チート持った痛(I)い奴らを俺がチートで成(S)敗する 作:憲彦
タイトルは現在募集中です。活動報告の方にお願いします。踏み台共のチートも合わせて募集しています。
「部屋は確保できたぞ。ただ立入り禁止の場所が当然ある。そこに入らないように気を付けてくれ」
「分かってるよ。ガレージは?」
「ちゃんと確保してある。工具も使えるようにして貰ったから、いつでも整備できるぞ。立入り禁止の場所以外は基本的に自由に使って貰って構わないそうだ。玲衣の事を軍内部とは言え、明かしてしまった事への謝罪だそうだ」
「それは助かる。クレジットカードしか持ってないから使えることを祈るばかりだが。早速ガレージに行って整備でも開始しよう」
千冬とそんな会話をしながら廊下を歩いていると、何かが自分にぶつかった感じがした。だが周りを見回してもなにもなかった。
「なにかにぶっかったか?」
「おい……!ぶつかっておいてその反応はなんだ?」
「ん……あぁ済まん。見えなかっ……千冬、何故軍の基地に子供がいるんだ?」
随分と失礼な反応である。ぶつかった上での反応な為、相手はかなり不機嫌になっていく。
「コイツはラウラ・ボーデヴィッヒ。私の教え子だ。子供である事に代わりはないが、お前や一夏と同い年だぞ?」
「ふ~ん。済まなかったなチビッ子。小さくて視界に入らなかった」
「謝る気ないだろ!!それに、私は貴様の目に写らん程小さくないぞ!」
「まぁまだ成長期だろうし、身長は伸びる。気にするな」
「貴様……私の事をバカにしているだろ!!」
同い年とは言え相手は軍人。軍人相手にそんなバカな態度を取っている人は見たことがない。そんな玲衣に、千冬は頭を抱えるのであった。
その後は夜までマーク6の整備をして時間を潰していた。玲衣の感覚的に、自分の部屋に戻るまでに小さいトラブルに巻き込まれ、数日後に巨大なトラブルに巻き込まれると感じている。そのトラブルを片付けない限り、日本に帰ってもまたすぐに呼び出される可能性が大きいのだ。
「俺の平穏な生活はどこへ消えたんだろうか……」
『元から平穏のへの字も無かったと思いますが』
「ジャーヴィス、ツッコミはありがたいんだが、ここはフォローを入れてくれた方が助かる」
ジャーヴィスと会話をしながら部屋への廊下を歩いていく。すると案の定、誰かが声を荒らげて怒鳴り声を上げていた。
「全く……こうも予想通りに事が起きると、少し悲しい気持ちになるな」
顔だけを出して様子を見てみると、昼間にぶつかったラウラと千冬と一緒にやって来た一夏がいた。どうやら、ラウラが一夏に噛み付いている様だ(実際に噛み付いている訳ではない)。
「ジャーヴィス、あれどう思う?」
『会話を聞く限り、モンド・グロッソでの誘拐事件の事を責めている様ですが……あれは仕方ないとしか』
「止めるの面倒だし、回り道して帰るか」
『どのみち、ここを通らないと部屋には帰れません』
「止めるしか無いのか……」
ガックリと項垂れながら、仕方なしに一夏とラウラのいる場所に歩いていく。
「織斑一夏、私は貴様の事を絶対に認めはしない!何故貴様の様な弱者があの方の弟なのだ!それだけでも腹立たしいと言うのに、前回のモンド・グロッソでの貴様の失態……!どれ程あの方に迷惑をかけるつもりなのだ!」
「そ、そんなこと言ったって……俺だって誘拐されるつもりは無かったし、それなりに努力して……」
「努力なんぞ実らなければ意味がない!それに貴様の言う努力は、あの方に届く物なのか?」
「そ、それは……」
「はいお子ちゃま2人、そこまでな」
「またお前か……私は子供ではない!!」
さりげなくラウラが自分に食い付きそうなワードを入れて、2人の意識を自分の方向へと持ってこさせた。ストレス発散の意味もあるのは内緒だ。
「子供じゃないって否定してる時点でクソガキだよ。チビ助。一夏を否定したいならして構わん」
「え?守ってくれるんじゃないの?」
「んな訳あるか。お前ら姉弟のお陰でドイツまで飛んできたんだからな。そこまで気を使えるかよ」
「ウッ……ごめん」
「何がしたいんだ貴様は?私は今コイツと話をしているんだ!用がないなら邪魔をするな!」
「まぁ落ち着け。眼帯チビ娘。否定したいならいくらでも否定しろって言ってるだろ?ただし、否定するからにはソイツを知らなくちゃならん。お前は、一夏の努力とこれまでの生い立ちを知ってるか?まぁ俺はお前の分も含めて知らんけどな」
「お前、やはり私をバカにしてるだろ……!知らないなら貴様に説教される謂れはない!!」
「だから落ち着け、銀髪ロリッ子オッドアイ。俺が言いたいのは、否定したいなら過去を知った上で否定しろって事だ。と言うわけで、俺が知ってる範囲で一夏の過去を教えてやる。否定しないならそれからだ」
一夏の目の前だが、自分が知っている今までの一夏の過去を話始める。勿論全部ではないが、幼少から千冬と2人で生きてきたこと、家事が壊滅的にできない千冬の為に家の事と家計を回していたこと、一夏が千冬の為に料理の研究をしてきたこと、過去の虐め、助けたクラスメイトからの裏切とも言える仕打ち、そしてモンド・グロッソでの誘拐事件の事を詳しく教えてやった。
「まぁこれが俺の知る限りの一夏の過去だ。前半は千冬から聞いたことだけど。モンド・グロッソでの誘拐事件はほとんど日本政府の責任だ。千冬が国家代表を腹いせに降りたくらいだからな。専門の訓練を受けて確りとした装備をしているSPじゃなくて、民間の警備会社の安いプランで行われ、誘拐の事実を一部のアホな議員が揉み消そうとしたくらいだからな」
「え?そうなの?!」
「あぁ。どこの誰とは言わんがな。まぁ真っ先に頭に出てきたヤツで間違いないが。いつも国民の血税で行われている国会で関係ないことをワァワァ叫ぶ連中だから、分かりきっていた事なんだが……でだ、そんな中で個人的に努力を続け、周りの朴念仁・唐変木・木偶の坊・若いくせに痴呆症でも起こしてるんじゃないかと言う頭の悪いアホ共に邪魔をされながら、千冬の世話と自分の努力をしてきた一夏だが、お前から見てまだ努力が足りないか?」
「うぅ……ヒッグ…エッグ……ご、ごめんなさい……ウゥ…知らなかった……」
何故か、泣きながら一夏に謝り始めてしまった。一応筋道通した上での否定なら、むしろ推奨している玲衣なのだが、この状況に少し戸惑っている。
「えぇ~……何で泣くの?」
「ウッ……ごめん……ごめんなさい……フェェェェン!!」
「よ、よ~しよしよし。大丈夫だから、泣かないで?」
一夏は幼い子供を慰めるように、しゃがみこんで泣いているラウラの頭を撫でている。こんなことになるとは流石の玲衣も思っていなかった。だが、こんな状態でも自分のペースを崩さないのが玲衣である。
「一夏、お前にも色々と言うことがある」
「この状況で!?」
「当たり前だシンプルバカ。お前は反論するならハッキリと反論しろ。タジタジになって小声になって小さくなってるから、自分が言いたいことも言えずに、周りからは好き放題言われんだよ。そのボンヤリしたのを少しは治せ。さ~てと、もうお子様は寝る時間だ。トイレに行って寝ろよ」
「ま、また子供扱い……」
「歯もちゃんと磨けよ」
実際、玲衣のトータルの年齢は既に成人している。一夏ラウラ、千冬でさえも玲衣にとっては子供でしかない。そんなことを考えながら自分の部屋に向かっていくと、何故か廊下の角に千冬が一夏とラウラの会話を盗み聞きしていた。必然的に、自分が言ったことも聞かれていると思われる。
「玲衣君、ありがとう……1番の不安要素が今消え去ったよ」
「気持ち悪ぃから手を放せ」
「ラウラと一夏が仲良くなるかが本当に心配だったんだ……一応一夏と同い年だから、仲良くなってくれればって……でもラウラあんなんだから、不安で不安でお前が来るまで平均睡眠時間が2時間を切ってて……肩の荷が降りた気分だ……ラウラが一夏の妹に見えるのは別として」
アニメキャラかって言いたくなるような涙の流し方をしている。やはりラウラの性格が、千冬にとっては不安でしかなかったようだ。それが一瞬にして消え失せた事で一気に安心感が出てきたのか、千冬はあくびをしていた。
「まぁ悩みが解決したんなら良かったな。じゃあ俺は寝るか―」
「所で、一夏の誘拐を揉み消そうとした議員とは誰だ?締め上げに行きたいんだが?」
「身代金の拒否には触れないのかよ」
「テロリストと交渉しないのは政府として当然の対応だ。そこに食い付くつもりはない。が、揉み消しに関しては話は別だ。一体どこのバカがそんな事をしたんだ?詳しく聞かせて貰おうじゃないか」
「寝るの4時間遅れるな……」
それから数年後、一部の議員達が政治家生命を絶たれて、国民から総スカンを食らい、SNSの公式アカウントは大炎上、釈明をしようものなら更に大炎上。国民に後ろ指を指されながら生きることになったのは、また別のお話。何者かに全員がブッ飛ばされたと言うのも別のお話。
次回もお楽しみに!感想や評価、お気に入り登録と活動報告もよろしくお願いします!!
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