ボーダー特別独立組織   作:とて 

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遅れましたが、5話どうぞ。


5話

早朝、如月と羽山はBSIの入口のところで待っていた。如月が携帯を確認する。

「もう少しで到着するってよ。」

扉が開く、するとそこには軍服の男女2人がいた。その色は白、肩には壱と書かれていた。男の方が口を開く。

「ただいま戻りました、如月元帥。」

「やめてくれよ、奏斗。それよりもおかえり、2人とも。」

如月の言葉に女の方が口を開く。

「ただいま、桐、麻里奈。で、2人が御出迎えってことは会議?」

「そういうこと、察しが良いね琴葉。すまんな帰ってきて早々に。」

「気にすんな、いつものことだろ。琴葉もわかってて聞いてんだから。菫とかは?」

羽山が口をひらく。

「今回は壱のみの会議よ。」

「…ってことは会議室で話さないといけないことね。荷物置いたらすぐ行くわ。」

深瀬、柳はそれぞれの部屋へと歩いていった。如月と羽山はそのまま会議室へと向かっていった。

 

 

会議室で待っていると2人とも同じタイミングで来て着席した。如月が口を開く。

「さっきも言ったけど、琴葉と奏斗おかえり。まず2人の報告の方から聞こうか。」

「じゃあ私から報告するわ。」

そう言いながら資料を取り出す。

「今回のスカウトで入隊希望は18人。彼らの連絡先等は全て送ったから後で目通しといて。彼らは1月6日に来ることになってる。そのぐらいかな。」

「うん、予定通り入隊試験を6日に行おう。次は今回の遠征についてだ。」

全員真面目な表情になる。

「今回も目的はトリガーの回収…できれば黒トリガーを狩りに行かせる。そこでメンバーの選考をしたい。」

羽山が口を開く。

「現状、黒トリガーを単騎で狩れる実力を持っているのは弐の隊員だけです。私たち壱は例外として除いています。」

「確かに壱が出るのは非常時にしたいわね。」

深瀬の言葉に頷きながら柳が口を開く。

「単騎で狩れるって言っても単騎で当てるわけじゃないだろ?」

「まぁ単騎で当てるのはしないけど、単騎で当たるしかない状況になったときにやれる実力がなきゃ黒トリガーはとれない。」

「桐の言う通りね。弐のメンバーは今10人。そこから何人選ぶつもり?全員なんて言わないわよね?」

「3人にしようかと思ってる。」

如月は考えながら言った。全員行かせてはボーダーを抑えることはできない。そのことを分かっていての言葉だった。

「向こうにも我々の味方はいる。その中には参レベルの兵もいる。それに武瑠がいる。」

「武瑠か。武瑠はあと3ヶ月だったな。彼に指揮兼隊長をさせれば安心だな。俺はそれで良いと思うよ。」

柳は如月の言葉に賛成した。羽山と深瀬も頷く。その様子を見て如月は口を開く。

「じゃあ、選考方法を決めていこうか。」

 

会議はその後1時間、壱のメンバーのみで行われた。その間、ボーダー側の動きはなかった。

 

 

 

翌朝、弐の隊員全員が会議室に呼ばれた。部屋の奥には如月、深瀬の2人がいた。

「よく来てくれたね。まぁ座ってもらって。」

大人しく全員座る。如月が再び口を開く。

「今回呼んだのは遠征の件について。行ったことあるメンバーが大体だと思うけど、今回は10人から3人を選ぶ。」

飯田は最後の言葉に引っかかり、口を開く。

「私たちオペレーターもその候補に入るということですか?」

「うん。普段は戦闘に参加しないけど、君たちも弐の隊員だ。実力的には部隊長たちとも並ぶだろう。元々全員戦闘員やっていたわけだし、今のオペレーターも暫定でしかない。」

その言葉に部隊長たちに緊張が走る。如月の言葉の裏には部隊長との入れ替えも有り得る、という意味が含まれていることに気づいた。その様子に深瀬が気づき口を開く。

「別に今すぐ替えるとは言ってないわよ。あなたたちの実力もわかってる。でも、私たちからしたらあなた達は同じレベルだと認識してる。だから全員肩に弐の文字が入っているんでしょう?」

オペレーターたちにも緊張が走った。その肩の文字の意味を改めて感じていた。その中、月影が手を挙げる。

「ん、どうぞ。」

「どのような方法で選考するのでしょうか?」

「それそれ、ナイス零。単純だけど、戦ってもらう。最初はポジション対抗の2対2。次に1対1。そこまでやったところで6人をこちらで選ばせてもらう。そこで3対3をやってもらう。その勝利3人が遠征部隊だ。」

そう言い、机上にあるコーヒーを1口飲んだ。そして思い出したように口を開く。

「因みに、今回の遠征の結果次第では壱への昇格も有り得る。26日から30日の間に選考するから。頑張ってね、じゃ解散で。」

如月の緩い声で会議が終わった。弐の隊員たちは廊下へと出ていく。その中で天童は深瀬に近づいて行った。深瀬が気づく。

「どうしたの?向日葵。」

「選考までに1戦お願いします。時間があるときで良いので。」

深瀬は如月の方を見る。如月は黙って頷いた。

「いいわよ。あなたがどのくらい強くなったか見たいしね。」

「ありがとうございます。失礼します。」

天童は嬉しそうに部屋を出ていった。深瀬はそれを微笑んで見ていた。それを見て如月は口を開く。

「強くなってるよ向日葵は。」

「そう、それは楽しみね。私からも1つ良いかしら?」

「聞いてみてから判断するよ。」

「私はあなたと戦ってみたい。1対1でやることなんて大規模侵攻以降なかったから。」

「いいけど、それは選考が終わってからにしようか。」

「ありがと。」

如月の返事を聞き深瀬は楽しそうな表情を浮かべる。如月はそれを見て少し引いていた。

 

 

 

翌日の昼過ぎ、1番隊訓練室。芹澤と金田が向かい合っていた。芹澤が動く。

「乱空!」

「あぶねっ!」

金田はアステロイドを撃ちながら無数の斬撃を躱す。その隙に芹澤は距離を詰めていく。低姿勢から長巻を金田の頭目掛けて振り上げる。

「おっ…と?」

両手スコーピオン持ち替え、芹澤の長巻を受け流しながら後ろへ飛んで行った。

「このっ!」

離れる前に突きを放つ。それすらも受け流しながら避ける。後ろへの移動をやめ、長巻の下にしゃがむ。

「乱舞!」

「くっ…!?」

金田の舞に合わせてスコーピオンが身体中から伸び、芹澤を襲う。長巻を器用に使い、なんとか防ぎながら拳銃を構える。

「メテオラ!」

金田の足元を狙い放つ。咄嗟に気づき、爆発の中、シールドを張りながら後退していく。

「乱空!」

間髪を入れずに爆風の中に斬撃を入れる。

「乱舞!」

金田は乱舞のスコーピオンで防ぎながら両手に拳銃を構えて撃ち出す。

 

爆破が収まり、2人は少しトリオンが漏れながらも対峙していた。

「強くなってるわねあんた。」

「そりゃ同じ弐の隊員だしね。」

2人は少しニヤケながらも次の手に備えていた。

「2人とも強くなったな。」

急に聞こえた声と気配に2人とも下がって構えた。2人の視線の先には柳がいた。

「奏斗さん!」

「お久しぶりです。」

「久しぶり、2人とも元気そうだな。悪いね、特訓の邪魔して。」

柳は言葉の割には悪気は全くなさそうだった。

「いえ、そんなことないです。」

「奏斗さんは遠征の件聞いてますか?」

「そりゃ、帰ってきて早々に会議で話したから。最初はポジション対抗だろ?相手してやるよ。」

「え!?」

2人とも驚いた顔で柳を見る。

「壱に個別で戦ってほしいってやつがいたからな。差を無くすために全員に教えるっていう…まぁ、拒否したきゃしても良いぞ。」

「いえ!そんなことはないです。お願いします。」

芹澤が慌てて答えて頭を下げる。金田も続けて頭を下げる。それを見て柳はトリガーを取り出した。

「でも、2対1じゃ不公平じゃん?」

柳の言葉に2人とも首を傾げる。何を言っているかわからなかった。1対1ではもちろん勝てない、1対2でもどうなるかわからない。その相手が2対1が不公平だと言っている。2人が考えていると1人部屋に入ってきた。

「遅れてごめんなさいね、2人とも。」

「麻里奈さん!?」

「まさか…。」

「そう2対2やろうか。本気で行くよ。」

柳と羽山は笑っていた。それとは対照的に芹澤と金田は絶望の表情に近くなっていた。

 

 

同時刻、3番隊訓練室。月影と飯田の前には如月と深瀬がいた。如月が口を開く。

「さて、2対2やろう。」




次回更新は5月2日です。
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