ボーダー特別独立組織   作:とて 

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すみません少し遅れました。


3話

12月18日夜、A級上位組が街の中を疾走していた。

「止まれ!」

太刀川の合図で全員止まる。その目の前には迅が立っていた。

「迅…!!」

「なるほど、そう来るか。」

三輪が強く睨み、太刀川は次の行動を考え始めた。その中、迅は飄々としていた。

「太刀川さん、久しぶり。みんなお揃いでどちらまで?」

「うおっ、迅さんじゃん。なんで?」

「よう当真、冬島さんはどうした?」

「うちの隊長は船酔いでダウンしてるよ。」

「余計なことを喋るな当真。」

迅の返答に応じる当真を風間が止める。

「こんなところでまちかまえてたってことは、俺たちの目的もわかってるわけだな。」

「うちの隊員にちょっかい出しに来たんだろ?」

迅はそのまま続ける。

「最近、うちの後輩たちはかなり良い感じだから、ジャマしないでほしいんだけど。」

「そりゃ無理だ…と言ったら?」

「その場合は仕方ない…。」

太刀川の言葉を聞き、腰の剣に手を当てる。

「実力派エリートとして、可愛い後輩を守んなきゃいけないな。」

迅の行動に三輪が構える。

「なんだ、迅いつになくやる気だな。」

「おいおいどーなってんだ?迅さんと戦う流れ?」

当真は話の流れに少し困惑していた。

「『模擬戦を除くボーダー隊員同士の戦闘を固く禁ずる』隊務規定違反で厳罰を受ける覚悟はあるんだろうな?迅。」

風間は冷静にこの後のことを伝える。

「それを言うならうちの後輩だって立派なボーダー隊員だよ。あんたらがやろうとしてることもルール違反だろ、風間さん。」

風間は迅の予想外の返答に驚いた。三輪が迅の言葉に口を開く。

「「立派なボーダー隊員」だと…!?ふざけるな!ネイバーを匿ってるだけだろうが!!」

三輪の怒号に迅はニヤけた表情を変えずに応じる。

「ネイバーを入隊させちゃダメっていうルールはない。正式な手続きで入隊した正真正銘のボーダー隊員だ。誰にも文句は言わせないよ。」

「なん…」

「いや迅、お前の後輩はまだ正式な隊員じゃないぞ。」

三輪の言葉を太刀川が遮る。

「玉狛での入隊手続きが済んでても、正式入隊日を迎えるまでは本部ではボーダー隊員と認めてない。俺たちにとってお前の後輩は1月8日まではただの野良ネイバーだ。仕留めるのにはなんの問題もないな。」

そう言いながらバックワームを解く。

「へぇ…。」

迅は少し納得したような表情をする。

「邪魔をするな迅。お前と争っても仕方がない。俺たちは任務を続行する。本部と支部のパワーバランスが崩れることを別としても、黒トリガーを持ったネイバーを野放しにされている状況はボーダーとしても許すわけにいかない。城戸司令はどんな手を使っても玉狛の黒トリガーを本部の管理下に置くだろう。玉狛が抵抗しても遅いか早いかの違いでしかない。大人しく渡した方がお互いのためだ。…それとも黒トリガーの力を使って本部と戦争をするつもりか?」

風間は未だにバックワームを解かず、説得しようとしていた。

「城戸さんの事情は色々あるだろうが、こっちにだって事情がある。あんたたちにとっては単なる黒トリガーだとしても、持ち主本人にしてみれば命より大事な物だ。別に戦争するつもりはないが、大人しく渡すわけにはいかないな。」

「あくまで抵抗を選ぶか。お前も当然知ってるだろうが、遠征部隊に選ばれるのは黒トリガーに対抗できると判断された部隊だけだ。他の連中相手ならともかく、俺たちの部隊相手にお前1人で勝てるつもりか?」

「おれはそこまで自惚れてないよ、遠征部隊の強さはよく知ってる。それに加えてA級の三輪隊、おれが黒トリガーを使ったとしてもいいとこ五分だろ。「おれ1人だったら」の話だけど。」

「なに!?」

迅の最後の言葉に風間が驚く。

「お前たちは…!?」

迅の隣に2人の軍服が降り立つ。

「よう、BSIの剛田だ。悪いけど、あんたらをボーダーの不利益と判断し拘束させてもらう。」

その姿を見て太刀川がニヤけた。

「へぇ、BSIと手を組んだのか。BSIは私利私欲のためには動けないはずだろ。」

「元帥の判断だから。大人しく捕まってね?」

芹澤はニコニコしながら答える。それに迅が続く。

「剛田たちがいれば、はっきり言ってこっちが勝つよ。おれのサイドエフェクトがそう言ってる。おれだって別に本部とケンカがしたいわけじゃない。退いてくれるとうれしいんだけどな、太刀川さん。」

「なるほど。「未来視」のサイドエフェクトか。」

太刀川は剣を抜き始める。

「ここまで本気のおまえは久々に見るな。おもしろい。おまえの予知を覆したくなった。」

その言葉と同時に全員が戦闘態勢に入る。

「やれやれ、そう言うだろうなと思ったよ。」

迅も風刃を抜き、剛田と芹澤もハンドガンを構えた。

「メテオラ!」

芹澤が太刀川たちの足元狙って撃ち込む。そのタイミングで3人は建物の上へと上がる。しかし、すぐに風間隊の3人が距離を詰める。しかしその目の前に剛田が出てくる。

「遅いぞ、3人とも!」

その声とともに菊地原に切りかかる。歌川がスコーピオンで防ごうとする。

「良いところに。」

剛田は歌川の腕をつかみ振り回して菊地原に当てた。その衝撃で菊地原は横の建物に吹っ飛んでいく。

「ぐっ…速い!?」

風間が死角から剛田に切りかかりに行く。しかし、剛田は孤月を後ろに回し防ぐ。

「お前は中々良い…がわかりやすいぞ!」

持っていた歌川を風間にぶつけ、そのまま2人を地面に叩きつけた。

「がっ…!!」

「くっ…!?」

2人が落ちたそのタイミングで出水は合成弾を構えていた。

「トマホーク!」

「乱空!」

出水のトマホークは合田に届く前に切り落とされる。

「ナイスだ、菫!」

「聖、前に出過ぎ!」

その隙に太刀川は迅を切りに行く。2人の剣が重なる。

「迅、久々だな。」

「太刀川さん、俺だけじゃないんだけど…なっ!」

その言葉とともに太刀川を蹴りあげる。

「もらったぁ!!」

剛田が孤月を振りかぶる。咄嗟に孤月2本でガードをした。

「…ふんっ!」

そのガードごと孤月で押して太刀川を叩き落とした。

「なんつーパワーだ。」

追撃を仕掛ける剛田に弾丸が当たる。その瞬間、下に引っ張られるように落ちていった。

「鉛弾か。」

三輪が続けてアステロイドを撃ち込む。しかし、突然の爆破によりそれは消される。

「一旦落ち着こう、迅さん、聖!」

「あぁ。」

3人は土煙に隠れて建物裏に隠れていった。

「纏まってると殺しきれないな。」

「しかも迅はまだ風刃を1発も撃ってない。トリオンを温存する気だ。」

「(BSIの狙撃手は来てるのか?だとしたら…)後手後手だな。」

奈良坂は現状を冷静に分析する。

「風間さん。こいつら無視して黒トリガー獲りにいっちゃだめなんですか?うちの隊だけでも。」

菊地原は止められている状態に納得いってなかった。風間は冷静に理由を説明する。

「玉狛には木崎たちがいる。ここで戦力を分散するのは危険だ。それにBSIが玉狛に待機している可能性もある。ここで戦力を分散するのは危険だ。」

「三輪、米屋と古寺はまだか?」

「もうすぐ合流します。」

三輪の返答を聞き、太刀川は次を考えている。

「BSIの2人が厄介だな。隊服を見た感じ、2人とも『弐』だったな…さてどうしようか。」

「迅に狙撃手を付けても当てることは無理だろう。しかし、あの2人に通用するかもわからない。」

風間の言葉を聞き、太刀川はまた考え込んだ。

「その通りだな。出水。」

「はいはい。」

「俺と風間隊と狙撃手3人は総攻撃で迅をやる。三輪と米屋と組んでBSIの2人を足止めしろ、迅が終わり次第向かう。」

「倒さなくていいんすか?」

「倒せれば倒せ。無理はするな。」

「…了解。」

出水は少し戸惑いつつ、太刀川の指示を飲んだ。

「玉狛とBSIが手を結んだということは総戦力では完全に我々を上回ったということだ。黒トリガーの奪取はより緊急性を増した。失敗は許されないぞ三輪。」

「わかってます、風間さん。」

 

 

迅たちは上から太刀川たちを見つつ話していた。

「今度はこっちの分断か。どうする迅。」

「別に問題ないよ。何人か剛田さんたちに担当してもらうだけでもかなり楽になる。」

「私たちを足止めするなら三輪隊かな。まぁ、何人来ても問題ないけど。」

芹澤は少し残念そうにしていた。

「太刀川とやりたかったのか?菫。」

「そりゃ、ボーダーNo.1攻撃手だよ。やりたいに決まってんじゃん。我慢するけど。迅さんがちゃんとやれば問題ないだろうし。」

「ごめんね、太刀川さんはこっちに来るよ。」

「俺たちは速攻で仕留めて良いのか?」

剛田は迅に疑問を投げかける。その言葉は負けない確信がある様だった。

「いや、止めるだけでお願いします。」

「じゃあ早く仕留めてくださいね?じゃないとイジメみたいになる。」

「ははっ、じゃあ頑張るわ。」

動いた太刀川たちを見て3人とも動き始めた。真夜中の戦闘が始まる…




次回更新は22日です
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