チート持った痛(I)い奴らを俺がチートで成(S)敗する 作:憲彦
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分身の勝手な行動により、家にこのISと言う世界でもっとも重要な人物。と言うか主人公である織斑一夏が来てしまった。ただ、一夏は全身を酷く怪我していた。火傷のような傷まである。
(ひどい怪我だな……それにこの火傷、普通に熱を当てたって言うよりは火花の様な物を当てた方が合ってそうだな……)
「あ、あの、その……」
「あぁすまん。2階が俺の部屋だ。上がって寛いでってくれ。ゲームがテレビに突き刺さったままだから遊んでて良いぞ。救急箱もってくるから待ってろ」
自分の部屋に一夏をあげると、救急箱を取りに向かう。
「ったく。どう言う事だ?俺はまだ関わるつもりはねぇってのに……」
とは言ったものの、やはり気になる。一夏の怪我はどう考えても普通に生活をしている分には付きそうにない物ばかりだった。特にかすかに見えた火花を当てたような火傷。分身の記憶を見るからに、確実に転生者の1人による物であると考えられる。
「特典は炎を使う感じか?だとしたらあの火傷は説明が付かねぇな……」
そんなことを考えながら、救急箱や軽いツマミを用意して自分も部屋に戻っていく。部屋にいた一夏だったが、特に何かをしている訳ではなく、ただ床に座っているだけだった。
「ゲームやってろって言ったのに……」
「え?あぁ、勝手にやるのは悪いかなって思って。あと操作方法分かんなかった……」
「ん?あぁ~まぁ、無理もねぇな」
テレビにくっついてるのはスーパーファミコン。発売されたのは1990年。今の子供が知るはずがない。持ち主のこの男ですら、操作方法を忘れていた程なのだから、一夏が知らないのは仕方がない。
「後でつけてやるよ。それより服脱げ。傷の手当てしてやる」
「う、うん」
この手当てには2つほど意味がある。1つは単純な治療のため。分身が一夏を連れてきた理由は、このひどい怪我の手当てをするためだからだ。ただ、本当の理由はもう1つの方。転生者の持っている特典をハッキリさせるためだ。むしろこっちの方が理由としては大きい。女神から貰ったほぼなんでもアリなこの体と能力でも、相手の力を知らない限りは対策のしようがない。せめて本編とも言える学園に入学するまでに、せめて能力は把握しておきたいのだ。
(……エロい体してんなコイツ。どうしてくれようか)
なにもしません。この男、割りとオールマイティーである。襲いたいと言う欲求を押さえつつ、一夏が服を脱ぎ終わるのを待った。
「ほら。背中向けろ(前は目に毒だ)」
「ヒッ!?」
「こんなことで声出すな」
火傷用の薬を背中に塗っていき、塗っている時の触った感覚でその他の怪我の様子を探っていく。
(骨に異常があるな……怪我の影響か?いや。これは階段から落ちた感じだな。しかも突き落とされて)
女神が付けた膨大な知識のお陰で、割りとすぐに一夏の体の状態を理解することができた。早い話、病院に行けば真っ先に診察をした医者が事件性有りと判断するような状態だ。
「ありがとう。手当てしてくれて」
「別に。家の人に怪我の事は言ったのか?」
「いや。心配させたくないから……」
「そうか。まぁ、深くは聞かねぇよ(肌すべっすべだな~)」
骨まで行っている怪我に関しては、部分的に時間を巻き戻して怪我をする前の状態に戻し、その他の傷は跡が残らないように少し細工をする。
(医療忍術って便利だな~。流石に骨までは無理だったが。使い勝手がかなり良い。気に入った。倉庫に仙豆が大量にあったが、治療に使う必要は無さそうだな)
そんなことを考えながら、一通りの作業を終えた。そして救急箱を片付けてくると伝えて、一旦部屋から出ていく。
「さてと」
すぐに分身をもう一体作り、これからするべき事を伝える。
「これからあの怪我を負わせたヤツの所に行って、力試しと相手の能力を見てくる。その間、一夏の相手をしててくれ」
「良いのか?相手の特典はまだハッキリしてないだろ?」
「おおよその目星は付いてる。スーツを使う必要は今のところない。むしろ使わない方が戦いやすいかもしれないからな。取り敢えず、家の事は頼んだ」
「了~解」
一夏の事は分身に任せ、本体は地下ラボの入り口に置かれている独特な形をしたクナイを数本持ち、懐に忍ばせて家を出ていく。そして通っている学校の通学路へ。
「見つけたけど……分かりやすすぎるだろ。なんだよあの髪の色。日本人の癖に灰色に近いってなんだよ。つーな中学生の癖に容姿整いすぎだろ。もう少しあどけない感じが残ってても良いだろ」
ザ・転生者な見た目にツッコミと毒を入れつつ、早速準備に取り掛かった。準備と言っても、用意したクナイを2本手に持って投げるだけだ。
「ッ!?グッ!」
1本は転生者の背後。もう1本は目の前に投げ飛ばす。当然当てるためではない。このクナイには特別な仕掛けが施されており、柄に文字が書かれている。これは所謂マーキングで、これがある場所に瞬間移動することができるのだ。
「ちょっと面貸せ」
「誰―」
背後に飛ばしたクナイが転生者の後ろに来た瞬間に術で移動。言いきる前に背中に手を当てて飛んでいったもう一方のクナイの方に移動した。
「さてと。着いたぞ。で?さっきは何を言おうとしたんだ?ベタに誰だお前って言いたかったのか?」
「林の中!?この妙な力、お前転生者だな!」
「当たり前だろ。こんな珍妙な力を持ったヤツがこの世界にいるかよ」
人目に着かない林に移動。相手も混乱している感じはあるが、特典のお陰かすぐに臨戦態勢に入った。
「ヘッ!原作開始前に自分と同じ邪魔な転生者けそうって魂胆か?雑魚が考えそうな事だな。後悔させてやるぜモブ野郎!今お前の目の前にいるのはなぁ!この世界の主人公様なんだからよぉ!!」
言いきった瞬間、大爆発が起り辺りを震動させた。範囲的に考えて普通は回避できない。だが、それは普通の場合と言う話であって、この男の前で主人公の力と言うには、少々役不足と言える。
「ハッ!瞬間移動には少し驚いたが、その程度の力で俺に勝てるとでも思ってたのか!モブの分際で主人公様に喧嘩売ってんじゃねぇよ!バーカ!!」
「いや本当にビックリしたよ。まさか主人公様がこの程度だとはなぁ~。本当予想外」
「てめぇ……どうやって逃げやがった?」
「自分で考えなよ。主・人・公・様~」
顔を半分以上隠しているが、目元だけでも分かるくらいにバカにしている。それほどまでに手を抜いて良い相手だと判断したのだろう。
「なら吐かせてやるよぉ!死ねぇ!」
「バカなの?死んだら吐くもなにも無いでしょ。バカなの?ねぇバカなの?ねぇねぇねぇ」
ウザい煽りかたにイラッと来たのか、掴みかかってゼロ距離で爆発しようとした。しかし、伸ばした手は体を掴むことができず、すり抜けていった。
「お前の特典はヒロアカの爆豪の個性、爆破だな。広範囲戦闘に向いていて、破壊力も抜群。従って2つ目の特典は原作でもデメリットとして扱われていた汗腺の痛みの軽減。もしくはそれを消しているってところか?」
「テメェ……なにもんだ?」
「他人に物を尋ねるときはまず自分からって習わなかったか?なぁ、自称主人公様?」
「ハッキリ分かったぜ。テメェは面倒な存在になる。ここで殺さねぇとな」
「できる様になってから言えよ」
口許が完全にニヤけている。この戦いが楽しくなってきたからではない。圧倒的な実力差があるにも関わらず、今だに自分が勝てると思っているその滑稽な姿に笑っているのだ。だから、ちょっといたずらをした。
「死ねぇ!!!」
最初に撃った物とは比べ物にならないほどの爆発。それが辺り一体を包み込み吹き飛ばした……なんて事は起きなかった。
「ッ!?なんで!?」
「いやぁ~本当なんでだろうね~。上手く行ってたらここら辺が吹き飛んで、俺に傷くらいは負わせられたかも知れないのにねぇ~。主人公様の力ってそんなものなの~?ガッカリなんだけどぉ~」
何度も個性を発動させて爆発を起こそうとするが、全くできない。小さい爆発ですら出てきた瞬間に湿気った花火の様にすぐに消えてしまう。やったことは簡単。単純に出てきた爆破を神威で異空間に飛ばしていたからだ。当然やっている本人である為、仕掛けは知っているのだが、ウザいくらいに煽ってくる。それに焦ってか何度も個性を発動させようとするのだが、その度に飛ばして無力化している。
「もう飽きたから眠っていいぞ。螺旋丸」
螺旋丸(手抜き)を胸に押し付けて、意識を刈り取った。正直言って期待外れな感じが大きい為、不完全燃焼気味だ。とは言え、自身についているチート能力の数々。それを考えれば当然の過程と結果なのかもしれない。
「正体感付かれても面倒だし、記憶消しとくか」
目蓋を少し上げて、写輪眼で覗き込んだ。たったこれだけのことだが、コイツの頭の中からは戦いの記憶が綺麗さっぱり無くなった。
「この林、蚊がよく出るんだよな~。紫外線ライトでも置いて蚊を誘き寄せよ~。蚊の皆さん。ここに美味しい血がありますよ~」
誰も聞いていない中、そんなことを言いながらライトを設置。目が覚めたときに大変な事になっているのは確実だ。
初戦闘です。では次回会いましょう。
次回もお楽しみに!感想や評価、お気に入り登録と活動報告もよろしくお願いします!!
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