チート持った痛(I)い奴らを俺がチートで成(S)敗する 作:憲彦
「と言うわけで、貴方には異世界転生して貰います。転生先はISの世界ですが、色々と狂ってますのでお気をつけて」
「待ちやがれこの野郎。女神を自称するヤツは漏れなく頭がクルクルパーなのか?なに唐突に言ってくれてんだ?もう少し情報をくれ」
何もない真っ白な空間。強いて言えば空気と女神を自称する不審者と、ソイツが座っているイス、ひじ掛けしかないこの空間に、学ランを着ている男が居る。
何があったかを説明すると、馬鹿馬鹿しいにも程がある話なのだが、名前を書いただけで対象を殺害できるノートを持った頭の悪いサイコ野郎が、ノートに名前を記載して殺したのがこの男。そしてそのノートをサイコ野郎に与えたのが、目の前にいる自称女神の不審者。更に言うとそのノートを持ったヤツは元々は別の世界の住人で、必要のない力を持って転生した。因みに転生させた張本人は目の前にいる。
「いやね。悪かったと思ってるよ?世界の王様になりたいとか訳わかんない事言われたからさぁ、取り合えず適当な力持たせて転生させた結果がこれだからさぁ、うんゴメンね」
「いやそれで俺の人生パーよ?どうしてくれんのよ?つかなんで閻魔様とかじゃなくてアンタが対応してるわけ?家仏教徒だから普通ここにはこないよね?」
「まぁそうなんだけどさ、本来君、死ぬ予定じゃなかったんだよね。まだ先だったんだよ。具体的には、あと70年は残ってた。そんな予定に無い死だったからさぁ、そのまんま彼の世に持っていったら手続きが面倒なんだよ。だから、残りの人生を新に過ごして貰おうと思って呼んだわけ。OK?」
「この場に銃があったならOKと言いながらアンタに向かって引き金を引いてたところだよ。なんだよその面倒な理屈は」
「仕方ないだろ?地獄も天国も容量オーバーで人手不足。そこにミスで死んだ存在が来たらパニックだわ。と言うより、職員が過労死する」
目の前の存在が本当に女神なら、一応信用できる話である。しかし聞いていて分かるように、内容が余りにも酷すぎる。こんなのが女神だと思うと胃が痛くなってきた。
「まぁ転生する理由はなんとなく分かったけど、なんでISの世界?なんで態々ラノベの世界に行くんだよ?普通の何もない世界で良いじゃん」
「そうも行かなくてね~。君が死んだのと似たような理由で死んじゃったのが沢山いて、最初は可哀想だと思って好きな世界に特典持って転生させてたんだけどさ、ISの世界への転生者が片寄っちゃってね。お陰で私の力を持ってしても監視・管理が不可能に近い状態になっちゃったの。しかも全員その世界じゃオーバースペック過ぎる特典ばっかり持っていっちゃったから、監視を辞めることができないのさ。世界崩壊しかねないからね。もう崩壊して新しい世界になっちゃったけど」
「結局はテメーの尻拭いかよ。と言うか、俺が行ったら更にチートややこしい事にならないのか?」
「なるだろうね。でも、私からしたら世界が見えないのは死活問題。だから君には、私の協力者として世界の様子を報告してほしい。難しいことはない。元々はISの世界。嫌でも学園と主人公と転生者の周辺で問題が起こる。それを報告してほしいのさ」
「……断る。以上」
真面目な顔して女神に頼まれたが、少し考えるとキッパリと断った。しつこい訪問販売員も引いてしまう程に清々しい断りかただ。
「えぇ~……普通断る?」
「だって俺にメリット無いじゃ?そんなチートばっかり持ってる連中の中に入ったって、生半可な力じゃ勝ち目無いし、そもそもチート貰っていく転生者なんて話ができる連中とは思えない。どうせアレだろ?ハーレム作りたいとかモテたいとかでISの世界に行ったんだろ?整った容姿とバカみたいな力と学力持って。半紙みたいにペラッペラの正義感とプライドで主人公を否定しかかって、尻の軽いヒドインどもを自分の物にしようとしてる様子が目に浮かぶよ。一夏くん可哀想に」
「わぁお。驚くほど合ってるから言い返せない。うん。まぁ確かに、君の言う通りだね。辛うじて最後に見れた世界の行く末が、転生者女に囲まれてウハウハ。主人公の一夏くんは辛い人生を歩むENDだったからね」
「それにさぁ、チート転生者を同じくチートでしばいて世界まともにするって小説もう読み飽きてるんだよ。ありがちすぎて第1話の段階でどこに着地するか見えてるわ。そんな小説のキャラにはなりたくないんだよ」
「えぇ~……」
恐ろしく的を射た考えを繰り返すこの男に、若干の気持ち悪さを覚えた。しかし、これだけ言えて冷静に物事が見えるのであれば、これ以上にない適任でもある。女神故に無理矢理チート持たせて転生させるのなんて造作もないのだが、そんな事をしたら協力してもらえる訳がない。駄女神でもそこら辺は理解している。
「と言う訳で、死んだ俺は通常通りに天国が地獄へ―」
「あ、そうだ!」
男の言葉を遮りながら、ポンっと手を叩いて面白いこと思い付いたと言う様な反応を見せた。
「ねぇ、ありきたりなチート転生が気に入らないんでしょ?」
「ありきたりな展開が気に入らないんだよ。まぁ大体その通りだが」
「じゃあさ、これでもかってくらいのチート、その身に付けてみない?」
「は?」
かなりありきたりな話にも思えるが、それはそれで興味をひかれる内容だ。
「だから、君をチートまみれにしてしまおうって言うわけさ。そうすればあっちで苦労することないし、私が頼んだ仕事も早く終わらせられるだろ?」
「まぁ確かにそれなら死ぬことも無さそうだな」
「よ~し!なら少し待っててくれ!すぐに特典拵えてくるからよ!」
それから十数分後、A4サイズの紙にビッシリ文字が書かれた物を女神が持ってきた。特典の内容と言う事は容易に想像できたが、余りにも多いため少し気持ち悪い。
「沢山あるけど、取り合えず今覚えてほしいのは先見の明だ」
「なんだそれ?」
「言葉の通り、これから先のことを見通すこと能力だ。と言っても、正確には見通すではなく感じ取ると言う表現の方が合っているな。所謂第六感の様な物だ。有効に活用してくれ」
「株かFXでも始めるか。他には……バカみたいな技術力にありがちな高い身体能力に学力。イメージ具現化?なんだそれ」
「単純に、君がイメージした物を具現化してくれる能力だ。まぁ100%と言う訳じゃないけどね。君の想像力が物を言うから、中途半端なイメージじゃ具現化はできない」
「成る程……他はアニメの力バッカリだな。永遠の万華鏡写輪眼に普通の写輪眼。四次元ポケット。テレポート、分身、幽体離脱、アイアンマン一式ってなに?」
「アークリアクター始め、スーツにジャービス、フライデーの事だ。ただしスーツは君が具現化して、ジャービスとフライデーは君が説明書通りにパソコンで組み上げてくれ。アークリアクターも同様ね」
「ふ~ん。スーツ以外は作れってことか。後はまぁ気になるところは無いな」
「まぁ細々したのはオマケみたいな物だからね」
「んで?転生者に関してはどうすればいいんだ?」
「別に何もする必要はないよ。取り合えず君は学園生活を楽しんでればそれで良いから。私が連絡したときに報告してくれれば良いよ。はいこれ」
「スマホ?」
「そう。スマホ。それに私から連絡行くから。あぁ、スペックは普通のと変わらないからね。あと君の親に関してだけど、名目上君は私の協力者だし、特典だらけでたぶん家は目も当てられない程になってるだろうし、居たら居たで不都合な所が多い。どうしても必要な場合は私が行くし、取り敢えずは存在してるけど、海外で働いてるって事になってる」
「了解。大体分かった」
「じゃ、よろしくね~」
主人公の名前?その内書きます。タイトルももちろん募集です。では~