チート持った痛(I)い奴らを俺がチートで成(S)敗する 作:憲彦
「成る程……確かに家は目も当てられないな」
転生後、目が覚めたのはこの世界の自宅と思われる場所。だが早速問題が発生している。場所はちょっとした林に囲まれている静かな場所。生活へのアクセスがめんどくさそうだが、道はしっかりとあるし、自転車さえあれば全く問題ない。そんな場所に建っている。
「人目に付きにくい場所で良かった……こりゃ確かに見られる訳にはいかんからな~」
見た目は普通の家だ。玄関側から見るぶんには。問題はガレージと地下、自室だ。
「アイアンマン一式とかふざけたのが入ってるから仕方ないとは言え、地下が丸ごとラボみたいになってるってのはどう言う事だよ……それに俺の部屋……」
備え付けられた棚には、女神が万が一の為にと置いていった旧式のアークリアクターと、大量の写輪眼が並べられていた。
「目が覚めて早々に視線を感じると思ったら……写輪眼棚に並べるとかどう言う神経してんだよ。人は入れられないな~」
普通の写輪眼と万華鏡、そして移植することで得られる永遠の写輪眼などと、何故こんな雑に置いてるのか聞きたくなるレベルで管理が酷い。せめて棚に鍵を付けるか何かはしてほしかった。
「一種類足りないな……神威の写輪眼あると助かるんだけどな~。……まさか自分の目にはまってるなんて事はないだろうな?」
そのまさかの可能性が頭を過り、急いで洗面所へと走っていった。鏡を覗き込むと、普通に自分の目に神威の写輪眼が収まっている。
「マジか……嘘だろ……」
転生の特典である為、リスクは無いのだがこれでは人前に出ることができない。常にカラコン入れておくかサングラスをしておく必要が出てくる。
「あ、良かった。しまったり出したりできるのか……」
ナルト本編で、本来の持ち主であるオビトですら描写されている範囲では常に出しっぱなしだった為、しまえないのかと不安になっていたのだが、いらない心配だった。
「こんな無駄な能力沢山付けやがって……今後悪巫山戯き乗るのは止めておこう」
そう言いながら、分身を出して悪趣味な部屋を片付け始めた。場所がないため、写輪眼たちは容器にいれた状態で神威の空間に入れておき、いつでも出し入れ可能にしておく。
そして人には見せられない物の数々はどうにかして目につかない場所へ移動。ガレージと地下ラボは厳重に鍵をかけて間違ってでも自分以外入れないようにする。
「なんとか普通の家になったな……取り敢えずの生活費として、銀行口座に100万か。分身その1、銀行で少し下ろしてから買い物よろしく。食材買ってきて」
「了~解」
他の分身を消して、机の上に置かれてるパソコンを開いた。インターネットで調べてみると、ISは既に世界に普及している状態だった。
「白騎士事件は起こった後なのか……事件後に第1世代である白騎士を解析し、第2世代ISを世界中が製作。現在は量産されているか……つまり第3世代開発前の段階か。少し話が出ているだけみたいだな……」
その後、ネットの至るところからISを製作している企業の情報を収集。良さげな場所の株式をいくつか買い漁ろうと画策した。
「しかし……口座に100万あるとは言え、株を買うには資金不足も良いところだな……まずはFXか。学校は分身に行かせて、しばらくは資金集め、集まった直後に株式を購入して様子を見るか。ジャービスとフライデーも作らないとな」
分厚い説明書を読みながら、その通りにプログラムを組み上げていく。
「特典のお陰でスムーズに組めてるが、こりゃ特典ありでも時間かかりそうだな。アークリアクターは……」
説明書をつかんで読んだがすぐに投げ飛ばした。正直言って今この場で作れるかどうか危うい代物だったからだ。特典のお陰で内容は理解できているが、だからと言って作りたいとか言う意欲が湧いてくる様な物でもない。説明書はジャービスとフライデーの物よりも分厚いし、行程がバカみたいに多い。今すぐに着手しようと言う気にはとてもなれなかった。
『お~い。聞こえるか~?』
「ん?あぁ女神か。なんの様だ?」
『無事に転生は済んだみたいだな。どうだ?そっちの世界は』
「全くもってふざけてるよ。部屋の棚に普通に写輪眼並べるヤツがあるか」
『済まん済まん。並べる所が無かったから取り敢えず設置したんだ。変な趣味持ってるヤツって勘違いされたか?』
「誰も家に入れてねぇから見られてねぇよ。今は資金集めとジャービス、フライデーの製作にかかってる。作るのに何ヵ月かかることやら」
『その特典ありなら半年もあればできるだろ。後、一応お前の現状を伝えておくぞ。今のお前は小学6年生だ。新年度から中1になるけどな。んで、両親は海外を飛び回ってるって状態だ。あぁ、名前は同じだから心配するな。なんか困ってることあるか?』
「別に。どうやって金を集めるか考えてるだけだ。原作に出てきた主要企業の株を買うには資金が足りないからな。FXとかで集めてからって考えてるよ」
『……お前、IS部品製造の中小企業は調べたのか?その時代なら、どの企業もIS事業をするために売り込んでるはずだ。新しく立ち上げようとしてる所もある筈なんだが?』
「それは盲点だった。だが、そもそも基本となる金が口座に入ってる分しかないなら変わらんだろ」
『お前さんがそんなに早く行動を開始するとは思ってなくてな。取り敢えず生活に困らない分を入れておけば良いと思ったんだよ。まぁ株を買うくらいの金はすぐに用意してやる。だから、今すぐ大きな利益になりそうなところを探せ。先見の明があれば容易いだろ』
「へいへい」
電話を切って調べてみると、簡単に10社程この先成長しそうな企業を見付けることができた。だが、ザッと見ただけで1000社程あったのだ。その中で大きく成長する企業が僅か10社程度と言うこの状況。凄まじい競争率と言うか、考えもなしに全員同じことをやっていると言うか、ISに便乗してやっている感が強い。
「お~い。良さげな場所見つけたぞ~」
『速いな。まぁ先見の明があれば当然か。で?何百社見付かった?その時代なら沢山あっただろ?』
「それが残念な事に、10社しかなかった。他はISの時代に便乗して取り敢えず立ち上げたって感じで、長続きしないか中途半端に成長するかのどっちかだ」
『あらら……予想以上に酷いな。まぁ兎も角、見つかったなら良かった。もう口座に金は送ったから、さっさと購入するんだ』
「もう買ったよ。お前本当に感覚どうかしてんじゃねぇの?何を考えたら口座に一気に大量の9が刻まれるんだよ」
『お陰で大量に買えただろ?んで一応伝言なんだが、取り敢えずこの世界をまともな未来へ導く方法がさっきチラッと見えた』
「どんな方法だ?」
『お前が経済的にチートになれ。取り敢えず、目先の目標は大企業の株式を大量に購入することだ。どのタイミングで売り払っても構わないが、そうだな……最低でも1つの企業の6割以上の株をお前が保有するんだ』
「アンタが俺に金を送れば良いんじゃないか?その方が速いだろ?」
『それがそうも行かない。お前にバカみたいに大量にチート付けてだろ?それで既に容量オーバーなんだ。さっき送った金が最後。もうこっちから何かを送ることはできないのさ。物資と言う意味合いでのサポートはあれが最後だ』
「そう言う重要な事は最初に言いやがれ使えねぇな」
『私、これでも君のために色々やってるよね?』
「お前の尻拭いをこっちは手伝わされてるんだ。それくらい当たり前だ」
『クソッ。お前の立場が下なら殴ってるところだ。まぁ、目先の目標は伝えた。それは必ず実行しろ。その世界がそれ以上おかしくなったら、本格的に消滅してしまう。それだけは防いでくれ』
「善処するよ。じゃあな。早くジャービスとフライデーを完成させなくちゃならないんで」
『はいはい。仕事は忘れんなよ』
そろそろ本編入るか。