷性)9

Luck(運)2


Skill(能力)

Barter 23
物の売買に影響するスキル。

Big Guns 95
重火器の威力と射撃精度に影響するスキル。

Energy Weapons 80
熱量武器の威力と射撃精度に影響するスキル。

Explosives 75
地雷や手榴弾の威力、設置された地雷を撤去する際の難易度に影響するスキル。

Lockpick 75
鍵をピッキングする際の難易度に影響するスキル。

Medicine 65
薬品を使用した際の回復力や持続力に影響するスキル。

Melee Weapons 90
刃物や鈍器の威力に影響するスキル。 

Repair 90
CND(コンディション)の上限やカスタム武器を製造した際の完成度に影響するスキル。

Science 50
ターミナルをハッキングする際の難易度に影響するスキル。

Small Guns 100
小火器の威力と射撃精度に影響するスキル。

Sneaking 85
スニーキング時の隠密性やスリを行った際の成功率に影響するスキル。

Speech 30
NPCとの会話時に発生する、説得やスピーチチャレンジの成功率に影響するスキル。

Unarmed 100
素手やナックルダスターで攻撃した際の威力に影響するスキル。


以上です。
因みに主人公が何者か、判る人には判りますw

ではまた次回!
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